GPファイナル2016 アイスダンスFD

GPファイナル2016 リザルト
フリーダンスFDは、現地時間2016年12月10日(土)に行われた。
後日、動画で全組の演技を見た。滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。
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●第1グループ
1 マディソン・チョック / エヴァン・ベイツ(アメリカ)

  • SD順位:6,得点:70.87
  • 楽曲:Under Pressure by David Bowie, Freddie Mercury
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

あっという間に終わってしまった。流れが一切途切れることなく、妙なる動きが途切れなく表れていく。音楽との一体感、パートナーとの一体感が素晴らしい。
中合わせリフトから女性を下ろすとき、ほんのちょっと、本当にほんのちょっとだけもたついたかなーぐらいしか改善点が見当たらない。
フリー108.45、総合179.32。

2 エカテリーナ・ボブロワ / ドミトリー・ソロビエフ(ロシア)

  • SD順位:4,得点:74.04
  • 楽曲:
    • Prelude No. 20 by Frederic Chopin
    • The Four Seasons arranged by Nigel Kennedy
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

スピードに乗ってよく滑っていたと思うのだが、2、3か所「あれ?」と感じる部分があった。演技後、彼らがビミョ〜な顔をしていたので、やはりミスがあったということだろうか。プロトコルを見ると、RoLi3でレベル4を取れておらず、GOE加点も少なめなので、そこでミスしちゃったのかなぁ。正直、わたしには何をミスしたのか分からないけど。
終盤、音楽が「四季」に変わり、DiSt3が始まるのだが、ここで二人とも歓喜の表情を浮かべて滑っている。でも、使われている「四季」の音楽と喜びが結びつかなくて、違和感を覚えるんだよね。
フリー107.91、総合181.95。

3 マディソン・ハベル / ザカリー・ダナヒュー(アメリカ)

  • SD順位:5,得点:72.47
  • 楽曲:
    • I Wanna Dance With Somebody by Bootstrap
    • Can't Help Falling In Love performed by Ingrid Michaelson
    • Earned It by Bootstrap
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

前の2組も、とってもよく滑っていたが、彼らもすごかった。どのエレメンツも光り輝いて見えた。STw3以外は。ツイズルの回転がズレてしまった…嗚呼(泣)。
この組、昨季も「めっちゃうまくなったな〜」と驚愕させられたが、今季さらにまたうまくなってる…。すごい成長スピード…。
GPフランス杯ですごくすごーく感動させられたのだが、それはたまたまじゃなかったんだというのが、この演技でよく分かった。このプログラム、めっちゃ好きだ。じわじわ〜っと温かい気持ちが広がっていって、自然と泣けてくるんですよ…(感涙)。
107.12、総合179.59で、総合得点はSB更新!

第1グループが終わった時点で、総合1位は、エカテリーナ・ボブロワ / ドミトリー・ソロビエフ(ロシア)。

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●第1グループ
4 ガブリエラ・パパダキス / ギヨーム・シゼロン(フランス)

  • SD順位:3,得点:77.86
  • 楽曲:
    • Stillness by Nest
    • Oddudua by Aldo Lopez Gavilan
    • Happiness Does Not Wait by Olafur Arnalds
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

二つのステップは両方レベル3だが、他は全てレベル4。GOEは、ジャッジが+2と+3しか出していない。
中盤の抱擁があっさりめになってたような。万感の思いがこもってる感じが好きな振付なのに〜〜。
それはさておき、演技自体はとてもよかった。ただ、2か所ほど、女性がちょっとエッジの滑りがスムーズじゃなかったかな?と感じられる部分があった。
まぁそれもこれも、他の部分がものすごーくすばらしいがゆえに、少し気になるってだけで、全体的にはめちゃくちゃよかった。わたしの語彙が貧しいので、結局「よかった」とか「すばらしかった」としか言いようがないのが、非常にもどかしい。
フリー114.95、総合192.81。現時点で総合1位。

5 マイア・シブタニ / アレックス・シブタニアメリカ)

