ロシア選手権2017 ペアSP

ロシア選手権2017 リザルト
ロシア フィギュアスケート選手権2017の男子SPは、現地時間2016年12月22日(木)に行われた。2016年に行われるのに、2017と銘打ってるんだな〜。
Jスポーツの放送では、解説が岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。
昨季優勝したヴォロソジャル&トランコフは、女性の妊娠のため、今季は休養している。昨季、男性の怪我で欠場したストルボワ&クリモフは、今季、女性の怪我で試合に出られないでいたが、今大会から出場。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。

それと、日本語表記に自信がない名前には?を付けている。

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1 Elizaveta ZHUK / Egor BRITKOV エリザベータ・ジューク /エゴール・ブリトコフ

初出場の13歳と19歳。初めて見る組だ。
3Tw2は女性のウエストをきちんとキャッチ。スロー3Lzはクリーンに着氷。3Sは跳ぶタイミングがずれ、女性の着氷が乱れた。BiDs2は女性の弓なり姿勢が美しい。5ALi3は、女性のポジションがあまり見ない姿勢だった。FCCoSp3は、回転がズレていたが、途中から合わせてきた。StSq3ではミラーの動きを入れているのだが、あまりユニゾンは感じられず。
岡部さんが、「最近、ステップで違う振付をする組が増えているが、ユニゾンが合っていないのをごまかしているように感じることがある」と苦言を呈していた。あ、それ、わたしも同感です!
まだ若いペアだが、さすがロシア選手権に出場できるだけあって、技術力がしっかりしている。
57.64。

2 アレクサンドラ・ボイコワ / ドミトリー・コズロフスキー

  • 楽曲:Flamenco by Didulia
  • プログラム:○

今季、JGPデビューで、JGPファイナル3位。14歳と17歳。
3Sはよかった。3Tw1もOK。スロー3Fで着氷が乱れる。5ALi3はまずまずStSq4は、二人で並んで同じ振付をしているときはそろっていたのだが、ミラーになったら、ちょっとズレた。BiDs1はまずまず。FCCoSp4の回転速いのだが、ズレてしまった。そして男性のシットポジションが少し高い。
岡部さん曰く、「二人とも長身なので、いろんな技がピタッと合ってくると、見ごたえのあるペアに成長していきそう」とのこと。
千鶴さんによると、二人ともシングル出身で、共にこのペアが初めてのペアだそうだ。
60.77。

3 クセニア・ストルボワ / フェドール・クリモフ

2013-14シーズン、ソチ五輪2位。昨季、ワールド4位。今季初めての試合。
3Tw2でキャッチがいまいちだった以外は、クリーンな演技だった。FCCoSp3の回転がきっちりそろっており、StSq4で、二人の距離が近く、違う振付をしているのにユニゾンが合っている。さすがである。
今まで力強いプログラムが多かったけど、この「月の光」を使ったSPでは、新しい彼らが見られたように思う。
77.47。

5 エフゲーニャ・タラソワ / ウラジミール・モロゾフ
楽曲:Glam (Electro Swing Remix) by Dimie Cat
プログラム:○
昨季、国内選手権3位、ユーロ3位、ワールド5位。今季、GPファイナル優勝。
3Tw4は高くて余裕がある。3Tは完璧。スロー3Loは降りた後の流れがすばらしい。5RLi4は全く流れが途切れない。FCCoSp4は回転がズレた。
スピードが最初から最後まで落ちず、エレメンツの入りと出が非常にスムーズだった。ソロスピンのズレさえなければ完璧な演技だったのにな〜。
80.04。

6 クリスティーナ・アスタホワ / アレクセイ・ロゴノフ

  • 楽曲:Io Ti Penso Amore (from "Paganini vs Garrett") by David Garrett, feat. Nicole Scherzinger
  • プログラム:○

昨季、国内選手権4位、ユーロ7位。今季、GPロステレ3位。結成3シーズン目の19歳と28歳。3度目の出場。
楽曲の邦題は、「愛しい人よ」。
ミスと言えば、3Sで男性が少しバランスを崩し、FCCoSp4の回転がわずかにズレたくらいで、ほぼクリーンな演技だった。ダイナミックで美しい曲想をよく表現していた。
岡部さんが、「上手になった。以前は、スケーティングの一蹴りが短く、演技が美しく見えない部分があったが、そこを強化したように見える」とほめていた。今季は滑りがぐいんぐい〜んと伸びるようになったもんな〜。
70.73。

