JGPモルドヴィア杯2016 女子FS

JGPモルドヴィア杯2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第4戦。女子FSは、現地時間2016年9月17日(土)に行われた。

にて、動画を見ようとしたのだが、途中から音声と映像がズレたので、個別に分かれた動画を見た。SP8位以上の選手の演技について、感想を書いていきます。

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●第4グループ
20 Brynne MCISAAC ブリン・マッカイザック?(アメリカ)

曲想に合った力強さやキメキメ感(笑)は十分に出せていたし、軸がまっすぐでポジションが美しいスピンは、見ていて気持ちがいいのだけれど、ジャンプ3つに<が付き、3Lze、コンボが1つだけとくれば、得点は伸びず。
でも、このプログラムのキモはきっちり伝わってきた。つなぎに美しいバレエジャンプやイナバウアーが入っていて、彼女の良さを生かしたプログラムだと思う。
フリー84.03、総合132.39。

21 Annika HOCKE アニカ・ホッケ(ドイツ)

  • SP順位:7,得点:51.99
  • 楽曲:Carmen by Georges Bizet and Rodion Shchedrin
  • 動画:YouTube

動画の状態が悪く、時々ワープしていたので、演技の良し悪しについては言いようがない(泣)。
最後、笑顔で終わるという、ユニークなカルメン。こりゃ、殺されないカルメンなんだろうか。それとも、ホセに刺されても笑って受け入れるカルメンという解釈なのだろうか。
フリー89.18、総合141.17で、SP同様、FSも自己ベスト更新!
第4グループが終わって、総合1位はアニカ・ホッケ(ドイツ)。

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●第5グループ
23 Kokoro IWAMOTO 岩元こころ(日本)

3Fにeがついた以外は、GOEで減点なし。得点源の3Lz+3Tと2A+3Tをクリーンに着氷し、スピンは全てレベル4、ステップはレベル3。今できることをきちんとやり切った演技だったのではないだろうか。
今はどこも大体同じ調子で滑っている印象を受けるので、ボディームーブメントにもっとメリハリがほしいなー。
フリー109.05、総合162.10。現時点で総合1位。

24 Hanul KIM ハヌル・キム(韓国)

途中から音声と映像がズレた(泣)。ジュリエット感が出てきたかなぁと楽しみにしてたのに。したがって、音楽表現に関しては書きようがない。
ジャンプで転倒したりパンクしてシングルになったりしたが、スピンは全てレベル4で、ステップはレベル3。体は最後までよく動けていたと思う。
フリー98.78、総合155.75で、SBおよび自己ベスト更新! 現時点で総合2位。

25 Elizaveta NUGUMANOVA エリザベータ・ヌグマノワ(ロシア)

バイオでは「白鳥の湖」だけど、実際はロミジュリだった。これぞジュリエットという外見と衣装で、ばっちりハマっていた。
このFSでは、3Lz<だけアンダーローテをとられていたが、回転不足がとられやすそうなジャンプだなぁと感じた。着氷のとき、足がぐりっと回ってるんだよね。
スピンは全てレベル4で、すっばらしい出来栄え。でも最後のCCoSp4は、けっこうトラベリングしていたと思うのだが、1.08も加点されてるんだよねぇ。ま、確かに回転数もポジションもすごかったからなぁ。
ステップはレベル3。小さな体を大きく使って表現していた。
フリー115.83、総合173.13。現時点で総合1位。

26 Yuna SHIRAIWA 白岩優奈(日本)

終盤、少し疲れが見えたか。3Fでオーバーターン、3Lo<で転倒。演技が終わった後、疲労困憊という体であった。
スピンは全てレベル4、ステップはレベル3。JGPもトップとなると、みな、スピンは当然のようにレベル4をとってきますな。
今のところまだピンとこないけど、これは彼女の新しい一面を見せてくれるプログラムなんじゃないかなー。これからの進化を期待したい。
フリー110.65、総合169.67。現時点で総合2位。

