全米2017 アイスダンスSD

全米2017 アイスダンスSD
全米2017 リザルト
アイスダンスSDは、現地時間2017年1月20日(金)に行われた。
Jスポーツの放送では、解説が滝野薫さん、実況は小林千鶴さん。やったー! 滝野さんの解説好き☆ 嬉しい☆
これまで、プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けてきたが、大部分が○になるので、評価内容を変えることにした。まぁいずれにせよ、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:何度でも見たい。
  • ○:よかった。好き。
  • △:悪くない。まずまず。
  • ×:イマイチ。
  • ?:何とも判断が付きかねる。
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1 Julia Biechler, SC of Wilmington / Damian Dodge, Peninsula SC ジュリア・ビークラー / ダミアン・ダッジ

  • 楽曲:Why Don't You Do Right / Tainted love
  • プログラム:△

初出場。今季、シニアデビュー。昨季、全米ジュニア5位。
動きがキレがあり、キビキビとリズミカルに踊れていた。滝野さん曰く、「スピードとフローが感じられた」とのこと。よく滑っていたと思う。
59.15。

2 Elliana Pogrebinsky, Peninsula SC / Alex Benoit, Skokie Valley SC エリアナ・ポグレビンスキー / アレックス・ブノワ

初出場。今季がシニアデビュー。昨季、JGP Logrono 3位、全米ジュニア3位、世界ジュニア4位。今季、GPスケアメ7位、GPロステレ6位。
NtStSq3で、二人の距離が近い。大きな滑りで、とってもよく滑っていたと思う。「スタイルがあるし、明るい雰囲気を持っているので、見ていて本当に楽しい」と、滝野さんもほめちぎっていた。
67.17。

4 Karina Manta, Coyotes SC of Arizona / Joseph Johnson, Broadmoor SC カリーナ・マンタ / ジョセフ・ジョンソン

  • 楽曲:Dream a Little Dream / I Wannna be Like You
  • プログラム:△

結成3シーズン目。2年連続2度目の出場で、昨季7位。
冒頭の滑り出しでちょいスタンブル。パターンとパーシャルで、2人の距離が近い。STw3で男性が足をついてしまい、バランスを崩し、GOEマイナス。
なかなか独創的な振付が見られて楽しかった。滝野さん曰く、「男性の表情がとても多彩で、2人の演技を心から楽しんでいるのが伝わっていた」とのこと。
57.96。
 
6 Madison Hubbell, Lansing SC / Zachary Donohue, Lansing SC マディソン・ハベル / ザカリー・ダナヒュー

  • 楽曲:
    • Blues: Feeling Good performed by Nina Simone
    • Hip Hop Medley
  • プログラム:○

6年連続6度目の出場。昨季、GPファイナル6位、全米3位、四大陸4位、ワールド6位。今季、GPファイナル5位。
ハベル&ダナヒュー史上、最高の演技だったのではなかろうか。
全てレベル4獲得。GOEの加点がどっさりと。
パターンとパーシャルで、「2人で一つ」感がアップしていた。ヒップホップの曲を複数使っているのだが、メドレーが苦手な私でさえ、まったく気にならず、一つの曲のように感じられた。
滝野さんも、「男性の、相手を知り尽くし、自由に操る自然なリードがすばらしい。演技全体で言うと、全てのエレメンツとトランジションがリズム表現において意味を持ち、一つの流れとしてきれいにつながり一つの作品となっていた」と絶賛。
79.72。
 
7 Maia Shibutani, SC of New York / Alex Shibutani, SC of New York マイア・シブタニ / アレックス・シブタニアメリカ)

  • 楽曲:
  • プログラム:○

昨季、GPファイナル4位、全米優勝、四大陸優勝、ワールド2位。今季、GPファイナル3位。
滝野さんが指摘していたように、世界一の4連続STw4をさらっと決めた後(スローで見ても完全に合ってるんだよ!?)、NtStSq4に入るのだが、もはやどうかしてるレベルのシンクロ率。腕とフリーレッグ、体の傾斜の角度、タイミングがぴったりそろっている。
滝野さん曰く、「ブルースキャラクターがちょっと薄かった。きちっと滑ってるという印象が勝ってしまったかなと。ヒップホップはとてもスマートで都会的」とのこと。あー、確かにブルースってきちっと滑るのとはちょっと違う感じがするもんな。
82.42で、全米記録更新。
 
