GPロステレコム杯2016 女子SP

GPロステレ2016

GPロステレコム杯2016 リザルト
GPシリーズ第3戦の女子SPは、現地時間2016年11月4日（金）に行われた。
ライストは見られなかったので、後日、テレ朝の放送で全員の演技を見た。滑走順に感想を書いている。
テレ朝の解説は織田信成さん、実況は清水俊輔アナ。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、？の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎：好きだ！ また見たい！
  • ○：よかった。
  • △：う〜ん、イマイチ。
  • ×：できれば変えてほしい…。
  • ？：まだ何とも判断が付きかねる。
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●第1グループ
1 村上 佳菜子（日本）

昨季、全日本6位、四大陸7位。今季、GPスケアメ10位。
3F<を跳ぶ前にスピードが控えめだった。3T+3T<はステップアウト。2AはOK。
スピンのレベルは4、2、4。ステップはレベル3。
GPスケアメのときより、だいぶ見やすく、乗りやすいプログラムになっていた。前半のタップ音の表現も、だいぶ良くなったように感じる。もそっとパキパキしたほうがいいかなとは思うけども。
それと、ステップではもっと大見得を切ったほうがプログラムが締まるんじゃないかなー。ステップが最後の要素なのだが、なんかあっさり終わっちゃうんだよね。
55.25で、SB更新！

2 松田 悠良（日本）

昨季、JGP Logrono 2015 3位、全日本12位。今大会がGPデビュー。
昨季から続行のプログラム。
2Aはクリーンに着氷。3Lo+3Lo<はフリーレッグを早くついてしまった。3FはOK。FCSp3でぐらつき、回転がゆっくりになってしまった。
美しいわ〜。心の染み入るような演技だわ〜。スピードも出てたんじゃないかな。
61.57。

3 ニコル・ライチョヴァー（スロバキア）

  • 楽曲：Love Story (soundtrack) by Francis Lai
  • プログラム：○

昨季、国内選手権優勝、ユーロ12位、ワールド13位。
3T+3T<だが、着氷は流れていた。3Loは良いジャンプに見えたのだが、織田くんによると、ステップからただちに跳べなかったようで、GOEマイナス。2Aはクリーンに着氷。
スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
動きがクリアーでシャープ。見ていて清々しい気持ちになる
57.91で、自己ベスト更新！

客席にヴォロノフさんが。めっちゃいい人そうな顔で笑ってる。

4 ユリア・リプニツカヤ（ロシア）

  • 楽曲：Les Feuilles Mortes performed by Koala Liu
  • プログラム：○

昨季、GPフランス大会2位、国内選手権7位。今季、GPスケアメは、怪我のために欠場。
濃い茶色の衣装がシックで素敵☆
3T+3Tは軽々と。2Aはクリーンに着氷。3Fもきれいに降りたが、3Fに!が付いた。フリップは、転ぶんじゃないかとちょっと怖かった。織田くん曰く、インサイドに倒れてたらよかったとのこと。
スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
スピンは相変わらず素晴らしい。今まで見たことのない、独創的なポジションもあり、腕の使い方も優雅で美しかった。最後のLSp4は、時間が足りなくなってしまい、音楽が終わった後も回っていた。
見た目はもちろん、滑りもすっかりおねえさんになったなぁ。
69.25で、SB更新！

5 アンナ・ポゴリラヤ（ロシア）

  • 楽曲：Scent of a Woman (soundtrack - Smoku remix)
  • プログラム：○

昨季、国内選手権3位、ユーロ3位、ワールド3位。
衣装はワンショルダータイプの黒で、肩ひもに黒いモフモフなファーをあしらっていてゴージャス☆
3Lz+3Tは素晴らしい。3Loちょっと怖かったけど大丈夫。2Aは素晴らしい
スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
全てのエレメンツの質が高く、音楽との調和もすばらしく、申し分のない演技だった。…がしかし、だがしかし。ステップで唐突に始まるズンドコビート（泣）。どうしてロシア人はビートを入れずにいられないのか。入れない方がぜっっっったい素敵なのに！！！！（地の底からの叫び）
73.93で、SB更新！

6 アンゲリーナ・クチヴァルスカ（ラトビア）

  • 楽曲：
    • If You Go Away by Shirley Bassey
    • Duendo by Bozzio Levin Steven
  • プログラム：○

昨季、国内選手権優勝、ユーロ4位、世界ジュニア7位、ワールド15位。今季、GPスケアメ11位。
3F<の着氷が乱れた。!が付いてしまった。3T+3TはOK。2Aもなんとか。ジャンプはどれもちょっとこらえる感じだった。
スピンのレベルは3、4、2。ステップはレベル3。
織田くんによると、ステップでは体がよく動いていたが、もう少しスピードがほしいとのこと。あと、膝がもう少し柔らかく使えるようになると、もっと素敵になるそうだ。
54.29で、SB更新！

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●第2グループ
7 ジジュン・リー（中国）

  • 楽曲：Le Diable Matou by Dompierre
  • プログラム：○

昨季、四大陸10位、ワールド11位。
3T+3Tは素晴らしい。3FもOK。2A軸が傾いたがクリーンに着氷。
スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
これまでとは違ったジャンルの音楽に挑戦している。ヴァイオリンの音色が特徴的な曲想をよくとらえて軽快に演じていた。もそっとシャープさを出せるようになると、さらに素敵なプログラムになると思う。
63.89。

