JGP横浜2016 男子FS
JGP横浜2016 男子FS リザルト
ジュニアのGPシリーズ第3戦。男子FSは、現地時間2016年9月10日(土)に行われた。
にて、第2グループからライブ放送を見た。その中で、特に印象に残った選手の演技について、感想を書いていきます。
選手名の日本語表記に自信のないものは、最後に「?」を付けてます…(汗)。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
●第2グループ
7 James MIN ジェームス・ミン(オーストラリア)
- SP順位:13,得点:53.48
- 楽曲:Totem (Cirque du Soleil)
ソレイユらしい不思議な音楽にふさわしい、個性的な振付で、おもしろいプログラムだった。特に、スピンが曲想を表した独創的なポジションで、「おお〜!」と思った。
ジャンプで3回転倒し、他にもジャンプのミスが多かったので、演技が終わった後、がっかりしていたが、演技中はちゃんと笑顔だった。さすが。
フリー91.95、総合145.43で、SP同様、FSも自己ベスト更新!
10 三宅星南(日本)
- SP順位:14,得点:48.90
- 楽曲:Child of Nazareth by Maxime Rodriguez
昨季から続行のプログラム。
3A<と3Lz!+3Tの転倒をはじめ、ジャンプにいくつかミスが出てしまったが、スケーティングの良さは、このグループの中でピカイチだった。全身を大きく使えていた。
中盤で力強い曲想に変わるのだが、そこでもっとパワフルに演技できると、さらに素敵なプログラムになると思う。
フリー113.19で自己ベスト更新、総合162.09。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
●第3グループ
11 Daniel GRASSL ダニエル・グラッスル(イタリア)
- SP順位:10,得点:56.10
- 楽曲:
- Smile by Nat King Cole
- Charlie Chaplin: City Lights (soundtrack)
「ちっちゃい!かわいい!美少年」な彼に、チャップリンの小芝居プロをやらせるなんて!! あ・ざ・と・い!!(笑)
3Lz+3Tと3Lz+2T+2Loで、少し減点されているが、見た目ほぼノーミスだった。
チャップリンを思わせる振付が散りばめられた、とっても楽しいプログラムで、彼の滑りや姿勢がもうちょっとなところをうまくカバーしている。昨季の高志郎くんのチャップリンも素晴らしかったけど、彼のも素晴らしいわー。激ハマりだ。
フリー121.26、総合177.36で、SP同様、FSもSBかつ自己ベスト更新!
12 Mark GORODNITSKY マーク・ゴロドニツキー(イスラエル)
- SP順位:11,得点:55.19
- 楽曲:Iron Man 3 (soundtrack) by Brian Tyler
マーベル映画が好きな身としては、楽曲名を見て、心躍らずにはいられない(笑)。
衣装も振付も、映画とはまったく無関係で、ちょっぴり残念だったが、これはこれで素敵なプログラムだった。
SPのときは、スピンが上手だと思ったのだが、FSでは、全てのスピンで減点されている。レベルは3、4、3と、まぁまぁ取れていたのだが、トラベリングしたり、バランス崩したりしてたからなぁ。う〜ん、スピン頑張れ。
ジャンプは3Lz<(!付き)の転倒があったが、他は大きなミスなく下りていた。
「アイアンマン3」って、素敵な曲、いっぱいあったんだなーと新発見できた。それはつまり、彼が音楽をよく表現できてたってことだよね。すばらしい。
フリー109.86、総合165.05で、SP同様、FSも自己ベスト更新! 前のPBの総合得点が135.78なので、30点近く更新だよ☆
13 Donovan CARRILLO ドノヴァン・カリーリョ?(メキシコ)
- SP順位:12,得点:53.64
- 楽曲:Hasta Que Te Conoci by Juan Gabriel, performed by Raul di Blasio
初めは美しい抒情的な旋律だったのが、途中からラテンぽいリズムになり、ワイン飲むみたいなジェスチャーが入った後、男性ボーカルが始まった。どういうコンセプトのプログラムなんだろう?(笑)
