JGPモルドヴィア杯2016 女子SP

JGPモルドヴィア杯2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第4戦。女子SPは、現地時間2016年9月16日(金)に行われた。
ISUのライブ放送、

にて、事前に注目していた選手の演技を中心に見た。
SP上位8人の演技について、滑走順に感想を書いていきます。
日本語で名前を書かないと、選手の名前を覚えられないので、アナウンスの聞き取りを頑張っているのですが、日本語表記に自信がない名前には?を付けています。

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●第1グループ
3 岩元こころ(日本)

  • 楽曲:Malaguena by Ernest Lecuona

昨季、全日本ジュニア10位。今大会がJGPデビュー。肘の怪我は良くなったかなぁ。
長身で手足が長い。17歳だけあって大人っぽい。
3Lz+3TはOK、3Loで転倒。2AはOK。
最後のCCoSp2にVが付いてしまった上にGOEマイナス。キャメルポジションで、バランスを崩し、ヨロヨロしちゃったんだよなー。もったいなかった。
曲が「マラゲーニャ」なので、もっとキメキメ感(笑)がほしい。
お、今大会は岳斗コーチが帯同なのね! 相変わらずハンサム〜☆
53.05。

5 Brynne MCISAAC ブリン・マッカイザック?(アメリカ)

  • 楽曲:Sabre Dance performed by Vanessa Mae

昨季、全米ジュニア11位。
美しいスパイラルからプログラムが始まるのが印象的。つなぎに入ってるイナバウアーもかっこよかったなぁ。
LSp4の腕の形が独創的で、曲想をよく表していた。一方、最後のCCoSp4で回転遅くなってしまったのが残念だった。
2AはOK、3F<+2Tと3Lo<はGOEで減点されたが、動きにキレがあり、音楽表現が素敵だった。
お、キスクラに、アシュリーの元コーチ、シャーリー先生が! 久々に拝見できたわ〜☆ お元気そうで何よりです!
48.36。

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●第2グループ
7 Stanislava KONSTANTINOVA スタニスラワ・コンスタンティノワ(ロシア)

  • 楽曲:Swan Lake by Petr I. Tchaikovski

今大会がJGPデビュー。
ふんわり3Lz+3Tが素晴らしい、3Loと2AはちょいひやっとしたけどOK。スピンは美しいポジションで、高速回転していた。
クライマックスに向けて、終盤どんどん音楽が迫力を増していくのだが、それに全く負けてなかった。全身を使って、みごとに表現していた。
64.38。

10 白岩優奈(日本)

昨季、全日本ジュニア2位、JGPファイナル5位、ユースオリンピック4位、世界ジュニア4位。
4月の初めに、左足の脛骨を骨折したそうで、心配していたが、このSPの演技を見る限り、ジャンプはほぼ本調子に戻ってきたようだ。
3Lz+3Tはステップアウト、3Loと2AはOKだと思ったのだが、3Loは減点されてる。直前のステップが足りないのかな?
StSq3に、めっちゃ細かく音を取ったステップが詰め込まれていて大変そうだが、ここを軽々とやってるふうに見えるようになると、さらに素敵になるのでは。
ジェフ振付のオッシャレ〜なプログラムなのだが、それと同時に、「ジェフ、鬼じゃね?」と感じさせる難しそう〜なプログラム。ぜひものにしてほしい。
59.02。

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●第3グループ
12 Annika HOCKE アニカ・ホッケ(ドイツ)

  • 楽曲:
    • Sway (feat. Rosemary Clooney, Perez Prado)
    • Conga bei Gloria Estefan

昨季、ジュニアの国内選手権2位、ユースオリンピック11位。バイオによると、ペアもやっているそうだ。
3T+2T、3Lo、2Aとジャンプは全てOK。全てのエレメンツにおいて、ジャッジが一人もマイナスを付けていない。3+3じゃないし、難しいジャンプも跳んでいないけど、自分ができることをしっかりやり切った演技だった。
終始、素敵な笑顔で滑っているのが好感度大。体全体をよく動かして、音楽をよく表現していた。
51.99で、自己ベスト更新! 前のPBが41.52だから、10点以上も更新だよ☆

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●第4グループ
17 Polina TSURSKAYA ポリーナ・ツルスカヤ(ロシア)

  • 楽曲:Light of the Seven (Games of Thrones soundtrack) by Ramin Djawadi

昨季、JGPファイナル優勝、ジュニアの国内選手権優勝、ユースオリンピック優勝。世界ジュニアの優勝候補筆頭だったが、大会直前に怪我をしてしまい、棄権。
体つきが女性らしくなったなぁ。長身で手足長くてスタイル抜群。
怪我明けとは信じられない、超クリーンな演技。表現するのが難しそうな曲なのだが、情感たっぷりに表現できていた。
3Lz+3Tは完璧。3Loと2Aも素晴らしい。スピンとステップは全てレベル4。全要素でGOEの加点がモリモリ。
69.02で自己ベスト更新! もう少しで70点超え!

