ワールド2017 ペアFS

ワールド2017 リザルト
フィンランドヘルシンキにて開催。ペアFSは、現地時間2017年3月30日(木)に行われた。
ライストで全組の演技を見て、後日Jスポーツの放送でも見た。Jスポーツの解説は岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。全組の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:何度でも見たい。
  • ○:よかった。好き。
  • △:悪くない。まずまず。
  • ×:イマイチ。
  • ?:何とも判断が付きかねる。
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●第1グループ
1 Tae Ok RYOM / Ju Sik KIM テオク・リョム / ジュシク・キム(北朝鮮

  • SP順位:14,得点:64.52
  • 楽曲:The Prince and the Sugarplum Fairy (from "The Nutcracker") by P. I. Tchaikovski
  • プログラム:△

3T<は女性が転倒。スロー3Sは、高さもあり、着氷後の流れも良かった。FCCoSp3は、回転がそろっている。2Lo+2T+2Tの予定が、男性が2Lo+1T+1Tに。スロー3Loはまずまず。
ちょっと淡白な感じだけど、音楽をよく聴いて滑っているのが伝わってきたし、ユニゾンも素晴らしい。
フリー105.13、総合169.65で、SP同様、FSもPB更新。

2 Anna DUSKOVA / Martin BIDAR アナ・ドゥシュコヴァー / マルティン・ビダージュ(チェコ

  • SP順位:15,得点:63.36
  • 楽曲:
    • La leyenda del beso by Raul di Blasio
    • Historia de un amor by Perez Prado
    • La leyenda del beso by Raul di Blasio
  • プログラム:△

3Tはバッチリ☆ 3Tw2は高い。3S+2T+2Tの予定だったが、女性がファーストでステップアウトして、連続ジャンプにできず。スロー3LzはOK。ダンスリフトからスロー3SもOK。FCCoSp3は、回転がずれた。
演技後、2人とも疲れた様子だが、特に男性は疲労困憊。
途中からヒヤヒヤしながら見ていた。今にもミスするんじゃないかと思えて。たぶん疲れによるものなんだろうな〜。終盤のコレオは、ユーロ同様、残された力があとわずかといった滑りだった(苦笑)。でも、全体的には、よく滑っていた。
フリー116.34、総合179.70。

3 Ksenia STOLBOVA / Fedor KLIMOV クセニア・ストルボワ / フェドール・クリモフ(ロシア)

  • SP順位:13,得点:65.69
  • 楽曲:
    • Apres la pluie (Vertige) by Rene Aubry
    • Pomeriggio by Rene Aubry
    • Lied guitare by Rene Aubry
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

彼らがFSを第1グループで滑るとはなぁ…。
3Tw3のキャッチと着氷はどうか。つなぎの振付がめっちゃかっこいい。女性の鎖骨をなぞるとこ。3T-3T-2Tの予定が、男性がセカンドで手をつき、女性がサードでシングルに。スロー3FはOK。3Sは、2人とも着氷が乱れた。スロー3SはOK。FCCoSp4は、きっちりそろっている。5ALi4の女性のポジションがかっこいい。好きだ〜☆
演技後、2人して場内をあおりまくる。FSでは彼ら本来の演技ができてよかった〜。
序盤のコレオの振付がめっちゃかっこいい。特に男性が女性の右肩→鎖骨→左肩に手を滑らせるところは、「キャー☆☆」とアガッた。岡部さんが言うように、ほんと、一つ一つの体の動かし方が、すごくクリアーなんだよね。よく磨き上げられた刀剣のような輝きを放っている。
このプログラム、ほんと、超クールだわ、意欲作だわ、芸術作品だわ。来季も続行しないかなぁ。クリーンな演技が見たい。はげしく見たい。
フリー141.03、総合206.72。キスクラで男性が感極まってたら、女性が「なに喜んでんのよ〜」みたいな感じでわき腹を小突いたところに、2人の関係性が表れていて、思わず微笑んでしまった。

4 Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR エカテリーナ・アレクサンドロフスカヤ / ハーリー・ウィンザー(オーストラリア)

