JGPブラエオン・シュベルター杯2016 ペアSP

JGPブラエオン・シュベルター杯2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第7戦。ペアSPは、現地時間2016年10月7日(金)に行われた。

で、ほぼ全組の演技の動画を見た。
特に印象に残った組の演技について、滑走順に感想を書いている。日本語表記に自信がない名前には?を付けている。

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●第1グループ
3 Aleksandra BOIKOVA / Dmitrii KOZLOVSKII アレクサンドラ・ボイコワ / ドミトリー・コズロフスキー(ロシア)

  • 楽曲:Flamenco by Didulia

今季、ジュニアデビュー。JGPモルドヴィア杯でJGPデビューし、2位。
タノ2Aで、二人ともオーバーターン。3Tw3は高さと流れがあった。スロー3Fは、両足着氷。5ALi4は、上げるときちょい怖かったけどOK。StSq2はまぁまぁ。BiDs2は、終わりの方で、女性の体の位置が、氷すれすれに低くなってしまった。FCCoSp4は、回転やポジションチェンジのタイミングがちょっとズレたけど、大方回転は合っていた。
最後のポーズの顔の向きが男女でそろってなかったが、それはミスだよね? ぴたっと合った方がかっこいいもんね。
55.58。う〜ん、1戦目のモルドヴィア杯のときより、5点近く低い…。

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●第2グループ
5 Giulia FORESTI / Leo Luca SFORZA フォレスティ&スフォルツァ(イタリア)

  • 楽曲:
    • Vierge - Le Serpent by Guem et Zaka
    • Wanna Be Startin' Something by Jackson Five

2012〜13、ジュニアの国内選手権優勝、世界ジュニア13位。その後いったん解散したが、再結成し、今季、タリン杯12位。
JGP二週連続出場、お疲れ様です。
3TwBは、もっと高い位置でキャッチできるといいのだが。Bってことは、レベルが取れなかったってこと? スロー3Tはお手つき。5ALi4は、ワンハンドでくるくる回っていたが、安心して見ていられた。2Aは男女ともに着氷が乱れた。FCCoSp3は、回転がちょいズレてる。BiDs2は、女性の姿勢があまり美しくなかった。もっと体がピンと張ればいいのかなー。StSq4は、二人のユニゾンが良かったし、音楽にも合っていた。
49.80で、自己ベスト更新!

6 Alina USTIMKINA / Nikita VOLODIN アリーナ・ウスティムキナ / ニキータボロディン(ロシア)

  • 楽曲:Mad Max: Fury Road (soundtrack) by Junkie XL

昨季、ジュニアの国内選手権5位、ユースオリンピック3位。今季、JGPタリン杯2位。JGP二週連続出場、お疲れ様です。
2Aをクリーンに着氷! 3Tw3はすばらしい。BiDs2は、女性の体がきちんと弓なりに張っていて美しい。スロー3Tは、軸が曲がったけど女性がこらえて片足で着氷。5RLi4は女性のポジションが美しい。FCCoSp4は、回り始める位置がズレていたが、回転自体は合っていた。StSq3は、リンクを大きく使っているのはいいと思うのだが、二人の距離が端と端でかなり離れるので、ユニゾンがあまり感じられない。
59.34で、自己ベスト更新!

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●第3グループ
7 Anastasia MISHINA / Vladislav MIRZOEV アナスタシア・ミーシナ / ウラジスラフ・ミルゾエフ(ロシア)

  • 楽曲:Saragina Rumba by Hippies

昨季、ジュニアの国内選手権優勝、世界ジュニア2位。今季、JGPモルドヴィア杯優勝。
3Tw3はすばらしい。スロー3Fは、軸が曲がったけど、たっかいジャンプで、着氷はクリーン。2A<は、ひょいっと下りていたが、男性だけ手を上げるのって、ユニゾン的にどうなんだろう。評価されるのかな? 5RLi4はスムーズで、下ろすときも流れがあった。CCoSp4は、二人の動きがきっちりそろってる。StSq4は、ユニゾンも音楽との一体感もばっちり。BiDs4は回転にキレがあった。
コミカルでかわいらしいプログラムを楽しそうに演じていた。「あー、これぞペアの演技!」という満足感を与えてくれた。
62.10。

8 Nica DIGERNESS / Danny NEUDECKER ニカ&ダニー(アメリカ)

  • 楽曲:Spartacus by Aram Khatchaturian

今季、ジュニアデビューで、JGPモルドヴィア杯でJGPデビューし、6位。
3Tw3は、もっと高い位置でキャッチできるといいと思うが、GOEプラス。2Aで、女性の着氷が少し乱れた。スロー3Tでは着氷が大きく乱れた。5ALiBは、途中で女性を下ろしてしまった。FCCoSp2Vは、回転が合っていない。StSq3は大方よかったが、ユニゾンがズレているところがあった。BiDs2はOK。
二人の醸し出す雰囲気はとても素敵だし、スパルタクスの音楽にも合っていると思う。
45.93。