8 ロベルタ・ロデギエーロ（イタリア）

  • 楽曲：
    • A levare by Astor Piazzolla
    • Yo Soy Maria by Astor Piazzolla
  • プログラム：○

昨季、GPエリボン杯3位、国内選手権2位、ユーロ5位、ワールド16位。今季、GPスケアメ9位。
3T+2Tは着氷が乱れた。3Fは何とかこらえた感じ。GOEで減点された。2Aはまぁまぁ。
スピンのレベルは4、2、3。ステップはレベル3。
スピードが出てないなぁ。どことなく体が重そう。プログラムは、彼女にとっても合っていて、素敵だと思う。
52.57。

9 コートニー・ヒックス（アメリカ）

  • 楽曲：Maleficent (soundtrack) by James Newton Howard
  • プログラム：△

昨季、GP NHK杯2位、全米9位。
3F+3T、3Lo、2Aと、ジャンプは全てクリーンに着氷。
スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。ちょっとつまづいてしまったが、GOEで減点はされなかった。
う〜ん、表現するのが難しそうな音楽。彼女の演技は良かったのだが、聴いていて気が滅入りそうな曲なんだよなぁ。
63.68。

10 エレーナ・ラジオノワ（ロシア）

昨季、GPファイナル3位、国内選手権2位、ユーロ2位、ワールド6位。
3Lz+3Tと3Loはクリーンに着氷。2Aは着氷が乱れた。
スピンのレベルは4、3、4。彼女にしては回転がゆるく、トラベリングしているものがあった。
ステップはレベル4。独創的な振付で、ジャージーな音をよく表現していた。
成長期による影響か、ジャンプはやや不安定な感じだったが、このプログラムはいい！ いいよ！ 大人かっこよくて、おっしゃれ〜☆☆
71.93で、自己ベスト更新！

客席にメドさんがいる。見に来てるんだ〜。マスク着用なのは、予防のためならいいのだが。

11 アナスタシア・ガルスチャン（アルメニア）

  • 楽曲：17 Moments of Spring (soundtrack) by Mikhail Tariverdiev
  • プログラム：○

昨季、ユーロ15位、ユース五輪10位、世界ジュニア16位、ワールド24位。
今大会、GPデビュー。他の選手の欠場で、GPに2戦派遣されることになった。
3Lz+3Tは、回転どうかなーと心配したが、大丈夫。3Fe<はバランスを崩してしまった。2Aはスピードが出てないので大丈夫かと心配になったが、まずまずの着氷。
スピンのレベルは4、4、3。FCSp4は、ゆっくりな回転に。ステップはレベル2。
美しいしっとりした音楽を、長い手足を使って、丁寧に表現していた。
55.93で、SB更新！

12 エリザヴェート・トゥルシンバエワ（カザフスタン）

  • 楽曲：I Got Rhythm by Nikki Yanofski
  • プログラム：○

昨季、ユース五輪3位、世界ジュニア5位、ワールド12位。
昨季から続行のプログラム。
3Lz+3Tはクリーンに着氷。3LoもOK。2Aは着氷してから次の動作に行く途中で転倒。
スピンのレベルが4、3、4。CCoSp4は、回転が非常に速かったのだが、トラベリングしてしまった。また、2Aの転倒の影響で、次のFCSp3を回る時間が足りなくなったせいか、GOEで減点された。
ステップはレベル4。躍動感に満ちた、素晴らしいステップだった。
昨季はちょっと淡白な印象があったが、今季は表情豊かになったように感じる。
64.31で、自己ベスト更新！

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、TSSの順に記されている。

  1. Anna POGORILAYA RUS 73.93
  2. Elena RADIONOVA RUS 71.93
  3. Julia LIPNITSKAIA RUS 69.25
  4. Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 64.31
  5. Zijun LI CHN 63.89
  6. Courtney HICKS USA 63.68
  7. Yura MATSUDA JPN 61.57
  8. Nicole RAJICOVA SVK 57.91
  9. Anastasia GALUSTYAN ARM 55.93
  10. Kanako MURAKAMI JPN 55.25
  11. Angelina KUCHVALSKA LAT 54.29
  12. Roberta RODEGHIERO ITA 52.57
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◆総評
SP1位はポゴさん。昨季のワールド銅メダル獲得を経て、自信がみなぎっている印象を受ける。…ああ！ あのステップのズンドコさえなければ、あのSP、「大好き！！」って心から言えるのに！（泣）
2位はラジオノワさん。今季のSPは、彼女をすっごく成長させてくれるような気がする！ 正直、音楽はわたし好みじゃないんだけど、そんなのふっとんじゃうような輝きを感じたよ。今後の進化が楽しみだわ〜☆
3位はリプさん。ここ数シーズン、成長期によるジャンプの不安定さや怪我で苦しんでいるが、ジャンプ以外の部分はほんと、年々素敵になっていると思う。
ロシア女子の表彰台独占、大いにあり得る展開だが、はてさて、どうなるか。
7位の悠良さんは、「3Lo+3Loを跳ぶんだ！」と驚いた。最近、ジュニアの選手では、見るようになったけど、シニアではまだまだめずらしい。回転不足が取られやすいジャンプだけど、確実に決められるようになると、大きな武器になるよね。がんばって☆
11位の佳菜子ちゃんは、ジャンプの不調が続いているが、GPスケアメのときよりは、表情が明るかったので、少しホッとした。GPスケアメから2週間しかたってないのに、プログラムは着実にブラッシュアップされている。さすが。