世界ジュニア 男子FS

世界ジュニア2017 リザルト
台湾の台北にて開催。男子FSは、現地時間2017年3月16日(金)に行われた。

にて、フジがSPに引き続き、出場全選手の演技をライストしてくれた。ありがとう〜☆ 全員の演技について、感想を書いている。
Jスポーツの解説は岡崎真さん、実況は小林千鶴さん。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。
◎:何度でも見たい。
○:よかった。好き。
△:悪くない。まずまず。
×:イマイチ。
?:何とも判断が付きかねる。

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●第1グループ
1 Petr KOTLARIK ペトル・コトラリク(チェコ

  • SP順位:24,得点:56.66
  • 楽曲:
    • El Tango de Roxanne by Sting (from "Moulin Rouge" soundtrack)
    • Nature Boy by Eden Ahbez (from "Moulin Rouge" soundtrack)
    • El Tango de Roxanne by Sting (from "Moulin Rouge" soundtrack)
  • プログラム:△

1つ目の3Fにeが、2つ目の3Fに!がつき、着氷が少し乱れたジャンプもあったが、見た目ほぼミスのない演技だった。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル2。
最後まで全く疲れが見えず、「ムーラン・ルージュ」を演じきった。終わった後、選手本人も感極まった様子。よかったね!
フリー112.13、総合168.79で、SP同様、FSもPB更新。

2 Mark GORODNITSKY マーク・ゴロドニツキー(イスラエル

  • SP順位:22,得点:59.27
  • 楽曲:Iron Man 3 (soundtrack) by Brian Tyler
  • プログラム:△

3Loの予定がダブルになってしまったのと、2つ目の3Lzに!がつき、着氷がきれいに流れなかった以外は、ミスのない演技だった。スピンは全てレベル4。回転が速く、軸がぶれず、ポジションがきれい。ステップはレベル2。
後半、ジャンプが4つ続くところで音楽が盛り上がってくるのだが、ジャンプに集中しているのか、淡々とジャンプを跳んでいる印象で、音楽の盛り上がりがBGMと化している。とはいえジャンプを決めないことには得点が出ないし。難しいところですな。
フリー111.32、総合170.59で、SP同様、FSもPB更新。

3 Sondre ODDVOLL BOE ソンドレ・オドヴォル・ボー(ノルウェー

  • SP順位:19,得点:66.16
  • 楽曲:Bring Him Home (from "Les Miserables") by Claude-Michel Schoenberg
  • プログラム:△

ベストがきつそう。今季のうちに体が成長して、サイズが合わなくなっちゃったか。
3Fが2つともシングルになり、1つ目はeがついた。スピンのレベルは4、3、4。FCSp3の回転がゆっくりになり、GOEマイナス。ステップはレベル3。全身を大きくやわらかく使って、男性ボーカルの朗々とした歌声を表現していた。
ソフトなスケーティングが魅力の選手だが、やわらかい動きがちょっとぐにゃぐにゃに見えるところがあるので、そこに芯の強さみたいなものが備わると、さらに素敵になるんじゃないかな〜。
フリー112.82、総合178.98で、総合得点はPB更新。

4 Thomas STOLL トーマス・シュトイル(ドイツ)

あっかんべーしたデカい口が背中にデカデカと描いてある衣装。
ジャンプで転倒や回転の抜け、着氷の乱れがあり、連続ジャンプが1つしか入らなかった。スピンのレベルは4、4、2V。前2つのスピンは質が良かったのだが、最後のCCoSp2Vは軸がぶれてしまい、GOEマイナス。ステップはレベル2。
ロックなナンバーで、衣装もロックだが、姿勢がきれいで、どこか品のある滑りをする。しかもスピンが得意とくればわたしのもろタイプ☆(笑) 今回はジャンプにミスが続いてしまったけど、スピードは出ていたし、動きにキレがあったと思う。
フリー96.58、総合153.68。

5 Chih-I TSAO チーイー・ツァオ(台湾)

  • SP順位:20,得点:63.17
  • 楽曲:Adios Nonino by Astor Piazzolla
  • プログラム:○

3Aを片足で立った!!!! GOEで少しマイナスされたけど。他に2Aの転倒あり、回転の抜けや着氷がきれいに流れないジャンプがあった。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル2。直前の2Aで転倒してしまったので、ステップに入るのが遅れてしまったかも。疲れが見える。力強さがほしい。
出し切ったーー!!! ジャンプに集中しているようで、表現はまぁまぁという感じだったけど、終盤、ちょっと動きが鈍っちゃったけど、今できることは全部やりきれたんじゃなかろうか。
フリー118.72でSB、総合181.89でPB更新。

