ユニバーシアード2017 女子FS

ユニバーシアード2017 リザルト
女子FSは、現地時間2017年2月2日(木)に行われた。
はじめ、公式のライストを見ていたのだが、途中から見られなくなってしまったので、下記のライストに乗り換えた。

特に印象に残った選手の演技について、滑走順に感想を書いている。
楽曲名はバイオをもとにしているのだが、新しい情報をアップデートしていない選手もいるようなので、間違っているかもしれない。正しい楽曲名が分からないときは、記載していない。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:何度でも見たい。
  • ○:よかった。好き。
  • △:悪くない。まずまず。
  • ×:イマイチ。
  • ?:何とも判断が付きかねる。
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●第2グループ
8 ジャーダ・ルッソ(イタリア)

  • SP順位:14,得点:44.49
  • プログラム:○

3Tで転倒した以外にも、ジャンプのミスがいくつかあった。スピンのレベルは4、3V、4。スピンが苦手なのか軸がぶれ、ポジションキープができていない。ステップはレベル8。
表現することに関しては、やはり特別なものをもっている。美しく切なく、ドラマティックな曲想をみごとに表現していた。
フリー88.16、総合132.65。

9 TALJEGARD Josefin (スウェーデン

  • SP順位:15,得点:42.96
  • 楽曲:New York, New York by John Kander and Fred Ebb
  • プログラム:○

ジャンプに<が3つついた。連続ジャンプが1つも入らず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
リズミカルでアップテンポな曲想を軽快に、女性ヴォーカルの歌声をのびやかに表現していた。彼女の音楽表現、好きだなぁ。体の動きが音に合ってるんだよね。素敵☆
フリー78.51、総合121.47。

11 アイザ・マンベコワ(カザフスタン

  • SP順位:16,得点:42.41
  • 楽曲:Ker Oglu by Daulet Kerei
  • プログラム:△

カザフスタン開催なので、観客の応援がめっちゃ熱い。
跳べる3回転ジャンプはトゥループサルコウだけのようだ。スピンのレベルは3、4、3。ステップはレベル3。
ジャンプの着氷の乱れはあったが、最後まで勢いが落ちることなく滑っていた。特にステップでは、エキゾチックな曲想を生き生きと表現していた。
演技後、感極まるマンベコワさん。全て出し切った演技だった。
フリー89.53でSB更新、総合。

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●第3グループ
13 ダシャ・グルム(スロベニア

  • SP順位:12,得点:48.81
  • 楽曲:Pamit by Tulus
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

ルッツとフリップに!がついた。2Tを3回跳んでしまったため、最後の2Tがノーバリュー。ジャンプにミスはあったものの、高さはけっこうあるのよね。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル3。
滑り出しの姿に何とも言えない雰囲気があって素敵なんだよなぁ。晴れ渡る空のように爽快な演技だった。
フリー89.80、総合。

17 木原 万莉子(日本)

  • SP順位:9,得点:50.29
  • 楽曲:アディオス・ノニーノ
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

3F<と3Lzに!がつき、1A、3S<等ミスはあったが、見た目ほぼノーミスの演技だった。スピンのレベルは3、4、B。スピン苦手なのかな。1つ目と3つ目の軸がぶれていた。ステップはレベル2。音楽の盛り上がりと共に、躍動感を増していく、素敵なステップだった。
スピードに乗ってジャンプを次々と降りていき、音楽と共に流れるように滑っていた。気迫を感じた。
演技が終わって泣き出す木原さん。こちらももらい泣き。いろいろ抱えてたんだろうなぁ。
フリー104.01でSB更新、総合154.30。
第3グループが終わって、総合1位は木原 万莉子(日本)。

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●第4グループ
19 ロベルタ・ロデギエーロ(イタリア)

3Lzに!がついた。ジャンプの着氷の乱れが多く、きれいに降りたジャンプが少なかった。スピンのレベルは4、4、2。ステップはレベル3。
フリー4分で4曲はさすがに多いんじゃないかなぁ。次々曲が変わるし、つなぎも唐突なので、ブツ切れ感がある。今回のようにジャンプのミスが出ると、ますます散漫な感じになってしまう。
フリー102.17、総合161.20。現時点で総合1位。

20 アリョーナ・レオノワ(ロシア)

  • SP順位:6,得点:54.69
  • 楽曲:The Four Seasons by Antonio Vivaldi
  • プログラム:△

冒頭の3T+3Tはよかったが、3Lzがシングルになり、!がついた。2A+2T<でバランスを崩したが、その2つ以外は全ての要素がGOEプラス。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
プログラム最初に子どもの声が入ったり、縄跳びするみたいな振付があるのだが、いったいどういうコンセプトのプログラムなんだろう。メドさんのSPみたいに、一人の女性の成長を描いてるんだろうか。
ジャンプがまとめられてよかった〜。改めて彼女の演技力、表現力はすばらしいなと感じ入った。人を惹き込む力がある。
フリー116.37、総合171.06。現時点で総合1位。

21 磯邉 ひな乃(日本)

  • SP順位:5,得点:56.78
  • 楽曲:竜馬伝
  • プログラム:△

3Lzと3Fが2つずつ入った構成だが、4つ全部に!がついた上に、<が2つとられた。でも、着氷に大きな乱れはなく、見た目ほぼノーミスの演技だった。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
ステップではスケートの伸びと上下の運動がもっとほしいと感じたが、コレオはスピードに乗って、よく滑っているように見えた。全体的にちょっと足首が硬い印象を受ける。
演技が終わった後、顔を覆う。泣いてる〜。良い演技だったもんねぇ。
フリー117.49、総合174.27で、自己ベスト更新。現時点で総合1位。めっちゃ嬉しそう☆