  • SD順位:2,得点:77.97
  • 楽曲:Evolution: Mirror In Mirror by Anne Akiko Meyers, Akira Eguchi
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

SeSt3とDiSt2以外は、全てレベル4。GOEでジャッジは+2と+3しか出ていない。
無音で滑っているみたいだった。音楽がなかったら、滑る音が全くしないんじゃないかと思えるほど、なめらかでエフォートレスな滑りだった。
STw4は完璧。…に見えたが、ジャッジが2人+2を出している(他は全て+3)。力が入ってたかなぁと唯一感じた箇所はローテショナルリフトの入り。ほんのちょっとだけ「よいしょ」感があった。…あくまでもほんのちょっとよ?
フリー111.63、総合189.60で、総合得点は自己ベスト更新! 現時点で総合2位。

6 テッサ・ヴァーチュー / スコット・モイヤー(カナダ)

  • SD順位:1,得点:80.50
  • 楽曲:
    • Pilgrims on a Long Journey by Coeur de Pirate
    • Latch (Acoustic) by Sam Smith
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

二つのステップで両方レベル3。他は全てレベル4。ツイズルのファーストで男性がバランスを崩しかけたので(すぐ修正したけど)、ジャッジが一人+1を出したが、他は+2と+3しか出していない。
……この演技を前に何を言えばいいのか。「とってもきれいで素敵で素晴らしかったです」以外に言いようがないというか。「二人で一つ」みたいな演技だった。
正直、この音楽も振付も、好きかと問われれば、「好きとも嫌いとも言い難い」という微妙な返答になるのだが、これだけ突き抜けてハイクオリティーな演技を見せられると、「また見たい」と思わざるを得ない。
フリー116.72、総合197.22で、SD同様、FDも自己ベスト更新! 総合1位に決定。

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◆総合順位
アイスダンスの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SD順位、FD順位の順に記されている。

  1. Tessa VIRTUE / Scott MOIR CAN 197.22 1 1
  2. Gabriella PAPADAKIS / Guillaume CIZERON FRA 192.81 3 2
  3. Maia SHIBUTANI / Alex SHIBUTANI USA 189.60 2 3
  4. Ekaterina BOBROVA / Dmitri SOLOVIEV RUS 181.95 4 5
  5. Madison HUBBELL / Zachary DONOHUE USA 179.59 5 6
  6. Madison CHOCK / Evan BATES USA 179.32 6 4
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◆総評
ヴァーチュー&モイヤーが初優勝☆ ワールドもオリンピックも優勝してるから、すごく意外に感じるけど、GPファイナルのタイトルは初めてなんだよね〜。おめでとう!!
総合2位は、パパダキス&シゼロン。TESでもPCSでもテッサたちに後塵を拝してしまったが、差はわずかなので、「追いつき追い越せ」で頑張ってほしい。
3位のシブタニ兄妹は、上位2組を猛追中。意外に感じるけど、GPファイナル初表彰台なんだよね。おめでとう〜☆
4位はボブロワ&ソロビエフ。アイスダンス大国ロシアのエースとして重責を担う組だが、今季はFDのプログラムがちょっと…なぁ。上位3組に食らいついていくには「ふつうに素敵☆」レベルのプログラムじゃ弱いんだよね。ハマりプロの好演をシーズン通して継続するぐらいじゃないと。
5位はハベル&ダナヒュー。ツイズルのミスがなかったら、自己ベスト更新で来たんじゃなかろうか。惜しかった。昨季、大躍進を遂げたので、今季は停滞するかもしれないなぁと心配していたが、まっっっったくの杞憂であった。
6位はチョック&ベイツ。全然悪くない…というかむしろとっても良かったと思うのだが、さほど得点が伸びず。クリーンな演技だったし、レベルを取りこぼしたってわけでもないのに。うむむ…なぜだ。FDのインパクトが足りないのかなぁ。わたしはこのプログラム好きだけど、ハイライトが薄いって言えば薄いのかもしれない。