  • SP順位:16,得点:62.03
  • 楽曲:W.E. (soundtrack) by Abel Korzeniowski
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

3Tw4はよかった。3Sは跳ぶタイミングが少しずれたが、クリーンに着氷。3Tは2人とも転倒。スロー3Fは着氷がきれいに流れなかったが、ちょいGOEプラス。FCCoSp3はそろっている。スロー3Sはステップアウト。4Li2で男性が移動中、少しバランスを崩したように見えた。ヒヤッとした。下ろすときもスムーズにいかず、GOEマイナス。PCoSp4はトラベリング。
演技後、2人とも疲れた様子だが、特に男性は疲労困憊。
終盤、2人の演技がバラバラになってきて、特に4Li2は崩壊するんじゃないかとヒヤヒヤしたよ。最後までぶじに滑り終えられてよかった。
岡部さんが、「世界ジュニアは台湾で、本大会はフィンランドで行われているので、移動だけでも大変」と話していた。千鶴さんによると、2人は「クタクタだよ」とコメントしているらしい。だよね〜。そんな中、本当によく頑張ったよ!
フリー102.07、総合164.10で、総合得点はPB更新。

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●第2グループ
5 Vanessa JAMES / Morgan CIPRES ヴァネッサ・ジェイムズ / モーガン・シプレ(フランス)

  • SP順位:10,得点:70.10
  • 楽曲:Sound of Silence by Disturbed and Maxime Rodriguez
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

3Tw3は高い。3T+2T+2Tは、少しズレたが、きれいに降りた。スロー4Sは両足着氷後、転倒。3Sの予定が、女性がシングルに。スロー3FはOK。FCCoSp3は回転がそろっている。3Li4は、女性をリフトしたまま片方の膝を曲げるというフィニッシュ。以前はハラハラドキドキしていたけど、今はもうすっかり安心して見ていられるように。
場内大盛り上がり。スタオベ。
すごく難しいことをやっているのが素人目にも分かる。これをたやすくあっさりやっているように見えるようになると、さらに一段階上のレベルに上がれるのではなかろうか。
岡部さん曰く、「一つ一つのエレメンツが安定性を増したので、見せるところに力を注げるようになった。イナバウアーやイーグルからリフトを上げたりと、男性のスケーティングスキルの高さを感じる」とのこと。言われてみれば当たり前のことだが、難しいリフトをするには、男性のスケーティングスキルの高さが必要なんだなぁ。
フリー134.58、総合204.68。

6 Nicole DELLA MONICA / Matteo GUARISE ニコル・デラ・モニカ / マッテオ・グアリゼ(イタリア)

  • SP順位:11,得点:70.08
  • 楽曲:Love Story (soundtrack) by Francis Lai, performed by Nana Mouskouri
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

3Sの予定が、女性がダブルに。3T+2Tの予定だったと思うが、男性は3T+1T、女性は2T+2T。つまり2T+1Tを跳んだ扱いになる。スロー3LoはOK。コレオは、切ない想いがどしどしと。スロー3SはOK。3Li4の下ろし方に工夫があって素敵〜☆ FCCoSp4は回転がそろっている。
大人のラブストーリー。リリカルでロマンティックムーディーなプログラム。いいなぁ、やっぱり。これ、来季も継続しないかなぁ。クリーンな演技が見たいよう。
フリー121.94、総合192.02で、総合得点はPB更新。

7 Julianne SEGUIN / Charlie BILODEAU ジュリアン・セガン / シャルリ・ビロドー(カナダ)

  • SP順位:12,得点:66.31
  • 楽曲:
    • Cinema Paradiso (soundtrack) by Ennio Morricone
    • Cinema Paradiso performed by Monica Mancini
  • プログラム:○

