ワールド2017 女子FS

フィンランドヘルシンキにて開催。女子FSは、現地時間2017年3月31日(金)に行われた。
フジが男女シングルのSPとFSを生放送。FSは、第3グループの本郷理華からライブで放送してくれたのだが、二晩続けて早朝近くまでライストを見ていたため、この日は睡魔に負けてしまい(苦笑)、翌日、録画していたフジの放送を見た。後日、フジのアーカイブ配信とJスポーツにて、全員の演技を見た。
フジの解説は、荒川静香さん、実況は中村光宏アナ。Jスポーツの解説は中庭健介さん、実況は赤平大さん。
特に印象に残った選手の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。
◎:何度でも見たい。
○:よかった。好き。
△:悪くない。まずまず。
×:イマイチ。
?:何とも判断が付きかねる。

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●第1グループ
1 Zijun LI ジジュン・リー(中国)

  • SP順位:20,得点:56.30
  • 楽曲:Only For Love by Tan Dun
  • プログラム:△

3F+3T<、3Lz、3Lo<、3Fで減点され、連続ジャンプが2つしか入らず。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル2。
特に大きなミスはないように見えたが、残念ながら、スケートをする喜びが伝わってこない演技だった。まぁ一時は棄権を考えたほど体調不良だったそうなので、それも仕方ないと思う。ぶじに最後まで滑り切れてよかった。
美しくゆったりとした曲想だが、終始同じようなトーンなので、淡々と滑っている印象を与えがちなんだよなぁ。表現が難しい曲だよね。
フリー103.50、総合159.80。

2 Laurine LECAVELIER ロリーヌ・ルカヴァリエ(フランス)

  • SP順位:22,得点:55.49
  • 楽曲:Grease (musical soundtrack)
  • プログラム:△

序盤は、3Lz+3T<<で転倒、3Sはステップアウトとミスが続いたが、そこから立て直し、後半のジャンプはきれいに降りていた。スピンのレベルは3、2、3。ステップはレベル2。
演技が終わった後、「あ〜疲れた〜」って顔なのが、偽らざる本音なんだろうな〜と思った(笑)。や、疲れるよねほんと。あれだけノリノリに踊りまくれば。後半、早着替えしてアップテンポになった後が、めっちゃ楽しい☆
SPでも感じたことだが、彼女はスピンが苦手なようで、FSでもレベルが取れていないし、加点もほとんどもらえていない。今は、ワールドに出場するレベルの選手ともなると、ジャンプだけでなく、スピンもステップもきっちりレベルを取り、GOE加点を稼ぐという、隙のないタイプが大半を占めるので、彼女のように、明確に穴が見える選手というのは、今時めずらしい。なんかめっちゃフランスっぽい(笑)。とても魅力的な選手なので、ぼちぼちスピンも頑張ってほしい。
フリー107.50、総合162.99。

3 Kailani CRAINE ケイラニ・クレイン(オーストラリア)

  • SP順位:19,得点:56.97
  • 楽曲:Hallelujah
  • プログラム:△

3F、3Lzeの転倒、3Lo+2Tで減点され、連続ジャンプが2つしか入らず。スピンは全てレベル4。どのスピンも回転が速く、軸がぶれず、美しい。ステップはレベル3。
終始、素敵な笑顔で滑っており、瑞々しい演技だった。フリーレッグの処理や腕の使い方などが洗練されてくると、さらに素敵なスケーターになりそう。
フリー95.97、総合152.94。

4 Angelina KUCHVALSKA アンジェリーナ・クチヴァルスカ(ラトビア

  • SP順位:21,得点:55.92
  • 楽曲:
    • O Fortuna (from "Carmina Burana") by Carl Orff
    • Ameno Dorime by Enigma/Era
    • The Mass by Era
  • プログラム:△

3F<でGOEマイナス。3S+1Lo+2Fの予定が、サードの回転が抜け、シングルに。3T+2Tの予定が、ファーストが抜けてダブルに。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル2。コレオでちょいGOEマイナス。スタンブルはなかったと思うのだが、スパイラルでスピードが落ちてしまったから、そのせいだろうか。
昨季のFSはトンデモ編曲で、何度聴いても違和感を拭えなかったのだが、今季のFSの編曲は好き☆ 迫力美人の彼女には、このドヤドヤしい曲(笑)がよく合っている。
全体的に体が重そうだったり、スケーティングが伸びなかったりする印象を受けるのだが、ステップを見ていると、やはり音をとらえる力があるなぁと感じる。成長期でジャンプやエッジワークに苦しんでいるようだが、どうかこの難しい時期を乗り越えてほしい。
フリー99.10、総合155.02。

