ロシア選手権2017 女子FS

ロシア選手権2017 リザルト
ロシア フィギュアスケート選手権2017の女子FSは、現地時間2016年12月24日(土)に行われた。2016年に行われるのに、2017と銘打ってるんだな〜。
Jスポーツの放送では、解説が岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。放送のあった選手の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。
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8 アナスタシア・グバノワ

3Lo。33.ステップ。スピン。31.2A。332.2A。スピン、スピード3S。コレオ。スピン。
ジャンプで抜けが出たり、<が1つ付いたりしたが、プログラムの流れを損なうようなミスはなかった。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
プログラム後半のCCoSp4が終わった後、スピードがギュイーンと上がっていくのが、曲想の疾走感と相まって、素敵だった。
フリー133.92、総合197.26。

12 スタニスラワ・コンスタンティノワ

前半、ジャンプを跳ぶのかなーという動きをしていたが跳ばず、実況陣を困惑させる。ジャンプは跳べるだけ全部跳んでいたので、これは予定通りだったのだろうか。3F+1Lo<+3Sと1Loのミスはあったが、ジャンプはほぼクリーンに下りていた。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
タノジャンプを複数跳んでいたが、岡部さんには「美しくない」と不評だった。上げた手の肘が大きく曲がっていて、確かにあまりきれいじゃないのよね。
JGPのときは、正直何をやっているのかよく分からなかったが、だいぶ動きが明確になり、ユニークなプログラムに仕上がっていた。
フリー131.85、総合200.19。

13 エレーナ・ラジオノワ

いくつかジャンプの着氷で乱れ、3Loに<がついたが、今の自分にできることは全て出し切った演技だったのではなかろうか。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
岡部さんは、「プログラム後半に女性ヴォーカルが入ったところで、もっと優雅に滑ってほしかった」と話していた。
わたしは、必死でエレメンツをこなすラジオノワさんを見ながら、この苦しいシーズンに、フリーが「トゥーランドット」の音楽でよかったなぁと思った。この雄大で壮大なメロディーは、人に力を与えてくれるよね。すごく助けてくれる音楽だと思う。
演技が終えた後、ラジオノワさんが、感極まったように、両膝をつき、キスをした手で氷に触れる。
フリー139.05、総合209.24。

14 アンナ・ポゴリラヤ

  • SP順位:4,得点:73.45
  • 楽曲:映画「モディリアーニ 真実の愛」ほか
  • プログラム:○

3Feと3Lz+1Lo+3S<で減点されたが、他の要素は全てGOEプラス。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル4。
う〜ん、やっぱ最後のスピンで時間が足りなくなっちゃうんだなぁ。転倒したわけでもないのに。
フリー142.17、総合215.62。

15 エリザベータ・トゥクタミシェワ

3F<と3Lz<<で転倒。スピンは全てレベル4。ステップはレベル2。
ちょっと元気がなかったかなぁ。本来の彼女の滑りには、凄みというか迫力があるんだけど、このフリーではそれが感じられなかった。
フリー125.35、総合194.52。

16 エフゲーニャ・メドベージェワ

全てのジャンプをクリーンに着氷。3Lzに!がついたが、GOEプラス。3S+3T+3T<は、最後の3Tが跳びすぎでノーバリュー。でもこれは切り捨てられることを承知で跳んでいたと思う。どういう意図なんだろう。純粋に表現としてのジャンプってこと?
スピンとステップは全てレベル4。
演技のフィニッシュ直前、な、なんとカメラがフライングで観客席に切り替えてしまった!! ギャーーーー!!!!(ムンクの叫び) ここで恋人の死を知ってショックを受けるメドさんの表情が秀逸なのに!! 何すんだバカ〜〜〜!!!!(泣)
…とまぁ最後のカメラワークは最悪だったが、メドさんの演技自体は、SPに引き続き、完璧だった。GPファイナルより、さらに動きがキレていて、細部まで表現がさえわたっていた。
フリー153.49、総合233.57。…「男子か!!」と突っ込みたくなる高得点ですな。