3T+2TはOK。3Li4は、途中でカーブを反対方向に変えた。岡部さんによると、それは非常に難しいことらしい。3Sはバッチリ☆ FCCoSp4の回転は速いが、ずれた。スロー3Fとスロー3LoはOK。5ALi3は、岡部さん曰く、「キャリーが少し短かった」とのこと。PCoSp4は、回転が速い。最後の要素なので、演技が締まるなぁ。
ロマンティックムーディーが続く。幸せ〜☆
エレメンツの入りと出がスムーズで、プログラムの中に溶け込んでいる。さりげなく難しいことをやっている印象を受けた。
フリー131.90、総合198.21。

8 Valentina MARCHEI / Ondrej HOTAREK ヴァレンティナ・マルケイ / オンドレイ・ホタレク(イタリア)

3Tw2のキャッチが間に合わず、先に女性が着氷してしまった。3Tと3S+2T+2TはOK。スロー3Loとスロー3Lzの着氷が美しい。PCoSp4の回転速度が途中でゆっくりになったが、減点されるほどではなかった。
場内スタオベ。ツイスト以外、全ての要素がクリーンだった。
このプログラム、「ミッション・インポッシブル」の取って付けた感にずっと違和感を覚えていたのだが、今回は、最後のミッションの音楽に切り替わったときのワクワク感がすばらしかった。それと、ただ滑っているときもユニゾンが感じられるようになり、結成3シーズン目にして、すっかりペアらしくなっていて嬉しかった。
フリー132.88、総合203.92で、SP同様、FSもPB更新。喜び方がイタリアンだなぁ。あ、でもホタレクはチェコ人だった(笑)。

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●第3グループ
9 Alexa SCIMECA KNIERIM / Chris KNIERIM アレクサ・シメカ・クニエリム / クリス・クニエリム(アメリカ)

  • SP順位:8,得点:72.17
  • 楽曲:Ghost (soundtrack)
  • プログラム:△

3Tw3は高い。つなぎのダンスリフト、素敵〜☆ スロー3Sはこらえた。3Sは跳ぶタイミングが少しズレたが、クリーンに着氷。3T+2Tは、男性がファーストで手をつき、セカンドをつけられず。リフト。FiDs4の回転が速くスムーズ。スロー3FはOK。FCCoSp4は、2人ともトラベリング。PCoSp4は、回転がとても速く、すばらしかった。
男性が女性をすごく気遣って演技しているのが伝わってきた。やはり女性が本調子じゃないんだろうなぁ。リフトで女性を下ろすとき、慎重になっていて、スピードが落ちてしまうんだよね。
でも、正直彼らの演技を見ていると、そんなことはどうでもよくなってしまうというか。岡部さんも、「最初から最後まで愛があふれていて、途中から細かいことはもういいわという気持ちになった」と話していた(笑)。
フリー130.20、総合202.37で、どちらもSB更新。

10 Meagan DUHAMEL / Eric RADFORD メーガン・デュハメル / エリック・ラドフォード(カナダ)

  • SP順位:7,得点:72.67
  • 楽曲:No, je ne regrette rien performed by Patricia Kaas
  • プログラム:△

千鶴さんによると、男性だけでなく、女性も怪我をしているらしい(泣)。ぶじに滑り切れますように。
3T+2Tはまずまず。スロー4Sは転倒。3Sは男性が少しバランスを崩した。FCCoSp4は回転が少しずれたが、GOEちょいプラス。ダンスリフトからスロー3Lzは足がかすった。コレオのダンスリフトで、男性が辛そうで少し怖かった。
頑張った!! 滑り切った!! 本調子じゃないのは明らかだけど、今できることをきっちりやり切ったよ!!
フリー133.39、総合206.06。

11 Natalia ZABIIAKO / Alexander ENBERT ナタリア・ザビアコ / アレクサンドル・エンベルト(ロシア)

  • SP順位:5,得点:74.26
  • 楽曲:Cry Me A River by Michael Buble
  • プログラム:△

3T+2T+2Lo<<は、男性が映らなかったが、女性はきれいに降りてたのに、減点されていた。振り返り映像を見たら、男性がサードの着氷で乱れた。3S<<は、2人とも乱れた。スロー2AはOK。4LiBは、なぜか途中で下ろしてしまった。スロー3LoはOK。BoDsBは、女性のポジションに問題があったようで、レベルが取れず。PCoSp3は、足替え前、回転がゆっくりに。
リフト1つとデススパイラルでレベルがB判定になってしまった。それと、FSでは「感情の表出」問題は未解決のままであった(苦笑)。まーねー、フリーは長いから、要素に集中しがちだよね。時間の要する問題なので、来季に期待したい。
フリー118.28、総合192.54。