27 Stanislava KONSTANTINOVA スタニスラワ・コンスタンティノワ(ロシア)

ジャンプの流れも良く、順調に演じていたように見えたのだが、エレメンツじゃないところでいきなり転倒したのでビックリした。それが原因なのか、その後、ジャンプが不調になり、3Loでオーバーターン、2Aで転倒。終盤調子を落としてしまった。
スピンは全てレベル4、ステップはレベル3。
複数の曲をつないだメドレーなのだが、まだ曲想の変化を明確に演じ分けられていないように感じた。
フリー110.82、総合175.20。現時点で総合1位。

28 Polina TSURSKAYA ポリーナ・ツルスカヤ(ロシア)

3Lzがダブル、3Fに!マークが付く、2Aがシングル、3Sの着氷でバランスを崩すというミスがあった。ツルさんがジャンプでこんなにミスするの、初めて見たなぁ。この程度のミスさえしたことがなかったという事実が彼女の凄さを物語っているんだけども。
スピンは全てレベル4、ステップはレベル3。
音声がとびまくりで、音楽表現に関しては何も言えない…(泣)。
フリー114.71、総合183.73。総合1位に決定。優勝が分かっても、悲しそうなツルさん。コーチが慰めるように、肩をポンポンたたいている。

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◆総合順位
女子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Polina TSURSKAYA RUS 183.73 1 2
  2. Stanislava KONSTANTINOVA RUS 175.20 2 3
  3. Elizaveta NUGUMANOVA RUS 173.13 4 1
  4. Yuna SHIRAIWA JPN 169.67 3 4
  5. Kokoro IWAMOTO JPN 162.10 6 5
  6. Hanul KIM KOR 155.75 5 6
  7. Annika HOCKE GER 141.17 7 7
  8. Brynne MCISAAC USA 132.39 8 8
  9. Joanna KALLELA FIN 124.24 9 10
  10. Sophia SCHALLER AUT 119.84 11 9
  11. Nastasya EREMINA EST 118.69 10 13
  12. Pauline WANNER FRA 117.40 12 11
  13. Chiara CALDERONE ITA 113.77 14 12
  14. Sophie ABRAMS ISR 106.94 13 14
  15. Greta MORKYTE LTU 98.46 15 16
  16. Julia BATORI HUN 96.14 19 15
  17. Ilayda BAYAR TUR 91.45 20 17
  18. Kristina GRIGOROVA BUL 90.71 17 19
  19. Tianqi YUAN CHN 89.55 16 20
  20. Hana CVIJANOVIC CRO 87.25 21 18
  21. Darija SHATIBELKO LAT 80.20 22 21
  22. Yu-Hsun LIN TPE 79.05 18 23
  23. Shokhsanam TOKHIROVA UZB 74.05 23 22
  24. Varvara PETROVA KGZ 68.70 26 24
  25. Margarita GALIMOVA KAZ 66.40 25 25
  26. Polina USTINOVA CYP 58.31 27 26
  27. Yelena DZOZ KAZ 57.04 24 28
  28. Elisavet VOULGARI GRE 55.60 28 27
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◆総評
動画の状態が酷く、個別の動画でも、音声が消えたり映像が乱れたり、音声と映像がズレたりと、もうもうもう…最悪だった(泣)。
優勝のツルさんは、FSでは珍しくジャンプにミスがあったが、まぁ人間、こういうときもあるさ。それでも圧勝ですからな。強い。
2位のコンさんは、FSで3Lzと3Fを2回ずつ入れてるんだよね。シニアでもなかなか見ない難しいジャンプ構成。SPであれだけ素晴らしい「白鳥の湖」を演じられたのだから、FSも頑張ってものにしてほしい。
3位のヌグさんは、ジャンプの回転不足が心配だが、素晴らしい才能を持っているのは確かなので、すくすく伸びていってほしい。
4位の白岩さんは、怪我明けでFSがまだ淡白な感じだけど、これから練習を積んでいけば素敵なプログラムになりそう☆
5位の岩元さんは、SPから順位を1つ上げた。3Lz+3Tをクリーンに着氷できるのは強み。プログラムの進化が楽しみだわ〜☆
ロシアが表彰台独占☆ やはりロシア女子は強いですな。第4戦を終えて、ますます「ロシアVS日本」化が進み、今のところ表彰台はロシアか日本の選手しか上がっていないという。