ワールド2017 男子FS

ワールド2017 リザルト
フィンランドヘルシンキにて開催。男子FSは、現地時間2017年4月1日(土)に行われた。
フジが男女シングルのSPとFSを生放送。前半グループはライストで、後半グループはフジの放送で見た。後日、Jスポーツの放送でも見た。
フジの解説は、荒川静香さん、実況は中村光宏アナ。Jスポーツの解説は、岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。
全員の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。
◎:何度でも見たい。
○:よかった。好き。
△:悪くない。まずまず。
×:イマイチ。
?:何とも判断が付きかねる。

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●第1グループ
1 Michael Christian MARTINEZ マイケル・クリスチャン・マルティネス(フィリピン)

  • SP順位:24,得点:69.32
  • 楽曲:Nella Fantasia by Ennio Morricone
  • プログラム:○

ジャンプの着氷の乱れが多く、GOE加点のついたジャンプが中盤の3Aだけだった。でもこれはクリムキンイーグルから、印象的なタイミングで跳ぶので、せめてこれだけでもきれいに決まってよかった。
スピンは全てレベル3。柔軟性が必要な独創的なポジションが見られるだけに、レベルの取りこぼしがもったいない。
ステップはレベル3。わたしはコレオやステップを素敵だなぁと見ていたのだが、GOEの加点がイマイチなことを考えると、ジャッジ的には評価が高くないようだ。エッジワークの問題なのかな?
つなぎにシャーロットやイーグルなど、多彩なムーブメントが盛り込まれていて、素敵なプログラムだと思う。人の心を打つ、エモーショナルな演技だった。感動した。
フリー127.47、総合196.79。

2 Jorik HENDRICKX ヨリク・ヘンドリックス(ベルギー)

  • SP順位:21,得点:73.68
  • 楽曲:
    • The Battle of Life and Death:
    • Gods and Demons by Future World Music
    • Voca Me by Libera's
  • プログラム:○

3Aは2つともきれいに降りたのだが、3Sでステップアウトし、3Lzと3F<<は転倒。スピンとステップは全てレベル4。ステップでは、荘厳な曲想を激しくドラマティックに表現していた。
彼のちょっとぬるっとした、なめらかな滑りは、唯一無二の個性ですな。
クワドがないだけに、転倒2回は痛かったが、音楽表面や滑りは、ユーロよりさらに深まって、素晴らしかったと思う。
フリー140.34、総合214.02。落胆した表情。

3 田中 刑事(日本)

  • SP順位:22,得点:73.45
  • 楽曲:Federico Fellini Movies Soundtrack Medley by Nino Rota
  • プログラム:○

4Sは2つとも大丈夫だったが、1つ目の3Aがダブルに、2つ目の3A<は転倒。連続ジャンプが2つしか入らず。スピンのレベルは4、4、4V。ステップはレベル3。楽しく踊りまくっていた。
3Aが1度も成功せず、残念だった。今季、高確率で決まってたのになぁ。でも体はよく動いていたし、スケートもよく滑っていた。
フリー148.89、総合222.34。

4 Paul FENTZ パウル・フェンツ(ドイツ)

  • SP順位:20,得点:73.89
  • 楽曲:
  • プログラム:△

おお、なつかしの煉瓦衣装(笑)。
冒頭の3Aと4T+2Tはクリーンに着氷。が、2つ目の4Tはオーバーターン。後半の3A<は転倒し、連続ジャンプにできず。終盤の3Lzがダブルに。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。スタンブルしたが、減点なし。上下の動きがもっとほしい。
演技後、満足そう。やり切った顔をしている。
成功したジャンプは、流れや幅がすばらしかった。スケーティングも上手になったと思う。今はつなぎがシンプルな感じがするので、そこを密にしつつ、ジャンプが入るようになれば、さらに高得点が望めるのではなかろうか。
フリー144.02、総合217.91。