12 Liubov ILYUSHECHKINA / Dylan MOSCOVITCH リュボーフ・イリュシェチキナ / ディラン・モスコビッチ(カナダ)

  • SP順位:6,得点:73.14
  • 楽曲:When You Say You Love Me by Darren Hayes perfomed by Josh Groban
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

冒頭の動きから素敵なやわらかい雰囲気があふれ出ていく。3T+2Tの予定が、女性がファーストで転倒し、3T<<という扱いに。3Sも女性の着氷が乱れた。スロー3LzはOK。コレオからそのままBoDs2に入っていくところは何度見ても素晴らしい。スロー3Loはよかった。ダンスリフトからの3Li4も素敵〜☆
演技が終わって、2人とも嬉しそう。
よく滑っていた。コレオからの展開は、本当にすばらしい。これぞペアならではというか、ペアでしかできない表現だと思う。
岡部さんは、たくさんほめた後、「リフト中の男性の足元がスムーズに回転できるようになると、リフトでもっと良い得点が望める」と話していた。
フリー133.05、総合206.19で、SP同様、FSもPB更新。

第3グループが終わった時点で、総合1位は、クセニア・ストルボワ / フェドール・クリモフ(ロシア)。

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●第4グループ
13 Evgenia TARASOVA / Vladimir MOROZOV エフゲーニャ・タラソワ / ウラジミール・モロゾフ(ロシア)

  • SP順位:3,得点:79.37
  • 楽曲:Music by John Miles
  • プログラム:△

女性の怪我が極力痛みませんように。
4Tw3は、着氷で少しバランスを崩した。3Sはばっちり。スロー3Sは高い。3T+2T+2Tは距離が近い。FCCoSp4は、回転がそろっている。スロー3Loはほんのちょっと足がかすった。5ALi1は、途中で下ろしてしまった。
演技後の様子を見るに、やっぱ痛そう。でも演技中は、ほとんど感じさせなかった。
終盤の5ALi1で「あれ?」と思ったくらいで、他はほとんどの要素をクリーンにこなしていた。GOEでちょい減点されたけど、クワドツイストもやってきたし、ほんと、ものすごいガッツだわ。
フリー139.66、総合219.03。減点1は、コスチュームの一部が氷に落ちてしまったことによるものらしい。現時点で総合1位。

14 Xiaoyu YU / Hao ZHANG シャオユー・ユー / ハオ・ジャン(中国)

  • SP順位:4,得点:75.23
  • 楽曲:Cavatina, Larghetto amoroso by Emil von Sauer
  • プログラム:△

4Tw2はまずまず。3T<+2T<は、女性がファーストでオーバーターン、セカンドも乱れた。2AはOK。スロー3Loは高い。スロー3Sはなめらか。FCCoSp4は、回転がそろっている。
演技後、ハオ兄さんが喜んでぱしんと女性の肩を叩いたら、シャオユーちゃんが顔をしかめて何か言ったんだけど、たぶん「痛い!」だ(笑)。けっこう思いっ切りだったもんな。まぁハオ兄さんも、それだけ嬉しかったんだよね(笑)。
3T<+2T<以外は、クリーンな演技だった。プログラムの流れがすばらしいし、エレメンツの安定感が半端ない。
フリー136.28、総合211.51で、どちらもPB更新。現時点で総合2位。

15 Aliona SAVCHENKO / Bruno MASSOT アリョーナ・サフチェンコ / ブルーノ・マッソ(ドイツ)

  • SP順位:2,得点:79.84
  • 楽曲:Lightouse by Patrick Watson
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