5 Nicole SCHOTT ニコル・ショット(ドイツ)

  • SP順位:24,得点:54.83
  • 楽曲:Nocturne No. 20 by Frederic Chopin performed by Joshua Bell
  • プログラム:○

3Fの予定がダブルに。3Tの着氷の流れが止まったため、GOEマイナス。他のジャンプはきれいに降りたが、連続ジャンプが2つしか入らず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
音の緩急の表現が素晴らしく、切なく美しい弦の響きをよく表現していた。ボディームーブメントが優雅で余韻があり、つなぎやコレオのスパイラルがとっても素敵だった。
フリー106.58、総合161.41で、フリーはPB更新。

6 Anastasia GALUSTYAN アナスタシア・ガルスチャン(アルメニア

  • SP順位:23,得点:55.20
  • 楽曲:Anna Karenina (soundtrack)
  • プログラム:△

プログラムを変更。紺のワンピース衣装がシックで素敵☆
回転不足を取られやすい選手だが、今回は3T<+2A+SEQの一か所だけ。フリップは、3F+2Tにも1Fにも!がついた。スピンのレベルは4、3、3。ステップはレベル3。
ステップで、オルゴール音が使われていて、かわいくて物悲しい感じがした。彼女の雰囲気に合っていると思う。
わたしは「アンナ・カレーニナ」の映画を見たことがないし、原作の話もぼんやりとしか把握してないが、映画の場面が思い浮かぶような構成になっていて、なかなか魅力的なプログラムだと思う。完成形が見たい。
フリー98.27、総合153.47。

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●第2グループ
7 Nicole RAJICOVA ニコル・ライチョヴァー(スロバキア

  • SP順位:18,得点:57.08
  • 楽曲:Rain In Your Black Eyes by Ezio Bosso
  • プログラム:○

3Lz+2Tは、ファーストでこらえた。3Lz<<は途中で体を開いてしまった。連続ジャンプが2つしか入らず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。コレオでスピードアップしていくところの滑りが素晴らしかった。
演技後、大きくガッツポーズ!! 納得いく演技だったようだ。
フリー108.47、総合165.55。

8 Loena HENDRICKX ロエナ・ヘンドリックス(ベルギー)

  • SP順位:17,得点:57.54
  • 楽曲:Adagio performed by Sarah Brightman
  • プログラム:△

2Aの予定がシングルに。2A+2Loの予定が、セカンドがシングルに。タノをたくさん跳んでいるが、片手上げの方はいまいち美しくないような。2Aを跳ぶ前に、スピードが落ち、構えが長くなるので、アクセルが苦手なのかも。
コレオで、迫力のある力強い滑りをたっぷりと見せてくれた。
フリー115.28、総合172.82で、総合得点はPB更新。

9 Xiangning LI シャンニン・リー(中国)

  • SP順位:16,得点:58.28
  • 楽曲:Princess Mononoke by Joe Hisaishi
  • プログラム:△

3F+3T<と、3Fの着氷でバランスを崩したところでGOEマイナス。他の要素は全てGOEプラス。スピンは全てレベル4。ステップはレベル2。
一つ一つの要素を心を込めて丁寧に演じていた。四大陸→世界ジュニア→ワールドと、ハードスケジュールだったにも関わらず、一切疲れを見せず、最後まで滑り切った。体力あるんだな〜。
今のジュニア女子はスピンが上手な選手ばかりだが、その中でも彼女は特に上手で、ポジションチェンジしても軸が全くぶれないし、回転速度が加速する。ポジションもきれい。このままぜひともスピンを極めていってほしい。
フリー117.09、総合175.37で、SP同様、FSもPB更新。手で形作ったハート、再びいただきました〜☆☆ 初出場のワールドで、2本そろえてPB更新するなんて、ほんとすごいよ〜!!