6 Tangxu LI タンシュー・リー(中国)

  • SP順位:21,得点:62.08
  • 楽曲:
    • Storybook Ending by Alan Menken
    • So Close by Jon McLaughlin
  • プログラム:×

3F+3Tと3Fで転倒。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
SPで感じたフリーレッグやポジションの美しさやプログラムの流れの良さが消え、全体的にぎこちない演技になってしまった。
フリー111.00、総合173.08。

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●第2グループ
7 Sihyeong LEE シヒョン・イ(韓国)

  • SP順位:15,得点:67.51
  • 楽曲:
    • Take Me to Church
    • From Eden
  • プログラム:△

彼を見るたび、その足の長さに驚いてしまう。<が2つ、着氷の乱れたジャンプがいくつかあった。スピンは全てレベル4。ステップはレベル2。
一つ一つ丁寧に要素や振付を行っているように見えた。前半のジャンプは流れの中で跳べていて、質が良かったのだが、後半疲れたのか、ちょっと動きが鈍くなり、ジャンプの着氷が乱れてしまった。
フリー119.16、総合186.67。

8 友野 一希(日本)

  • SP順位:14,得点:68.12
  • 楽曲:An American in Paris by George Gershwin
  • プログラム:○

日本女子3人がバナーを持って応援している。
4S<で手をつき、前半の3A+3Tはステップアウト、後半の3Aでも手をついたが、他のジャンプはクリーンに降りた。スピンは全てレベル4。めっちゃ練習してきたんじゃないかな〜。ステップはレベル3。終わりの方でちょいスタンブルしたが、躍動感がすばらしい。一緒に踊りたくなる感じ☆
得点の大きいビッグジャンプでミスが出てしまったが、ステップ以外の部分でも踊りまくりで、彼の魅力が伝わってきた。
フリー143.16、総合211.28。うん、これまでとは段違いの高得点が出た。

9 Conrad ORZEL コンラッド・オーゼル(カナダ)

  • SP順位:18,得点:66.21
  • 楽曲:
    • The Last Samurai (soundtrack) by Hans Zimmer
    • The Painted Veil ("River Waltz" soundtrack)
    • Takiotoshi (Sound of Waterfall)
  • プログラム:△

4Tはクリーンに着氷。1つ目の3Aで着氷が乱れ、2つ目の3Aがシングルになってしまった。が、その代わり、3連続のファーストを3Aにしてきた。3Fにeがつき、ジャンプにいくつか着氷の乱れがあった。スピンのレベルは2、4、4。FCSp2の回転がゆっくりになり、GOEマイナス。ステップはレベル2。
今できることは全部できたんじゃないかな。ジャンプの前の構えが少し長いけど、JGPのときに比べたら、動きも滑らかになって、スピードも出るようになっていたし、終盤、曲想に合わせて力強さも出せていた。
フリー128.20、総合194.41。

10 Daniel SAMOHIN ダニエル・サモヒン(イスラエル

  • SP順位:16,得点:67.00
  • 楽曲:The Illusionist by Maxim Rodriguez
  • プログラム:○

冒頭の4T+3Tと4Sはすばらしい。3Aは2つともOK。後半の4Tは転倒、3Loの着氷が乱れた。スピンのレベルは4、3、3。FCCoSp3の回転がゆっくりになり、GOE加点なし。ステップはレベル2。終盤、足にきているようだったが、渾身の力を振り絞って動いていた。
気迫を感じた。滑り出しでちょっとバランス崩したので心配になったが、全くの杞憂であった。
フリー165.63PB、総合232.63SB更新。おお〜、これはたいへん良い漬物石になりそうですな(笑)。

11 Daniel Albert NAURITS ダニエル・アルベルト・ノウリツ(エストニア

1つ目の3Aはアンダーローテ、2つ目の3Aはこらえた。他のジャンプも回転不足が取られたり、手をついたり、回転の抜けがあった。スピンのレベルは4、4、3。スピンの上手な選手だが、特に1つ目のFCCoSp4は、情感あふれる振付が素敵だった。ステップはレベル3。入る前の鬼気迫る表情がすごかった。
後半ジャンプが乱れてしまったが、ボディームーブメントやポジション、ラインが美しい…。音楽表現が素敵なんだよなぁ。うっとりしちゃう☆
ブノワさんは本日も黒ずくめ。帽子にフード付き上着
フリー112.04、総合178.48で、総合得点はPB更新。

