全日本2016 女子SP

全日本2016 リザルト
女子SPは、現地時間2016年12月24日(土)に行われた。
フジの放送で放送された選手の演技について、滑走順に感想を書いている。解説が荒川静香さん、実況は西岡孝洋アナ。残念ながら、ライブ放送は男子SPだけなんだよねー。残念。
楽曲名は、フジの表記に合わせている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。
                                                                                                                                        • -

●第1グループ
2 竹野 比奈

今季、西日本5位。
3T+3T<はセカンドが両足着氷。3Fがダブルになり、ノーバリュー(泣)。2Aは大丈夫。スピンは全てレベル4。どのスピンもきれいだった。回転が速く軸がぶれない。ポジションチェンジもスムーズ。ステップはレベル3。うねるような曲想をダイナミックに表現していた。
47.39。フリーに進めるかなぁ。

3 坂本 花織

  • 楽曲:アーティスト
  • プログラム:○

今季、全日本ジュニア優勝、JGPファイナル3位。
3Loでステップアウト。3F+3Tと2Aはよかった。スピンは全てレベル4。ステップはレベル2。体を大きく動かしてダイナミックに滑っていた。
スピードがよく出ていたんじゃないかな。スケーティングがぐい〜んぐい〜んと伸びて気持ちいい。序盤のしっとり感を素敵に表現できるようになったなぁ。ただその後、元気で弾むような曲想に変化したとき、もっとそういう感じが出せるようになると、さらに素敵なプログラムになると思う。ちょっと上半身が硬い印象を受けるんだよね。
63.36。

                                                                                                                                        • -

●第2グループ
10 白岩 優奈

  • 楽曲:アイ・ガット・リズム
  • プログラム:○

昨季、全日本5位。今季、JGPシュベルター2位、全日本ジュニア2位。
3Lz+3Tはよかった。3Loはステップからただちに跳んでないと見るジャッジもいそう。GOEも0から2まで、評価が分かれている。ジャンプの質は良いだけにもったいない気がするな〜。2Aの予定がシングルになってノーバリュー(泣)。その後、最後のCoSp2で手袋がエッジに挟まってしまったようで、スピンが中断してしまった。ギャ〜〜!!(ムンクの叫び)
スピンのレベルは4、3、2。でも最後のCoSp2はノーバリュー(泣)。ステップはレベル2。リズミカルな曲想に乗って弾むように演じていた。
小気味よいコケティッシュな振付が板についてきた。シングルアクセルの前まではすっっばらしかっただけに、終盤に大きなミスが続いてしまい、残念でならない。
54.30。手袋が氷上に落ちたから、「コスチューム・装飾の落下」で減点1までとられてる…嗚呼(泣)。

                                                                                                                                        • -

●第3グループ
14 大庭 雅

  • 楽曲:映画「ミッション」より
  • プログラム:○

今季、西日本3位。
3S+3Tはよかった。3Loと2Aは構えなくすぽぽ〜んと跳んでいた。スピンのレベルは3、4、3。ステップはレベル3。
安藤さんによる振付だけあって、彼女の「大きな鳥が天空を悠然と舞っている」滑りをほうふつとさせる、素晴らしい演技だった。ナビゲーター郄橋大輔(笑)がコメントしていたように、雅ちゃん自身がこの曲を心から楽しんで滑っているのが伝わってきて、見ていてとても心地よかった。
59.19。

17 滝野 莉子

今季、全日本ジュニア6位。コーチ欄に織田母子の名前が!! そっか〜。織田くんとこの子か〜。
3F+3Tは軽々と。3Lzと2AもOK。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル2。
ステップやスピンから、音楽を自分なりに解釈して表現しているのが感じられる演技だった。スピンの回転が単に速いってだけじゃなく、ちゃんとフレーズに合っているんですよ。ジュニアでここまでできる選手はなかなかいない。今後の成長がめっちゃ楽しみ〜☆
59.13。

18 鈴木 沙弥

今季、全日本ジュニア5位。
3Lz+3TはOK。かなり長くステップを踏んでから3Loをただちに跳んでいたと思う。2AもOK。スピンは全てレベル4。ステップはレベル2。歯切れよくリズミカルに踊っていた。
前に滑った莉子ちゃん同様、彼女もスピンでしっかり音楽を表現していた。手の動きが音にハマってるし、ポジションチェンジがフレーズに合っている。
60.06。おお〜、60点超え! 驚いた両脇のコーチが笑顔で沙弥ちゃんをサンドしてハグ(笑)。長久保先生がキスクラでこんなに喜ぶ姿が見られるとは! 貴重である。