5 Julian Zhi Jie YEE ジュリアン・ジージェイ・イー(マレーシア)

2回目の3Aは着氷が乱れたが、ジャンプのミスはここだけ。スピンは全てレベル4。CCSo4は軸がぶれ、回転がゆっくりになり、ちょいGOEマイナス。ステップはレベル3。疲れたのか、ふらつきが見られたが、最後まで全力で体を動かしていた。
フィニッシュ直前のバタフライ3連発は、場内大盛り上がりであった。
彼は膝がやわらかく使えるので、ジャンプの着氷がきれいに伸びるんだよね。
このプログラムは、彼の良さを生かしまくった名作なので、続行してもいいのではなかろうか。スタミナ切れせずに滑り切れるようになったら、さらに光り輝くと思う。見たい。
杉田さん曰く、「もうちょっとスケートが滑るようになれば、この演技がもっと生きてくる」とのこと。
フリー144.25、総合213.99で、どちらもPB更新。嬉しそう。

6 Moris KVITELASHVILI モリス・クヴィテラシヴィリ(ジョージア

  • SP順位:19,得点:76.34
  • 楽曲:
    • Sixteen Tons performed by The Platters
    • Hogfat Blues by Stan Kenton
    • I Put A Spell On You performed by Garou
  • プログラム:△

4Sで着氷が乱れたが、冒頭の3Aと4T+3T、そして後半の4Tをクリーンに着氷。2A+1Lo+3Sの予定が、サードがダブルに。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
TESカウンターが91点台。まだ第1グループなのに。すごい時代になったものだ。
いまいちこのプログラムのコンセプトが分からないんだけど、何かのストーリーを演じていることは伝わってきた。いかにもロシアっぽい謎プロである(笑)。
キスクラにエテリ先生が。メドさんと同門なんだな〜。
フリー162.90、総合239.24で、どちらもPB更新。TESは最終的に90.90。クヴィテラ嬉しそう。

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●第2グループ
7 Chafik BESSEGHIER シャフィク・ベセギエ(フランス)

  • SP順位:17,得点:78.82
  • 楽曲:
    • 300 BOF by Audio Machine
    • Tears of the Sun (soundtrack) by John Williams
    • Aeternae by Globus
  • プログラム:△

4Sは着氷が乱れた。1つ目の3Aは抜けてダブルに。後半の3T+3Tは両足着氷。他にもいくつか着氷が乱れたジャンプがあったが、最後から2つ目のジャンプを3Aに変更し、後半に3つ、連続ジャンプを入れてきた。
スピンのレベルは4、2、4。CCoSp2は、トラベリングしてしまい、GOE加点がほんの少しだけ。ステップはレベル3。体がよく動いていた。
演技後、満足そう。
杉田さんには、「滑りの美しさが感じられない」と言われていたが、今できることはきちんとやりきった演技だったのでは。怪我をする以前のキレが戻ってきたように感じる。
フリー151.31、総合230.13で、総合得点はPB更新。

8 Misha GE ミーシャ・ジーウズベキスタン

  • SP順位:16,得点:79.91
  • 楽曲:The Nutcracker by Petr I. Tchaikovski
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

全てのジャンプをクリーンに着氷。2つ目の3Lzに!がついたが、GOE減点にはならず。スピンとステップは全てレベル4。ステップは丁寧で美しい。コレオではスピードとパッションが大爆発だった。
演技後、ガッツポーズ連発!! 氷上にキス☆ 場内スタオベ&大歓声。
彼の全てが詰まっている演技だった。すばらしかった。泣けた。
コレオを見ていたら、四大陸のFSで初めて彼の演技に魅了されたことを思い出した。あの時も、終盤のコレオに度肝を抜かれたんだよね。
杉田さん曰く、「彼の今日の滑りは、フィギュアスケートの良さを十分出したプログラム」とのこと。千鶴さんも、言葉を尽くして彼の演技を称えている…(感涙)。
フリー163.54、総合243.45で、どちらもPB更新。

9 Michal BREZINA ミハル・ブレジナチェコ

  • SP順位:15,得点:80.02
  • 楽曲:
    • Once Upon A Time (remix) by Ennio Morricone:
    • Man With A Harmonica (from "Once Upon A Time In The West")
    • Cockeye's Story (from "Once Upon A Time In America")
    • Ecstasy of Gold (from "The Good, The Bad And The Ugly")
    • Main Theme (from "Once Upon A Time In America")
    • La Classe Operaia Va in Paradiso
    • The Untouchables
  • プログラム:○

