JGPチェコスケート2016 ペアFS

JGPチェコスケート2016 ペアFS リザルト
ジュニアのGPシリーズ第2戦。ペアFSは、現地時間2016年9月2日(金)に行われた。

にて、ライブではなく、次の日に第2グループから演技を見た。特に印象に残った組の演技について書いていきます。

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●第2グループ
4 古賀亜美 / スペンサー・アキラ・ハウ(日本)

  • SP順位:9,得点:47.50
  • 楽曲:Ryomaden by Naoki Sato

スロージャンプでお手つきがあったり、リフトで女性を上げるときちょっとひやっとしたりしたけど、全体的には、上々のJGPデビューだったのではなかろうか。
まだエレメンツをこなすのに精いっぱいで、音楽を表現するところまでいってない感じだけど、滑りもユニゾンもいいし、経験と練習を積んでいけば、めっちゃ素敵なペアになりそう!
演技が終わるなり、ハウくんに何か話しかける亜美ちゃん。そしてそれに答えるハウくん。何を話してたんだろう。
今季、世界ジュニアに出場できるといいなー。
フリー87.92、総合135.42。得点が出て満足そうな二人とコーチ。よかったよかった。

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●第3グループ
9 Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR(オーストラリア)

  • SP順位:6,得点:49.45
  • 楽曲:W.E. (soundtrack) by Abel Korzeniowski

メドさんの昨季フリーの曲だ。
リフトの上げ下ろしでちょっと怖かったりと、エレメンツの入りと出でスムーズさに欠ける場面もあったけど、ツイストはすでにトリプルができてるし、二人が手をつないで滑っている姿がとてもいい感じ。
フリー87.60、総合137.05。得点が出て、選手たちもコーチも不服そうな顔。「あれ、思ったより得点が低かったのかな」と思って、プロトコルを見たら、最後のペアスピンがノーバリューになっていた…。

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●第4グループ
10 Chelsea LIU / Brian JOHNSON(アメリカ)

  • SP順位:3,得点:50.98
  • 楽曲:Beauty and the Beast (soundtrack) by Alan Menken

昨季からの持ち越しプログラム。
ソロジャンプで2人そろって転倒したり、スロージャンプで2つとも着氷にミスがあったりと、ジャンプ系が不調であった。
最後、音楽が最高潮に盛り上がるところで、疾走感のある、ダイナミックなリフトがばば〜んと入っていて、良いプログラムだと思うんですよ。あとはジャンプだなー。ジャンプが決まってくると、さらに盛り上がるはず。
フリー94.56で自己ベスト更新、総合145.45。現時点で総合1位。

11 Amina ATAKHANOVA / Ilia SPIRIDONOV(ロシア)

  • SP順位:4,得点:50.38
  • 楽曲:Danse Mon Esmeralda (from "Notre Dame de Paris" soundtrack) by Richard Cocciante

SPでは、あざといほど愛らしさを前面に出して、わたしのハートをがっちりつかんだ二人(笑)。
フリーでは、ソロジャンプで二人とも転倒したりとミスもあったが、スロージャンプは2本ともクリアーに着氷して、技術の高さを見せてくれた。
音楽表現の面では、前半はよかったなーと思うのだが、後半はバテて、それどころではない感じになってしまって残念だった。でもま、エレメンツに大きな失敗はなかったと思うし、申し分のないJGPデビューだったのではないか。
フリー92.64、総合143.02。現時点で総合2位。おお、リュウ&ジョンソンが表彰台を確定! キスクラに笑顔がないところを見ると、表彰台を狙ってたんだろうな〜。リュウ&ジョンソンとは僅差なんだよね〜。惜しかった。

12 Anastasia POLUIANOVA / Maksim SELKIN(ロシア)

  • SP順位:2,得点:55.23
  • 楽曲:Singin' in the Rain by Gene Kelly

フリーは、わたしの大好きな「雨に唄えば」。「…でもロシアだしなー、変てこアレンジくるんじゃない?」と、やや身構えていたのだが、(多分)原曲そのままの「雨に唄えば」だった(笑)。
でも、「雨に唄えば」は、笑顔で滑ってほしい。最初の方は、頑張って表情を作ってた感があったけど、後半は疲れてきたのかほとんど無表情であった。この曲には、ハッピー感があふれてないと!!
とはいえ、滑りのいい組にお気に入りの曲で滑ってもらえるのは幸せ。ソロジャンプやスロージャンプでいくつかミスはあったのだが、プログラム自体はとっても素敵だった。これからの進化が楽しみ〜☆ 今季、怪我なく病気なく過ごして、ぜひともこのプログラムを完成させてほしい。
フリー104.78、総合159.94。現時点で総合1位。

