ロシア選手権2017 女子SP

ロシア選手権2017 リザルト
ロシア フィギュアスケート選手権2017の女子SPは、現地時間2016年12月23日(金)に行われた。2016年に行われるのに、2017と銘打ってるんだな〜。
Jスポーツの放送では、解説が岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。放送のあった選手の演技について、滑走順に感想を書いている。楽曲名は、千鶴さんが教えてくれたものだけ記載。
千鶴さんが言っていたように、「世界で最も過酷な国内選手権。特に女子にとっては」というわけで、非常にハイレベルな戦いになるものと思われる。
ソチ五輪チャンピオンのソトニコワとツルスカヤ、リプニツカヤが欠場。ソトニコワの理由は言われなかったが、おそらく怪我のためと思われる。ツルスカヤは右膝の手術、リプニツカヤも怪我のために出場できず。残念である。一日も早く治りますように。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。
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2 エレーナ・ラジオノワ

  • プログラム:○

国内選手権で、2014-15シーズンは優勝、昨季は2位。今季、GPファイナル6位の17歳。
3Lz+3T<の着氷が詰まった感じに。3Loと2AはOK。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
岡部さんも指摘していたが、昨季あたりから、かなり身長が伸びた上に、女性らしい体形に成長したので、ジャンプの調整に苦しんできたが、その体形変化の影響が、スケーティングやスピンにも出ているのかなぁとを感じさせる演技だった。今は耐える時期なんだろうな。頑張って!!
70.19。

3 エフゲーニャ・メドベージェワ

  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

昨季、GPファイナル優勝、国内選手権優勝、ユーロ及びワールド優勝。今季、GPファイナル優勝。
3Fタノ+3T、3Lo、2Aタノとクリーンに着氷。ステップとスピンは全てレベル4。
完璧というよりほかにない演技。このレベルの演技をシーズン続けて行えるというのが。メドさん最大の強みだよなぁ。すごいなぁ。一体全体どういう練習をすればこんなことが可能なのか。メンタルも半端なく強いんだろうな。メンタルトレーニングとかしてるんだろうか。
80.08。

7 アナスタシア・グバノワ

  • プログラム:○

初出場の14歳。今季、JGPファイナル2位。
2Aと3Lz+3TはOK。1Loはノーバリュー。スピンのレベルは4、4、3。相変わらず素晴らしいスピンだったが、最後のCCoSp3は、転倒のせいで時間が足りなくなったか。ステップはレベル3。
曲想の優雅さ、白鳥らしさをよく表現していた。美しかった。
岡部さん曰く、「ファイナルに出たばかりで、疲れていたのかも」とのこと。
63.34。

10 アリサ・フェディチキナ

昨季、国内選手権11位の14歳。
2Aを跳ぶ直前に転倒したが、跳び直して成功。3Lz+3TはOK。3Lo<の流れは良かったのだが。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
冒頭の転倒で動揺したのか、表現がちょっと薄くなっちゃったかなぁ。JGPではもっと躍動感ある滑りができていたような。それでも、全ての要素をきっちりこなせるあたり、さすがである。
63.96。

11 スタニスラワ・コンスタンティノワ

初出場の16歳。今季、JGPモルドヴィア2位。
3Lz+3Tはよかった。3Fは両足着氷。2AはOK。スピンは全てレベル4。スピンが上手な選手ばかりがそろっているロシア女子だが、彼女のスピンは回転が速いのはもちろん、ポジションチェンジしても軸が全くぶれず、微動だにしない。ステップはレベル3。黒鳥のまがまがしさが出ていてよかった。
とても力強い演技だった。全身に力がみなぎっているように見える。
68.34。

12 アンナ・ポゴリラヤ

  • 楽曲:映画「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」より タンゴ
  • プログラム:○

昨季、国内選手権3位、ワールド3位。今季、GPファイナル3位の18歳。
3Lz+3T<の流れは悪くなかったのだが。3Loは、クリーンな着氷だったのだが、「ステップからただちに跳んでいなかったので、ジャッジの評価が分かれるだろう」と岡部さん。2AはOK。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル4。
ジャンプの質を見るに、絶好調ではないのかな〜という感じ。調子が悪いというほどではないが、本来の彼女はもっと質の高いジャンプが跳べるので。
73.45。