…というわたしの疑問はさておき、選手は、曲想の変化もきちんととらえて表現できていた。表情も豊かで、踊り心もあるし、素敵な選手だと思う。
ジャンプの転倒はなかったが、加点が望めるような質のものは、ほとんど跳べていなかった。
あと、タイムバイオレーションで減点1。もったいない〜〜。
フリー102.04、総合155.68で、SP同様、FSも自己ベスト更新! 前のPBの総合得点が109.17なので、46点以上更新だよ☆
14 木科雄登(日本)
- SP順位:7,得点:61.67
- 楽曲:Violin Concerto by Petr I. Tchaikovski
襟元フリルのブラウス全体に、スパンコールがキラキラキラ〜☆という王子様衣装だが、個人的には好み。彼に似合ってると思う。
SPのときのような、シャープな動きがなくなってしまい、残念だった。ジャンプは、転倒あり、抜けあり、<あり、コンボ2つだけ…という内容で、得点が伸びず。
今回、彼本来の力が出し切れなかったけど、音楽は、彼に合ってると思うので、滑りこんでいけば、素敵なプログラムになりそう。
フリー112.99、総合174.66で、SP同様、FSも自己ベスト更新! 前の総合得点は149.81だから、24点以上更新だよ☆
15 Chih-I TSAO チーイー・ツァオ(台湾)
- SP順位:9,得点:60.71
- 楽曲:Adios Nonino by Astor Piazzolla
3Aと3Fの転倒をはじめ、クリーンな着氷のジャンプが少なかったこと、そして、最後のFSSpの途中でバランスを崩してしまったことは残念だったが、このプログラム、すごくいい!! ぜひとも完成形を見せてほしい。
プログラム後半、一瞬無音になってから、二本目の3Sを下りたとたん、「リベルタンゴ」が始まる。そこがめっちゃクールだと思う。
スケーティングの一蹴りが伸びるので、美しい抒情的な音楽が似合うこと似合うこと。見ていてほんとに気持ちよかった。
フリー115.96、総合176.67。
16 エマニュエル・セイヴァリー(アメリカ)
- SP順位:8,得点:61.44
- 楽曲:
- House of Flying Daggers (soundtrack) by Shigeru Umebayashi
- Fearless (soundtrack) by Shigeru Umebayashi
- Crouching Tiger Hidden Dragon (soundtrack) by Tan Dun
"House of Flying Daggers" の邦題って、「LOVERS」なんだ。原題は「十面埋伏」なのに、邦題も英題も、てんでバラバラだな(笑)。
3A2本、4S、3Tで転倒。そしてタイムバイオレーションをとられたので減点5…嗚呼(泣)。
高難度ジャンプ構成のプログラムの上に、4回も転倒してしまったので、仕方ないとは思うが、エレメンツを淡々とこなす演技になってしまった。
中国の武道っぽい振付が散りばめられており、なかなか個性的なプログラム。彼に合っていると思うので、表現の方も頑張ってほしい。
フリー98.89、総合160.33で、SP同様、FSも自己ベスト更新! 前のPBの総合得点が136.33だから、24点も更新してるよ☆
第3グループが終わって、総合1位はイタリアのグラッスルくん。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
●第4グループ
17 Artem KOVALEV アルチョム・コヴァリョフ(ロシア)
- SP順位:4,得点:70.19
- 楽曲:
- House of Flying Daggers (soundtrack) by Shigeru Umebayashi
- Samurai Collection by Kiyoshi Yoshida
「サムライ・コレクション」って、一体全体どんな曲だろうと思っていたのだが、実際聴いてもどの辺が「サムライ」なのか全くわからなかった。 ぜんぶ中国風に聴こえたぞ(汗)。
まぁそれはさておき、演技の方は超クリーンだった。全てのエレメンツの質の高さにビビる。ジュニア離れした音楽表現とボディームーブメントにビビる。
プロトコルを見ると、スピンは全てレベル4、ステップはレベル3、全てのエレメンツにプラス評価。ジャッジが一人もマイナスを付けていない。
おそろしあ!
