ユニバーシアード2017 女子SP

ユニバーシアード2017 リザルト
ユニバーシアードは、オリンピックの前年と翌年に、隔年で開催される。女子SPは、現地時間2017年2月1日(水)に行われた。上位24名までが、FSに進出できる。
公式のライストを見ることができた。登録する(無料)と、誰でも見られるらしい。ありがたや〜ありがたや〜。特に印象に残った選手の演技について、滑走順に感想を書いている。
楽曲名はバイオをもとにしているのだが、新しい情報をアップデートしていない選手もいるようなので、間違っているかもしれない。プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:何度でも見たい。
  • ○:よかった。好き。
  • △:悪くない。まずまず。
  • ×:イマイチ。
  • ?:何とも判断が付きかねる。
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●第1グループ
1 TALJEGARD Josefin (スウェーデン

2014-15シーズン、国内選手権3位。今季、国内選手権5位。
3S+2Tはまずまず。3T<はGOEマイナス。2Aはまずまず。スピンのレベルは4、3、3V。ステップはレベル3。曲想をよく表していて、キュートで素敵だった。
コーチ二人が若い美女でビックリ☆ なんと麗しのキスクラ。顔が似てるから姉妹なのかも。
42.96。

3 LEONOVA Alena アリョーナ・レオノワ(ロシア)

  • 楽曲:It's Oh So Quiet by Björk
  • プログラム:△

昨季、GPスケカナ及びNHK杯8位、国内選手権9位。今季、GPフランス12位、国内選手権13位。前大会のディフェンディングチャンピオン
女子でこのとんがったメイク&衣装は貴重!! もっとみんないろいろ冒険してほしい。女子は全体的にちょっと保守的よね。
3Tは転倒。3F+2Tと2Aはまずまず。スピンのレベルは4、3、3。ステップはレベル3。
ちょっと元気がなかったような。メイクと衣装に負けないパンチがほしい。
54.69。

4 ISOBE Hinano 磯邉 ひな乃(日本)

昨季、全日本14位。今季、全日本16位。バイオを見る限り、2012年JGP以来の国際大会と思われる。
3Lz+3Tは、詰まり気味のジャンプに。ルッツにeがついた。3Fはクリーンに着氷したが、eがついた。2AはOK。スピンのレベルは3、4、4。ステップレベル3。
流れるような美しい演技で、見た目ほぼクリーンだったから、演技が終わった後、選手もすごく喜んでいた。女性コーチがカメラに向かってWピース☆(笑)
56.78で、自己ベスト更新。得点を見て、選手が、「あれ、思ったより低い」という顔に。ルッツもフリップもエラーエッジをとられたため、得点が伸びなかったんだよねぇ。

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●第2グループ
6 KIM Hae Jin (韓国)

2014-15シーズン、国内選手権4位、四大陸11位、ワールド19位。今季、国内選手権13位。
最近、GPやチャンピオンシップに出場しなくなっていたので、久々に演技が見られて嬉しい☆
音楽のスタートが遅れて、ちょっと戸惑ったふうだった。
3T+2TはOK。3F<は転倒。2AはOK。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
ボディームーブメントが本当に素敵☆ バイオリンの音色を切なく美しく表現していた。スケーティングに味わいが出てきたように感じる。
49.30。

8 GRM Dasa ダシャ・グルム(スロベニア

  • 楽曲:Blucobalto by Negramaro
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、四大陸26位、ワールド38位。今季、国内選手権優勝、ユーロ26位。
先週のユーロからの連戦、お疲れ様です。
3Lzと3F+2TはGOEマイナス。2A<<の着氷が乱れた。両足着氷だったか。スピンのレベルは2、3、4。ステップはレベル3。
前半の「静」と後半の「動」の演じ分けがよくできていた。特に前半の静かな音楽の表現が素敵だったなぁ。スピードもよく出ていたと思う。
48.81。

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●第3グループ
13 HERCEG Maria-Katharina (ドイツ)

  • 楽曲:Asi se baila el tango
  • プログラム:△

昨季、JGP Logrono 及び JGP Croatia Cup 12位。
リプさんにちょっと似てる。陰りのある美人さん☆
3T+2TはOK。3Loで転倒。2Aはよかった。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
曲想をよく表現していた。体をぐねぐねっと動かすのが印象的。キレとバネがある。
53.29で自己ベスト更新。コーチとハグし合って、めっちゃ喜んでる〜。

14 KIHARA Mariko 木原 万莉子(日本)

  • 楽曲:Sakura Sakura by Kennzaburou Hirai, Akira Miyagawa
  • プログラム:○

昨季、NHK杯10位、国内選手権10位。今季、国内選手権17位。
3Tはお手つき。3T+3Tの予定だったと思われる。3Lo+2Tにできた。2AはOK。スピンのレベルは3、4、3。ステップはレベル2。
全日本でも3T+3Tのファーストでミスしちゃったんだよなぁ。あと、スピンのレベルの取りこぼしが気になる。全日本でもレベル4、3、2と、取りこぼしてたんだよねぇ。今はみんなレベル4を取ってくるので、せめてレベル4を2つ、レベル3を1つにとどめておきたい。
プログラムの流れはよどみなく、曲想の違いをよく表現できていたと。可憐で清楚で木原さんの雰囲気にピッタリのプログラムだと思う。
50.29。木原さんが頭を抱えてしまった…。めっちゃ悔しそう…。

