JGP横浜2016 アイスダンスSD

JGP横浜2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第3戦。アイスダンスSDは、現地時間2016年9月10日(土)に行われた。
ISUのライブ放送

にて、全組の演技を見た。
特に印象に残った組の演技について、滑走順に感想を書いていきます。

                                                                                                                                        • -

●第1グループ
2 Angelique ABACHKINA / Louis THAURON アバチキナ&トーロン(フランス)

  • 楽曲:
    • Blues: You Can Leave Your Hat On by Joe Cocker
    • Swing: Swing Baby by Ji Young Park

昨季、JGP Riga Cup 2015 2位、世界ジュニア7位。
今季、JGPサン・ジェルヴェ優勝。
冒頭の振付の、二人の絡み具合が増しており、プログラム全体が、くどくなっていた(笑)。だが、そこがいい☆
パターンダンスのフリーレッグがぴったりそろっていて気持ちよかった。リフトはまだちょっと、「はい次! 次! 次!」感があるなぁ(笑)。動きはスムーズだし、ポジションもキレイなんだけどね。ツイズルは、回転がちょいズレてひやっとしたが、持ち直した。
体の動きにキレがあって、振付もだいぶ馴染んできたようだ。
60.68。あれー、1戦目よりちょい低い。SB更新するかと思ったのに。

3 Rachel PARSONS / Michael PARSONS パーソンズ兄妹(アメリカ)
-楽曲:

    • Hip Hop: A Little Party Never Killed Nobody by Fergie, Q-Tip, GoonRock
    • Blues: Born to Die by Lana Del Rey

昨季、JGPファイナル3位、全米ジュニア2位、世界ジュニア2位。
パンツルックでおそろいのズボンをはいている。おしりの形と足のラインがそっくりで、兄妹だなぁと思った。
妹がしっかりした体格なので、兄が頭半分くらい背が高いことを除けば、兄との体格差をあまり感じないんだよね。それでもリフトは軽々こなしてるもんなぁ。シニアのトップ並みに、リフトの入りと出、ポジションチェンジがスムーズで、せわしない感じがまったくなく、自然でスムーズ。凄い。
スケーティングは、素人目にもわかるほど、別格の素晴らしさ。ツイズルは、ファーストで二人の距離が離れてしまったのだが、セカンドで修正して近くなった。
まだJGP初戦なのに、全てのエレメンツがレベル4&GOE加点。しかもジャッジが誰一人GOEで0を付けてないんだよ。みんな1以上出してるんだよ。お…恐ろしい子たち!!
66.76。

                                                                                                                                        • -

●第2グループ
4 Anastasia SHPILEVAYA / Grigory SMIRNOV シュピレワヤ&スミルノフ(ロシア)

昨季、ジュニアの国内選手権3位、ユースオリンピック優勝、世界ジュニア5位。女性はウクライナ出身。
二人とも背が伸びて、大人っぽくなったなぁ。昨季の世界ジュニアのときは、「男の子と女の子」という感じだったけど、今は大人の男女感が出てきた。
ブルースもよかったが、スウィングに音楽が変わったら、さらに躍動感が増し、二人のチャーミングな魅力全開で、みごとだった。
ツイズルの入り方がぴったりそろっていて、ポジションも回転も美しかったし、リフトで独創的なポジションが次々展開されていく様は、本当に素晴らしかった。
60.88で、自己ベスト更新!

6 Marjorie LAJOIE / Zachary LAGHA ラジョワ&ラガ(カナダ)

  • 楽曲:
    • Blues: Shopping Clothes by The Coasters
    • Swing: Land of 1000 Dances by Wilson Pickett

昨季、ジュニアの国内選手権2位、ユースオリンピック4位、世界ジュニア13位。
女性の衣装が素敵!! スカートが2枚重ねなんだけど、下が真っ白で、上が黒で透けた模様が入っている。
2つのパターンダンスの間に、つなぎの小リフトが入っていて、振付のアクセントになっていた。パターンダンスでフリーレッグを大きく上げるのがそろっていて、気持ちいい。
NtMiStの前に、男性がバランスを崩したような気がしたけど、気のせいかも。スウィングに音楽が変わって、テンポアップしたら、ちょっとせわしない感じというか、バタバタ感を覚えたが、若者らしい勢いが伝わってきた。
57.02で、自己ベスト更新!