21 ハヌル・キム(韓国)

  • 楽曲:
    • One Day by Caro Emerald
    • It Don't Mean a Thing by Pep's Show Boys, Sebastian Roser

昨季、世界ジュニア9位。今季、チェコスケート5位。
明るく楽しく元気よく滑っていた。リズムカルな動きが小気味よい。
韓国のジュニア女子は、無表情で淡々と滑る選手が多いのだが、ハヌルちゃんは、ちゃんと曲に合った表情を作ってるんだよね。
56.97で、SBかつ自己ベスト更新!

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●第5グループ
26 Elizaveta NUGUMANOVA エリザベータ・ヌグマノワ(ロシア)

  • 楽曲:Malaguena by Ernest Lecuona

昨季、ジュニアの国内選手権4位。
今季、ジュニアデビューで、今大会がJGPデビュー。
3Lz+3T<、タノ3Lo<はステップアウト、タノ2AはOK。
ロシア女子はみなスピンが上手だが、彼女は特に素晴らしい。キャンドルスピンもやってたし、柔軟性に優れてるんだろうな〜。
ボディームーブメントがなめらかで途切れないし、しなやかで美しい。トゥクタミちゃんに、どことなく似ている。コーチが同じミーシン先生だから、一緒に練習しているうちに、似てきたってことかな。
57.30。60点は超えるだろうと予想していたのだが、アンダーローテを2つ取られていたために、TESがそこまで伸びなかった。

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されている。

  1. Polina TSURSKAYA RUS 69.02 39.60 29.42
  2. Stanislava KONSTANTINOVA RUS 64.38 36.82 27.56
  3. Yuna SHIRAIWA JPN 59.02 33.73 25.29
  4. Elizaveta NUGUMANOVA RUS 57.30 31.38 25.92
  5. Hanul KIM KOR 56.97 33.21 23.76
  6. Kokoro IWAMOTO JPN 53.05 30.92 23.13
  7. Annika HOCKE GER 51.99 29.20 22.79
  8. Brynne MCISAAC USA 48.36 25.32 23.04
  9. Joanna KALLELA FIN 44.95 25.06 19.89
  10. Nastasya EREMINA EST 43.03 23.59 19.44
  11. Sophia SCHALLER AUT 40.23 21.83 18.40
  12. Pauline WANNER FRA 39.76 20.55 20.21
  13. Sophie ABRAMS ISR 38.88 20.51 19.37
  14. Chiara CALDERONE ITA 37.94 21.55 18.39
  15. Greta MORKYTE LTU 35.87 20.98 15.89
  16. Tianqi YUAN CHN 33.18 17.84 17.34
  17. Kristina GRIGOROVA BUL 32.88 18.48 14.40
  18. Yu-Hsun LIN TPE 32.72 17.23 15.49
  19. Julia BATORI HUN 32.11 16.58 16.53
  20. Ilayda BAYAR TUR 31.33 16.56 15.77
  21. Hana CVIJANOVIC CRO 27.79 15.36 12.43
  22. Darija SHATIBELKO LAT 27.28 15.26 14.02
  23. Shokhsanam TOKHIROVA UZB 25.75 12.42 13.33
  24. Yelena DZOZ KAZ 23.83 12.80 11.03
  25. Margarita GALIMOVA KAZ 23.76 12.55 12.21
  26. Varvara PETROVA KGZ 22.56 12.17 11.39
  27. Polina USTINOVA CYP 21.41 10.80 11.61
  28. Elisavet VOULGARI GRE 19.84 8.70 11.14
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◆総評
SP1位のツルさんは、TESもPCSも安定感もピカイチなので、優勝はまぁ確定だろう。
2位のコンさんの「白鳥の湖」には圧倒された。凄みさえ感じた。フリーで大崩れしない限り、彼女の2位も堅そう。
表彰台の残り1枠は、3位の白岩さんと4位のヌグさんの一騎打ちになるだろうか。5位のハヌルちゃんも点差はさほど離れてないんだけど、PCSでちょっと水をあけられてるんだよね。でも、この二人がFSでミスを重ねたら、ハヌルちゃんにチャンスが巡ってくるかも。
ロシアの表彰台独占の可能性も十分あるけど、どうなるかなー。
ライストは、大体快適に見られたのだが、よりによって、白岩さんの演技が始まる直前にブラックアウトに(泣)。プログラム中盤あたりから復活したけどさーーー。