15 MAMBEKOVA Aiza アイザ・マンベコワ(カザフスタン

  • 楽曲:Tango Amore by Edvin Marton
  • プログラム:○

昨季、国内選手権2位。今季、JGPジェルヴェ8位、JGPタリン10位。
3S<で転倒。3T<<は着氷が乱れた。2AはOK。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
連続ジャンプが入らなかったが、JGPで見たときよりずっと素敵なプログラムに仕上がっていた。キレがあり、体もよく動いていて、力強い曲想をかっこよく表現していた。手足が長く、体格もしっかりしているから、体を大きく動かすと、すごく存在感がある。
42.41。

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●第4グループ
16 RUSSO Giada ジャーダ・ルッソ(イタリア)

  • 楽曲:Big Spender performed by Shirley Bassey
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、ユーロ14位。今季、国内選手権3位。
3T<、3Lo<+2T、2Aと、着氷がすっきりせず、全てGOEマイナス。スピンのレベルは4、4、2V。ステップはレベル4。もう少しスケートの伸びがほしい。
女性ヴォーカルの甲高い歌声と高音を多用された音楽で、聴いていてけっこう苦痛だった。
曲想をよくとらえていたが、彼女だったらもっとやれるんじゃないかな〜。昨季のフリー、「レッド・バイオリン」がめっちゃ素敵だったから、ハードルが高くなっちゃうのよね。
44.49。

18 TUKTAMYSHEVA Elizaveta エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)

2014-15シーズン、ワールド優勝。昨季、国内選手権8位。今季、GPスケカナ4位、GP中国杯3位、国内選手権8位。
3T+3Tと3Lzは高さがあった。2Aはオーバーターン。スピンとステップは全てレベル4。
編曲が変わったような。こんな鳥の鳴き声や人の笑い声みたいな効果音が入っていたっけ? ユニークな編曲だけど、わたしは好き☆
おどろおどろしさがアップしてて、非常によかった。
69.01。

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●第5グループ
21 ZHAO Ziquan ジークワン・ジャオ(中国)

昨季、国内選手権優勝、四大陸16位、ワールド23位。今季、GP中国杯11位、国内選手権優勝。
ジークァンがちゃんとお化粧してる!! 今まですっぴんかと思うようなナチュラルメイクだったから、ビックリした(笑)。
3T+3T<は転倒。3Lo<はクリーンな着氷に見えたのだが。2AはOK。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。ジャンプに高さがあるけど、回転不足をとられやすいんだよね〜。
動きが大きくしなやかになって、「淡々と要素をこなす」ところから脱却してきた。表現が外向きになり、手足の長さを生かせるようになってきた。
53.23。

22 RADIONOVA Elena エレーナ・ラジオノワ(ロシア)

昨季、GPファイナル3位、国内選手権2位、ユーロ2位、ワールド6位。今季、GPファイナル6位、国内選手権5位。
3Lz+3Tはエッジのトゥの方で着氷。ちょっと詰まった感じ。3Loと2Aも、ややこらえるジャンプに。スピンのレベルは4、3、4。StSq3では音楽と共に自由自在に舞っていた。
69.02。

25 NITAYA Rin 新田谷 凜(日本)

  • 楽曲:Red Violin
  • プログラム:△

昨季、JGP Copernicus Stars 3位、全日本ジュニア4位。今季、JGPジェルヴェ3位、JGPタリン4位、全日本11位。
たぶん3F+3Tの予定だったが、セカンドをつけられず。でも、その代わりに後半の3Lzに3Tをきれいにつけた。すばらしい。2Aはよかった。スピンのレベルは2、4、4。ステップはレベル3。
やわらかい動きで美しく演じていた。個人的には、この曲はもっとパキパキ力強く音ハメしてくれたほうが好みなんだけど、これはこれで悪くないと思う。
女性コーチ(磯邉さんと同じコーチ)がハートマークを指で作ってふっと息を吹きかけたりとか、めっちゃ楽しそう☆(笑) 今まで日本のコーチがこういうパフォーマンス見せることってなかったから新鮮!(笑)
61.90で、自己ベスト更新。おお〜、60点超え!

