JGPモルドヴィア杯2016 アイスダンスFD

JGPモルドヴィア2016

JGPモルドヴィア杯2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第4戦。アイスダンスのFDは、現地時間2016年9月17日（土）に行われた。

で、後半2グループの演技を見た。その中で、特に印象に残った組の演技について、感想を書いていきます。

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●第3グループ
9 Alicia FABBRI / Claudio PIETRANTONIO ファブリ＆ピエトラントニオ（カナダ）

  • SD順位：7，得点：48.98
  • 楽曲：
    • Any Other World by Mika
    • Over My Shoulder by Mika
    • Any Other World by Mika

ジャッジが一人もマイナスを付けていない、クリーンな演技だった。
RoLi4は、回転がフレーズに合っていて気持ちよかった。CoSp4の出るところで、女性が男性に支えられてジャンプするのだが、それが曲想にも合ってるし、かわいらしい振付で印象に残った。
音楽も振付も好きなプログラムなのだが、唯一不満だったのが、CuLi4。これはもうわたしの勝手な嗜好の問題で、ジャッジには高く評価されてるし、レベルも撮れているのだが、女性の足の形が美しくないと思うんだよなー。
フリー78.91、総合127.89。

11 Julia WAGRET / Mathieu COUYRAS ジュリア・ワグレ＆マチュー・キュラス（フランス）

  • SD順位：5，得点：51.41
  • 楽曲：
    • Under Pressure by Queen
    • How Can I Go On by Freddy Mercury, Montserrat Caballe
    • One Vision by Queen

お、衣装がロックな感じでかっこいい。男女ともに黒で、ハードなレザー。女性のスカートはレース。
ところどころもたもたっとする部分があったが、全体的には曲想をよく表現できていたのでは。SlLi4で、女性が男性の周りをぐるっと一回りするのがなめらかでかっこよかった。
フリー71.83、総合123.24で、SD同様、FDも自己ベスト更新！ でも、選手たちはイマイチそうな顔。練習ではもっとできてるってことかな？

12 Salome ABDEDOU / Dylan ANTUNES サロメ＆ディラン（フランス）

  • SD順位：6，得点：50.19
  • 楽曲：
    • Gymnopedies by Erik Satie
    • Run by Ludovico Einaudi

前半のジムノペディはしっとりと、後半は静かに迫力が増していくような曲なので、これを表現するのは難しそう〜。この二人の雰囲気にはとても合っていると思うので、頑張ってものにしてほしい。
ステップの二人の足さばきが合ってないというかぎこちなさを感じた。それと、ツイズルで男性がバランスを崩してしまった。
フリー69.10、総合119.29で、SD同様、FDも自己ベスト更新！
第3グループが終わって、総合1位は、ファブリ＆ピエトラントニオ（カナダ）。

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●第4グループ
13 Eva KUTS / Dmitrii MIKHAILOV クッツ＆ミハイロフ（ロシア）

  • SD順位：4，得点：52.13
  • 楽曲：Midnight Waltz by David Garrett

男性が女性の手の甲にキスしてからプログラムが始まる。最初のエレメンツがスピンという珍しい構成。CoSp2で、レベルは取れなかったんだけど、とても美しいスピンだった。そこから滑り出すのだが、スピードが、前のグループと全く違う。Stw4はかなりの勢いで入っていき、ミスなく超高速で回っていった。
とってもいい感じでDiSt1のステップを踏んでいたのだが、そこで女性が転倒！ ギャー！！（泣） その後、何とか落ち着いて立て直そうとしていたのだが、レベルをぽろぽろ取りこぼし、最後のエレメンツ、ChSpで男性がバランスを崩してしまう。それからまた、男性が女性の手の甲にキスをしてプログラム終わった。
プログラム自体は、とっても素敵だと思うのだが、今回は、女性の転倒から歯車が狂ってしまった感じ（泣）。
フリー69.56、総合121.69。現時点で総合3位。

14 Sofia SHEVCHENKO / Igor EREMENKO シェフチェンコ＆エレメンコ（ロシア）

  • SD順位：3，得点：57.88
  • 楽曲：
    • Barra Limpa by Louis Enrique
    • Chanson d'Amour by Denise Castle
    • Samba in Your Casa by Matt Bianco

シャープでクリアーな動き。STw4は、すっばらしーー！！ CuLi4は、めっちゃスムーズでかっこよかったのだが、出でちょっとミスしたっぽい。CoSp3は回転が速くてスムーズ。最後のエレメンツはコレオスピンかと思ったんだけど、コレオリフトだったのね。
フリー83.79、総合141.67で、SD同様、FDもSB更新！ 現時点で総合1位。

