GPスケートアメリカ2016 アイスダンスFD
GPスケートアメリカ2016 リザルト
GPシリーズ第1戦のフリーダンスFDは、現地時間2016年10月23日(日)に行われた。
今季から、GPシリーズの滑走順が、抽選で決められることになった。FDは、SDの成績で2グループに分けられるが、SDの順位が低かった順に3組ずつ抽選して滑走順が決まるらしい。
上記のライストで、全組の演技を見ようとしたのだが、あまりにも頻繁に途切れるので諦めた(泣)。後日動画で見て、滑走順に感想を書いている。
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●第1グループ
1 ユラ・ミン / アレクサンダー・ガメリン(韓国)
- SD順位:9,得点:56.25
- 楽曲:
- Cinema in Fiamme (from "Cinema Paradiso" soundtrack) by Ennio Morricone
- Runaway, Search and Run (from "Cinema Paradiso" soundtrack) by Ennio Morricone
- Love Theme for Nata (from "Cinema Paradiso" soundtrack) by Ennio Morricone
- プログラム:◎
- 動画:YouTube
CoSp4の女性のポジションが美しい。CuLi4とSeSt2の間のつなぎの振付が曲想にマッチしてて素敵☆ StaLi4も前後の動きも全部好き!!
はぁ…素敵だった(ため息)。美しく抒情的な曲をよく表現できていたと思う。二人の雰囲気が素敵なんだよね…。このプログラム、好きだわ〜。振付はシュピルバンド先生なのね。
フリー85.25、総合141.50で、SD同様、FSも自己ベスト更新!
2 村元 哉中 / クリス・リード(日本)
- SD順位:10,得点:56.19
- 楽曲:
- Poeta en el Puerto by Vincente Amigo
- Amor Dulce Muerte by Vincente Amigo
- Nada Puede Dormir by Vincente Amigo
- Poeta en el Viento by Vincente Amigo
- プログラム:◎
- 動画:YouTube
CoSp4の回転が速く、二人のポジションが美しい。CiSt3はゆったりと。SlLi4は独創的ですごかった。DiSt2は力強く。CuLi4で男性のフリーレッグがちょいプラプラするのがちょい気になる。終盤、ショートリフト2つとコリオリフトのリフト3連発で畳みかけるようにフィニッシュ☆
くぁぁぁぁっっこいい〜〜〜!!!! 最初から最後まで流れが途切れない、素晴らしい演技だった。
フリー91.18、総合147.37で、FSは自己ベスト更新!
3 イザベラ・トビアス / イリヤ・トカチェンコ(イスラエル)
- SD順位:6,得点:63.33
- 楽曲:Pas de deux from "The Nutcracker" by Petr I. Tchaikovski
- プログラム:◎
- 動画:YouTube
ツイズル、リフト、ステップ、中断(ペアスピン)、リフト、ステップ、リフト、リフト、男性のスパイラル&女性イーグル、コリオツイズル
7年間、アメリカのバレエ学校に通っていたトビアスさんが、「くるみ割り人形」をやるとなれば、そりゃ激ハマりだろうと予想はついたが、実際そうであった。「麗しい…。どのポーズもポジションもラインも全て麗しい…」とうっとり眺めていたら、な、なんとCiSt3で動画が突然中断。そのせいでSp4はほとんど見られず。次のDiSt3から復活したけどさああああ(泣)。いくつか動画を探したけど、どれも中断ありなんだよね…(ため息)。
終盤、音楽の盛り上がりとともに、CuLi4、ChLi1とリフトが続くところは、見ているこちらも思い切り高揚する。その後、最後のChTw1の前に、女性のイーグル&男性のスパイラルが入るのだが、それまで黒子に徹していた男性が、そこだけパッと一瞬、印象に残るんだよね。美しく優雅で、すご〜く素敵☆
二人の一体感が増し、距離も近づいたなぁと思う。ほんと、しっくり馴染んでいる感じ。
フリー98.66でSB、総合161.99で自己ベスト更新! もう少しでFDが100点超えだ!