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●第6グループ
26 LI Jiayin (中国)

  • 楽曲:The King's Birthday by Ilhan Eshker
  • プログラム:△

今季、JGPチェコ24位、国内選手権9位。
3T+2Tは着氷が乱れた。2Aはまずまず。1Sはノーバリュー。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル2。
ジャンプで3つともミスが出てしまったが、スピンやステップはなかなか素敵だった。特にスピンは、軽やかな音をよくとらえていたと思う。
39.56。

27 RODEGHIERO Roberta ロベルタ・ロデギエーロ(イタリア)

  • 楽曲:
    • A levare by Astor Piazzolla
    • Yo Soy Maria by Astor Piazzolla
  • プログラム:△

昨季、国内選手権2位、ユーロ5位、ワールド16位。今季、GPスケアメ9位、GPロステレ8位、ユーロ9位。
ロデギエーロさんも、ユーロ出たばっかなのに…しかもフリーまで…ほんと、お疲れ様です!!
3T+3Tの予定が、セカンドがダブルに。3Fはよかった。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
強くてかっこよかった。特にステップは曲想によく表現していて、素敵だったなぁ☆
59.03で、SB更新。

28 JANULEVICIUTE Ingaリトアニア

  • 楽曲:Abraham's Daughter (from "The Hunger Games" soundtrack) by Arcade Fire
  • プログラム:△

昨季、国内選手権2位。
女子シングルで三つ編みを長く垂らした髪型はめずらしい。スピンのときとか顔に当たっていたくないのかな?
3Lz+2T、3S、2Aと、ジャンプは全て降りた。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
CCoSp3でちょい減点されたが、クリーンな演技に見えた。不思議な感じの音楽と振付で、印象に残った。
47.07。

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、得点、クオリファイの順に記されている。

  1. RADIONOVA Elena RUS 69.02 Q
  2. TUKTAMYSHEVA Elizaveta RUS 69.01 Q
  3. NITAYA Rin JPN 61.90 Q
  4. RODEGHIERO Roberta ITA 59.03 4 Q
  5. ISOBE Hinano JPN 56.78 Q
  6. LEONOVA Alena RUS 54.69 Q
  7. HERCEG Maria-Katharina GER 53.29 Q
  8. ZHAO Ziquan CHN 53.23 Q
  9. KIHARA Mariko JPN 50.29 Q
  10. BREZINOVA Eliska CZE 50.27 Q
  11. KIM Hae Jin KOR 49.30 Q
  12. GRM Dasa SLO 48.81 Q
  13. JANULEVICIUTE Inga LTU 47.07 Q
  14. RUSSO Giada ITA 44.49 Q
  15. TALJEGARD Josefin SWE 42.96 Q
  16. MAMBEKOVA Aiza KAZ 42.41 Q
  17. SCHOENBERGER Belinda AUT 41.33 Q
  18. REPOND Jeromie SUI 40.53 Q
  19. CHOI Hwi KOR 39.74 Q
  20. LI Jiayin CHN 39.56 Q
  21. SAYGI Sila TUR 39.49 Q
  22. HRINAKOVA Miroslava SVK 33.32 Q
  23. ADYKHANOVA Zhansaya KAZ 32.37 Q
  24. SHEVELEVA Veronika KAZ 30.66 Q
  25. ROSADO Aislin MEX 28.66
  26. ALAVEZ Priscila MEX 27.89
  27. WOLFSLAST Nina Larissa AUT 24.44
  28. KORRI Dimitra GRE 21.37
  29. CHAYANGKURA Masinee THA 17.62
  30. BEDROSOVA Kristina KGZ 17.18
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◆総評
初めて見る選手の演技がたくさん見られて楽しかった。世界各国の美女が見られて眼福である。でも、フィギュアスケートが強い北米の選手が出場してないんだよね。国内選手権が2週間前に行われたばかりだから? 先週末行われたばかりのユーロに出た選手は出てるのに〜。
ヨーロッパ組は、チェコからカザフスタンに移動してすぐに試合だなんて、ほんと大変だなぁ。お疲れ様です。怪我や病気にはくれぐれも気をつけて。
ユニバのライストを見るのは今回が初めてだったのだが、かなり画面がきれい。でも突然2度ほど回線が切れたんだよね〜。なぜだ。
カメラワークは、スピンをやたらとアップで撮るのがストレス〜(泣)。スピンというのは全体像が美しいのであって、部分部分取られても、まったく用をなさないのである。
さて、SP1位のラジオノワさんと2位のトゥクタミちゃんは、0.01点差。そして2位と3位が7点差。大会前から予想がついてたことだけど、やはり、この2人の優勝争いになりましたな。ラジオノワさんはこらえるジャンプだけど体の動きはよく、トゥクタミちゃんはロシア選手権より好調な印象なので、好勝負になりそう。
表彰台残る一枠は、3位の新田谷さんと4位のロデギエーロさん、5位のひな乃さん、6位のレオノワさんの間で競い合うことになるんじゃなかろうか。
9位の木原さんは、ジャンプのミスとスピンのレベル取りこぼしがなぁ…。表現面はどんどん洗練されてきているのだが。
16位のマンベコワさんは、ジャンプに2つミスが出てしまったが、演技自体はたいへんすばらしかった。母国開催のユニバに向け、すごく練習を積んできたんだろうなぁ。FSの演技も楽しみ〜。