JGP横浜2016 アイスダンスFD
JGP横浜2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第3戦。アイスダンスのFDは、現地時間2016年9月11日(日)に行われた。
ISUのライブ放送、
にて、第2グループから見た。その中で、特に印象に残った選手の演技について、感想を書いていきます。
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アイスダンスFDは、女子FSの後だったんだけど、観客の数が減ってるなぁ。もったいな〜い! わたしが代わりたい!
●第2グループ
4 Emma GUNTER / Caleb WEIN ガンター&ワイン(アメリカ)
- SD順位:7,得点:46.48
- 楽曲:
- Palladio by Karl Jenkins
- Adagio by Rolf Lovland (Secret Garden)
美しくゆったりした部分と力強く激しい部分の曲想の違いをきちんと演じ分けていた。
ところどころズレやもたつきを感じたが、まだ14歳と15歳、ジュニアにおいても若い組なので、これから練習を積んでいけば、徐々にクリーンになっていくと思う。
フリー66.34、総合112.82。
5 Seungyun HAN / Grayson LOCHHEAD ハン&ローヒード(カナダ)
- SD順位:8,得点:41.14
- 楽曲:Danse Macabre by Camille Saint-Saens
今大会がJGPデビュー。
わたしのような「アイスダンスがよく分からない」人間にも、明らかにミスと分かる箇所がいくつかあったが、RoLiで、女性が両足を男性の首にかけてぐるぐる回った後、ポジションチェンジするところは、見ごたえがあった。
「死の舞踏」は激しい曲なので、もっと力強さやシャープさを出せるようになるといいのだが。
フリー57.88、総合99.02。
6 Polina IVANENKO / Daniil KARPOV イヴァネンコ&カルポフ(ロシア)
- SD順位:5,得点:51.12
- 楽曲:The Phantom of the Opera by Andrew Lloyd Webber
このグループでは別格の滑り。まだ14歳と16歳とはいえ、さすがロシアのカップル。「オペラ座の怪人」の迫力ある音楽に負けてなかった。
最後のローテーショナルからコレオロングリフトにかけての流れは、音楽にハマっていて、かっこよかった。
フリー73.40、総合124.52。
7 深瀬理香子 / 立野 在(日本)
- SD順位:6,得点:46.68
- 楽曲:The King and I (soundtrack) by Rodgers and Hammerstein
うわ、衣装、めっちゃシンプル。ぶっちゃけ地味! もっと華やかにしたほうがいいんじゃないかなぁ。だって、王様と、王子・王女の家庭教師だよね? 映画じゃもっとキラキラした格好してるよ!
スピードに乗り、とってもいい滑り出しでCiSt3に入っていった(GOE 0.22)。次のSTw4はとてもスムーズに、二人そろって速く回っていたのだが、セカンドで男性がでスタンブル(GOE -0.40)。CoSp2は回転がゆっくりになったポジションがあった(GOE 0.00)。SlLi4に入る前に女性がスタンブルして焦ったが、大丈夫(GOE 0.24)。ChSp1(GOE 0.70)は音楽のフレーズに合っていて素敵だった。MiSt2は超有名な"Shall we dance? "の歌に合わせて、とっても楽しそう(GOE 0.66)。最後、音楽が最高潮に盛り上がるところで、RoLi4。女性が美しい開脚ポジションでぐるんぐるん回されてフィニッシュ(GOE 0.84)。
ホールドの手を持ち替えるところで、ちょっともたつく箇所があったかも。
ライブで見ていたときは、なぜか最後のリフトに入る直前に、ライストが止まってしまい、心の中で「ギャー!!」と叫んだよ(泣)。よりによって日本の組のときに!!
フリー67.68、総合114.36で、SD同様、FDも自己ベスト更新!