千鶴さんによると、3週間前に左足首を怪我してしまったらしい。
冒頭の4S決まったー!! が、後半の3Aがダブルに。終盤、3Fで転倒。連続ジャンプが2つしか入らず、3+3も入らず。スピンとステップは全てレベル4。ステップは細かく音を取っていながら、一蹴りに伸びがある。
演技後、疲労困憊だった。
よく滑っていたし、表現もかっこよかったが、最後まで体力がもたなかったようだ。怪我の影響で、滑りこみが十分できなかったのかも。
このフリープログラムは、久々のハマりプロだったので、続行してくれないかな〜。クリーンな演技が見たい。
フリー146.24、総合226.26。

10 Deniss VASILJEVS デニス・ヴァシリエフス(ラトビア

  • SP順位:14,得点:81.73
  • 楽曲:The Four Seasons by Antonio Vivaldi, recomposed by Max Richter
  • プログラム:○

2つ目の3Aで転倒。他は全てクリーンに着氷。でも、連続ジャンプが2つしか入らず、もったいなかった。転倒した3Aに2Tをつける予定だったと思うのだが、他のジャンプにつければよかったのに。SPに引き続き、FSもスピンとステップは全てレベル4。
音のとらえ方が独創的で秀逸。スケートもよく滑っていた。杉田先生も、「ポジションや滑り、フットワーク、エレメンツの質など、素晴らしい選手。将来が楽しみ」とほめちぎっていた。
フリー157.27、総合239.00で、SP同様、FSもPB更新。得点が出て嬉しそう。

11 Brendan KERRY ブレンダン・ケリー(オーストラリア)

  • SP順位:13,得点:83.11
  • 楽曲:Pirates of the Caribbean (soundtrack) by Hans Zimmer, Klaus Badelt
  • プログラム:△

千鶴さんによると、足にトラブルを抱えているらしい。
スタートポジションでニコッと笑顔。こんなにかわいい海賊がいていいのか。
冒頭の4Tで手をついた。終盤、2Aは少し着氷がシェイキー。3Lo<はこらえた。連続ジャンプが2つしか入らず。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル3。
演技後、ガッツポーズ。演技中、何か細長いものがプラプラしているのが気になったのだが、衣装の紐がほどけてしまっていたらしい。
終盤のステップでは常のごとく疲れが見えたが、今までで一番動きが落ちなかったと思う。でもステップのところは音楽が一番盛り上がるところなので、やっぱここで一番キレのいい動きが見たいところなんだよなぁ。
フリー153.13、総合236.24で、SP同様、FSもPB更新。

12 Alexander MAJOROV アレクサンドル・マヨロフ(スウェーデン

  • SP順位:18,得点:77.23
  • 楽曲:
  • プログラム:△

冒頭、4Tの予定がダブルに。ルッツとフリップもダブルに。2A+3Tは転倒。2Tを3回跳んでしまい、最後の2Tがノーバリューに。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。丁寧にステップを踏んでいたが、スタンブルがあった。
…ジャンプで一番やってはいけない回転の抜けが…嗚呼(泣)。後半、疲れが見え、動きが明確でないところがあった。
フリー127.81、総合205.04。

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●第3グループ
13 Maxim KOVTUN マキシム・コフトゥン(ロシア)

  • SP順位:10,得点:89.38
  • 楽曲:Iron Sky by Paolo Nutini
  • プログラム:△

4Sはよかった。4Tの予定がダブルに。3Loの予定がダブルに。2Tを3つ跳んでしまい、最後の2Tがノーバリュー。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル3。一蹴りの伸びがない。
足の痛みの影響だろうが、彼にしてはスケーティングの伸びがイマイチで、動きにキレがなかった。
フリー156.46、総合245.84。

