JGPブラエオン・シュベルター杯2016 アイスダンスFD

JGPブラエオン・シュベルター杯2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第7戦。アイスダンスのFDは、現地時間2016年10月7日(金)に行われた。

で、全組の演技を見た。その中で、特に印象に残った組の演技について、感想を書いている。
日本語表記について、「名字が難しすぎて無理!」と判断した場合は、ファーストネームで表記している。

                                                                                                                                        • -

●第2グループ
5 Leticia MARSH / Anton SPIRIDONOV マーシュ&スピリドノフ(イギリス)

  • SD順位:9,得点:42.97
  • 楽曲:
    • Les Temps des Cathedrales (from "Notre Dame de Paris" - Version Symphonique)
    • Le Val d'Amour (from "Notre Dame de Paris" - Version Symphonique)
    • Danse Mon Esmeralda (from "Notre Dame de Paris" - Version Symphonique)

CoSp4、女性のラインが美しい〜。RoLi4の回転がきれい。
ステップのレベルは2、1。ツイズルはレベル3。GOEでマイナスなし。
フリー63.03、総合106.00で、SD同様、FDも自己ベスト更新!

6 Salome ABDEDOU / Dylan ANTUNES サロメ&ディラン(フランス)

  • SD順位:10,得点:42.71
  • 楽曲:
    • Gymnopedies by Erik Satie
    • Run by Ludovico Einaudi

SlLi3は、女性の腕の動きが美しい。Sp4の回転とポジションチェンジがスムーズで、出が独創的だった。STw1のセカンドとサードで女性が足をつけてしまった。
ステップのレベルは1、2。カーブリフトはレベル3。う〜ん、全体的にレベルを取りこぼしている。
このプログラムの、じわじわ〜っと音楽が盛り上がっていった後、ふっと静まり、またじわじわ〜っと盛り上がっていくところが好きなのだが、Music requirements violationや、Violation of choreography restrictionsに該当すると考えるジャッジがそれぞれ3、4人いるんだよね…。そのうち過半数を越えて、減点を取られるんじゃないかと心配だ。
フリー56.11、総合98.82。1戦目のモルドヴィア杯で出したPBの119.29より20点近く低いー(泣)。体調よくないのかなぁ…。

7 Maria GOLUBTSOVA / Kirill BELOBROV ゴルブツォワ&ベロブロフ(ウクライナ

  • SD順位:6,得点:54.51
  • 楽曲:Crimson Wing (soundtrack) by Andy Brown

ステップのレベルは2、3。他は全てレベル4獲得。全要素がGOEプラス。
コレオスピンで、女性が前後に開脚したまま氷上をくるくる回るのが素敵〜。
ふわっとした間合いと力の抜けた動きで、個性的な音楽をよく表現していた。このプログラム、なんかツボにはまったわ〜。好きかも。
フリー76.72、総合131.23で、SD同様、FDも自己ベスト更新!

8 Ria SCHWENDINGER / Valentin WUNDERLICH リア&ヴァレンティン(ドイツ)

  • SD順位:7,得点:49.07
  • 楽曲:Addams Family (soundtrack)

ジャッジが誰一人マイナスをつけていない。ステップのレベルは2、2。他は全てレベル4。
どの要素もおもしろい動きが入っていて、アダムスファミリーの世界観を存分に表現していた。見ていて、すっごく楽しい! めっちゃお気に入りのプログラム☆
フリー76.40、総合125.47で、SD同様、FDも自己ベスト更新! 先週のJGPタリン杯で出したPB、116.66点から9点近くアップしてるよ! すごいよ!

第2グループが終わった時点で、トップはゴルブツォワ&ベロブロフ(ウクライナ)。

                                                                                                                                        • -

●第3グループ
10 Alicia FABBRI / Claudio PIETRANTONIO ファブリ&ピエトラントニオ(カナダ)

  • SD順位:5,得点:55.35
  • 楽曲:
    • Any Other World by Mika
    • Over My Shoulder by Mika
    • Any Other World by Mika

動画がワープし、CuLi4からしか見られなかった…(泣)。
振り返り映像を見ると、RoLi3の途中で足をついてしまい、レベルを取りこぼし、GOEマイナス。ツイストはレベル3で、ステップのレベルは3、3。
フリー70.81、総合126.16。現時点で総合2位。1戦目のモルドヴィア杯で出したPBが、フリー78.91、総合127.89なのだが、フリーの得点が、8点以上低くなってしまった…。

11 Arina USHAKOVA / Maxim NEKRASOV ウシャコワ&ネクラソフ(ロシア)

  • SD順位:4,得点:57.13
  • 楽曲:The Gypsies of Nagyida by Imre Czomba

冒頭、女性が男性に魔法をかけるプログラム(笑)。
RoLi4の回転の速さとキレが素晴らしいし、SlLi4も独創的なポジションで目を惹かれる。男女の身長差があるし、女性が小柄なので、今のところはあえてリフトをハイライトにしてるんじゃないかな。まだステップで魅せられるところまでは至らないが、最後までスピードが落ちず、エネルギッシュに滑り切る姿は好ましい。
ステップのレベルは両方2。他は全てレベル4。
フリー83.08、総合140.21で、SD同様、FDも自己ベスト更新! 現時点で総合1位。

12 Rachel PARSONS / Michael PARSONS パーソンズ兄妹(アメリカ)

  • SD順位:1,得点:65.93
  • 楽曲:Singing in the Rain arranged by Sophia Sin, Alexander Goldstein