12 Matteo RIZZO マッテオ・リッツォ(イタリア)

冒頭の3A+2Tはクリーンに着氷。後半の3Aはステップアウト。2Fにeがついた。スピンのレベルは3、4、3。ステップはレベル2。
音をよくとらえていた。正直、唐突な曲のつなぎは気になるが、それぞれの曲想の違いをよく表現できていたと思う。
フリー128.94、総合197.47で、総合得点はSB更新。

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●第3グループ
13 Yaroslav PANIOT ヤロスラフ・パニオット(ウクライナ

  • SP順位:10,得点:72.03
  • 楽曲:Falling Away With You by Muse
  • プログラム:△

4Tは2つともお手つき。2つ目の4Tは連続ジャンプにできなかった。3Aはまずまず。3Loの着氷が乱れ、3S+2Tの予定だったが、セカンドがダブルに。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。全身を大きく使って曲想を表現していた。
今季、JGPでは2試合ともフリーで大崩れする姿を見てきたので、心配していたのだが、後半疲れが見え、ジャンプにいくつかミスが出たものの、何とかプログラムをまとめることができた。
フリー136.54、総合208.57で、SP同様、FSもPB更新。レイトスタートで減点1。もったいない〜。でも、最後の世界ジュニアで良い演技ができてよかったね☆

14 島田 高志郎(日本)

  • SP順位:12,得点:68.77
  • 楽曲:
    • O Verona (Romeo and Juliet soundtrack)
    • Kissing You (Romeo and Juliet soundtrack)
    • O Verona (Romeo and Juliet soundtrack)
  • プログラム:○

客席で日本チームが全員応援してる。自分の演技が終わったばかりのメガネ友野も!(笑)
3Lz+3Tでお手つき、3Lo<、2Fにeがついた以外の要素は全てGOEプラス。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
…う〜ん、好調のときと比べると、動きにちょっとシャープさが欠けたかなぁ。それでも十分良い演技なんだけども、全日本のFSがめっちゃ素敵で「このロミオなら、14歳かそこらで恋に殉じることになっても本望だ!!」と思えるほどだったからさ〜〜。
フリー125.33、総合194.10。

15 Graham NEWBERRY グレアム・ニューベリー(イギリス)

  • SP順位:11,得点:70.80
  • 楽曲:Last Samurai (soundtrack) by Hans Zimmer
  • プログラム:△

3A<+3Tはファーストがオーバーターン。他のジャンプでも、バランスを崩したり手をついたりと、いくつかミスが出た。スピンのレベルは4、4、3V。ステップはレベル2。
今持てる力を全て出し切った演技に見えた。終盤のステップでスケートが滑らなくなるのが気になったけど、全体的には力強くシャープな動きができていた。
フリー120.98、総合191.78。

16 Nicolas NADEAU ニコラス・ナドゥー(カナダ)

  • SP順位:7,得点:77.20
  • 楽曲:Elvis Presley Medley
  • プログラム:○

3Aが2つともシングルに。4Tの予定がダブルに。3Lo+2Tで着氷が乱れたのと、3S<でGOEマイナス。その上、連続ジャンプが2つしか入らなかった。スピンのレベルは2、3、4。FCSp2で軸がぶれ、GOE 0点。ステップはレベル3。
…よりにもよって、何故ここでカナディアンアクセルの呪いが発動するのだ…。「そういや彼、怪我でシーズン前半休んでたんだなぁ」というのを思い出させる演技になってしまった…嗚呼(泣)。
でも、滑りはめっちゃ良かった。一蹴りがぐいんぐいーんと伸びまくっていた。
とっても楽しいプログラムだということがよく分かったので、来季続行してほしい!! これで滑り納めだなんてあんまりだもん!! 滑りこんだらきっとすごく光り輝くはず!! きっとオリンピックシーズンにふさわしいプログラムになるよ!!
フリー119.43、総合196.63で、総合得点はSB更新。

17 Roman SADOVSKY ロマン・サドフスキー(カナダ)

  • SP順位:9,得点:76.27
  • 楽曲:Romeo and Juliet (Plunket and Maclean soundtrack) by Craig Armstrong
  • プログラム:○