14 Alexei BYCHENKO アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル

  • SP順位:11,得点:85.28
  • 楽曲:Pagliacci by Ruggero Leoncavallo
  • プログラム:△

1つ目の4Tはステップアウト。1Tをつけたけど、足がついていたから、連続ジャンプとは見なされず。2つ目の4Tはよかった。3A+3Tは着氷が詰まり、3Aは着氷が乱れた。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。いつものキレがない。
どこか痛めているんじゃないかと心配になるほど、動きがいまひとつで、硬かった。スケートが滑っていない。
杉田さん曰く、「レベルの高いことをいろいろできるし、表現力もあるが、基本のスケーティングの部分で、滑る、伸びるところが欠けている。だから絶えず同じようなフットワークで、ぐーっとグライドするような動きがほとんどない。そういうところがPCSに影響している」とのこと。
フリー160.68、総合245.96。

15 Kevin REYNOLDS ケヴィン・レイノルズ(カナダ)

  • SP順位:2,得点:84.44
  • 楽曲:Grand Piano (soundtrack) by Victor Reyes
  • プログラム:△

<が3つ付いたが、4Sを2つ、4T2つ、3A1つ入れたプログラムを破綻なく滑り切った。彼はセカンドに3Loをつけられるのが強みですな。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
力強くガッツポーズ!! ケヴィンがこんなに感情むき出しにするの初めて見たかも。
音をよくとらえ、体を大きく動かして曲想を表現していた。ほんと、表現もスケーティングも上手になったなぁ。素晴らしいわ〜☆
杉田先生が、「よく帰ってきてくれた。彼はジュニアのころ、姿勢が悪くて、厳しいことも言ったが、ほんとに良くなった」とほめていて、すごく嬉しかった。
フリー169.40はSB、総合253.84はPB更新。

16 Mikhail KOLYADA ミハイル・コリヤダ(ロシア)

  • SP順位:7,得点:93.28
  • 楽曲:
    • La reve de la fiancee (from "La fiancee aux yeux de bois") by Jean Marc Zelwer
    • A la lune (from "La Nouba" - Cirque du Soleil)
  • プログラム:△

4Lzは転倒。4Tはよかった。1つ目の3Aの予定がシングルに。3Lz+1Lo+3Sの予定が、サードがダブルに。2Aはすぐに足をついてしまった。連続ジャンプが2つしか入らず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。エッジが引っかかって、少しバランスを崩したところがあった。
…う〜ん、けして悪い演技ではなかったのだが、いつもはもっとキレがあるような…。杉田さんも似たようなことを言っていた。でも、杉田さんは、彼を高く評価していて、「ジャンプがステップの中に組み込まれている、とても難しいプログラム。彼のスタイルは、評価されるべきだと思う。タイプはまるっきり違うが、演技の中にエレメンツがあるという、羽生くんのスタイルにやや似ている」と話していた。
フリー164.19、総合257.47は、総合得点はSB更新。

17 Jason BROWN ジェイソン・ブラウン(アメリカ)

  • SP順位:8,得点:93.10
  • 楽曲:The Scent of Love (from "The Piano") by Michael Nyman
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

4T<は転倒。3Aは2つともきれいに降りた。3Loの予定がダブルに。SPに引き続き、スピンとステップは全てレベル4。どのスピンでも、場内から歓声と拍手が沸いていた。
冒頭で口をふさぐような振付が入っているのだが、あれは口がきけないことを表しているのかな。
西岡アナが言うとおり、フィギュアスケートの美しさを体現するかのような演技だった。全ての動きが美しいのだが、特に印象に残るのが、足の動き。どうしたらこんなに美しく高く足が上がるんだろう。
杉田さんが、「来季はクワドをものにしてくるだろう」と予言していた。実現するといいなぁ☆
フリー176.47、総合269.57で、総合得点はPB更新。

18 Denis TEN デニス・テンカザフスタン

  • SP順位:9,得点:90.18
  • 楽曲:Tosca by Giacomo Puccini
  • プログラム:△

4Tは両足着氷。3Sと3A+2Tは転倒。他にも着氷の乱れがいくつかあり、連続ジャンプが2つしか入らなかった。スピンのレベルは3、4、2。ステップはレベル4。
ジャンプが…ジャンプが…嗚呼(泣)。最後の方は、着氷のとき、片足で踏ん張れないみたいだった。どこか痛めてるのかなぁ。顔色もあんまり良くないし…。
千鶴さんによると、左足首に怪我を抱えているとのこと。デニスも満身創痍だよなぁ…。毎年どこかしら痛めてるもんなぁ…(泣)。
フリー144.13、総合234.31。