ぼへ〜っと見とれているうちに、あっという間に終わってしまった。流れが一切途切れることなく全てのエレメンツが溶けこんでいる。まだシーズン前半の2戦目にしてこの完成度の高さよ。
ステップのレベルは両方3。他は全てレベル4。GOEのプラスがすごい。ジャッジがマイナスはおろか0も誰一人出していない。+3が6個も出ている。
唯一の気がかりは、3人のジャッジから、Music requirements violationをとられていること。すごく素敵な音楽なんだけどなー。アイスダンスの音楽の規定、縛りが多すぎじゃないですかね?
フリー91.70、総合157.63。現時点で総合1位。

13 Marjorie LAJOIE / Zachary LAGHA ラジョワ&ラガ(カナダ)

  • SD順位:3,得点:57.32
  • 楽曲:Rhapsody on a theme of Paganini by Sergei Rachmaninov

冒頭のCiSt3からRoLi4まで、プログラムの流れが一切途切れず、一気に引き込まれる。フリーレッグや上体の動きが、いちいち全部音楽に合っていて、非常に気持ちがいい。
ステップは両方レベル3。他は全てレベル4。ジャッジが誰一人マイナスをつけていない。+3も2個出ている。
1戦目のJGP横浜より、断然素晴らしくなっていた。このプログラム大好き!!
ところで、この組、女性はとってもにこやかなのだが、男性が表情に乏しいんだよね。や、あくまでも顔の表情に限った話だけども。キスクラでもそんな感じなので、普段からあまり表情を変えないタイプなんだな。北米男子にしてはめずらしい。
フリー82.35、総合139.67で、自己ベスト更新! 現時点で総合3位。

14 Anastasia SHPILEVAYA / Grigory SMIRNOV シュピレワヤ&スミルノフ(ロシア)

  • SD順位:2,得点:61.00
  • 楽曲:Tarantella Napolitana

はいはい、きたきた、ロシアのトンデモ編曲が(笑)。でも慣れたのか、初見のときほど違和感は感じなかったよ。慣れって恐ろしい(苦笑)。
映像が悪くて、動きの良し悪しは正直よく分からなかったが、Sp4の出で、ちょっとバランスを崩したように見えた。ジャッジが一人、-1を出している。
ステップは両方レベル2。他は全てレベル4。GOEはプラスだが、スピンのほかに、CiSt2で-1を出しているジャッジが一人いる。それと、リフトの時間オーバーで、減点1。
編曲にいろいろ思うところはあるが、ダンス自体は愛らしく軽快で、二人の雰囲気に合ってるし、何より女性のツインテールが反則的にかわいい(///)。
フリー87.02、総合。総合2位に確定。

                                                                                                                                        • -

◆総合順位
アイスダンスの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SD順位、FD順位の順に記されている。

  1. Rachel PARSONS / Michael PARSONS USA 157.63 1 1
  2. Anastasia SHPILEVAYA / Grigory SMIRNOV RUS 148.02 2 2
  3. Arina USHAKOVA / Maxim NEKRASOV RUS 140.21 4 3
  4. Marjorie LAJOIE / Zachary LAGHA CAN 139.67 3 4
  5. Maria GOLUBTSOVA / Kirill BELOBROV UKR 131.23 6 5
  6. Alicia FABBRI / Claudio PIETRANTONIO CAN 126.16 5 7
  7. Ria SCHWENDINGER / Valentin WUNDERLICH GER 125.47 7 6
  8. Katerina BUNINA / German FROLOV EST 111.09 8 8
  9. Leticia MARSH / Anton SPIRIDONOV GBR 106.00 9 9
  10. Kristsina KAUNATSKAIA / Yuri HULITSKI BLR 100.18 12 10
  11. Salome ABDEDOU / Dylan ANTUNES FRA 98.82 10 11
  12. Jenna HERTENSTEIN / Damian BINKOWSKI POL 95.97 11 12
  13. Sarah Michelle KNISPEL / Maximilian VOIGTLÄNDER GER 89.86 13 13
  14. Jessica PALFREYMAN / Charlton DOHERTY AUS 77.70 14 14
                                                                                                                                        • -

◆総評
優勝したパーソンズ兄妹は、JGP二連勝でファイナル進出確定。2戦とも盤石の演技だった。
2位のシュピ&スミも、2位&2位で、ファイナル進出確定。ファイナル初進出、おめでとう☆
3位のウシャ&ネクは、SD4位からの逆転表彰台。ジュニアデビューのシーズンに、JGP2戦とも3位というのは立派な成績である。ロシアは優れたカップルがひしめいているので、国内選考を勝ち上がるのは大変だと思うが、超個性的かつ自分たちの強みを最大限に生かしたSD&FDを武器に、頑張ってほしい。
4位のラジョワ&ラガは、あと一歩で表彰台だったのだが、惜しかった。1戦目のJGP横浜も4位だったんだよねぇ。カナダのジュニアでは、彼らがトップの組になるのかな? 今大会のFDで、すっかりファンになってしまったわ〜☆
今大会に出場している組のFDは、お気に入りプロが多く、上位陣はもちろん、5位のウクライナの組、6位のカナダの組、7位のドイツの組、11位のフランスの組のFDも大好きである。また見られる機会があるといいのだが。

                                                                                                                                        • -

JGPファイナル進出者