4S<<は両足着氷。3Aは2つとも<<がついた上に転倒し、連続ジャンプにできなかった。他にも抜けがあったり、<がとられたり、3Fに!がついたりと、加点のもらえるジャンプが1つもなかった。スピンのレベルは4、3、3。ステップはレベル3。
ジャンプが…ジャンプが…嗚呼(泣)。滑りやボディームーブメント、ポジション、ラインは、本当にとっても美しいんだけどなぁ…(ため息)。
フリー110.26、総合186.53。

18 Alexei KRASNOZHON アレクセイ・クラスノジョン(アメリカ)

  • SP順位:8,得点:76.50
  • 楽曲:
    • 50 Rodeo - Four Dance Episodes: III. Saturday Night Waltz by Copland Aaron
    • 51 Rodeo - Four Dance Episodes: IV. Hoedown by Copland Aaron
  • プログラム:△

冒頭の4Lo<<は、場内のお客さんも「あれ…今のクワド?」という反応(笑)。アンダーグレードされたけど、片足では立っていた。3A+3Tの予定だったと思うのだが、セカンドがダブルに。3Fにeがついた。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。体がよく動いており、おどけた表情を頑張って作っていた。
今更だけど、コーチがケイン夫妻なんだよね。ペアのアシュリー・ケインの両親。
JGPのときからずっと残念に思ってきたのだが、楽しくリズミカルなプログラムなのに、要素をこなすのに必死で、曲想を表現しきれてないんだよな〜。彼の明るいキャラクターにぴったりのプログラムなのに。
フリー134.97、総合211.47。

第3グループが終わった時点で、総合1位はダニエル・サモヒン(イスラエル)。うん、よく漬かってるぜ☆(笑)

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●第4グループ
19 Vincent ZHOU ヴィンセント・ジョウ(アメリカ)

  • SP順位:5,得点:78.87
  • 楽曲:Casablanca (soundtrack)
  • プログラム:○

昨季が「ゴッドファーザー」で、今季が「カサブランカ」って、どんだけ大人の男の哀愁を演じたいんだ(笑)。
さて、彼が跳んだジャンプは下記の通り。
4Lz 4S+3T 3A+2T(ここから後半)4S 3A 3F 3Lo 3Lzタノ+3T
冒頭の4Lzは超クリーンに着氷。他のジャンプも全てきれいに降りた。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
4回転3本、3A2本(しかも後半に4Sと3Aを1本ずつ)の超難度ジャンプ構成のプログラムだが、最後まで全く疲れが見えず、動きが落ちなかった。もちろんジャンプだけでなく、スピンもステップもすばらしく、振付もみごとにこなし、素敵なプログラムに仕上がっていた。
キスクラでヴィンスがどーもくんを持ってる。確か全米でももらってたような。ヴィンスってどーもくん好きなのかな?
フリー179.24、総合258.11で、どちらもPB更新。TES104点超え!! 現時点で総合1位。

20 Kevin AYMOZ ケヴィン・エイモズ(フランス)

  • SP順位:6,得点:77.24
  • 楽曲:
    • Condolence by Benjamin Clementine
    • Nemesis by Benjamin Clementine
  • プログラム:◎

冒頭、3Aを2つともクリーンに着氷。3Lzと3Loが続けてダブルになってしまったが、その後のジャンプはきちんとまとめ、連続ジャンプも3つ全部入れた。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル2。迫力満点だったが、岡崎さん曰く、「エッジワークが粗い」とのこと。
"His body can talk. " という演技だった。特にプログラムが進むにつれてその度合いが深まっていき、彼の体から動きから、音楽が流れ出しているように感じた。ステップはもちろん、ジャンプもスピンも表現の一部のようだった。
フリー141.39、総合218.63で、SP同様FSもPB更新。現時点で総合3位。

21 Alexander PETROV アレクサンドル・ペトロフ(ロシア)

  • SP順位:4,得点:81.29
  • 楽曲:
  • プログラム:○

3Aは2つとも質が高い。4Tと3Lzがこらえるジャンプになり、GOEで少し減点された他は、全ての要素がGOEプラス。スピンのレベルは4、4、3V。ステップはレベル3。笑顔全開で表情豊かに滑っていた。
SP同様、要素一つ一つの質が非常に高く、プログラムの流れもすばらしかった。小芝居も板につき、さまになっていた。演技中、彼の笑顔をこんなに見たの、初めてじゃなかろうか。表現者として一皮むけたように感じる。
岡崎さん曰く、「ジャンプそのものの質はすばらしいが、全体的にスピードを落とし気味だったり、跳ぶ前の構えが長かったりしたので、GOE加点において、他の選手と差が出るかも」とのこと。
フリー162.18、総合243.47で、SP同様、FSもPB更新。現時点で総合2位。