第3グループが終わった時点で、総合1位はジェイソン・ブラウン(アメリカ)。

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●第4グループ
19 Yuzuru HANYU 羽生 結弦(日本)

彼が跳んだジャンプは下記の通り。
4Lo 4S 3F(ここから後半)4S+3T 4T 3A+2Tタノ 3A+1Lo+3S 3Lz
全てのジャンプをクリーンに着氷。どのジャンプも素晴らしかったが、わたしは特に3Fが印象深かった。事前に跳ぶって全然分からなかったんですよ。ほんと、振付の一部みたいだった。
スピンとステップは全てレベル4。1つ目のFCCoSp4のエッジの離し方がふわっとやさしくて曲想にぴったりだった。GOEで、ジャッジが全員+1以上を出している。
キャー!!!! とうとうノーミスきたーーーー!!!!(大興奮) TESカウンターが125点台…(口あんぐり)。
杉田さんが、「言葉がない。文句のつけようがない。完璧なプログラム。一つの流れの中で全てをこなしていくというのが彼の一番の持ち味だが、その持ち味が本当によく出せていた」と大大大絶賛。
風が吹くように、水が流れるようにプログラムが進んでいった。何か良い例えがないかずっと考えていたのだが、あれだ!「紅天女」に出てくる梅の精! ああいう、人ならざる者のようだった。風の精とか水の精みたいな。
フリー223.20はPB、総合321.59はSB更新。FSのTESは、最終的に126.12点!! FSの歴代最高得点を更新。現時点で総合1位。

20 Nathan CHEN ネイサン・チェン(アメリカ)
SP順位:6,得点:97.33

  • 楽曲:Polovtsian Dances (from "Prince Igor") by Alexander Borodin
  • プログラム:△

彼が跳んだジャンプは下記の通り。
4Lz 4F+2T 4F 4T(ここから後半)3A 4S 4T+3T 3Lz+2T+2Lo
4Lzと4Sは転倒。4Tと4T+3Tの着氷が乱れた。スピンとステップは全てレベル4。
…マジで6クワド跳んできた〜(滝汗)。2クワド転倒したけど、回転は足りている。でも、表現の方は、いつもよりなおざりだったかなぁ。終盤はスケートが滑ってなかった。
フリー193.39、総合290.72。現時点で総合2位。

21 Boyang JIN ボーヤン・ジン(中国)
SP順位:4,得点:98.64

彼が跳んだジャンプは下記の通り。
4Lz 4S 3A+1Lo+3S(ここから後半)4T+2T 4T 3Lz+3T 3A 3F
4Lzは高さと幅、流れがすばらしい。全てのジャンプをクリーンに着氷。スピンとステップは全てレベル4。前半のコレオと小芝居があざといくらいかわいらしい。振付師ローリー・ニコルの掌の上で転がされてるわ〜(笑)。
演技後、ガッツポーズ。
ここにきてSPに引き続き、FSもノーミスか〜。すごいわ〜。TESカウンターは119点台。
終盤、疲れたのか勢いが少し鈍ったように感じたけど、全体的にはスケートも滑っていたし、動きも良かった。
フリー204.94、総合303.58で、SP同様、FSもPB更新。最終的に、FSのTESは118.94。現時点で総合2位。300点チームへようこそ!!