フリー138.82、総合209.01。3Aもクワドもなしで、この得点はすごい。現時点で総合1位。
18 Roman SADOVSKY ロマン・サドフスキー(カナダ)
- SP順位:5,得点:67.94
- 楽曲:Romeo and Juliet (Plunket and Maclean soundtrack) by Craig Armstrong
4Sはクリーンに下りたが、3A<で転倒。他のジャンプも危なっかしかったので、ひやひやしながら見ていたが、転倒は、一度だけですんだ。
ジャンプ以外の部分は素晴らしく、とっても美しかった。ただ、ちょっと一本調子かも。でもま、音楽がそんな感じだしな。
それにしても麗しのロミオである。わたしがジュリエットだったら、相手のあまりの美しさに気後れしてしまって、恋に没頭できなさそう(苦笑)。
フリー143.61、総合211.55で、FSも総合も自己ベスト更新! 現時点で総合1位。
19 友野一希(日本)
- SP順位:6,得点:66.47
- 楽曲:An American in Paris by George Gershwin
「巴里のアメリカ人」の見所は、何といっても終盤のダンス!ダンス!ダンス!(笑)なので、踊る男、友野一希にぴったりの選曲ですな。
ジャンプは、4Sは着氷でオーバーターン、3A+2Tの3Aがオーバーターン、3Loはフリーレッグが軽くタッチしてしまい、減点されたが、他は大丈夫。スピンのレベルは4、4、3と取れていたが、CCoSpにVが付いてしまったのがもったいなかった。あと、ステップがレベル2なのが口惜しい。表情豊かで素晴らしいステップだっただけに。
つなぎにも楽しい振付がもりもり入っていて、踊る男の本領発揮プロ。それをエモーショナルに演じきった。これは名作の予感。クリーンな演技を見たい! 激しく見たい!
フリー145.57、総合212.04で、SP同様、FSも自己ベスト更新! 前のPBの総合得点が179.61なので、30点以上更新だよ☆
現時点で総合1位。結果を聞いて、コーチは大喜び。「すごい」と驚いてる友野くん。そうだよ! きみは今、すごい演技をしたんだよ!
20 ヴィンセント・ジョウ(アメリカ)
- SP順位:1,得点:80.53
- 楽曲:Johnny Staccato by Elmer Bernstein
演技が終わった後、ヴィンスは満足いく出来だったようで、ガッツポーズしてた。確かに、4S1つ、3A2つ(2本目は後半)、後半にコンボ2つという、ジュニアではトップの高難度ジャンプ構成を、アンダーローテやステップアウトもあったものの、大きなミスなく滑り通せたのは大きな成果だと思う。
ただちょっと淡白な滑りになっちゃったかなー。それでも味わいや余韻を感じさせるようになったと思う。
フリー145.86、総合226.39で、SP同様、FSも自己ベスト更新! 現時点で総合1位。
21 アレクセイ・エロホフ(ロシア)
- SP順位:3,得点:74.90
- 楽曲:Romeo and Juliette
4Tと3Aで転倒したが、他のエレメンツは全てプラス評価をもらっている。
ロマンティックで美しい音楽を、優雅にゆったりと演じていた。
総合216.91。現時点で総合2位。
22 ジュンファン・チャ(韓国)
- SP順位:2,得点:79.34
- 楽曲:Il Postino
ジャンプの質の高さが凄まじい。4Sなんて、加点が2.00ですよ!? ジャンプの減点は、3F+1Lo+3S<だけ。
スピンも素晴らしい出来に見えたが、プロトコルを見ると、スピンでVを2つもらってるし、レベルも全部3と、取りこぼしてるんだな。
ステップは初戦にもかかわらずレベル4。SPもFSもか! まだJGP初戦なんですけど!