17 マリア・ソツコワ

ミスは2A+2Tの予定が、ファーストがシングルになったぐらい。ジャンプは全てクリーンに着氷した。スピンは全て全てレベル4。ステップはレベル3。
ゆったりした美しい曲想を、優雅に可憐に演じていた。場内がメドさんのすっっっばらしい演技&銀河点に冷めやらぬ中、しっかり自分の演技をやり切った。えらい。
フリー145.51、総合219.90。

18 アリーナ・ザギトワ

ジャンプは3Lz+3Lo込みの高難度ジャンプ構成をクリーンに滑り切った。eも!も<もなし。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。GOEで0は1つだけ、他は+1以上。
TES77.30って…(笑)。すごいわ〜。強いわ〜。
フリー146.95、総合221.21。

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◆総合順位
女子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、所属名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Evgenia MEDVEDEVA MOS 233.57 1 1
  2. Alina ZAGITOVA MOS 221.21 3 2
  3. Maria SOTSKOVA MOS 219.90 2 3
  4. Anna POGORILAYA MOS 215.62 4 4
  5. Elena RADIONOVA MOS 209.24 5 5
  6. Stanislava KONSTANTINOVA SPB 200.19 7 7
  7. Anastasiia GUBANOVA SPB 197.26 10 6
  8. Elizaveta TUKTAMYSHEVA SPB 194.52 6 10
  9. Sofia SAMODUROVA SPB 192.16 8 8
  10. Alisa FEDICHKINA SPB 189.57 9 9
  11. Valeriia MIKHAILOVA MOS 180.73 12 11
  12. Serafima SAKHANOVICH SPB 175.53 13 12
  13. Alena LEONOVA SPB 174.67 11 13
  14. Alisa LOZKO SPB 170.93 14 14
  15. Anastasia YATSENKO PER 164.61 16 15
  16. Ekaterina GUSEVA SPB 160.66 17 16
  17. Natalia OGORELTSEVA SPB 159.69 15 17
  18. Anastasia KOLOMIETS LEN 137.93 18 18
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◆総評
世界で最も過酷な国内選手権の女子シングルを制したのは、世界中のフィギュアスケートファンが予想していた通り、メドさん。3S+3T+3Tを跳んだのは、「できるんだからやらない手はない。コーチを驚かせられてよかった」とのこと(笑)。余裕ですな。
総合2位はザギトワさん。類まれなる技術力を発揮して、TESはメドさんを抜いてトップ。彼女といい、メドさんといい、SPもFSもクリーンな演技で、エテリ先生チームの大勝利と言えよう。ほんと、何をどうやったらこんなに強い選手を複数育てられるんだろう。すごすぎ。
3位はソツコワさん。GPファイナルのときは、シニアのおねえさん方と比べると、表現面で少し負けちゃうかなぁと感じていたが、今大会では全くそういうところがなかった。成長速度がすばらしい。
4位のポゴさんも良い演技だったのに、表彰台落ちとは。う〜ん、ほんと、世界一過酷な国内選手権ですな(涙)。まだ18歳という若さながら、大ベテランのような味わい深い滑りができる選手だと思う。

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◆出場者

  • ユーロ:
    • エフゲーニャ・メドベージェワ
    • マリア・ソツコワ
    • アンナ・ポゴリラヤ

2位のザギトワさんは、年齢の規定でまだシニアのチャンピオンシップには出場できないので、4位のポゴさんが代わりに出られることになったようだ。ワールドもこの3人でいくのかな?
今度のユーロは、スケーティングの女神、コストナーさんがカムバック。ロシア女子表彰台独占を阻むことができるだろうか。

全員ワールドメダリスト、特にトゥクタミちゃんは、元世界チャンピオンですよ。いやはや…(汗)。
とにもかくにも、この3人に、シーズン後半目指せる試合があるのは嬉しい。練習で頑張ってきたことが全て発揮できますように。