10 Ivett TOTH イヴェット・トース(ハンガリー

  • SP順位:14,得点:61.00
  • 楽曲:Eleanor Rigby by The Beatles, performed by Joshua Bell
  • プログラム:○

3Loの予定がシングルに。3F<<は転倒。3Lzの予定が回れず、シングルにもならず、ノーバリュー。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
演技後、がっかりした顔になる。得点源の3Fや3Lzでミスが出ちゃったもんなぁ。
彼女にぴったりの、クールでユニークで、どこか硬質なイメージを持つプログラム。とはいえ、まだ十分に表現しきれていないように感じるので、来季も続行しないかな〜。五輪シーズンにふさわしいプログラムだと思う。
フリー99.77、総合160.77。

11 Mariah BELL マライア・ベル(アメリカ)

  • SP順位:13,得点:61.02
  • 楽曲:East of Eden by Lee Holdridge
  • プログラム:○

3F+1Lo+3Sの予定が、サードでダブルに。2Aはステップアウト。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。大きくゆったり体を動かして、丁寧に演じていたが、もそっとスピードがほしい。
キスクラでベルさんが、「めっちゃ緊張した」と言うのに対し、「そう見えなかった。よかったよ」とラファエル先生が答えていた(多分)。やっぱ緊張するよね〜。初出場だし、オリンピックの枠がかかってるし。でも緊張した中でも、自分のやるべきことをしっかりやり遂げたと思う。彼女の魅力が伝わってくる、素敵な演技だった。
フリー126.21、総合187.23。

12 三原 舞依(日本)

  • SP順位:15,得点:59.59
  • 楽曲:Cinderella by Patrick Doyle
  • プログラム:○

ジャンプは全てクリーンに着氷。全ての要素がGOEプラス。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。コレオのスパイラルはこれまで何度かぐらつきが見られたのだが、今回は全く問題なし。
演技後、場内スタオベ。わたしも心の中でスタオベ。三原さんは「キャッ」ポーズでくるくるっと回転(笑)。かわゆい☆(///)
最後のハッピーエンドに向かって、シンデレラの物語をスピードびゅんびゅんで駆け抜けていった。すごい。すばらしい。感動のあまり、途中から泣きながら見ていた。
フリー138.29、総合197.88で、フリーはPB更新。

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●第3グループ
13 Dabin CHOI ダビン・チェ(韓国)

  • SP順位:11,得点:62.66
  • 楽曲:Doctor Zhivago (soundtrack)
  • プログラム:△

全てのジャンプをきれいに降りた。全ての要素がGOEプラス。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
四大陸→冬季アジア→ワールドと、試合を重ねるごとに、ジャンプ安定感が増し、表現が深まっているように感じる。来季の母国開催の五輪出場枠に関し、プレッシャーもあるだろうに、メンタル強いなぁ。
フリー128.45、総合191.11で、SP同様、FSもPB更新。

14 本郷 理華(日本)

  • SP順位:12,得点:62.55
  • 楽曲:Reel Around the Sun (from "Riverdance") by Bill Whelan
  • プログラム:○

冒頭の3Fがダブルに。3つのジャンプに<がついた。終盤、もう一度3Fに挑戦して転倒。でもナイストライよ!! スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。リズムをよくとらえていた。
ジャンプのミスはいくつかあったが、スピンやコレオで魅せてくれた。最後まで攻める気持ちで勢いよく演じられたと思う。
フリー107.28、総合169.83。悲しそう…。泣かないで、理華ちゃん! よく頑張ったよ!

15 Elizabet TURSYNBAEVA エリザベート・トゥルシンバエワ(カザフスタン

  • SP順位:10,得点:65.48
  • 楽曲:Princess Mononoke by Joe Hisaishi
  • プログラム:○

衣装が変わった。バンクーバー五輪のとき、ヨナちゃんが着てたフリーの衣装に似てる。鮮やかなブルーの衣装。
2A+3Tの着氷でバランスを崩した。2A+2T+2Loは着氷が詰まった感じに。その2つ以外は、全ての要素でGOEプラス。スピンとステップは全てレベル4。スピンの回転が安定して速い。
前半のコレオは、抒情的な曲想をなめらかな動きで演じ、後半のステップでは、力強い、雄大な曲想をよく表現していた。今季最高のパフォーマンスだったと思う。すばらしかった。
キスクラのお母さんがめっちゃ喜んでる。陽気な人なんだな〜(笑)。トゥルちゃんはけっこうクールな印象だから、好対照だわ〜。
フリー126.51、総合191.99で、どちらもPB更新。

16 Ashley WAGNER アシュリー・ワグナーアメリカ)

  • SP順位:7,得点:69.04
  • 楽曲:Exogenesis Symphony Part III by Muse
  • プログラム:○

3Lo+1Lo+3S<でバランスを崩したのと、3F<と3LzeでGOEマイナス。スピンのレベルは4、4、3。回転速度が少しゆっくりだったかなぁ。ステップはレベル4。徐々に力強くなっていく曲想をみごとに表現していた。
全体的にジャンプの高さがなかったし、好調時と比べ、スピードが出ていなかったかも。とはいえ、荒川さんが言うとおり、目線や間の取り方がすばらしいし、音楽の表現に関しては、さすがとしか言いようがない。
フリー124.50、総合193.54。

