ロシア選手権2017 男子FS
ロシア選手権2017 リザルト
ロシア フィギュアスケート選手権2017の男子FSは、現地時間2016年12月23日(金)に行われた。2016年に行われるのに、2017と銘打ってるんだな〜。
Jスポーツの放送では、解説が岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。
ピトキーエフくんは、今季、怪我で休養中のため、欠場。
放送された選手の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。
- ◎:好きだ! また見たい!
- ○:よかった。
- △:う〜ん、イマイチ。
- ×:できれば変えてほしい…。
- ?:まだ何とも判断が付きかねる。
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9 ドミトリー・アリエフ
- SP順位:8,得点:76.26
- 楽曲:Broken Vow by Josh Groban
- プログラム:○
4Tをクリーンに降りたが、3Aは2本ともこらえる着氷になり、GOEマイナス。3Loで転倒。でも次の膝くる3Fはきちんと跳べてよかった。スピンは全てレベル3。ステップはせっかくレベル4がとれたのに、バランスを崩してしまい、GOEマイナスに。
連戦で疲れてるのかな〜という演技だった。2週間ほど前にJGPファイナルに出たばかりだからなぁ。もともとフリーではガス欠気味だしね。
フリー164.43、総合240.69。
10 アレクサンドル・ペトロフ
- SP順位:9,得点:75.97
- 楽曲:フランク・シナトラ メドレー
- プログラム:○
ミスは、3Lz+2Tの着氷が乱れたのと、3F+1Lo+2Sのファーストに!がつき、サードがダブルになったことぐらいか。他の要素は全てGOEプラス。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
ステップとコレオの表現がこなれてきて、このお洒落プロがだいぶ板についてきた印象を受けた。でも正直、もっとやれると思う、というかやってほしい。「俺がかっこいいって?…知ってる」ぐらいのナルシスト的なノリ(笑)でブイブイ滑ってほしいんだよな〜。
フリー160.96、総合236.93。
11 マキシム・コフトゥン
- SP順位:7,得点:76.65
- 楽曲:Iron Sky by Paolo Nutini
- プログラム:○
- 動画:YouTube
冒頭の4Sと4Tはすばらしかった。3Lz+1Lo<+3Sと2本目の3Aの着氷が乱れたところ、2Lo<<でGOEマイナス。スピンのレベルは4、3、3。前2つのスピンの美しさに魅了された。ステップはレベル2。
後半疲れてしまったようで、ジャンプにミスが出、ステップやコレオの動きも、少し小さくなってしまった。
フィニッシュポーズですでに泣いていた様子のコフトゥン。これは嬉し涙なんだろうか、それとも悔し涙なんだろうか。
GPのときに比べたら、断然よくなっていた。前半の素晴らしさが最後まで続けば、光り輝くようなプログラムに進化するのではなかろうか。
フリー172.72。総合249.37。
12 アンドレイ・ラズーキン
- SP順位:4,得点:83.19
- 楽曲:ドン・キホーテ
- プログラム:○
4Tで手をついたり、2本目の3Aがシングルになったり、3Fでオーバーターンしてしまったりとミスもあったが、4T+2Tと3A+2T+2Loをクリーンに降りられたのはよかった。スピンは全てレベル3。ステップはレベル3。
岡部さんが指摘していたように、彼は姿勢や体のライン、ポジションなどが美しいので、彼の良さを生かそうと、バレエ音楽を選曲したのだろうが、いかんせん、感情の表出が薄い。淡々と滑ってる感じなんだよね。
個人的に、「ドン・キホーテ」って、大きな音がところどころ入る曲なので、そこに何か動きを入れてほしいなぁと感じた。そうすればプログラムが大分締まるんじゃないかなぁ。
フリー157.81、総合241.00。
14 アルトゥール・ドミトリエフ
- SP順位:5,得点:80.97
- 楽曲:韃靼人の踊り
- プログラム:○
冒頭の4T<の着氷が乱れ、次の4Tで転倒。他のジャンプでGOEマイナスはとられていないのだが、連続ジャンプが2つまでしか入らなかった。スピンのレベルは3、3、4。ステップはレベル3。
エネルギッシュに滑る選手なので、ドラマティックな「韃靼人の踊り」は合ってると思うんだけど、終盤音楽が盛り上がって疾走感を増していくところが、さっぱり表現されてなくて残念だった。
フリー145.80、総合226.77。
15 セルゲイ・ヴォロノフ
2本目の4Tで転倒、1A、2Lz、3Sでオーバーターンと、ジャンプのミスがいくつか出てしまった。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
この彼の演技に関しては、岡部さんの次の言葉に尽きる。
「ミスはあったが、彼の『スケートが好き』という気持ちが出ていて感動した」。
フリー147.73、総合233.62。
16 アレクサンドル・サマリン
- SP順位:2,得点:87.41
- 楽曲:Maybe I Maybe You by Scorpions
- プログラム:△
あ、衣装が黒のリボン巻き巻きスケスケに戻ってる。白のほうが、なんか背徳的でよかったのに(爆)。