4 エリアナ・ポグレビンスキー / アレックス・ブノワ(アメリカ)
- SD順位:8,得点:58.18
- 楽曲:
- Sadko by Nikolai Rimski-Korsakov
- The Feeling Begins by Peter Gabriel
- プログラム:○
- 動画:YouTube
女性の片足だけで持ち上げるCuLi4は、一つ間違えると女性の足を痛めてしまいそうだけど、それを難なくこなしていた。前半のSeSt2で男性がほんのちょっとだけエッジが引っかかったように見えたけど、ジャッジは誰もマイナス出してないから、わたしの気のせいかも。後半、エキゾチックな音楽に変わり、曲想の違いを表す振付が見られたけど、動きでもっと大げさなくらい違いを出した方が、評価が高まるんじゃないかなぁ。以前、Jスポーツ解説の滝野さんが、「2つのステップで違いを出すことがだいじ」と話していたし。
全体的に、大きく伸びやかに滑れていたと思う。
フリー93.58で自己ベスト更新! 総合で、
5 アリサ・アガフォノワ / アルペル・ウチャル(トルコ)
- SD順位:7,得点:58.98
- 楽曲:
- Near Light by Olafur Arnalds
- Beethoven's Five Secrets by The Piano Guys
- Sand by Nathan Lanier
- プログラム:△
- 動画:YouTube
ステップが両方レベル2だけど、他の要素は全てレベル4が取れてるし、GOEも全部プラスだし、悪くない演技だと思うのだが、なんかこう…全体的に動きがちょっともっさりしてるように感じる。キレが足りないというか。
あと音楽が、目まぐるしく変わるせいか、プログラムに散漫な印象を受けるんだよねー。ま、わたしがどちらかというとメドレー苦手だから、そう感じるのかもしれないけど。
フリー87.12、総合146.10で、どちらもSB更新!
第1グループが終わった時点で、トップは、イザベラ・トビアス / イリヤ・トカチェンコ(イスラエル)
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●第2グループ
6 シャルレーヌ・ギニャール / マルコ・ファブリ(イタリア)
- SD順位:5,得点:64.79
- 楽曲:
- Pas de deux from "Nutcracker" by Petr I. Tchaikovski
- Waltz of the Flower from "Nutcracker" by Petr I. Tchaikovski
- プログラム:△
- 動画:YouTube
フィギュアスケートにおいて、音符が描かれた衣装は珍しくない。そして目にするたびに思うんだけど……率直に言ってダサいよね?(爆) オシャレの国イタリアの選手がなぜ…しかも「くるみ割り人形」で、なぜこのデザインになるのか(汗)。
クリーンな演技だったし、「冒頭のRoLi4の回転が、音楽のフレーズにぴったり合っていて素敵☆」とか、「STw4のセカンドに入る前の動きにグッとくる」等々、良いところもあったんだけど、プログラムとしてはビミョ〜。編曲は悪くないと思うんだけど、ハイライトが伝わってこなかった。この前に、トビアス&トカチェンコの「これぞ正統派バレエ! 麗しや〜☆」なくるみ割り人形を見ていたこともあって、物足りなく感じてしまう。
昨季のFD、「シンドラーのリスト」が非常に素晴らしかっただけに、彼らに求めるものが、高くなってしまうんだよね。
フリー100.65、総合165.44で、どちらもSB更新! 現時点で総合1位。
7 エレーナ・イリニフ / ルスラン・ジガンシン(ロシア)
- SD順位:4,得点:66.60
- 楽曲:
- Slumdog Millionaire (soundtrack)
- Ang Laga De by Aditi Paul
- プログラム:○
- 動画:YouTube
インドインドした衣装とプログラム。プログラム自体は彼らの新しい魅力を引き出してくれそうだし、イリニフさんの女優っぷりも相変わらずなのだが、いかんせん、彼らにしては動きにキレがなく、プログラムの流れが良くない。怪我か病気のせいで調整が間に合わなかったんだろうか。
98.56、総合165.16。現時点で総合2位。
8 エカテリーナ・ボブロワ / ドミトリー・ソロビエフ(ロシア)
- SD順位:2,得点:68.92
- 楽曲:
- Prelude No. 20 by Frederic Chopin
- The Four Seasons by Nigel Kennedy
- プログラム:?