17 Carolina KOSTNER カロリーナ・コストナー(イタリア)

  • SP順位:8,得点:66.33
  • 楽曲:Nisi Dominus (Cum Dederit) by Antonio Vivaldi
  • プログラム:◎

3T+3Tでバランスを崩した。3Lo+2Tの予定がファーストがシングルに、2A+1Lo+3Sの予定が、サードがダブルに。スピンとステップは全てレベル4。
ジャンプでいくつかミスあったが、一人違う氷の上を滑っているようだった。芸術作品としかいいようのないプログラム。彼女の美しい、ゴージャスな滑りを堪能した。
フリー130.50、総合196.83。

18 樋口 新葉(日本)

  • SP順位:9,得点:65.87
  • 楽曲:Sheherazade by Nikolai Rimski-Korsakov
  • プログラム:○

3Loはオーバーターン。後半の3Lzがダブルに。3F+2T+2Loはすぐ足をついてしまった。2A+3T<<は転倒。後半の3Lz+3Tが入らなかったので、最後の2Aに3Tをつけたんだな〜。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル4。
前半のステップでは、音の緩急のつけ方や表情が曲想にぴったりで、音の強弱もよく表現できていた。後半のコレオは、直前の2A+3Tで転倒したためか、少しスピードが落ちたように感じた。
ジャンプのミスはいくつかあったが、成功したジャンプの質は良かったし、スケートもよく滑っていた。体の張り感が素晴らしく、動きもキラキラして見えた。もうすっかりシニアのレディスケーターだなぁ。
フリー122.18、総合188.05。

第3グループが終わった時点で、総合一位は三原舞依(日本)。

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●第4グループ
19 Maria SOTSKOVA マリア・ソツコワ(ロシア)

  • SP順位:6,得点:69.76
  • 楽曲:Adagio by Alfred Schnittke
  • プログラム:△

3F+1Lo+3Sの予定が、ファーストがダブルに。3Lz<<は転倒。2A<は見た目クリーンだったのだが。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。体をとても大きく動かしているが、ぶれず、スピードの緩急で曲想を表現している。
前半はふんわりとエアリーなスケーティングで、とてもよかったのだが、後半、疲れたのか、重たく感じた。
フリー122.44、総合192.20。現時点で総合4位。

演技の合間に、グリーンルームが映るのだが、アシュリーとコストナーさんが仲良くおしゃべりしているのに対し、三原さんはどことなく緊張の面持ち。まぁ緊張するよね。わたしだってコストナーさんやアシュリーが隣にいたら、ガッチガチに固まりますよ(笑)。

20 Karen CHEN カレン・チェン(アメリカ)

  • SP順位:5,得点:69.98
  • 楽曲:Tango Jalousie by Jacob Gade
  • プログラム:△

3Lz+3Tと2A+1Lo+3Sは、ファーストの高さがすごい。3Lz<は転倒。2Aはステップアウト。スピンは全てレベル4。ポジションの転換が明確で、回転が速い。ステップはレベル2。音の緩急と強弱のつけ方が素敵☆ コレオのスパイラルは、いつ見ても何度見ても素晴らしい。
終盤のジャンプのミス2連続が残念だったが、最後までスピードびゅんびゅんに滑っていてよかった。
フリー129.31、総合199.29で、SP同様、FSもPB更新。現時点で総合1位。

21 Anna POGORILAYA アンナ・ポゴリラヤ(ロシア)

  • SP順位:4,得点:71.52
  • 楽曲:
    • Modigliani Suite by Guy Farley
    • Le Di a la Caza Alcance by Estrella Morente
    • Memorial Requiem by Michael Nyman
  • プログラム:○