7 ナタリア・ザビアコ / アレクサンドル・エンベルト

  • 楽曲:Snowstorm by Georgi Sviridov
  • プログラム:○

昨季、国内選手権5位。今季、GPファイナル4位。22歳と27歳。女性はエストニア出身。
クリーンな演技。相変わらずエレメンツの質が高く、感情の表出がいまいちだった(苦笑)。
72.85。

9 アリサ・エフィモワ / アレクサンドル・コロヴィン

  • 楽曲:Chilly Cha Cha by Jessica Jay
  • プログラム:○

昨季、国内選手権9位。今季、GPロステレ7位。17歳と22歳。女性は、2014年まで女子シングルのフィンランド代表だった。
3Sは二人ともクリーンな着氷だったのだが、跳ぶタイミングがずれ、スロー3Loはこらえた。他の要素はよかった。
GPロステレのときは何をやっているのかよく分からなかったが、動きが明瞭になり、プログラムの完成度が高まったと思う。ただ、岡部さんも指摘していた通り、まだ「エレメンツを淡々とこなしている」感があり、弾むようなリズミカルな曲想を表現しきれていないように感じた。
63.69。

11 川口 悠子 / アレクサンドル・スミルノフ

昨季、GPファイナル3位、国内選手権2位。今季、GPスケカナ5位。
3Tw3の着氷で女性が転倒。FCCoSp3は最後、回転がゆっくりになり、わずかだがズレた。BiDs1男性の腰が上がってしまい、レベルを取りこぼしてしまった。
ミスはあったが、滑りや表現はかっこよかった。GPのときと比べると、だいぶ復調したようで、安心した。
67.52。

12 アナスタシア・ミーシナ / ウラジスラフ・ミルゾエフ

  • 楽曲:Saragina Rumba by Hippies
  • プログラム:○

昨季、ジュニアの国内選手権優勝、世界ジュニア2位。今季、JGPファイナル優勝。
ジュニアでは王者の風格をたたえているペアだが、やはりシニアの中だと幼く見える。愛らしくフレッシュ☆
スロー3Fは転倒。高さが出すぎたのかも。その影響で次のタノ3Sは、跳ぶタイミングがずれ、男性がダブルになってしまった。StSq4の動きもわずかだがちょいズレてたように感じた。
62.80。

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、所属名、得点の順に記されている。

  1. Evgenia TARASOVA / Vladimir MOROZOV MOS 80.04
  2. Ksenia STOLBOVA / Fedor KLIMOV MOS 77.47
  3. Natalia ZABIIAKO / Alexander ENBERT KRR 72.85
  4. Kristina ASTAKHOVA / Alexei ROGONOV MOS 70.73
  5. Yuko KAVAGUTI / Alexander SMIRNOV S/T 67.52
  6. Alisa EFIMOVA / Alexander KOROVIN MOS 63.69
  7. Anastasia MISHINA / Vladislav MIRZOEV SPB 62.80
  8. Aleksandra BOIKOVA / Dmitrii KOZLOVSKII SPB 60.77
  9. Elizaveta ZHUK / Egor BRITKOV SVE 57.64
  10. Alina USTIMKINA / Nikita VOLODIN SPB 55.35
  11. Bogdana LUKASHEVICH / Alexander STEPANOV SPB 52.88
  12. Anastasia POLUIANOVA / Maksim SELKIN P/C 52.25
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◆総評
SP1位はタラソワ&モロゾフ。スピードビュンビュンでキレッキレだった。いや〜ほんと、今季まさに覚醒したって感じのレベルアップぶり。すごいわ〜☆
2位はストルボワ&クリモフ。今季初めての試合だったので、どんなもんだろうと心配していたが、もうすっかり大丈夫そう。よかった〜。
1位と2位の得点とPCSは、3位以下を引き離したスコアが出ているので、優勝争いは、この2組に絞られただろうか。
3位はザビアコ&エンベルト。課題の「感情の表出」は、一日二日でどうこうなるものじゃないので、来季に期待だな〜。
4位はアスタホワ&ロゴノフ。GPもよかったが、さらに上げてきた。3位とは僅差だが、逆転なるか。
5位は川口&スミルノフ。いまだ復調の途上にあるようだが、ミスがあっても素敵な演技を披露してくれる組なので、フリーも楽しみだ。
ロシアは上位以外もうまい組ばかりで、ペアの層の厚さは世界一なんじゃなかろうか。うらやましいわ〜。