- 動画:YouTube
SlLi4のラインが美しい。STw4のセカンドで二人の距離が離れてしまったけど、GOEでは高評価(1.20)。前半のCiSt3で、男女がそろって後ろ向きで歩くように足を動かすところは、音楽のフレーズにぴったり合っており、印象的だった。RoLi4で、「女性がシャチホコだ! おもしろ〜い!」と目を輝かせていたら、次のCuLi4でミス。本来のポジションチェンジができなかったんじゃないかなー。時間オーバーで減点1はとられたものの、レベル4は獲得。
そこでリズムが崩れてしまったようで、後のエレメンツは、やや精彩を欠く演技になってしまった。
難解なプログラムで、表現したいものがよく分からなかった。良し悪しについてはまだ何とも言えない感じ。
フリー105.85、総合174.77。現時点で総合1位。
9 マディソン・ハベル / ザカリー・ダナヒュー(アメリカ)
- SD順位:3,得点:68.78
- 楽曲:
- I Wanna Dance With Somebody by Bootstrap
- Can't Help Falling In Love performed by Ingrid Michaelson
- Earned It by Bootstrap
- プログラム:○
- 動画:YouTube
3曲つなげたメドレーだが、違和感なくつなげてあって、良い編曲なのではなかろうか。
どの動きも美しい上に、流れが一切途切れないので、ぽーっと見とれているうちに、あっという間に終わってしまった。
わたしとしては、分かりやすいハイライトがあったり、盛り上がったりするプログラムが好みなのだが、このプログラムはそういうタイプではない。でも、これはこれで素敵なプログラムだと思う。
フリー106.99、総合175.77で、どちらもSB更新!
10 マイア・シブタニ / アレックス・シブタニ(アメリカ)
- SD順位:1,得点:73.04
- 楽曲:
- Evolution: Mirror In Mirror by Anne Akiko Meyers, Akira Eguchi
- Evolution: Anyone Like You (Club Mix) by Digitize
- プログラム:○
- 動画:Maia / Alex Shibutani. Skate america 2016, FD 1 185.75 - YouTube
しっとりした美しい音楽だが、ハイライトがない。昨季のFD、「Fix you」と似たようなタイプの音楽なので、正直またかという印象を受けるが、彼らは「どんな音楽でも滑りこなしちゃうよ☆」という組ではなく、どちらかというと、得意分野が限られている組だと思うので、平昌まであと1年と数か月、その得意分野を極めるという戦略は、間違っていないと思う。
演技自体はたいへん素晴らしかった。
フリー112.71、総合185.75。総合1位に決定。
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◆総合順位
アイスダンスの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SD順位、FD順位の順に記されている。
- Maia SHIBUTANI / Alex SHIBUTANI USA 185.75 1 1
- Madison HUBBELL / Zachary DONOHUE USA 175.77 3 2
- Ekaterina BOBROVA / Dmitri SOLOVIEV RUS 174.77 2 3
- Charlene GUIGNARD / Marco FABBRI ITA 165.44 5 4
- Elena ILINYKH / Ruslan ZHIGANSHIN RUS 165.16 4 6
- Isabella TOBIAS / Ilia TKACHENKO ISR 161.99 6 5
- Elliana POGREBINSKY / Alex BENOIT USA 151.76 8 7
- Kana MURAMOTO / Chris REED JPN 147.37 10 8
- Alisa AGAFONOVA / Alper UCAR TUR 146.10 7 9
- Yura MIN / Alexander GAMELIN KOR 141.50 9 10
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◆総評
2位以下に10点差近くつけて、シブタニ兄妹が優勝! 昨季のワールド銀メダルを経て、自信と風格が出てきたようだ。他の組とはちょっとレベルが違うなーというのが素人目にも伝わる演技だった。
総合2位は、ハベル&ダナヒュー。ここでボブロワ&ソロビエフに勝てたのは、大きいのではなかろうか。滑りがほんと上達したなぁと思う。
ボブロワ&ソロビエフは、FDでミスがあり、逆転されて3位。彼らにしかできない、味わい深い滑りができる組なので、次戦に期待したい。
5位のイリニフ&ジガンシンは、本調子じゃないのかなぁと心配になる出来だった。今大会、ロシアの2組はややイマイチな感じだったなぁ。やはり北米はロシア勢にとって鬼門なのか。シカゴのお客さんは、どの選手にも温かかったように感じたけども。
哉中&クリスはFDで巻き返して8位! FDのポエタ、めっちゃかっこよかったわ〜。次のNHK杯が楽しみ〜☆
全体的な感想を言うと、なぜか前半グループの方が、わたし好みのプログラムが多かった。上位のプログラムは、わたしにとって難解すぎるのかも(汗)。