13 Anna DUSKOVA / Martin BIDAR(チェコ

  • SP順位:1,得点:62.94
  • 楽曲:La leyenda del beso, ある恋の物語

JGPは、観客数が少ないので、その存在を感じる機会も少ないのだが、さすが地元の組がSP1位で折り返しているとあって、彼らが滑る前は、大盛り上がりであった。
プログラム前半は、「ああ…スケーティングがいいって素晴らしい…」と、うっとり眺めていたのだが、後半に入って、「あれ?あれれ?」と思っているうちに、最後の最後、コレオシークエンスのダンスリフトでミス。嗚呼(泣)。
それから、プロトコルを見ると、イリーガルエレメンツで減点2とられてるんだよね。何が違反してたんだろう。
プログラムの途中から、「ある恋の物語」が入ったところで、「その割に全然ラテンっぽい表現がないんだけど…って、あれ、なんか前にも同じ感想をもったな」と思って気づいた。これ、昨季から持ち越しのプログラムなんだわ(汗)。
なーんでこのプログラム、持ち越したんだろ。この組には、定番のクラシック音楽のほうが、よっぽど合ってると思うのに。矯正プロなのか。その割に表現面であまり改善が感じられないのだが。
フリー98.55、総合161.49で総合1位。最終滑走なので、順位は確定。SPの点差で逃げ切った〜。優勝おめでとう!

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◆総合順位
ペアの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Anna DUSKOVA / Martin BIDAR CZE 161.49 1 2
  2. Amina ATAKHANOVA / Ilia SPIRIDONOV RUS 159.94 2 1
  3. Chelsea LIU / Brian JOHNSON USA 145.54 3 3
  4. Anastasia POLUIANOVA / Maksim SELKIN RUS 143.02 4 4
  5. Yumeng GAO / Zhong XIE CHN 140.59 5 5
  6. Lori-Ann MATTE / Thierry FERLAND CAN 137.89 8 6
  7. Kseniia AKHANTEVA / Valerii KOLESOV RUS 137.35 7 7
  8. Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR AUS 137.05 6 9
  9. Ami KOGA / Spencer Akira HOWE JPN 135.42 9 8
  10. Lindsay WEINSTEIN / Jacob SIMON USA 133.57 10 10
  11. Justine BRASSEUR / Mathieu OSTIGUY CAN 132.77 11 11
  12. Audrey LU / Misha MITROFANOV USA 123.19 12 12
  13. Su Yeon KIM / Hyungtae KIM KOR 107.16 13 13
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◆総評
ドゥシュ&ビダは、地元のJGPで優勝できて、本当によかったわー。おめでとう!
…がしかし、だがしかし、心から喜べず、胸がもやもやするのは、フリーのプログラムが原因である。昨季から持ち越しするくらい素敵なプログラムには思えないんだよなー。「今季は地元開催のユーロが開催されるのに、あのプログラム滑るの〜?」という、非常に「余計なお世話」な思いを抱いてしまうのも、彼らが好きで思い入れたっぷりだからである。
2位のアタ&スピは、SPは変てこアレンジの映画音楽、FSは、原曲そのままの映画音楽で、とってもいいバランスだと思う(笑)。どちらとも素敵なプログラムなので、このまま滑り込んでいってもらいたい。
8位のエカテリーナ&ハーレイは、将来性を感じるし、オーストラリアというか南半球において、非常に貴重なペアなので、何とか続けていってほしい。キスクラの様子を見てると心配になるんだよな…。
9位の古賀&ハウは、二人のパートナーシップも問題なく仲良しそうだし、これからの成長が楽しみでならない。JGP、もう一試合、出してもらえないかなぁ?