3Fと2つ目の3Loは転倒。他にもジャンプに抜けや着氷の乱れがあり、連続ジャンプが2つしか入らず。スピンのレベルは4、4、2。最後のLSp2は、軸が少しぶれた。ステップはレベル4。美しく力強い。荒川さんが、「ダイナミックで正確なエッジワーク」とほめていた。
音楽に少し遅れてのフィニッシュ。演技後、悲嘆に暮れて、その場にうずくまるポゴさん(泣)。
動きや滑りはとっても良かったと思うのだが、ジャンプが絶不調に。今季、安定感を増していたポゴさんが、こんなに崩れてしまうとは…(泣)。
キスクラで泣いてるポゴさん…。美しい人は、泣き顔も美しい…。場内からは温かい拍手と歓声が。それに対し、一所懸命笑顔になろうと指で口角を持ち上げるポゴさん…。なんて素敵な人なんだろう(感涙)。
フリー111.85、総合183.37。現時点で総合10位。

22 Evgenia MEDVEDEVA エフゲーニャ・メドベージェワ(ロシア)

  • SP順位:1,得点:79.01
  • 楽曲:
    • Extremely Loud and Incredibly Close by Alexandre Desplat
    • Piano Lesson with Grandma by Alexandre Desplat
  • プログラム:○

全てのジャンプをクリーンに着氷。3Lzに!もeも付かず、3Sもタノに。全ての要素に+1以上の加点が付いている。スピンとステップは全てレベル4。ステップは、光り輝いて見えた。
今回は、余分なジャンプを跳ばず(笑)、フィニッシュも余韻をたっぷりにとって、まさにパーフェクトな演技だった。いや〜、めっちゃ満足です。大満足です。ありがとう☆
大輔くんによると、かなり緊張していて、動きが小さいところがあったそうなのだが、わたしにはまったく分からなかった。
フリー154.40、総合233.41で、どちらも歴代最高得点を更新!! 現時点で総合1位。

23 Gabrielle DALEMAN ガブリエル・デールマン(カナダ)

冒頭の3T+3Tは完璧。GOEの加点満点。3S+2Aで着氷が乱れたが、他のジャンプは全てクリーンに着氷。着氷後の流れが非常にスムーズ。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
演技後、めっちゃ喜んでる〜。
最後の3S+2Aの乱れさえなければ、パーフェクトだったのに〜。ノーミス見たかった!! でも、他は申し分のない出来栄え。スピードびゅんびゅんの中、躍動感あふれる演技を見せてくれた。
フリー141.33、総合213.52で、どちらもPB更新。現時点で総合2位、つまりメダル確定!! ギャビーが感極まって泣きそうになってる…(感涙)。

24 Kaetlyn OSMOND ケイトリン・オズモンド(カナダ)

  • SP順位:2,得点:75.98
  • 楽曲:
    • Mimi Tells Her Story (from "La Boheme - The Ballet") by G. Puccini, arranged by K. Hocking
    • Sono Andati (from "La Boheme") by Giacomo Puccini
  • プログラム:○

冒頭の3F+3Tはファーストの軸が曲がったのに、問題なく3Tをつけてクリーンに着氷。2A+3Tはバランスを崩した。3Loの予定がダブルに。スピンは全てレベル4。ちょいちょい危ないジャンプがあったものの、致命的なミスにはならず。成功したジャンプは1点以上の加点が付く出来栄え。ステップはレベル3。
踏ん張ったー!! 中盤の3Loがダブルになったところで、このまま崩れちゃったらどうしようと心配になったけど、あとは大丈夫だった。よかった〜。
終盤のステップ→コレオは、女優オズモンドの魅力炸裂☆ 喜びから悲嘆と苦悩へと変化するところが大大大好きなのだが、そこが今回はちょっと弱かったかなぁ(あくまで本人比)。でもま、それでも十分素敵な演技だった。
荒川さん曰く、「スピードの加減速を使って、音楽を表現する力が卓越している」とのこと。
フリー142.15、総合218.13で、SP同様、FSもPB更新。総合2位に決定。オズモンドさんの「オーマイガー」&輝くような笑顔いただきました〜☆

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◆総合順位
女子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Evgenia MEDVEDEVA RUS 233.41 1 1
  2. Kaetlyn OSMOND CAN 218.13 2 2
  3. Gabrielle DALEMAN CAN 213.52 3 3
  4. Karen CHEN USA 199.29 5 6
  5. Mai MIHARA JPN 197.88 15 4
  6. Carolina KOSTNER ITA 196.83 8 5
  7. Ashley WAGNER USA 193.54 7 10
  8. Maria SOTSKOVA RUS 192.20 6 11
  9. Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 191.99 10 8
  10. Dabin CHOI KOR 191.11 11 7
  11. Wakaba HIGUCHI JPN 188.05 9 12
  12. Mariah BELL USA 187.23 13 9
  13. Anna POGORILAYA RUS 183.37 4 15
  14. Xiangning LI CHN 175.37 16 13
  15. Loena HENDRICKX BEL 172.82 17 14
  16. Rika HONGO JPN 169.83 12 18
  17. Nicole RAJICOVA SVK 165.55 18 16
  18. Laurine LECAVELIER FRA 162.99 22 17
  19. Nicole SCHOTT GER 161.41 24 19
  20. Ivett TOTH HUN 160.77 14 21
  21. Zijun LI CHN 159.80 20 20
  22. Angelina KUCHVALSKA LAT 155.02 21 22
  23. Anastasia GALUSTYAN ARM 153.47 23 23
  24. Kailani CRAINE AUS 152.94 19 24
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◆平昌オリンピック&ワールド2018 の出場枠