冒頭のマイムがめっちゃ印象的。3Tw2は、GOE加点が満点だが、キャッチから着氷まで時間がかかったからか、1人のジャッジが+1を出している。3T+2T+SEQと3SはOK。スロー3Aは足をついた。CCoSp4は、2人の距離が近いし、回転が速いのにぴったりそろっている。場内からも拍手と歓声が。コレオはスピードびゅんびゅん。スロー3Sは足をついた。どのリフトも女性に体重がないかのように軽くてなめらか。
演技後、アリョーナのガッツポーズきたー!! 2人とも大喜び。場内スタオベ&大歓声。
本当にとっても素晴らしいものを見せてくれてありがとう!! ペアの新境地を切り開いている。
ものすごいプログラムである。高い芸術性と技術に裏打ちされたプログラム。
岡部さんが、「(演技中)コメントをしたくなくなった。黙って没頭したくなる演技だった」と大絶賛。
フリー150.46、総合230.30で、SP同様FSもPB更新。現時点で総合1位。アリョーナが感極まってる…。マッソ泣いてる…。

16 Wenjing SUI / Cong HAN ウェンジン・スイ / コン・ハン(中国)

  • SP順位:1,得点:81.23
  • 楽曲:Bridge Over Troubled Water by Paul Simon
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

男性がスタートポジション間違えたっぽい(笑)。4Tw3は、トリプルみたいに軽々と。3T+2Tタノは、手を上げ下ろしまで合っている。3Sは女性が転倒。スロー3Sとスロー3Fはすばらしい。FCCoSp4は、回転が合っている。3Li4の前の動き(女性が男性のスケート靴に足をのせ、男性がイーグル)好き!! PCoSp4Vは、何でこれで回転できるんだという独創的なポジションで始まるのだが、回転速度が落ちないんだよね。すごい。
2人とも万感の思いを込めてハグ。泣ける…。特にハンくんの表情にぐっときた。場内スタオベ&拍手喝采
実況陣、特に岡部さんが感極まってる感じ。ジュニアのころから彼らを見てきたから、感激もひとしおとのこと。
フリー150.83、総合232.06で、SP同様、FSもPB更新。総合1位に決定。キスクラのスイ&ハンはもちろん、ホンボー先生もビン・ヤオ先生も立ち上がって喜んでいる。
グリーンルームのアリョーナ&マッソは、「しゃーないなー」という表情。

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◆総合順位
FSが終わって、総合順位は下記のとおり。左から総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Wenjing SUI / Cong HAN CHN 232.06 1 1
  2. Aliona SAVCHENKO / Bruno MASSOT GER 230.30 2 2
  3. Evgenia TARASOVA / Vladimir MOROZOV RUS 219.03 3 4
  4. Xiaoyu YU / Hao ZHANG CHN 211.51 4 5
  5. Ksenia STOLBOVA / Fedor KLIMOV RUS 206.72 13 3
  6. Liubov ILYUSHECHKINA / Dylan MOSCOVITCH CAN 206.19 6 8
  7. Meagan DUHAMEL / Eric RADFORD CAN 206.06 7 7
  8. Vanessa JAMES / Morgan CIPRES FRA 204.68 10 6
  9. Valentina MARCHEI / Ondrej HOTAREK ITA 203.92 9 9
  10. Alexa SCIMECA KNIERIM / Chris KNIERIM USA 202.37 8 11
  11. Julianne SEGUIN / Charlie BILODEAU CAN 198.21 12 10
  12. Natalia ZABIIAKO / Alexander ENBERT RUS 192.54 5 13
  13. Nicole DELLA MONICA / Matteo GUARISE ITA 192.02 11 12
  14. Anna DUSKOVA / Martin BIDAR CZE 179.70 15 14
  15. Tae Ok RYOM / Ju Sik KIM PRK 169.65 14 15
  16. Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR AUS 164.10 16 16
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◆平昌オリンピック&ワールド2018 の出場枠

  • 3枠:中国,ロシア,カナダ
  • 2枠:ドイツ,フランス,イタリア,アメリカ(ワールドのみ,五輪は1枠)