22 Patrick CHAN パトリック・チャン(カナダ)

  • SP順位:3,得点:102.13
  • 楽曲:A Journey by Eric Radford
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

彼が跳んだジャンプは下記の通り。
4T+3T 4S 3A(ここから後半)4T 3A 3Lo 3Lz+2T 3F
冒頭の4T+3Tと4Sは素晴らしかったが、前半の3A+1Lo+3Sの予定が、ファーストで足をついてしまい、その後1Lo+2Sをつけたのだが、連続ジャンプと見なされず。後半の4Tで手をついてしまった。スピンのレベルは4、4、3。最後のCCoSp3は、回転がゆっくりになり、加点があまりもらえず。ステップはレベル4。
前半のコレオは、まるで宙に浮いているように見えた。それくらいエフォートレスでシームレスな滑り。後半のステップでは、一つ一つの音を、本当に心を込めて丁寧に丁寧に表現しているのが伝わってきて、涙が込み上げてきた。
さすがのパトちゃんも疲れてしまったのか、最後のスピンで綻びが。やっぱ、3クワド&3A2本のプログラムを滑り切るって、大変なんだなぁ。
杉田先生曰く、「スケーティングの素晴らしさは世界一」とのこと。ですよね!! ですよね!!
フリー193.03、総合295.16で、総合得点はSB更新。現時点で総合3位。

23 Shoma UNO 宇野 昌磨(日本)

  • SP順位:2,得点:104.86
  • 楽曲:
    • Buenos Aires Hora Cero by Astor Piazzolla
    • Balada para un loco by Astor Piazzolla
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

彼の跳んだジャンプは下記の通り。
4Lo 4F 3Lz(ここから後半)3A+3T 4T 4T+2T 3A+1Lo+3F 3S
3Lzは着氷が乱れ、!がついた。1つ目の4Tはオーバーターン。この2つの要素以外は、全ての要素がGOEプラス。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル4。
演技後、ガッツポーズ! TESカウンターは120点台。
連続ジャンプが3回入るかどうかドキドキハラハラしていたので、ぶじに入ってほっとした。
SPに引き続き、「超絶かっこよかった。このプログラム、めっちゃ好き!!」以上!!(笑)
フリー214.45、総合319.31で、SP同様、FSもPB更新。最終的に、FSのTESは120.03。現時点で総合2位。300点チームへようこそ!!

24 Javier FERNANDEZ ハビエル・フェルナンデス(スペイン)

彼が跳んだジャンプは下記の通り。
4T 4S+3T 3A+2T(ここから後半)4S 3A 3Lz 2F+1Lo+3S 3Lo
4S+3Tで着氷が乱れた。4Sは転倒。3F+1Lo+3Sの予定が、ファーストがダブルに。着氷も乱れた。3Loはステップアウト。スピンとステップは全てレベル4。前半のコレオは、いつもよりキレがなかったような。後半のステップは、疲れが見え、スケートが滑らなくなっていた。
演技後、疲労困憊。
股関節の怪我が影響してるのかなぁ…。3連覇のプレッシャーもあっただろうし…。
フリー192.14、総合301.19でSB更新。総合4位に決定。300点超えしても表彰台に上がれないとは…。

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◆総合順位
男子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Yuzuru HANYU JPN 321.59 5 1
  2. Shoma UNO JPN 319.31 2 2
  3. Boyang JIN CHN 303.58 4 3
  4. Javier FERNANDEZ ESP 301.19 1 6
  5. Patrick CHAN CAN 295.16 3 5
  6. Nathan CHEN USA 290.72 6 4
  7. Jason BROWN USA 269.57 8 7
  8. Mikhail KOLYADA RUS 257.47 7 9
  9. Kevin REYNOLDS CAN 253.84 12 8
  10. Alexei BYCHENKO ISR 245.96 11 12
  11. Maxim KOVTUN RUS 245.84 10 14
  12. Misha GE UZB 243.45 16 10
  13. Moris KVITELASHVILI GEO 239.24 19 11
  14. Deniss VASILJEVS LAT 239.00 14 13
  15. Brendan KERRY AUS 236.24 13 15
  16. Denis TEN KAZ 234.31 9 20
  17. Chafik BESSEGHIER FRA 230.13 17 16
  18. Michal BREZINA CZE 226.26 15 18
  19. Keiji TANAKA JPN 222.34 22 17
  20. Paul FENTZ GER 217.91 20 21
  21. Jorik HENDRICKX BEL 214.02 21 22
  22. Julian Zhi Jie YEE MAS 213.99 23 19
  23. Alexander MAJOROV SWE 205.04 18 23
  24. Michael Christian MARTINEZ PHI 196.79 24 24
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◆平昌オリンピック&ワールド2018 の出場枠