                                                                                                                                        • -

●第3グループ
8 深瀬理香子 / 立野 在(日本)

  • 楽曲:
    • Blues: Petite Fleur by Sydney Bechet
    • Swing: Opus One

昨季、全日本ジュニア優勝、世界ジュニア19位。
理香子ちゃんのスカートが、薄水色の地に、ピンクメインで色とりどりの花があしらわれていて、本当にキレイ&かわいい。
とてもていねいに演じているのが伝わってきた。
パターンダンスでは、フリーレッグがきちんとそろっていたが、後半のスウィングっぽい振付が、ちょっと音楽とずれてるような気がした。
ところどころ、もたつきのようなものを感じたので、そこがなくなってくると、より洗練されるのではないか。
プロトコルを見たら、けっこうレベルを取りこぼしている。ま、伸びしろがあるってことよね。
キスクラに樋口先生が! お久しぶりです!
46.68で、自己ベスト更新!

10 Polina IVANENKO / Daniil KARPOV イヴァネンコ&カルポフ(ロシア)

  • 楽曲:
    • Blues: Blues Get Off My Shoulder by Robert Cray
    • Rock'n'Roll: Ready, Steady, Go by Little Richard

今大会、JGPデビュー。二人ともほっそいなー。
二人の距離が近いし、ユニゾンもいいし、各エレメンツをそつなくこなしていた。ブルースとスウィングの曲想の変化もきちんと表現できていたと思う。
51.12。

11 Emma GUNTER / Caleb WEIN ガンター&ワイン(アメリカ)

  • 楽曲:
    • Hip Hop: Straight Up by Elliot Wolff
    • Blues: Rush, Rush by Peter Lord
    • Hip Hop: Videology by Peter Lord, Sandra St. Victor, V. Jeffrey Smith

今大会、JGPデビュー。黒地に黄色とオレンジの蛍光カラーが入った、ユニークな衣装。靴紐も同じく蛍光色。
男性の髪は、地毛なんだろうか、パンチパーマをかけてるみたいな、ユニークな髪型なんだけど。
14歳と15歳、ジュニアの中でも若い二人だが、滑りは良かったと思う。ヒップホップのリズム感も上手に表現できてたんじゃないかなー。プログラムも個性的でおもしろかった。
46.48。

                                                                                                                                        • -

◆SD順位
SDが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されている。
1 Rachel PARSONS / Michael PARSONS USA 66.76 35.64 31.12
2 Anastasia SHPILEVAYA / Grigory SMIRNOV RUS 60.88 31.44 29.44
3 Angelique ABACHKINA / Louis THAURON FRA 60.68 32.00 28.68
4 Marjorie LAJOIE / Zachary LAGHA CAN 57.02 30.62 26.40
5 Polina IVANENKO / Daniil KARPOV RUS 51.12 28.36 22.76
6 Rikako FUKASE / Aru TATENO JPN 46.68 25.12 21.56
7 Emma GUNTER / Caleb WEIN USA 46.48 26.08 20.40
8 Seungyun HAN / Grayson LOCHHEAD CAN 41.14 21.38 20.76
9 Matilda FRIEND / William BADAOUI AUS 33.50 17.66 16.84
10 Kristsina KAUNATSKAIA / Yuri HULITSKI BLR 31.52 14.12 17.40
11 Karolina E. CALHOUN / Logan T. LEONESIO BRA 25.54 13.30 14.24

                                                                                                                                        • -

◆総評
昨季、世界ジュニア2位のパーソンズ兄妹と、JGPサン・ジェルヴェで優勝したアバチキナ&トーロン、昨季の世界ジュニアでハートを射抜かれたシュピレワヤ&スミルノフ、そしてわれらが日本代表、深瀬&立野が出場するということで、ウッキウキ☆ワックワクで見始めたのだが、やはりパーソンズ兄妹は、マクナマラ&カーペンター同様、他の組より頭二つ分くらい抜けてる感じ。SDでこの点差だもんなー。別の大会だから、単純に比較できないけど、JGPチェコスケートのときのマクナマラ&カーペンターとほぼ同じ得点が出ている。
2位のシュピレワヤ&スミルノフは、順調にうまくなっているし、二人の体格差もバランスよく成長しているようで、何よりである。
3位のアバチキナ&トーロンは、素晴らしい演技だったのだが、SB更新ならず。2位の組とほとんど差がないので、FD勝負ですな。初のJGPファイナル進出を決められるか。
6位の深瀬&立野は、PB更新、おめでとう☆ 5位の組とは点差が開いているので、FDで今の順位を落とさないよう、頑張ってほしい。7位のガンター&ワインと、非常に接戦なので、こちらもFD勝負ですな。