日本は2枠に、中国は1枠に減ったが、代わりにイタリアと韓国、カザフスタンは、2枠に枠を増やした。
日本女子が五輪の出場枠3を逃すのは、2枠だった2002年ソルトレークシティー大会以来4大会ぶりとのこと。確かにそれは残念だけど、日本の練習の環境がお世辞でも良いとは言えない中、選手も関係者もものすごく頑張っている。2枠に減ったことがニュースになっているが、それが環境改善に少しでも寄与してくれればなぁと思う。

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◆総評
メドさんは、ワールド2連覇おめでとう☆ ジャンプの安定感もさることながら、スケーティングと表現面の進化が目覚ましい。この高難度構成のプログラムを、毎回ミスなく滑り切るあたり、まさに「絶対女王」と言うべき強さである。
2位のオズモンドさんと、3位のギャビーは、2009年のロシェットさん以来のカナダ女子のメダル獲得!! カナダ女子のダブル表彰台は史上初とのこと。大会前からこの2人がノーミスかもしくはそれに近い演技をすれば、表彰台も十分射程距離だとは思っていたが、この大舞台で2人ともみごとやってのけた。半世紀ぶりのオリンピック3枠獲得、おめでとう☆
4位はカレン。全米チャンピオン、オリンピックの枠がかかるワールド、しかも初出場と、プレッシャーがガンガンかかる立場だったと思うのだが、それをはねのけて、SPに引き続き、FSもPB更新する演技を披露。3枠獲得にも大きく貢献。全米王者としてしっかり務めを果たしてくれた。
5位は三原さん。SP15位→FS4位へと大きくジャンプア〜ップ!! 素晴らしい追い上げを見せてくれた。これまで数多くの試合を見てきて、SPで大きなミスをした後のFSの難しさは嫌と言うほど分かっているので、ここで気持ちを立て直し、FSでノーミス演技ができる彼女の強さに、ほんと頭が下がる思いがする。
8位のソツコワさんと13位のポゴさん、ロシア女子2人がまさかのFS失速で、順位を落としてしまった…。鬼のように強いロシア女子にもこういうことがあるんだなぁ…。ま、それでもロシア3枠は余裕で獲得。とはいえ3枠あっても全然足りないけどね!!(泣)
6位はコストナーさん。ジャンプで多少ミスがあったが、まさに「スケーティングの女神、降臨」という天上の滑りであった。眼福としか言いようがない。彼女の演技が見られる幸せに、感謝感謝である。
7位はアシュリー。2年連続表彰台とはならなかったが、彼女にしかできない、魅力的な演技を見せてくれた。SP同様、FSも良くないときのジャンプだったので、調整がうまくいかなかったか。でも、彼女の踏ん張りもあってこそのアメリカ3枠確保である。
10位のダビンは、四大陸と冬季アジアの演技を見て、「もしかしたら、もしかするかも!」と思っていたが、SPもFSもクリーンな演技を披露し、みごと2枠獲得!! 韓国のスケ連も、母国開催の平昌オリンピックに女子2人を派遣できて嬉しいだろうなぁ。今、韓国には素敵な女子選手が何人もいるもんね〜。
11位のわかば様と16位の理華ちゃんは、怪我がある中、死力を尽くしてくれた。残念ながら、笑顔で終わる演技とはならなかったが、きっとこの経験が今後の糧になるはず。オフの間にしっかり怪我を治して、来季また素敵な演技を見せてください。
ネーベルホルン(2017年9月27日〜30日)で獲得できる出場枠は6。ここ数年、成長著しい東南アジア勢がどこか獲得できたらいいなぁ。シンガポールのシュランちゃん(SP25位)とか、十分可能性あるんじゃないかしら。