PC画面だと分かりにくいが、かなりスピード出てたんじゃないかなぁ。一蹴りの伸びがすごい。
男性ボーカルが切なく朗々と歌い上げる曲なのだが、体を大きくなめらかに使って、よく表現していた。こういう音楽だと、顔が無表情でも違和感なくて大丈夫なのよね。
フリー160.13、総合239.47。取りこぼしてなお、この高得点。恐ろしい14歳である。
SP同様、FSも自己ベスト更新! 前のPBの総合得点が207.11なので、30点以上更新だよ☆ 総合1位で決定。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
◆総合順位
男子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。
- Jun Hwan CHA KOR 239.47 2 1
- Vincent ZHOU USA 226.39 1 2
- Alexey EROKHOV RUS 216.91 3 5
- Kazuki TOMONO JPN 212.04 6 3
- Roman SADOVSKY CAN 211.55 5 4
- Artem KOVALEV RUS 209.01 4 6
- Daniel GRASSL ITA 177.36 10 7
- Chih-I TSAO TPE 176.67 9 8
- Yuto KISHINA JPN 174.66 7 10
- Mark GORODNITSKY ISR 165.05 11 11
- Sena MIYAKE JPN 162.09 14 9
- Emmanuel SAVARY USA 160.33 8 14
- Donovan CARRILLO MEX 155.68 12 12
- Eric LIU CAN 148.82 15 13
- James MIN AUS 145.43 13 15
- Harrison Jon-Yen WONG HKG 128.94 16 16
- Kai Xiang CHEW MAS 109.98 17 18
- Michael DURHAM NZL 102.00 18 17
- Chadwick WANG SIN 86.93 19 20
- Mauro CALCAGNO ARG 82.89 20 19
- Calvin PRATAMA INA 63.94 21 21
- Krishna Sai Rahul ELURI IND 13.09 22 22
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
◆総評
ジュンファンが初めてのJGPで優勝!! 凄すぎ!! ジャンプの質の高さは結弦くんを思わせる。今季、ジュニア男子の台風の目になりそう。
2位のヴィンスは、スケーティングの成長が著しい。それが、エレメンツの質や表現の向上につながっているようだ。嬉しい〜☆
3位のエロホフくんは、初めて見る選手だったが、3Aとクワドが跳べるし、ジャンプに安定感があるので、あとはエレメンツの質を高めていければ。SPに変てこプロ、FSにロマンティックな王道プロという凸凹具合がス・テ・キ☆(笑)
4位の友野くん。本当にすばらしいフリーの演技だった。今季、日本のジュニア男子を引っ張っていくのは彼なんだなと改めて思ったよ。
上記の記事を読むと、本人もその気満々らしい。よきかなよきかな☆
5位のサドくんは、ボディームーブメントはとっても美しいんだけど、ジャンプが本調子じゃない感じ。ファイナル進出は難しくなったか。
6位のコヴァくんは、まだ13歳なのに、エレメンツの質と音楽に対する感性が本当に素晴らしい。これで3Aとクワドを跳べるようになったら、どれだけスーパーになってしまうんだろう。
7位のグラッスルくん、10位のマークくん、13位のドノヴァンくん、15位のミンくんは、表現に長けた選手で、これからの成長が楽しみ〜☆ 彼らの演技、また見たいなぁ。
9位の木科くんと11位の星南くんは、フリーで実力を発揮しきれなかったかもしれないが、二人とも次は練習通りの演技が本番でできますように。
ウォーカープラスに、今大会に出場した友野くんと星南くんの記事が掲載されていた。今大会の前に受けた取材で、短いが、興味深い内容になっている。
前編に友野くん、後編に星南くんの記事が載っている。