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●第4グループ
10 Justine BRASSEUR / Mathieu OSTIGUY ジャスティン・ブロッソー / マチュー・オスティギー(カナダ)

昨季、ジュニアの国内選手権4位、ユースオリンピック4位、世界ジュニア7位。今季、JGPチェコスケート11位。
今大会出場のアメリカのペア、マルヴァルディのいとこ。
2Tw2はもっと高さがほしい。スロー3Fはお手つき。5ALi4はまぁまぁ。2Aは、二人の距離も近く、跳ぶタイミングも合っていてすばらしかった。FCCoSp3は、途中から少しズレてしまった。StSq2は、曲想をよく表現していたのだが、男性がスタンブル。BiDs2はOK。
ツイストやスロージャンプ、リフトなど、ペアならではのエレメンツがイマイチな部分もあったが、カップル競技のキモである、ユニゾンがよかったし、音楽表現もなかなか素敵だった。
48.38で、SB更新!

12 Yue HAN / Yongchao YANG ユエ・ハン / ヨンチャオ・ヤン(中国)

  • 楽曲:The Lonely Goatherd by Richard Rodgers

今季、タリン杯でJGPデビューし、8位。二週連続出場、お疲れ様です。
3Tw3は、流れが途切れなかった。2A<<は、女性が回転の途中で体を開いて下りてきてしまった。スロー3TはOK。5TLi4はスムーズで、出に工夫があった。FCCoSp3は、回転がちょっとズレていた。StSq4は、変化に富んだ振付を生き生きと行っていた。BiDs2は、入りと出がスムーズではなかったように見えた。
このプログラム、明るくて楽しくていいなぁ。特にステップ中盤で、男性が女性を股くぐりさせた後、ジャッジに笑顔でアピールするところが好き☆ その後、男性が開脚した女性をおんぶしてくるくる回るところもお気に入り☆
50.47で、自己ベスト更新!

13 古賀 亜美 / スペンサー・アキラ・ハウ(日本)

  • 楽曲:
    • Yesterday by Paul McCartney
    • Yesterday Album (Andre Rieu Celebrates ABBA) - Music of the Night

今季、JGPチェコスケートでJGPデビューし、9位。
練習中に女性が頭を打ったと聞いていたので心配していた。ぶじJGP2戦目に出られて本当によかった。
2Tw3は、流れがあった。2A<<は女性転倒。BiDs4の前半の回転はとても美しかったが、後半少しつぶれてしまった。でも大半のジャッジに高く評価され、+3をつけているジャッジが一人いた。スロー3Tは高さがなくステップアウト。5ALi4は流れの中で行えていた。StSq4で、美しく切ない曲想をよく表現していた。FCCoSp3は、二人の動きがほぼ合っていた。
この二人はほんと、滑りがいいわ〜。ユニゾンも合ってるし。
49.33で、自己ベスト更新!

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●第5グループ
14 Evelyn WALSH / Trennt MICHAUD エヴリン・ウォルシュ / トレント・ミショー(カナダ)

  • 楽曲:El Tango de Roxanne by Mariano Mores

今季、JGPタリン杯でJGPデビューし、11位。二週連続出場、お疲れさまです。
2Tw2はOK。2Aはクリーンに着氷。5ALi4は見た目クリーンなんだけど、ちょっと怖かった。スロー3Tはお手つき。BiDs1は悪くないと思ったがGOEマイナス。StSq3は、ちょっとズレてる箇所もあったが、ほぼ合っていて素敵だった。FCCoSp4は、ポジションチェンジするタイミングがズレてしまっていた。
先週のタリン杯より断然いい演技! 身長差がさほどない組なので、これから先が不安といえば不安だが、二人の滑っている姿がとても美しく、心惹かれるので、どうかバランスよく成長していってほしい。
49.02で、自己ベスト更新!