22 エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)

  • SP順位:2,得点:69.01
  • 楽曲:Peer Gynt by Edvard Grieg
  • プログラム:△

冒頭の3T+3Tはすばらしかったのだが、その後3Lz2つと3Sで転倒。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
うわー、どうしちゃったんだろう。トゥクタミちゃんもショック受けてる様子。ジャンプの高さはあるんだけど、足に力が入らなくて転んでいるように見えた。
フリー102.67、総合171.68。現時点で総合2位。

23 エレーナ・ラジオノワ(ロシア)

  • SP順位:1,得点:69.02
  • 楽曲:Turandot by Giacomo Puccini
  • プログラム:○

冒頭の3Lz+3Tはとてもよかったが、後半だんだんジャンプが乱れていって、3Loは転倒。スピンのレベルは4、3V、4。ステップはレベル4。
スピードに乗って、よく滑っていた。ジャンプの出来がどうであろうと、人の心に訴えかける演技だった。
フリー127.59、総合196.61。現時点で総合1位。

24 新田谷 凜(日本)

  • SP順位:3,得点:61.90
  • 楽曲:Legends of the Fall (soundtrack) by John Williams
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

中盤の3Lzがシングルになってしまったが、次に3Lz+3Tを跳んできた。ルッツとフリップに!がついたが、1Lzを除けば、見た目ほぼクリーンな演技だった。スピンのレベルは4、3、4。レベルは取れているが、回転にもそっと速さがほしい。ステップはレベル4。
プログラムの流れがよどみなく、曲想に合った、やわらかい動きができていた。「ずっと同じトーンで滑っているように見える。ハイライトがほしい」という気持ちがないではないが、それが野暮に思えるほど、良い演技だった。
リンクを出たとこで、客席の子どもたちに「ブラボー!」と言われてる。うん、その通り、ブラボーでした。
フリー125.28、総合187.18で自己ベスト更新。総合2位に決定。信じられないといった表情の新田谷さん。すごく嬉しそう。キスクラの成瀬先生とハグ☆

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◆総合順位
女子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. RADIONOVA Elena RUS 196.61 1 1
  2. NITAYA Rin JPN 187.18 3 2
  3. ISOBE Hinano JPN 174.27 5 3
  4. TUKTAMYSHEVA Elizaveta RUS 171.68 2 6
  5. LEONOVA Alena RUS 171.06 6 4
  6. RODEGHIERO Roberta ITA 161.20 4 7
  7. KIHARA Mariko JPN 154.30 9 5
  8. ZHAO Ziquan CHN 146.94 8 8
  9. HERCEG Maria-Katharina GER 140.89 7 13
  10. GRM Dasa SLO 138.61 12 9
  11. BREZINOVA Eliska CZE 138.05 10 12
  12. RUSSO Giada ITA 132.65 14 11
  13. MAMBEKOVA Aiza KAZ 131.94 16 10
  14. JANULEVICIUTE Inga LTU 127.85 13 14
  15. TALJEGARD Josefin SWE 121.47 15 15
  16. REPOND Jeromie SUI 117.51 18 16
  17. LI Jiayin CHN 111.75 20 17
  18. SCHOENBERGER Belinda AUT 109.44 17 19
  19. SAYGI Sila TUR 108.19 21 18
  20. CHOI Hwi KOR 99.77 19 22
  21. HRINAKOVA Miroslava SVK 97.46 22 20
  22. ADYKHANOVA Zhansaya KAZ 92.09 23 23
  23. SHEVELEVA Veronika KAZ 90.82 24 21

WD KIM Hae Jin KOR 11 
ROSADO Aislin MEX 25
ALAVEZ Priscila MEX 26
WOLFSLAST Nina Larissa AUT 27
KORRI Dimitra GRE 28
CHAYANGKURA Masinee THA 29
BEDROSOVA Kristina KGZ 30

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◆総評
優勝はラジオノワさん。ミスはあっても強い、美しい。そういう演技だった。来季また女優ラジオノワ全開の素敵なプログラムを見せてください。
総合2位は新田谷さん。PCSが60点台に乗ったよーー!! 来季に向けて、自信になる演技だったのではなかろうか。
3位はひな乃さん。日本女子が表彰台に2人も乗るとは。すばらしいわ〜。ユニバの得点って、公式記録として残るのかなぁ。新田谷さんとひな乃さんは、せっかく自己ベストをかなりアップできたので、残ってほしい。
4位はトゥクタミちゃん。SPで素晴らしいジャンプを跳んでいたので、FSで3度もジャンプで転倒してしまうとは、想像できなかった。コンディションに問題があったのかなぁ?
5位のレオノワさんは、改めて魅力的なスケーターだなと感じた。今は十代におそろしあたちがひしめいているので、競技を続けるのも大変だろうが、自分の納得いくまで頑張ってほしい。
7位の木原さんは、とってもいい演技だったので、自己ベスト更新かと思ったのだが、昨季のNHK杯のフリーで、もっと高得点出してたんだよね〜。プロトコルを見ると、ジャンプのアンダーローテとかスピンのレベル取りこぼしとかが重なっちゃったんだな。スケーティングやボディームーブメントは洗練されて素敵になっているので、何とももどかしいわ〜。
SP11位だったハジンさんがFSを棄権。久々に彼女のフリーの演技が見られるかと期待していたので残念だったわ〜。怪我かな? 病気かな? なんにせよ、一日も早く元気になりますように。
日本女子3人ともフリーで素晴らしい演技を披露し、全員入賞、しかもうち2人は表彰台☆ 男子もこの流れに乗って、後に続けるといいな。