22 Alexander SAMARIN アレクサンドル・サマリン(ロシア)

  • SP順位:3,得点:82.23
  • 楽曲:Maybe I Maybe You by Scorpions
  • プログラム:△

4T+3Tは着氷が乱れたが、2つ目の4Tと3Aは2つともクリーンに着氷。後半いくつかこらえるジャンプが見られた。スピンのレベルは4、3V、4。ステップはレベル3。CCoSp3Vはトラベリングし、GOEマイナス。ステップはレベル3。
全体的にちょっと力みすぎな気がした。もそっと肩の力を抜いて楽に滑れれば、スケーティングもジャンプの着氷も伸びて、表現の幅も広がるんじゃないかなぁ。
フリー163.30、総合245.53で、SP同様、FSもPB更新。現時点で総合2位。

23 Jun Hwan CHA ジュンファン・チャ(韓国)

  • SP順位:2,得点:82.34
  • 楽曲:
    • Morning (Love Sonnet XXVII) from "Il Postino" (The Potsman) soundtrack
    • Theme from "Il Postino" (The Potsman) soundtrack
    • Mi Mancherai from "Il Postino" (The Potsman) soundtrack
  • プログラム:○

前半の4Sと3Aはクリーンに着氷したが、後半は4S<で転倒、3A+1Lo+3S<でGOEマイナス。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル4。しなやかでシームレス。何の滞りもなく流れていく。
少し音楽に遅れてのフィニッシュ。
プログラムの流れがすばらしい。4Sの転倒など忘れてしまうような演技だった。
フリー160.11、総合242.45で、総合得点はPB更新。現時点で総合4位。うっわー、表彰台を逃したか。

24 Dmitri ALIEV ドミトリー・アリエフ(ロシア)

  • SP順位:1,得点:83.48
  • 楽曲:Broken Vow by Josh Groban
  • プログラム:◎

4Tはお手つき。3Aは2つともよかった。膝くるくる3F<はこらえたが、GOE 0点に抑えた。全体的に高さはないが、エフォートレスなジャンプを跳んでいる。
スピンのレベルは3、4、4。1つ目のFCSp3は少しぐらつき、GOEで減点されたが、最後のCCOSp4は詩情を感じさせた。GOEでも1点近い加点が得られている。ステップはレベル4。シームレスでマジカルに美しい。
4Tを1本に控えたためか、最後までスタミナが切れることなく滑り切ることができた。音楽表現は申し分のない素晴らしさ。もううっとりと、魔法にかけられたかのように見入るばかりであった。
フリー163.83、総合247.31で、SP同様、FSもPB更新。総合2位に決定。

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◆総合順位
男子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Vincent ZHOU USA 258.11 5 1
  2. Dmitri ALIEV RUS 247.31 1 3
  3. Alexander SAMARIN RUS 245.53 3 4
  4. Alexander PETROV RUS 243.47 4 5
  5. Jun Hwan CHA KOR 242.45 2 6
  6. Daniel SAMOHIN ISR 232.63 16 2
  7. Kevin AYMOZ FRA 218.63 6 8
  8. Alexei KRASNOZHON USA 211.47 8 10
  9. Kazuki TOMONO JPN 211.28 14 7
  10. Yaroslav PANIOT UKR 208.57 10 9
  11. Matteo RIZZO ITA 197.47 13 11
  12. Nicolas NADEAU CAN 196.63 7 15
  13. Conrad ORZEL CAN 194.41 18 12
  14. Koshiro SHIMADA JPN 194.10 12 13
  15. Graham NEWBERRY GBR 191.78 11 14
  16. Sihyeong LEE KOR 186.67 15 16
  17. Roman SADOVSKY CAN 186.53 9 23
  18. Chih-I TSAO TPE 181.89 20 17
  19. Sondre ODDVOLL BOE NOR 178.98 19 18
  20. Daniel Albert NAURITS EST 178.48 17 20
  21. Tangxu LI CHN 173.08 21 22
  22. Mark GORODNITSKY ISR 170.59 22 21
  23. Petr KOTLARIK CZE 168.79 24 19
  24. Thomas STOLL GER 153.68 23 24

