全米2017 ペアSP

全米2017 リザルト
ペアSPは、現地時間2017年1月19日(木)に行われた。
Jスポーツの放送では、解説が杉田秀男さん、実況は小林千鶴さん。キャ〜、杉田先生の解説が聞ける〜☆ やっぱ全米の解説は杉田さんじゃないと!
昨季2位のシメカ&クニエリムは、去年9月に女性が胃の手術を受け、準備がまだ整っていないため、欠場。
放送された組の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:何度でも見たい。
  • ○:よかった。好き。
  • △:悪くない。まずまず。
  • ×:イマイチ。
  • ?:何とも判断が付きかねる。
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●第1グループ
1 Chelsea Liu, St. Paul FSC / Brian Johnson, Detroit SC チェルシーリュウ / ブライアン・ジョンソン

昨季、世界ジュニア5位。今季、JGPチェコ3位、JGPタリン5位。
3Sの予定だったが、女性がシングルになり、ノーバリュー。FCCoSp4に入るところで女性がバランスを崩し、回転がズレた。5ALi4の下ろし方が独創的で素晴らしかった。
杉田さん曰く、「女性の方がかなり緊張していたようだ。でも、技術的にはかなりきちんとしたものをもっている組」とのこと。
57.02。

2 Haven Denney, SC of New York / Brandon Frazier, All Year FSC ヘイヴン・デニー / ブランドン・フレイジャー

  • 楽曲:Don Juan est mort (from "Don Juan" musical) by Felix Gray
  • プログラム:△

昨季、女性の膝の怪我のため、休んでいた。今季、GPスケアメ2位、GPスケカナ4位。
スロー3Loは手をついた。3S<で女性がステップアウト。
杉田さん曰く、「前半はスピードが出ていなかったが、ステップあたりから動きが良くなってきた」とのこと。緊張してたのかな〜。確かにGPSのときより勢いが控えめだったように感じた。
65.39。

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●第2グループ
5 Ashley Cain, SC of New York / Timothy LeDuc, Los Angeles FSC アシュリー・ケイン / ティモシー・ルデュク

  • 楽曲:I Put a Spell on You by Annie Lenox
  • プログラム:○

初出場。2016年5月に結成。女性は昨季まで全米の女子シングルに出場していた。元はペアをやっていて、全米ノービス及びジュニアで優勝している。
3Tw1で下ろし方が少しきれいじゃなかったからか、GOEマイナスされたが、見た目ほぼノーミスの演技だった。結成してまだ1シーズン目だとは信じられないほどユニゾンが合っている。つなぎに組み込まれた、2人並んでのスパイラルが美しく印象的だった。
3Loをクリーンに着氷していたが、杉田先生が言うには、2人そろって3Loを降りるのは、カーブを同じように使わないといけないので、とても難しいらしい。
69.33。得点が出て2人とも大喜びしてる〜☆
 
7 Jessica Pfund, Southwest Florida FSC / Joshua Santillan, All Year FSC ジェシカ・ファンド / ジョシュア・サンティラン

  • 楽曲:Purple Rain by Prince, The Revolution & Stacy Francis
  • プログラム:△

結成2シーズン目。昨季、全米7位、GPスケアメ8位。今季、GP中国杯8位。
スロー3Loは着氷が乱れた。BiDs2は入りがスムーズでなかった。
全体的になめらかさがもそっとほしいかな〜。要素はそこそこやれてるんだけど、まだ演技するところまで到達できてないように感じる。
58.05。

8 Deanna Stellato-Dudek, Southwest Florida FSC / Nathan Bartholomay, Southwest Florida FSC ディアナ・ステラート=ドゥデク / ネイサン・バーソロメイ

  • 楽曲:Canadian Tenors medley
  • プログラム:△

2016年7月に組んだばかり。初出場。女性が33歳で元シングル選手で、世界ジュニア2位の成績を収めているが、16シーズン休んでいた。男性は別のパートナーとソチ五輪に出場。
クリーンな演技で、全ての要素がGOEプラス。特にStSq4は凝った作りで素敵だった。
杉田さん曰く、「こういうスローの曲を表現するのはとても難しいが、彼らはよくできていた。非常にバランスのとれた演技」とのこと。
65.04。

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●第3グループ
9 Erika Smith, SC of New York / AJ Reiss, Los Angeles FSC エリカ・スミス / エージェイ・ライス