15 Alla LOBODA / Pavel DROZD ロボダ＆ドロースト（ロシア）

  • SD順位：1，得点：64.96
  • 楽曲：Malaguena by Ernest Lecuona

スタートの頭を突き合わせたポーズから始まる。Stw4のセカンドで二人の距離が離れ、回転もズレたが、サードできっちり距離を詰め、回転も合わせる。スピンもリフトも独創的だった。
ステップのとき、二人の距離がすごく近い。よく足がぶつからないなー。
たぶんめっちゃ難しいことをやってるんだろうなと感じるのだが、今はまだそのせいで少しなめらかさやスムーズさに欠ける。練習を積んで、ものにできたら、すっごく素敵なプログラムになりそう。
フリー96.91、総合161.87で、自己ベスト更新！ 現時点で総合1位。

16 Christina CARREIRA / Anthony PONOMARENKO カレイラ＆ポノマレンコ（アメリカ）

  • SD順位：2，63.10
  • 楽曲：Exogenesis Symphony Part 3 by Muse

CoSp4から始まるのだが、このスピンが曲想をみごとに表していて、本当に美しい。ここで一気に二人の世界に引き込まれてしまう。
大好きな曲を、滑りとユニゾンのすばらしい組が表現するという喜びにどっぷり浸らせてもらった。ああ幸せ…ほんと幸せ…（恍惚）。
フリー94.09、総合157.19で、SD同様FDも、SBおよび自己ベスト更新！ 総合2位に決定。

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◆総合順位
アイスダンスの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SD順位、FD順位の順に記されている。

  1. Alla LOBODA / Pavel DROZD RUS 161.87 1 1
  2. Christina CARREIRA / Anthony PONOMARENKO USA 157.19 2 2
  3. Sofia SHEVCHENKO / Igor EREMENKO RUS 141.67 3 3
  4. Alicia FABBRI / Claudio PIETRANTONIO CAN 127.89 7 4
  5. Julia WAGRET / Mathieu COUYRAS FRA 123.24 5 5
  6. Eva KUTS / Dmitrii MIKHAILOV RUS 121.69 4 6
  7. Salome ABDEDOU / Dylan ANTUNES FRA 119.29 6 7
  8. Viktoria SEMENJUK / Artur GRUZDEV EST 111.21 8 8
  9. Yuzhu GUO / Pengkun ZHAO CHN 105.37 11 9
  10. Hanna JAKUCS / Daniel ILLES HUN 104.08 10 10
  11. Olga GIGLAVA / Aleksandr SIROSHTAN UKR 100.26 9 12
  12. Adelina ZVEZDOVA / Uladzimir ZAITSAU BLR 98.05 14 11
  13. Eliza SAEZ / Yann THAYALAN POL 96.51 12 13
  14. Yana BOZHILOVA / Kaloyan GEORGIEV BUL 95.60 13 14
  15. Nina HOLLOWEY / Fillipp KHARISOV AZE 83.92 15 15
  16. Julia KIM / Shokhrukh SULTANOV UZB 52.21 16 16
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◆総評
動画の状態が良好でほっとした。SDは酷かったからね…（泣）。
さて、今季もマクナマラ＆カーペンターとパーソンズ兄妹の一騎打ちかと思っていたのだが、今大会優勝のロボ＆ドロが、そこに待ったをかけた。違う大会なので、単純に比較できないけど、横浜のパーソンズ兄妹の総合得点より上にきたよ〜。昨季の世界ジュニアからの成長が凄まじい。今季のジュニアのアイスダンスは、彼らとアメリカのトップ2組による三つ巴の戦いですな。
2位のカレ＆ポノは、1戦目のサン・ジェルヴェより、さらに磨き上げたプログラムを見せてくれた。これで2位＆2位なのだが、ファイナル出場はどうだろう？ 彼らのFDが大大大好きなので、ファイナルでまた演技が見られるといいな！
3位のシェフ＆エレも、素晴らしかった。彼らといい、2位のカレ＆ポノといい、1戦目よりさらにスコアを上げてきて、着実に前進している姿が頼もしいわー。
4位のファブ＆ピエは、初めて見る組だったのだが、なかなか素敵だった。特にFDが好きだなぁ。カナダのジュニアは、アメリカやロシアに押され気味な印象があるので、頑張ってほしい。
5位と7位のフランスの2組は、SD同様、ユニークなプログラムを披露してくれて嬉しかった。フランスにはアバチキナ＆トーロンもいるし、充実してますな☆
6位のクッツ＆ミハは、FDのワルツがわたしの好みにどストライクだったのだが、女性の転倒で崩れてしまったのが非常に残念だった。2戦目の派遣はあるのだろうか。クリーンな演技をぜひ見たい。