Andrew TORGASHEV USA (SP 25位)
Basar OKTAR TUR (SP 26位)
Donovan CARRILLO MEX (SP 27位)
Yuheng LI CHN (SP 28位)
James MIN AUS (SP 29位)
Luc ECONOMIDES FRA (SP 30位)
Nikolaj MAJOROV SWE (SP 31位)
Artur PANIKHIN KAZ (SP 32位)
Yakau ZENKO BLR (SP 33位)
Nurullah SAHAKA SUI (SP 34位)
Irakli MAYSURADZE GEO (SP 35位)
Jakub KRSNAK SVK (SP 36位)
Ivo GATOVSKI BUL (SP 37位)
Aleix GABARA ESP (SP 38位)
Glebs BASINS LAT (SP 39位)
Alexander BOROVOJ HUN (SP 41位)
Ryszard GURTLER POL (SP 40位)
Kai Xiang CHEW MAS (SP 42位)
Davide LEWTON BRAIN MON (SP 43位)
Benjam PAPP FIN (SP 44位)
Matthew SAMUELS RSA (SP 45位)

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◆来季の出場枠

日本は2枠確保!! 友野くんも高志郎くんも、よくがんばったよ〜!!

上記の記事を読むと、2人の絆と心の強さに頭が下がる思いがする。
また、日本は国別で6位に入ったので、JGP7大会に1人ずつ派遣されるそうだ。わ〜い☆ 今季より1枠増えた!! 来季こそはJGPファイナルに日本男子が出場できるといいな〜☆

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◆総評
ヴィンスは、3クワド&3A2本のプログラムをみごと滑りこなして初優勝!! おめでとう☆ 去年の世界ジュニアの感想で「来季、大化けしそう」と書いていたが、まさかここまで大化けするとは予想していなかった。彼といいネイサンといい、あまりの成長速度のすごさについていけない(汗)。
表彰式のとき、名前呼ばれて客席にお辞儀するとこで、さらっと投げキッスしてた。さすがアメリカ〜ン☆(///)
総合2位はアリエフ。初表彰台おめでとう☆ FSの演技は、まさに夢のような4分間で、昨季の世界ジュニアのSP1位→FS7位で総合6位に終わった苦い思い出を、きれいさっぱり払拭してくれた。PCSは唯一79点台でトップ。
3位のサマリンも、昨季、世界ジュニアでSP2位&FS5位→総合4位で、表彰台を逃していたんだよねぇ。初表彰台おめでとう☆
4位はペトロフ。彼も本当に素晴らしい演技だった。シニアに上がって2年もたつのに、世界ジュニアに出るというのは、結果いかんでは評価を落としかねないので、リスクの高い賭けだったと思うが、みごとその賭けに勝ってみせた。
ロシア男子、久しぶりの優勝とはならなかったが、それでも2、3、4位を占めているわけだから、やっぱ強いわ〜。
さて、5位はジュンファン。彼もほんと、すっばらしかったんだけどなぁ。彼といい、4位のペトロフといい、あれだけ良い演技をして表彰台に乗れないとは。
これらの上位5人は、ジュニア総合得点歴代トップ5のスコアとのこと。なんちゅーハイレベルな戦いや(滝汗)。
ディフェンディングチャンピオンのサモヒンは、総合6位。SP16位→FS2位と大きくジャンプア〜ップ☆ SPで大きく出遅れた後のFSで、実力を発揮するのはたいへん難しいと思うのだが、みごとやってのけるあたり、ほんと、ハートの強い選手だ。あとはSPとFS、2本そろえられればなぁ。来季見られるものと期待している。
7位のエイモズは、最後の世界ジュニアで良い演技ができて、ほんとよかった。最終グループを滑った他の5人と比べると、ジャンプ構成に弱さがあるが、それを補って余りある、卓越した音楽表現をもっている。JGPですでにハートをガッチリつかまれていたが、本大会で完全にとどめを刺された(笑)。
9位の友野くんは、ミスがあったにも関わらずFS7位。彼の上にいるのは、上位5人&サモヒンということを考えると、その素晴らしさがよく分かる。来季からはいよいよシニア。踊り心あふれる素敵なプログラムをまた見せてください☆
14位の高志郎くんは、どうやら腰を痛めていたらしい。やっぱそうか〜。FSの演技は、少し精彩を欠いていたもんな〜。良いコンディションで臨めず、非常に残念だった。でも、友野くんは昨季世界ジュニアを経験したことで、今季の飛躍につながったし、高志郎くんにとっても、ぜひそうなってほしい。