GPロステレコム杯2016 ペアSP

GPロステレコム杯2016 リザルト
GPシリーズ第3戦のペアSPは、現地時間2016年11月4日(金)に行われた。
ライストは見られなかったので、後日、全組の演技を動画で見た。滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。

それと、日本語表記に自信がない名前には?を付けている。

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●第1グループ
1 ゴーダ・ブトクテ / ニキータ・エルモラーエフ(リトアニア

  • 楽曲:Maybe I, Maybe You by Scorpions
  • プログラム:?

昨季、ユーロ11位、ワールド17位。
ミスが多く、GOEで減点されていない要素の方が少ない。まだエレメンツをこなすのに精いっぱいで、音楽を表現する段階に達していない印象を受けた。
スミルノフさんがキスクラに。今日は普通の服装だ(笑)。
47.39。

2 アリオナ・サフチェンコ / ブルーノ・マッソー(ドイツ)

  • 楽曲:That Man by Caro Emerald
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

昨季、国内選手権優勝、ユーロ2位、ワールド3位。
二人のお尻フリフリからプログラムが始まる(笑)。
3Tw2は、ふわっと高〜い。3Sはシンクロしたように二人とも転倒。スロー3Aは高いし幅すごいが、着氷乱れた。5RLiBは、女性のポジションチェンジで不明瞭なところがあり、たぶんそのせいでレベルが取れなかったんだと思う。StSq4は素敵だが、この二人ならもっとやれる。BiDs3は女性が足を前後に少し開いたまま回っていて、女性の姿勢が美しい。CCoSp4の回転が速すぎて合っているのかどうか自信がないが、多分合ってたと思う。
洒脱で軽快な音楽を小粋に演じていた。つなぎにオシャレな振付がモリモリと。滑りこなせるようになったら、めっちゃ素敵なプログラムになりそう。
69.51。

3 ジュリアン・セガン / シャルリ・ビロドー(カナダ)

昨季、GPファイナル4位、国内選手権2位。今季、GPスケアメ優勝。
3Tw2でキャッチが良くなかったり、2Loで二人とも転倒してしまったり、スロー3Fで手を付いてしまったりと、ミスが出てしまった。が、それより何よりわたしが気になったのは、彼らのスケーティングがイマイチだったこと。一蹴りの伸びがなく、ちょこちょこ滑っているように見えた。
61.72。SBの71.40より10点近く低い…。

4 カミーユ・ルーエ / アンドリュー・ウルフ(カナダ)

  • 楽曲:
    • Something performed by Jim Sturgess
    • Kinetic Love by Karl Hugo
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

2014〜15シーズンは、別のパートナーと試合に出ていたので、今のパートナーと組んだのは、おそらく昨季か今季から。今大会がGPデビュー。
まとまった演技だった。二人とも、滑りがきれい。
60.09。

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●第2グループ
5 Alisa EFIMOVA / Alexander KOROVIN アリサ・エフィモワ / アレクサンドル・コロヴィン?(ロシア)

  • 楽曲:Chilly Cha Cha by Jessica Jay
  • プログラム:?
  • 動画:YouTube

昨季、国内選手権9位。女性は、2014年まで女子シングルのフィンランド代表だった。
3Tw3に高さが、スロー3Loは飛距離があり、5ALi4は移動距離がすごい…等々、素晴らしい点もたくさん持っている組なのだが、ペアの一番のキモ、ユニゾンがイマイチな気がする。二人の動きがバラバラに見えるんだよなー。
61.27。

6 ヴァレンティナ・マルケイ / オンドレイ・ホタレク(イタリア)

  • 楽曲:Seven Nation Army by Jack White
  • プログラム:○

昨季、国内選手権2位、ユーロ5位、ワールド14位。今季、GPスケアメ8位。
3Sを二人そろってクリーンに着氷できたのは大きい。GOEで減点されているのは、スロー3Lzは着氷が乱れたところだけなのだが、個人的に、BiDs3で終盤女性の体がつぶれちゃうのが気になる。ずっとそうなんだよねー。ここが最後まで弓なりに張っていられると、素敵なのだが。StSq4は、曲想をよく表していてかっこよかった。
楽しそうに生き生きと演じていた。男性のサスペンダー芸が振付に溶け込んでおり、いつの間にかサスペンダーの着けてたり脱いでたりする(笑)。
66.82で、SB更新!

7 クリスティーナ・アスタホワ / アレクセイ・ロゴノフ(ロシア)

  • 楽曲:Io Ti Penso Amore (from "Paganini vs Garrett") by David Garrett, feat. Nicole Scherzinger
  • プログラム:○

昨季、国内選手権4位、ユーロ7位。GPスケアメ5位。
二人が分かれて、リンクの端と端からギュイーンと滑っていって一つになり、スロー3Fするとこ好きだなー。スピード感があって、気持ちがいい。
StSq2は、レベルを取りこぼしてしまったが、リンク前面を使って、全身を大きく動かし、ドラマティックに演じていて、迫力があった。
65.51で、自己ベスト更新!

8 ナタリア・ザビアコ / アレクサンドル・エンベルト(ロシア)

  • 楽曲:Snowstorm by Georgi Sviridov
  • プログラム:○

昨季、GPロステレ5位、国内選手権5位。組んで2シーズン目。
女性163㎝、男性189㎝の長身カップル。ロシアの男子選手で、こういう軍服着ると映える人、多いよなー。肩幅あるし、手足長いし。
冒頭で女性がアップになり、あまりの美貌にビビる。めっちゃ美人さんだ。
物悲しく美しい音楽が流れる中、すいすい滑りながら着実にエレメンツを決めていったが、表現面で、いま一つ何か物足りなく感じる。
69.76で、自己ベスト更新!

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、得点の順に記されている。

  1. Natalia ZABIIAKO / Alexander ENBERT RUS 69.76
  2. Aliona SAVCHENKO / Bruno MASSOT GER 69.51
  3. Valentina MARCHEI / Ondrej HOTAREK ITA 66.82
  4. Kristina ASTAKHOVA / Alexei ROGONOV RUS 65.51
  5. Julianne SEGUIN / Charlie BILODEAU CAN 61.72
  6. Alisa EFIMOVA / Alexander KOROVIN RUS 61.27
  7. Camille RUEST / Andrew WOLFE CAN 60.09
  8. Goda BUTKUTE / Nikita ERMOLAEV LTU 47.39
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◆総評
優勝争いは、サフチェンコ&マッソーとセガン&ビロドーの間で繰り広げられるんだろうなーと予想していたのだが、SP1位は、ダークホースのザビアコ&エンベルト。初めて見る組だったが、エレメンツの質が高いし、ユニゾンもいいし、さすがペア大国ロシアの組という印象を受けた。今のところ、まだ淡々と滑っている感じだが、組んでまだ2シーズン目だし、これから経験を積んでいけば、素敵なペアに成長しそう。
2位は、サフチェンコ&マッソー。素敵な演技だったのだが、レベルの取りこぼしでTESが伸びず。今季もまたおしゃれプログラムを作ってきてくれたのだが、まだしっくりなじんでないような。ま、GP初戦だしね。これから徐々に上げていってもらえれば。
3位のマルケイ&ホタレクと、4位のアスタホワ&ロゴノフは、GP初戦の経験を踏まえ、きっちり修正してきたもよう。前のGPスケアメよりブラッシュアップしたプログラムを披露してくれて、何よりである。
5位のセガン&ビロドーは、FSで、まさかの前半グループに。SPを見る限り、コンディションがあまり良くなさそうなので心配だ。