14 マリア・ソツコワ

  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

昨季、国内選手権5位の16歳。今季、GPファイナル5位。
3Lz+3Tは、セカンドでちょい怖かったけど大丈夫。3Fと2Aはよかった。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル4。
…ファイナルから2週間くらいしかたっていないのに、さらにうまくなった気がする! 力強さとシャープさが増して、表現がより深まったというか、広がったというか。
岡部さんも、「すごくよかった。前向きなオーラが出ていた。勝ちにいくという姿勢が見え、最後までエネルギッシュに滑り切った」とほめていた。
74.39。

16 ソフィヤ・サモドゥロワ

  • プログラム:○

今季、JGP横浜4位。初出場の14歳。千鶴さんによると、この大会は補欠だったが、欠場者が出たため、繰り上げで出場できることになった。
タノ3Lz+3Tは、岡部さん曰く「ファーストのポジションがあまり美しくない」とのこと。3Lzに!がついたこともあって、GOE加点なし。3Fと2AはOK。スピンは全てレベル4。ステップはレベル2。美しく切ない曲想をよく表現していた。
急遽出場が決まったのだと思われるが、それでも当然のようにノーミス演技をするところが、ロシア女子たる所以だよなぁ。誰も彼もが強い。
65.29。得点が出て、選手もコーチも笑顔で拍手&ハグ。かわいい☆

17 エリザベータ・トゥクタミシェワ

2014-15シーズン、ワールド優勝。国内選手権は10度目の出場になる20歳。…つまり10歳のときから出てるってことか。すごいな。2013年に優勝。
3T+3Tはセカンドの方が高かった。3Lzはこらえた。タノ2Aは流れがなかったような。手の上げ方が中途半端で、あまり美しくなかった。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル2。
フリー同様、ショートも昨季のプログラムに戻した。確かに彼女に合っているし、正しい決断なのかもしれないけど、SPもFSもプログラムを前のに戻すというのは、つまり今季のプログラム作りに失敗したと言えるよね。トップ選手としては致命的なミスじゃなかろうか。
69.17。

18 アリーナ・ザギトワ

初出場の14歳。今季、JGPファイナル優勝。平昌オリンピックに間に合う年齢とのこと。
3Lz+3Lo、タケノコ3F、2Aと、クリーンに着氷。セカンドループはやっぱアガるわ〜! 素人目にも回転が大丈夫だとわかった。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
JGPからそれほど間がないのに、さらにジャンプの構成を上げてきた。そしてみごと成功させているという。う〜ん、強いなぁ。
74.26。

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、所属名、得点の順に記されている。

  1. Evgenia MEDVEDEVA MOS 80.08
  2. Maria SOTSKOVA MOS 74.39
  3. Alina ZAGITOVA MOS 74.26
  4. Anna POGORILAYA MOS 73.45
  5. Elena RADIONOVA MOS 70.19
  6. Elizaveta TUKTAMYSHEVA SPB 69.17
  7. Stanislava KONSTANTINOVA SPB 68.34
  8. Sofia SAMODUROVA SPB 65.29
  9. Alisa FEDICHKINA SPB 63.96
  10. Anastasiia GUBANOVA SPB 63.34
  11. Alena LEONOVA SPB 60.60
  12. Valeriia MIKHAILOVA MOS 59.90
  13. Serafima SAKHANOVICH SPB 59.37
  14. Alisa LOZKO SPB 58.40
  15. Natalia OGORELTSEVA SPB 57.48
  16. Anastasia YATSENKO PER 55.74
  17. Ekaterina GUSEVA SPB 53.04
  18. Anastasia KOLOMIETS LEN 44.24
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◆総評
前から分かってたことだが、ロシア女子の強さとハイレベルさがすごい。SP上位5名が70点超えとは。しかもみなほとんど大きなミスをしないもんな〜。あと、岡部さんが指摘していたように、どの選手もスピンが上手。回転が速く軸がぶれない。
さて、SP1位はメドさん。男子のトップ選手みたいな得点が出ている。ま、二連覇は決まりでしょうな。
2位はソツコワさん。ファイナルよりさらに素晴らしい演技だった。初の表彰台なるか。
3位はザギトワさん。彼女のジャンプ力の高さは凄まじいわ〜。女子にとっては最高難度の連続ジャンプ3Lz+3Loをみごと決めてきた。しかも跳んでるのはプログラム後半なんですよ!?
4位はポゴさん。スケーティングや表現はさすがの風格なんだけど、ジャンプが万全ではなさそうなのが少し心配。