第3グループが終わって、イヴァネンコ&カルポフが総合1位。
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●第3グループ
8 Angelique ABACHKINA / Louis THAURON アバチキナ&トーロン(フランス)
- SD順位:3,得点:60.68
- 楽曲:Shadritsa (Russian Gypsy Music)
前のグループの組より何もかもが段違いに上手い。安心して見ていられる。
JGPサン・ジェルヴェのときより、表現が深まって、さらに磨き上げられたようにと感じた。美しく、エネルギッシュ。
フリー88.08、総合148.76。SB更新ならず。残念。現時点で総合1位。
9 Marjorie LAJOIE / Zachary LAGHA ラジョワ&ラガ(カナダ)
- SD順位:4,得点:57.02
- 楽曲:Rhapsody on a theme of Paganini by Sergei Rachmaninov
深瀬&立野と同門。
女性の青の衣装が素敵〜☆ ノースリーブのワンピース風で、襟ぐりから背中の上部、脇のところに銀の石が散りばめられており、スカートは透けた生地。
冒頭のCiSt2をとってもスムーズに滑っていたのだが、中盤で男性がスタンブルし、GOEマイナス。でもすぐに持ち直して、スピードに乗ったまま、最後まで滑り切った。
瑞々しく、シャープな滑りで、とっても素敵だった。彼らにすごく合ったプログラム。SDより三割増し上手く見えた(苦笑)。
フリー80.12、総合で137.14で、SD同様、FDも自己ベスト更新! 現時点で総合2位。
10 Anastasia SHPILEVAYA / Grigory SMIRNOV シュピレワヤ&スミルノフ(ロシア)
- SD順位:2,得点:60.88
- 楽曲:Tarantella Napolitana
楽曲名を見て、タランテラ(tarantella)って何だろうと調べてみたら、「イタリア、ナポリの舞曲。3/8または6/8拍子のテンポの速い曲とのこと。ユーチューブで動画を見たら、民族衣装を着た、かわいい女の子たちが、ホップホップして踊っていた。
タランテラ→オーソレミオ→タランテラという流れだったのだが、とにもかくにも編曲に衝撃を受けた(苦笑)。ロシアのトンデモ編曲には慣れていたつもりだったのに。
タランテラの歌にソロだけじゃなく、合唱も入っている。これにまずビックリ。アイスダンスでボーカル曲はよく使われるけど、合唱はあまり聴いたことがなかったから。まぁそれに慣れてきたところでオーソレミオ。女性が朗々と歌い上げた後、またタランテラに戻って、これで楽しく盛り上がって終わるのかと思いきや、唐突に差し込まれるズンチャカズンチャカ(爆)。…しかし、そのビートもほんのわずかの間だけで、また元のタランテラに変わり、ソロ&合唱が大盛り上がりして終わる。
……これさー、ビートを入れる意図は!? おかしいよ!! 違和感ありまくりだよ!!
ま、それはさておき、演技自体はとっても良かったし、タランテラのステップが振付に取り入れられていて、素敵なプログラムだと思う。…ビートを挟むのはぜったい変だけどね!!
フリー90.62、総合151.50で、自己ベスト更新!
11 Rachel PARSONS / Michael PARSONS パーソンズ兄妹(アメリカ)
- SP順位:1,得点:66.76
- 楽曲:Singing in the Rain arranged by Sophia Sin, Alexander Goldstein
雨音から始まる、印象的なオープニング。冒頭のツイズルで兄がバランスを崩した以外は、非常にクリーンで素晴らしかった。
楽曲が「雨に唄えば」の編曲と書かれているが、まったく分からなかった。同名の違う曲があるんだろうかと思ったくらい。
最初と最後のポーズ、男女がミラーになってるんだなぁ。超クールなプログラム。いい。これはすごくいいよー。完成形をぜひとも見せてほしい。
93.66、総合160.42。総合1位で決定。
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◆総合順位
アイスダンスの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SD順位、FD順位の順に記されている。
- Rachel PARSONS / Michael PARSONS USA 160.42 1 1
- Anastasia SHPILEVAYA / Grigory SMIRNOV RUS 151.50 2 2
- Angelique ABACHKINA / Louis THAURON FRA 148.76 3 3
- Marjorie LAJOIE / Zachary LAGHA CAN 137.14 4 4
- Polina IVANENKO / Daniil KARPOV RUS 124.52 5 5
- Rikako FUKASE / Aru TATENO JPN 113.36 6 6
- Emma GUNTER / Caleb WEIN USA 112.82 7 7
- Seungyun HAN / Grayson LOCHHEAD CAN 99.02 8 8
- Kristsina KAUNATSKAIA / Yuri HULITSKI BLR 82.18 10 10
- Matilda FRIEND / William BADAOUI AUS 80.32 9 11
- Karolina E. CALHOUN / Logan T. LEONESIO BRA 78.28 11 9
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◆総評
優勝したパーソンズ兄妹は、ジュニアの中で抜きんでた存在であることを改めて感じさせた。今季も、マクナマラ&カーペンターとの一騎打ちになりそう。FDも、SD同様、JGPチェコスケートのときのマクナマラ&カーペンターと同じくらいの得点が出てるもんなぁ。
2位のシュピレワヤ&スミルノフは、3位のアバチキナ&トーロンより上にきた。PCSでも彼らを上回っている。昨季の世界ジュニアとは、見違えるほどうまくなっていて嬉しかった。
3位のアバチキナ&トーロンは、ファイナル進出はまぁ大丈夫そう? 1位(サン・ジェルヴェ)と3位だから確定ではないのだが。ファイナルでまた演技が見たいなぁ。
4位のラジョワ&ラガは、初めて見るカップルだったが、上手くて驚いた。特にFDの演技がとっても素敵だったわ〜。ジュニアのカナダのトップは彼らなのかしら。
6位の深瀬&立野は、ミスやレベルの取りこぼしがあったけど、今できることをきちんと発揮できたんじゃないかな。次戦でもPB更新できますように!
最後に、彼らの記事を2つ紹介したい。
今大会FD後のコメント。
今季のプログラムについて。