GPファイナル2016 女子FS

GPファイナル2016 リザルト
女子FSは、現地時間2016年12月10日(土)に行われた。
後日、動画で全員の演技を見た。滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。
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1 エレーナ・ラジオノワ(ロシア)

冒頭の3Lz<で転倒し、連続ジャンプにできなかったが、後半の3Lzに3T<をつけたところで目頭が熱くなった。この気持ちの強さにほんと感服する。回転不足や着氷が乱れるジャンプがあり、連続ジャンプが2つしか入れられなかった。
スピンとステップは全てレベル4。ステップとコレオが曲想にマッチしていて素敵だった。
体がちょっと重そうだったなぁ。でも踏ん張った! よく頑張ったよ!
フリー119.83、総合188.81。現時点で総合1位。

2 マリア・ソツコワ(ロシア)

  • SP順位:6,得点:65.74
  • 楽曲:Adagio by Alfred Schnittke
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

3Fの着氷で乱れ、3F<+1Lo+3S<でアンダーローテをとられた以外は、全ての要素でGOEプラス評価。ジャンプが高くて大きい上に、3Lzと3Fをエッジエラーなしで2回ずつプログラムに組み込めるのは、強力な武器ですな。スピンとステップは全てレベル4。美しくて優雅でふんわりした曲想をよく表現していた。
フリー133.05、総合198.79で、FSは自己ベスト更新! 現時点で総合1位。ソツコワさんもコーチたちもめっちゃ喜んでる。

3 アンナ・ポゴリラヤ(ロシア)

  • SP順位:4,得点:73.29
  • 楽曲:
    • Modigliani Suite by Guy Farley
    • Le Di a la Caza Alcance by Estrella Morente
    • Memorial Requiem by Michael Nyman
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

3Fに!がついたが、全要素でGOEプラス評価。スピンとステップは全てレベル4。最後のLSp4で、音楽が先に終わってしまった。転倒しなかったのに何でだろう。あまり見栄えがよくないので、音楽と共に終われるように修正してほしい。素晴らしいプログラムなのにもったいないよ!
力強く美しく、クリーンな演技だった。いや〜、こんなに安心して彼女の演技を見られる日がこようとは。昨季まで毎試合毎試合ハラハラしながら見ていたのが嘘みたいだわ。
ポゴさんが感極まっている。
フリー143.18、総合216.47で、どちらも自己ベスト更新! 現時点で総合1位。
フリーの得点を見るなり奇声を上げるコーチ二人。…あのクールビューティーな女性コーチ(たぶん、バイオのコーチ欄に名前が記載されているAnna Tsareva さん)のこんな姿を見る日が来るとは(笑)。あ!! イケメンコーチがポゴちゃんのほっぺにチューしてる!!

4 ケイトリン・オズモンド(カナダ)

  • SP順位:2,得点:75.54
  • 楽曲:
    • Mimi Tells Her Story (from "La Boheme - The Ballet") by G. Puccini, arranged by K. Hocking
    • Sono Andati (from "La Boheme") by Giacomo Puccini
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

2A+3Tの予定だったが、セカンドがダブルに、3S+2T+2Loの予定が2S+1T+2Loになり、トリプルが5回しか入らなかったが、GOEで減点されるジャンプはなし。スピンとステップは全てレベル4。
ステップの途中で本当に苦しそうな表情になるのがすごい。「ラ・ボエーム」の物語が伝わってくる。コレオではスパイラルやバレエジャンプを織り交ぜながら、ヒロインが苦悩する様がびしばし伝わってきた。
フリー136.91、総合212.45で、SP同様、FSも自己ベスト更新! 現時点で総合2位。

5 宮原 知子(日本)

  • SP順位:3,得点:74.64
  • 楽曲:The Planets by Gustav Holst
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

冒頭の3Loはシュパッと下りた。3F<以外、全ての要素でGOEプラス評価。スピンとステップは全てレベル4。
「火星」の勇ましい音楽と共に、力強くかつ軽やかに踏んでいくステップがめっちゃかっこいい。プログラム後半なのに、スピードが加速していくように、勢いに乗ってジャンプを次々に降りていった。
演技後、さっとんの両手ガッツポーズ出たよ!! 貴重!!(笑)
フリー143.69、総合218.33で、自己ベスト更新! 現時点で総合1位。すっごーい!! ポゴさんの上にきた!!

6 エフゲーニャ・メドベージェワ(ロシア)

  • SP順位:1,得点:79.21
  • 楽曲:
    • Extremely Loud and Incredibly Close by Alexandre Desplat
    • Piano Lesson with Grandma by Alexandre Desplat
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

冒頭の3Fで、めずらしくステップアウト。3Lzに!がついたが、質が良かったからか、GOEプラス。冒頭の3F以外は全ての要素でプラス評価。スピンとステップは全てレベル4。
今回、タノジャンプの数を数えてみたんだけど、たぶん7つ。タノじゃないジャンプの方が少ないんだなー。ただ、個人的にメドさんのタノはあんまりキレイに思えないんだよね。
スケーティングがすいす〜いと伸びやかで軽やかだった。
フリー148.45でSB、総合227.66で自己ベスト更新! 総合1位に決定。

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◆総合順位
女子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Evgenia MEDVEDEVA RUS 227.66 1 1
  2. Satoko MIYAHARA JPN 218.33 3 2
  3. Anna POGORILAYA RUS 216.47 4 3
  4. Kaetlyn OSMOND CAN 212.45 2 4
  5. Maria SOTSKOVA RUS 198.79 6 5
  6. Elena RADIONOVA RUS 188.81 5 6
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◆総評
SPに引き続き、FSも全員レベル4獲得でござった。テクニカルパネルがやさしめだったのか、それとも女子ファイナリストが偉大なのか。
優勝はメドさん。SPでは女子シングルの最高得点を更新したが、FSでは惜しくも更新ならず。でもま、時間の問題でしょうな。
総合2位は、宮原さん。TESは3位のポゴさんよりわずかに下だけど、PCSはわずかに上!! メドさんに次いで2番目に高い。SPでは、メド>オズモンド>ポゴ>ラジオノワ>宮原>ソツコワだったのに、FSでいきなり評価がアップ。それだけFSの演技が良かったってことなんだろうけど、わたしの本音を言えば、「SPだってよかったじゃんかよ〜。もっとPCSおくれよ〜」でござる(笑)。
宮原さんがガッツポーズを練習している動画を見たのだが、あまりのかわいらしさに悶絶しそうになった(爆)。あんなに愛らしい女子大生がいていいのだろうか…(///)。ところで、ガッツポーズって練習してやるものなの?(笑)
3位はポゴさん。GPファイナル初表彰台、おめでとう☆ 彼女もすばらしかった。ただ、贅沢を承知で言わせてもらうと、ほんのちょっとだけ単調に感じないでもない部分があったので、曲想の変化をさらにダイナミックに表現できるようになるといいのかも。
4位はオズモンドさん。メドさんやラジオノワさんにも負けない女優っぷりで、感嘆させられた。前々から音楽を演じるのに長けた選手だなと思っていたけれど、物語を演じる力もすごいんだなー。ジャンプも少しずつ安定してきているし、着実に成長していて頼もしい。
5位はソツコワさん。最高のシニアデビューシーズンを送っているんじゃなかろうか。国内選手権の初表彰台、あるかも!
6位はラジオノワさん。ジャンプが不調な中、必死に踏ん張ってる姿に胸打たれずにはいられない。女子選手は誰しも通る道なので、焦らず、無理せず、じっくり自分の体と向き合ってほしい。国内選手権、頑張って☆