                                                                                                                                        • -

●第4グループ
19 本郷 理華

昨季、全日本4位、四大陸3位。今季、GP中国杯5位。
3FはOK。3T+3Tは余裕があった。2AもOK。スピンとステップは全てレベル4。GPのときより全ての要素の質が上がり、プログラムが磨き上げられていた。
大輔くん曰く、「力強さに繊細さ、女性らしさ、そして間の取り方、余韻のつけ方がレベルアップしていた」。GPでは、美しく妖しい魔女のようだと感じていたが、今回の演技は、まるで死を司る女神のように神々しかった。間違いなく、今季ベストの演技だと思う。
69.20。

20 宮原 知子

昨季、全日本優勝。今季、GPファイナル2位。
2A、3Lz+3T、3Loとクリーンに着氷。スピンとステップは全てレベル4。最後のLSp4は、スピン大得意なロシア女子にも引けを取らない素晴らしさ。一人のジャッジが+2を付けた以外は全員+3。すごい。
西岡アナが言い表したように、まさに「盤石」の演技であった。安心して見ていられた。
76.49。

21 松田 悠良

  • 楽曲:映画「ピアノレッスン」より
  • プログラム:○

今季、GPロステレ6位。
2AはOK。3Lo<+3Loの着氷の流れは良かった。3Fはステップからただちに跳んでいた。スピンのレベルは2、4、3。ステップはレベル3。ピアノの音一つ一つを丁寧に拾い上げていくような素敵なステップだった。
連続ジャンプのファーストでダウンローテをとられたのと、スピンのレベルを取りこぼしてしまったのが残念だったが、全体的にはとても良い演技だったと思う。
61.63。

22 木原 万莉子

  • 楽曲:幻想曲「さくら さくら」
  • プログラム:○

今季、西日本優勝。練習拠点をカナダのモントリオールに変更。コーチはブルーノ・マルコット。全日本にも来てくれてるんだよね〜。
3T<<は途中で開いてしまった。3Lo+2Tと2AはOK。スピンのレベルは4、3、2。ステップはレベル3。力強さと激しさが増して、曲想の抑揚をよく表現していた。
50.44。

23 樋口 新葉

昨季、全日本2位、世界ジュニア3位。今季、GPフランス3位。
2Aと3Lz+3Tはよかった。3Fの着氷はクリーンだったのだが、eがついて減点された。スピンとステップは全てレベル4。荒川さん曰く「緩急のつけ方がうまくなった」とのこと。
全日本でノーミス演技きたーー!!! ぃやったーー!!
3Fにエラーが取られたので思ったほど得点が伸びなかったが、そこを直せば70点台が出るだろう。
68.74。

24 村上 佳菜子

  • 楽曲:オペラ「カルメン」より
  • プログラム:○

昨季、全日本6位。今季、GPスケアメ10位。
衣装が変わったのだが…ビミョ〜(汗)。深い赤の色は大人っぽくていいと思うのだが。
3T+3Tはよかった。3Fがシングルになり、ノーバリュー(泣)。2AはOK。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル2。
前半のタップ音のところは、ちょっと動きが硬くて、表現しきれてない印象を受けたが、後半、曲想が変わり、女性ボーカルのやわらかい声の伸びはしなやかに、終盤テンポアップして歌い上げるところは激しく体を動かして、曲想をよく表現していた。
3Fはパンクしてしまったが、GPのときよりジャンプの質が良くなっているんじゃないかな。調子は悪くなさそう。
58.52。得点が出て、「フリーできる〜!」と喜ぶ佳菜子ちゃん。FSに進出できないかもしれないと、覚悟して臨んでたんだなぁ…。

                                                                                                                                        • -

●第5グループ
25 三原 舞依

今季、GPスケアメ3位。
3Lz+3T、2A、3Fとクリーンに着氷。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
クリーンでクリアーな演技。最初から最後まで軽やかに楽しげにリンクを駆け抜けていった。
65.91。

26 新田谷 凜

  • 楽曲:恋のアランフェス レッド・ヴァイオリン
  • プログラム:○

今季、西日本2位。
3F+3Tの予定が2Fになって転倒。その後3T+3Tを跳んでリカバー。2AはOK。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
転倒は残念だったが、後半に3T+3Tを成功できたのは大きい。ただ、プログラムのハイライトがあまり感じられなかった。
54.31。

27 本田 真凜

昨季、世界ジュニア優勝。今季、JGP横浜とJGPリュブリャナで2位。全日本ジュニア3位。
3F+3T、3Lo、2Aと、クリーンに着氷。スピンは全てレベル4。ステップはレベル2。
ようやく…ようやくSPのノーミス演技がきた!! 演技後、感極まったように涙をこぼす真凜ちゃん。
シームレスでエフォートレスなボディームーブメントの美しさよ。世界ジュニアでロシア女子に勝てるとしたら、彼女しかいないのではなかろうか。
67.52。