15 Laiken LOCKLEY / Keenan PROCHNOW ロックリー&プロクナウ(アメリカ)

  • 楽曲:A Chorus Line

今季、ジュニアデビューで、今大会がJGPデビュー。コーチがベルトン&ブルーベーカーで、成美&嶺と同門。
2Tw4は、ちょっと突き飛ばす感じに下ろしてしまったが、GOEプラス。2Aは、男性がちょいバランスを崩した。スロー2Fと5ALi4はOK。FCCoSp3は二人の回転する速度が違う。BiDsBは回転足りてるかなーと思ってたら、BでGOEマイナス。StSq3は、ぎこちない動きがあったけど、独創的な振付もあって、よかった。
エレメンツの質はまだこれからな感じだけど、ユニゾンと滑りがよさそう。
キスクラにベルトンさんが。髪を下ろしてるから、一瞬誰か分からなかった。ま、どんな髪型でも美人さんだけど☆ この組の振付は、ベルトンさんがやってるらしい。
46.46。

16 Anna DUSKOVA / Martin BIDAR アナ・ドゥシュコヴァー / マルティン・ビダージュ(チェコ

  • 楽曲:LA 40 (Album: Tango Hereje) by The Mozart Tango Players

昨季、JGPファイナル2位、ユースオリンピック2位、世界ジュニア優勝。今季、JGPチェコスケート優勝。
2Aで、女性の着氷が乱れた。3Tw3は高っ。5RLi4はスムーズで女性の姿勢が美しい。スロー3Lzは、ステップアウト。BiDs3は、女性の弓なりの姿勢が美しい。StSq3は、曲想をよく表現していて素敵だった。FCCoSp3は、二人の距離が離れてしまったが、回転は大体合ってたんじゃないかな。
う〜ん、ミスありつつも悪くない演技だったけど、彼らにしてはやや精彩を欠いた動きだった気がする。
58.58。

17 Gabriella MARVALDI / Daniel VILLENEUVE マルヴァルディ&ヴィルヌーヴアメリカ)

  • 楽曲:
    • Feeling Good by Michael Buble
    • Feeling Goodby Newley, Anthony & Bricusse, Leslie

今季、JGPタリン杯でJGPデビューし、7位。二週連続出場、お疲れさまです。
女性の母親はペアの元世界王者(カナダ代表)で、父親はペアの元全米チャンピオン。彼女の両親がコーチを務める。カナダのペアとして今大会に出場しているジャスティン・ブロッソーは彼女のいとこ。
2Tw2は高さと流れがあった。スロー3Tは着氷が乱れた。5ALi3はスムーズ。2Loで男性がステップアウト。FCCoSp4は、ポジションを変えるタイミングがズレた。StSq3は、ユニゾンが合っていた。BiDs2に入るとき、女性の姿勢が低く、つぶれてしまった。
46.55。

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されている。

  1. Anastasia MISHINA / Vladislav MIRZOEV RUS 62.10 36.07 26.03
  2. Alina USTIMKINA / Nikita VOLODIN RUS 59.34 34.82 24.52
  3. Anna DUSKOVA / Martin BIDAR CZE 58.58 32.84 25.74
  4. Aleksandra BOIKOVA / Dmitrii KOZLOVSKII RUS 55.58 32.52 23.06
  5. Yue HAN / Yongchao YANG CHN 50.47 29.41 21.06
  6. Giulia FORESTI / Leo Luca SFORZA ITA 49.80 28.97 20.83
  7. Ami KOGA / Spencer Akira HOWE JPN 49.33 28.27 22.06
  8. Evelyn WALSH / Trennt MICHAUD CAN 49.02 27.70 21.32
  9. Justine BRASSEUR / Mathieu OSTIGUY CAN 48.38 27.18 21.20
  10. Renata OGANESIAN / Mark BARDEI UKR 47.52 26.78 20.74
  11. Gabriella MARVALDI / Daniel VILLENEUVE USA 46.55 25.46 21.09
  12. Laiken LOCKLEY / Keenan PROCHNOW USA 46.46 26.46 20.00
  13. Nica DIGERNESS / Danny NEUDECKER USA 45.93 24.59 21.34
  14. Hailey Esther KOPS / Artem TSOGLIN ISR 41.13 24.48 16.65
  15. Talisa THOMALLA / Robert KUNKEL GER 37.51 21.82 16.69
  16. Irma CALDARA / Edoardo CAPUTO ITA 36.41 19.10 18.31
  17. Jessica ROTONDO / Ryan DODDS AUS 28.25 16.15 12.10
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◆総評
SP1位は、ミー&ミル。2A<はあったけど、見た目ノーミスの演技。TES、PCSともにトップ。
2位はウス&ボロ。「マッド・マックス」のクールなSPを、ほぼノーミスで演じて見せた。
3位はドゥシュ&ビダ。PCSは、SSを除けばミー&ミルの方が上。TESはともかく、PCSで負けるのはちょっとショックだわ〜。でも今大会の演技を見たら、妥当な評価だと思う。なんとなく元気がなかったもんなー。
7位の古賀&ハウは、出場が危ぶまれていただけに、元気な姿が見られただけで幸せいっぱいである。FSもぶじに滑り終えられますように!