前半の4T+3Tと4T、3A+2Tはクリーンに着氷。後半のジャンプは着氷の乱れがちになってしまった。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
岡部さんが、「ジャンプに集中するために、プログラムとしては物足りない。後半のトランジションはほとんどなかった」と話していた。確かにその通りなのだが、ジャンプを決めないと得点出ないからな〜。
フリー172.66、総合260.07。
17 ミハイル・コリヤダ
- SP順位:1,得点:95.33
- 楽曲:
- La reve de la fiancee (from "La fiancee aux yeux de bois") by Jean Marc Zelwer
- A la lune (from "La Nouba" - Cirque du Soleil)
- プログラム:○
- 動画:YouTube
4Lzは転倒、4Tはステップアウト、2Aの着氷が乱れたが、成功したジャンプのほとんどで、GOE加点がもりもりと。スピンとステップは全てレベル4。さすが。エレメンツの質の高さがすばらしい。
コミカルでユニークな振付を、シャープでクリアーな動きで素敵に表現していた。
演技後、コリヤダも満足そう。先生たちも目頭を押さえている。
フリー188.15、総合283.48。
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◆総合順位
男子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、所属名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。
- Mikhail KOLYADA SPB 283.48 1 1
- Alexander SAMARIN MOS 260.07 2 3
- Maxim KOVTUN M/S 249.37 7 2
- Andrei LAZUKIN S/S 241.00 4 6
- Dmitri ALIEV SPB 240.69 8 4
- Alexander PETROV SPB 236.93 9 5
- Sergei VORONOV MOS 233.62 3 8
- Artur DMITRIEV SPB 226.77 5 10
- Anton SHULEPOV SPB 224.03 6 9
- Alexey EROKHOV MOS 216.80 13 7
- Pavel VYUGOV S/P 206.82 10 11
- Ilia SKIRDA MOS 200.39 12 12
- Artem LEZHEEV S/K 195.25 11 15
- Ilia KNYAZHUK MOS 189.47 15 13
- Murad KURBANOV MOS 189.38 14 14
- Andrei ZUBER LEN 177.93 16 16
- Vladimir SAMOILOV MOS 160.42 17 17
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◆総評
コリヤダは初優勝おめでとう!! ロシアの新エースとして、ロシア男子を引っ張っていってください☆
総合2位はサマリン。初表彰台おめでとう!! ユーロ代表に選ばれたが、シニアならSPからクワド跳べるし、彼の高いジャンプ力をより発揮できるのかも。…ただなぁ、彼のフリーは、「ジャンプを跳ぶためのプログラム」って感じなので、シニアの大会でどれだけPCSが出るのか。
3位はコフトゥン。四連覇ならず。でも、なかなか実力が発揮できない試合が続いた中、フリーでは踏ん張って、逆転の表彰台入り。これが浮上のきっかけになるといいのだが。
4位はラズーキン。初めて見る選手だったが、クワドと3Aを2本ずつ組み込めるし、バレエ的な美しさも持ってるし、今後の成長が楽しみだ。
5位はアリエフ。ジュニアのトップを競っていたサマリンが、一足先にシニアに上がることになったわけだが、アリエフは今季、ジュニアでしっかり力をつけ、世界ジュニアのメダリストになってから(タイトルが取れればなお良し)、シニアに上がった方がいいと思うので、焦らず自分のペースで頑張ってほしい。
6位はペトロフ。彼はジャンプ構成がちと弱いが、その分完成度の高さで頑張っている。昨季までは「個性がイマイチ…」と感じていたが、今季は、彼ならではの個性が出てきたように思う。SPもFSも素敵なプログラムで好きだった。
7位はヴォロノフ…(泣)。今季はさらにうまくなって、新境地のプログラムも披露し、ジャンプの調子も良さそうだから、表彰台に上がれるんじゃないかな〜と期待していただけに、残念だ。でも、ミスがあったものの、フリーの演技から、彼のフィギュアスケートへの愛をが伝わってきて、個人的には、もっとも心打たれる滑りだった。
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◆出場者
- ユーロ:
- ミハイル・コリヤダ
- アレクサンドル・サマリン
- マキシム・コフトゥン
ワールド代表は、コリヤダは決まりだろうけど、2番手は、ユーロの結果を踏まえて決めるんだろうな〜。コフトゥンには、ユーロのSPで、ぜひともクリーンなヒッチハイクプロを滑ってほしい。
おお、この3人はみな大学生なのね。日本選手のライバルになりそう。ユニバもライストされないかな〜。演技見たいな〜。