8 Kaitlin Hawayek, Detroit SC / Jean-Luc Baker, Seattle SC ケイトリン・ホワイエク / ジャン=リュック・ベイカ

  • 楽曲:Blues, Hip Hop
  • プログラム:△

3年連続3度目の出場。昨季、GPスケアメ4位、全米5位。今季、GPスケカナ6位、NHK杯4位。
滝野さんに、「NtStSq3のツイズルでちょっとバランスを崩した」、「RoLi4の降り方がラフだった」と指摘されていたが、前者に関してはスローで何度も見返して、「ああ…男性がちょっとバランス崩したかな?」と分かるレベルだし、後者に関しては、「え、どこが?」と分からないレベルだった(苦笑)。
滝野さん曰く、「NHK杯のときと比べると、今回は緊張があったのか、少し慎重さが見えた」とのこと。NHK杯のときの、すごく弾けた印象が強く残っているらしい。確かにNHK杯のホワイエク&ベイカーは弾けてたもんな〜。
72.60。
 
10 Madison Chock, All Year FSC / Evan Bates, Ann Arbor FSC マディソン・チョック / エヴァン・ベイツ

  • 楽曲:
    • Blues: Bad to the Bone by George Thorogood
    • Hip Hop: Uptown Funk by Bruno Mars
  • プログラム:○

昨季、GPファイナル2位、全米2位、四大陸2位、ワールド3位。今季、GPファイナル6位。
女性の衣装のアミアミ部分が増えてる! さらに女豹度アップ☆(笑)
ノリノリにキレッキレで超クールだった。普段、この組を見るときは、女性に目がいくのだが、今回は男性にいきがちで、特にパターンとパーシャルでは、「ベイツさんがかっこいい〜☆」と目がハートになった(笑)。
79.96。

11 Anastasia Cannuscio, University of Delaware FSC / Colin McManus, SC of Boston アナスタシア・カヌーシオ / コリン・マクマヌス

  • 楽曲:
    • Blues: Harlem Nocturne by Duke Ellington
    • Hip Hop: Puttin' On The Ritz (feat. Lari Hall)
  • プログラム:△

結成9シーズン目。昨季、GPスケアメ5位、全米4位。今季、GP中国杯7位、NHK杯8位。
ブルースとヒップホップを明確に演じ分けていた。動きのキレもあり、スピードも出ていてよかったと思う。
…がしかしだがしかし。滝野さんによると、「冒頭のダンスジャンプのような回転動作が、RoLiと判断され、3回転回っていないのでノーバリューに。本来RoLiだったものが余分なリフトの扱いになり、そこもノーバリューになった上に減点1をとられてしまった。6点強は失っている」とのこと。ギャー!! よりにもよって一番大事な全米で!! 痛すぎる!!(泣)
56.94。

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◆SD順位
SDが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、所属名、得点の順に記されている。

  1. Maia Shibutani, SC of New York / Alex Shibutani, SC of New York 82.42
  2. Madison Chock, All Year FSC / Evan Bates, Ann Arbor FSC 79.96
  3. Madison Hubbell, Lansing SC / Zachary Donohue, Lansing SC 79.72
  4. Kaitlin Hawayek, Detroit SC / Jean-Luc Baker, Seattle SC 72.60
  5. Elliana Pogrebinsky, Peninsula SC / Alex Benoit, Skokie Valley SC 67.17
  6. Julia Biechler, SC of Wilmington / Damian Dodge, Peninsula SC 59.15
  7. Karina Manta, Coyotes SC of Arizona / Joseph Johnson, Broadmoor SC 57.96
  8. Anastasia Cannuscio, University of Delaware FSC / Colin McManus, SC of Boston 56.94
  9. Charlotte Maxwell, Arctic FSC / Ryan Devereaux, Pittsburgh FSC 56.88
  10. Elicia Reynolds, SC of Wilmington / Stephen Reynolds, SC of Wilmington 40.83
  11. Kseniya Ponomaryova, Skokie Valley SC / Oleg Altukhov, North County FSC 38.89
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◆総評
全米SDを見て、アメリカのアイスダンスのレベルの高さを再確認した。JスポーツではSD8位以上の組の演技が放送されたのだが、どの組も上手で見ごたえがある。
SP1位のシブタニ兄妹、2位のチョック&ベイツ、3位のハベル&ダナヒューは、甲乙つけがたく、すばらしかった。滝野さんの視点で一番よかったのはチョック&ベイツとのこと。
4位はホワイエク&ベイカーと、5位のポグレビンスキー&ブノワも、とてもよかった。やはりアメリカの選手はみな全米に向けてきっちり仕上げてきますな。