祝☆中国の3枠獲得!! そして、カナダも3枠ぎりぎり確保…。よ…よかった…。
ところで、オリンピックは16枠しかないのに17枠が決まり、どうなるのかなと思っていたら、どうやら2枠の中で、最下位のアメリカが1枠しかもらえないらしい。えー!? そんな殺生な!!(泣)

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◆表彰式
3組が表彰台の上で記念撮影するとき、真ん中のハンくんが、スイちゃんの陰になり、顔がよく見えないから、両脇のマッソとモロゾフがハンくんと腕を組んで持ち上げてくれていた(笑)。なんて微笑ましい光景☆

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◆総評
初優勝のスイ&ハンと総合2位のサフチェンコ&マッソは、どちらも甲乙つけがたく素晴らしく、わたしとしては、「どっちも金メダルでいいじゃん!!」と本気で思いました(笑)。じかに見られた現地のお客さんが妬ましいほどである。TESはスイ&ハンが、PCSは僅差だがサフ&マソが上。
以前、杉田さんから、ビン・ヤオ先生の夢は、「世界チャンピオンを3組育てること」と聞いていたが、久々に帯同したワールドで、長年の夢が叶い、本当に嬉しいだろうな〜。おめでとうございます!!
3位はタラソワ&モロゾフ。女性が公式練習中に怪我をするというトラブルに見舞われたが、みごと滑り切り、初メダルを獲得。今季の飛躍で平昌オリンピックの金メダル候補に名乗りを上げた。
4位は、ユー&ジャン。結成1シーズン目でここまで一体感を醸し出せるようになるとは。去年、前の2組の解散の話を聞いたときは、「考え直して〜〜!!(ムンクの叫び)」と心底思ったが、今季の結果を見るに、中国スケ連の見立てが間違ってなかったってことなんだろうな〜。いやもちろん、ユー&ジャンとペン&ジン、両組の頑張りがあってこそだけども。
5位はストルボワ&クリモフ。SP13位→FS3位と大きくジャ〜ンプアップ!! よかったよかった。ここ2シーズン、怪我が続いているので、来季はとにもかくにも健康で過ごせますように。怪我さえなければ、オリンピック優勝候補の1組だもの。
6位はイリュシェチキナ&モスコビッチ。結成3シーズン目になるが、毎年、着実にレベルアップしていると思う。今季はSPもFSも独創性にあふれているプログラムで、本当に素敵だった。来季もめっちゃ楽しみ〜☆
7位はデュハメル&ラドフォード。残念ながら3連覇はならなかったが、コンディションが万全でない中、やるべきことをやり、カナダ3枠確保に貢献してくれた。本当にお疲れ様でした。しっかり怪我を治して来季に備えてください。
14位のアナ&マルティンと、16位のアレクサンドロフスカヤ&ウィンザーは、FSがほんっっとしんどそうだった。やっぱジュニアと掛け持ちは大変よね。特にアレ&ウィンは、2週間前の世界ジュニアに出たばっかだし。本当にお疲れ様でした。
ネーベルホルン(2017年9月27日〜30日)で獲得できる出場枠は4。FSに進出したものの出場枠は獲得できなかった、14位のアナ&マルティンチェコ)や15位のリョム&キム(北朝鮮)、16位のアレ&ウィン(オーストラリア)はもちろん、本大会ではFSに進出できなかったツィーグラー&キーファー(オースリア)をはじめとする他の組とも、日本は競わなければならないんだな〜。ぐっは〜、なんとハードなことよ(涙)。
ペアは特に怪我と病気が多く、今季もまた多くの組が健やかにシーズンを過ごすことができなかった。岡部さんによると、怪我の多さに関してはISUも重く見ていて、どう防いだらいいのか、いろいろ話し合われているところらしい。
怪我や病気と戦いながら、それぞれのペアが素晴らしい演技をして、上位10組が200点を超えるというハイレベルな試合を見せてくれた。心から感謝の気持ちを述べたい。来季こそは、みんな健康で過ごせますように。