  • 楽曲:Tiny Dancer by Elton John
  • プログラム:△

結成2シーズン目。昨季全米6位。
3Tw2は高い。2Sは2人も着氷で乱れた。スロー3Sに高さと幅があった。
 杉田さん曰く、「流れのある良い演技。エレメンツとエレメンツのつなぎが本当にスムーズ。リフトも構えなくすぐに上げている」とのこと。
59.30。タイムバイオレーションにより、減点1。

11 Marissa Castelli, SC of Boston / Mervin Tran, SC of Boston マリッサ・キャステリ / マーヴィン・トラン

  • 楽曲:Fallin' by Alicia Keys
  • プログラム:△

3年連続3度目の出場。昨季3位、四大陸6位。今季、GPスケアメ7位、GPフランス5位。 
3Sで転倒し、スロー3Sで両足着氷したが、スピードとキレがあり、パワフルな演技だった。つなぎにいろいろ工夫が見られ、クールなプログラムに仕上がっている。あとはジャンプさえ決まればなぁ…(ため息)。
杉田さん曰く、「男女それぞれタイプが違うが、うまく補い合い、マイナス面が見えないように演技している。トランは驚くほどたくましくなった」とのこと。
64.29。

12 Tarah Kayne, Southwest Florida FSC / Danny O'Shea, Southwest Florida FSC タラ・ケイン / ダニエル・オシェイ

  • 楽曲:Take Me to Church by Hozier
  • プログラム:△

昨季全米優勝、四大陸4位、ワールド13位。今季、GPスケアメ6位、NHK杯4位。
千鶴さんによると、今季ずっと女性が右ひざの怪我を抱えているそうだ。道理で今季いまいち本来の良さが出し切れていないのか。
3tW1は上がり切らず、キャッチで女性が男性に寄りかかってしまった。スロー3F<で転倒。FCCoSp3の回転が少しズレた。
転倒のとき、女性が頭を打ってしまったようだ。キスクラで女性が辛そう。大丈夫かなぁ?
61.80。

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、所属名、得点の順に記されている。

  1. Ashley Cain, SC of New York / Timothy LeDuc, Los Angeles FSC 69.33
  2. Haven Denney, SC of New York / Brandon Frazier, All Year FSC 65.39
  3. Deanna Stellato-Dudek, Southwest Florida FSC / Nathan Bartholomay, Southwest Florida FSC 65.04
  4. Marissa Castelli, SC of Boston / Mervin Tran, SC of Boston 64.29
  5. Tarah Kayne, Southwest Florida FSC / Danny O'Shea, Southwest Florida FSC 61.80
  6. Erika Smith, SC of New York / AJ Reiss, Los Angeles FSC 59.30
  7. Jessica Pfund, Southwest Florida FSC / Joshua Santillan, All Year FSC 58.05
  8. Chelsea Liu, St. Paul FSC / Brian Johnson, Detroit SC 57.02
  9. Alexandria Shaughnessy, SC of Boston / James Morgan, SC of Boston 48.64
  10. Cali Fujimoto, Peninsula SC / Nicholas Barsi-Rhyne, Southwest Florida FSC

44.84

  1. Joy Weinberg, Southwest Florida FSC / Maximiliano Fernandez, Southwest Florida FSC

42.71
WD Jacquelyn Green, Detroit SC / Rique Newby-Estrella, Dallas FSC

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◆総評
SP1位は、ケイン&ルデュク。結成1シーズン目とは信じられないほどユニゾンが良く、要素も表現もすばらしかった。女性168㎝、男性185㎝の大型ペア。女性は成長期に背が伸びて、当時のパートナーと釣り合いが取れなくなり、解散しちゃったんだよね。その後なかなか良いパートナーがなかなか見つからず、ペアをやれないでいたという経緯を知っているので、ぴったりの相手が見つかって、本当によかった。
2位は、デニーフレイジャー。今季、女性の怪我から華麗なる復活を遂げ、GPスケアメ2位と結果を残していたので、大いに期待していたのだが、本人も周りから期待を感じて緊張していたのかも。ちょっと動きが硬かった。
3位は、ステラート=ドゥデク&バーソロメイ。女性が非常に珍しい経歴の持ち主なので、全米前から噂は耳にしていたのだが、実際演技を見たら、こちらも結成1シーズン目とは信じられないほど要素の完成度が高くてビックリした。フィギュアスケートは多くの選手が20代前半で引退してしまうけど、30代になっても新しい種目に挑戦して、ここまでやれるんだな〜と感動した。
全米はもともと15組が出場予定だったそうだが、怪我で欠場者が続出し、最終的には11組に減ってしまったらしい。…どこもかしこも怪我だらけだなぁ(泣)。ほんとみんな、ステイヘルシーよ(祈念)。