アメリカが3枠に戻せてよかった〜。そしてイスラエルが2枠獲得!! オリンピックでビチェンコさんとサモヒンの演技を見られる可能性大☆
あと、ジョージアも1枠獲得。クヴィテラは移籍したかいがありましたな! あとは出場できるよう頑張れ☆

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◆総評
結弦くんは、みごとフリーの歴代最高得点を更新して、逆転優勝!! おめでとう☆ 今季、FSでミスが出るたびに、くっやしそうな彼を見て、「いやでもピークはワールドにもってこなきゃ!! そこでノーミスすればいいんだから!!」と(心の中で勝手に)語りかけていたが、マジでワールドでやり遂げてくださいましたわ…。さすが絶対王者☆☆
総合2位は昌磨くん。初表彰台、おめでとう!! 昨季のワールドの泣き顔から一転、光り輝くような笑顔が見られて、こちらも幸せいっぱいよ☆ フリーの後、「事前に羽生選手の演技を見ていたので、どんなことをしても絶対に勝てないと思った。逆に開き直って、自分の演技をしようと思った」とコメントしたそうだが、それを聞いて、結弦くん同様、彼のメンタルも大概どうかと思うレベルで強靭だな〜と思った。トップ選手でも、なかなかそう開き直れないもの。
3位はボーヤン。2年連続の銅メダル獲得、おめでとう!! 本大会の男子シングルで、SPもFSもクリーンに演技できたのって、彼だけなんじゃないかな。すごい。すばらしい。スケーティングスキルや音楽表現もどんどん成長しているので、来季のプログラムも楽しみだ☆
4位はハビ。SP1位で追われる立場になり、逆にメンタルコントロールが難しかったのかなぁ…。GPで初めて「エルヴィス・プレスリー メドレー」を見たとき、あまりのかっこよさに打ち震えるほどだったから、ワールドで完成版が見られず、悲しい…(泣)。
5位はパトちゃん。FSで順位を落としてしまったのは残念だったが、26歳にして新しいクワドを習得できたし、苦手な3Aも高確率で成功するようになってきた。今は4Lzや4F、4Loを跳べる選手が出てきたから、あまり話題に上がらないけど、それって本当に偉大なことだと思う。
6位はネイサン。優勝候補と目されていたから、残念な結果と言えばそうなのかもしれないが、彼はまだ17歳で、これが初出場のワールドで、今季はシニアデビューかつ怪我明けのシーズンだったんだよね。飛躍っぷりがあんまりすごくてつい失念しちゃうんだけど。それを考えたら、全然残念なんかじゃなくて、すごく実り多い結果だったと思う。
7位はジェイソン。昨季は怪我でシーズン大半を休み、今季、ようやく戻ってこられたと思ったら、再び怪我を負ってしまい、かなりキツかったと思う。そんな中、「これぞフィギュアスケート☆」という演技を何度も披露してくれた。本当にどうもありがとう。来季こそは怪我なく病気なく過ごせますように。
18位のミハルは、フリーの後、会場かホテルで、彼が足首にギプスのようなものをはめている写真を見た。今季はコーチと練習拠点を変えた上に、怪我もしてしまい、大変なシーズンだったと思う。何とかオリンピックの出場枠が獲得できて、本当によかった。来季は良いコンディションで試合に臨めますように。
19位の刑事くんは、ほろ苦なワールドデビューとなってしまったが、昌磨くんだって昨季の悲しみに満ちたデビューから、今季の大躍進なわけで、刑事くんもそうなってほしい。またここに必ず戻ってくるんだぞ〜。
21位のヨリク(ベルギー)、22位のジュリアン(マレーシア)、23位のマヨロフ(スウェーデン)、24位のマルティネス(フィリピン)は、フリーに進出できたものの、残念ながら、オリンピックの出場枠は獲得できず。おそらく選手の皆さんは、もう来季に向けて、気持ちを切り替えていると思うが、ネーベルホルン(2017年9月27日〜30日)で獲得できる出場枠は6。…6か〜、6しかないのか。今から胃が痛くなりそう…(涙)。