28 永井 優香

  • 楽曲:ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア
  • プログラム:○

昨季、GPスケカナ3位。今季、GPフランス10位。
3S+2Tは、ファーストがオーバーターン。3Loの着氷はクリーンだったのだが、「ステップからただちに跳んでいる」と見なされなかったのか、GOEマイナス。2AはOK。スピンのレベルは4、4、2。最後のFCSp2で軸がぶれてしまった。ステップはレベル3。美しく切ない曲想に添うような動き。
演技後、お辞儀をしながら涙をこらえていたが、リンクの外に向かう途中でまた感極まったように泣き出す永井さん。西岡アナによると、関先生が来年からカナダに行くため、彼と一緒の全日本はこれが最後になるとのこと(詳細は、彼女のコメント集をどうぞ)
53.23。

29 廣谷 帆香

  • 楽曲:ティコティコ
  • プログラム:○

今季、東日本選手権2位。
3T+3Tはきれいに着氷。3Lzはオーバーターン。2Aは高さがある。スピンは全てレベル4。回転速度が速い。ステップはレベル2。もっと体がなめらかに動かせるといいなぁ。2A高い。
元気よくのびのびと滑れていたのでは。
53.50。

30 浅田 真央

  • 楽曲:リチュアルダンス
  • プログラム:○

昨季、全日本3位。今季、GPスケアメ6位。
3Aに挑戦したものの、シングルに。3F<+2Loの着氷はクリーンだった。3LoはOK。他のジャンプはOK。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
動きのキレとスケーティングの伸びが戻ってきた。
60.32。

                                                                                                                                        • -

◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、所属名、得点の順に記されている。

  1. 宮原 知子(関西大学)76.49
  2. 本郷 理華(邦和スポーツランド)69.20
  3. 樋口 新葉(日本橋女学館)68.74
  4. 本田 真凜(関西大中・高スケート部)67.52
  5. 三原 舞依(神戸ポートアイランドクラブ)65.91
  6. 坂本 花織(神戸FSC)63.36
  7. 松田 悠良(中京大中京高)61.63
  8. 浅田 真央(中京大学)60.32
  9. 鈴木 沙弥(邦和SC)60.06
  10. 大庭 雅(中京大学)59.19
  11. 滝野 莉子(大阪スケート倶楽部)59.13
  12. 村上 佳菜子(中京大学)58.52
  13. 細田 采花(関西大学)56.88
  14. 磯邉 ひな乃(中京大学)55.10
  15. 中塩 美悠(広島スケートクラブ)54.99
  16. 新田谷 凜(中京大学)54.31
  17. 白岩 優奈(関西大KFSC)54.30
  18. 廣谷 帆香(八工大一高)53.50
  19. 永井 優香(駒場学園高)53.23
  20. 松嶋 那奈(早稲田大学)51.97
  21. 今井 遥(新潟県連)51.29
  22. 笠掛 梨乃(ポラリス中部FSC)51.22
  23. 木原 万莉子(同志社大学)50.44
  24. 小林 聖依(秀明英光高)49.14
  25. 竹野 比奈(福岡大学)47.39
  26. 上野 沙耶(関西大学)47.38
  27. 森下 実咲(アクアピアスケーティングC)47.13
  28. 大澤 陽(三沢GOLD F・S・C)46.41
  29. 森 千夏(愛知みずほ大瑞穂高)45.10
  30. 船迫 麗愛(千葉経済大付属高)41.12
                                                                                                                                        • -

◆総評
SP1位は宮原さん。女王の風格あふれる演技だった。それはそれですごくよかったんだけど、ファイナルのとき感じた可憐さが薄まってしまったようで、ちょっぴり残念でもあった。あのときのさっとんは、マジリアル妖精さんのように可憐で、わたしのハート直撃☆☆☆だったんですよ〜う(///)。
2位は理華ちゃん。GPでは苦しんでいたが、この大舞台で、今季最高のパフォーマンスが見られ、幸せいっぱいである。
3位はわかば様。「静」の表現が、ほんと上手になったなぁと思う。シニアデビューのシーズンだが、もうすっかりシニアのスケーターの滑りになっている。嬉しい☆
4位は真凜ちゃん。JGPファイナルをインフルで棄権したので、体力面を心配していたが、SPは全く問題なさそうに見えた。でも、フリーはジュニアより30秒長くなるし、どうだろう。
5位は三原さん。単にミスがないというだけでなく、とても質の高い演技だった。ただし、彼女の場合、気がかりなのはフリーなのよね。クリーンな「シンデレラ」が見られますように!
SP1位の宮原さんが2位に7点以上の差をつけているので、彼女の三連覇は堅そうだなぁ〜と予想できるのだが、表彰台に上がる他の2名が誰になるかはもうさっぱり分からん!