ワールド2017 ペアSP

ワールド2017 リザルト
フィンランドヘルシンキにて開催。ペアSPは、現地時間2017年3月29日(水)に行われた。上位16組までがFSに進出できる。
ライストで全組の演技を見て、後日、Jスポーツの放送でも見た。Jスポーツの解説は岡部由起子さん、実況は小林千鶴さん。特に印象に残った組の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。
◎:何度でも見たい。
○:よかった。好き。
△:悪くない。まずまず。
×:イマイチ。
?:何とも判断が付きかねる。

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●第1グループ
2 Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR エカテリーナ・アレクサンドロフスカヤ / ハーリー・ウィンザー(オーストラリア)

  • 楽曲:Skyfall (James Bond soundtrack) by Adele
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

初出場の17歳と20歳。2016年に結成。今季、JGPファイナル5位、国内選手権優勝、四大陸11位、世界ジュニア優勝。
世界ジュニアからの連戦、お疲れ様です。
全ての要素がGOEプラス。5RLi3に-1を出しているジャッジが1人だけいる。何がいけないと考えたのかなぁ? リフトを下ろすときにちょっとスピードが落ちたせい? でも、岡部さんは「ていねいだ」とほめていた。「他で見ない女性のポジションで、見ごたえがある」とのこと。がBiDs3は、GOE 1.00なので、良い質なのだと思うが、最後、女性が弓なり姿勢じゃなくなってしまうのが残念。
お辞儀する前に、男性が場内をあおっている(笑)。会心の演技だったもんね!
クリーンで、ユニゾンもすばらしかった。よく滑っているし、2人の距離も近い。世界ジュニアで優勝したことで、自信がみなぎっているのが伝わってきた。岡部さんも同じこと言ってる〜☆
岡部さん曰く、「とても安定してきて、一つ一つが洗練されてきた。今季、試合を経るごとに自信をつけてきて、このSPの演技は、パフォーマンスを皆さんに見てもらうという域に入ってきた」とのこと。
62.03でPB更新。喜んでる〜。

3 Zoe JONES / Christopher BOYADJI ゾーイ・ジョーンズ / クリストファー・ボヤジ(イギリス)

  • 楽曲:Malaguena by Ernesto Lecuona
  • プログラム:△

この組としては初出場。37歳と26歳。2016年6月に結成。女性は元シングル選手で、それまでペアをやったことがなかったらしい。男性はフランス出身で、昨季まで別のパートナーと組んでいた。今季、国内選手権優勝、ユーロ14位。
3TwB<<は、女性をきちんと上に投げられず、回転が足らずに降りてきてしまったので、空中でキャッチできず、着氷が乱れた。3T<は女性が足をついてしまった。スロー3Fは着氷が乱れた。FCCoSp2Vは、2人の回転は大体そろっているように見えたが、GOEマイナス。
演技後、女性がとっても悲しそう。男性がハグして慰めていた。
StSq4の振付が素敵で、曲想をよく表現しているとは思うのだが、2人の距離が離れている時間がちょっと多いんじゃなかろうか。せっかくユニゾンが良いんだから、もっと近い距離で滑るようにした方がいいんじゃないかなぁ。
44.33。

4 Anna DUSKOVA / Martin BIDAR アナ・ドゥシュコヴァー / マルティン・ビダージュ(チェコ

  • 楽曲:LA 40 (Album: Tango Hereje) by The Mozart Tango Players
  • プログラム:△

初出場の17歳と18歳。昨季、JGPファイナル2位、世界ジュニア優勝。今季、JGPファイナル2位、ユーロ7位。
3Tw2の着氷で女性がバランスを崩したが、一瞬で立て直したのでGOEはちょいプラス。最後の岡BiDs3に入るとき、女性が難しい形をとってから、その後すぐにデススパイラルのポジションをとれたのは、「とても良かった」と、岡部さんがほめていた。FCCoSp4は回転がズレた。ペアスピン以外の要素は全てGOEプラス。
演技後、2人とも満足そう。
それまでほぼクリーンな演技で、ユニゾンもバッチリだったのに、最後のペアスピンで回転がズレたのが残念だった。でも、ジャンプ系はクリーンだったし、プログラムの流れも良かった。
63.36。

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●第2グループ
5 Goda BUTKUTE / Nikita ERMOLAEV ゴーダ・ブトクテ / ニキータ・エルモラーエフ(リトアニア

  • 楽曲:Maybe I, Maybe You by Scorpions
  • プログラム:△

17歳と25歳。昨季、国内選手権優勝、ユーロ11位、ワールド17位。今季、GPロステレ8位、ユーロ18位。
3Tw2はクリーンに見えたが、GOEマイナス。3S<<は女性が両足着氷。スロー3Loはクリーンに着氷。BiDs2は、すぐにポジションが決まる。StSq4は、交差を入れているが、2人の距離はさほど離れないので、見やすかった。FCCoSp4は回転がそろっている。
演技後、2人とも満足そう。
ソロジャンプのミス以外は、ほぼクリーンな演技だった。終始スピードが出たままで、流れが途切れず、良い演技だった。
コーチのスミルノフさんが、黒スーツでかっこよくビシッと決めている。去年は確か水色のスーツで、フィギュアスケートファンを騒然とさせていたよね?(笑)
52.49。

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●第3グループ
9 Sumire SUTO / Francis BOUDREAU-AUDET 須藤 澄玲 / フランシス・ブードロー=オデ(日本)

  • 楽曲:Sakura (Spring Blossom) by Naotaro Moriyama, performed by Andre Rieu
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

19歳と23歳。2015年に結成。昨季、全日本優勝、四大陸9位、ワールド22位。今季、NHK杯7位、全日本優勝、四大陸10位。
3Tw2は、キャッチが上手くいかなかった。でも岡部さんは、「高さが出てきた」と嬉しそう。3Sの着氷がちょっとだけずれたが、きれいに降りた。スロー3SもOK。5ALi4は、入りも出もスピードが落ちず。FCCoSp4は、回転がばっちりそろってる。StSq3は2人の距離が近い。BiDs3で、女性の弓なり姿勢がきれい。「男性がピボットポジションに入るのが速い」と岡部さん。
演技が終わって、オデくんが澄玲ちゃんを後ろからハグ!! キャー!!(///)
キラキラして見えた!! ディズニーのプリンセス&プリンスみたい!! ツイストで女性が男性に寄りかかってしまったけど、他はたいそう素晴らしかった。よく滑っていた。
このプログラムの見所はいくつもあるが、わたしとしては、リフトとソロスピンの間に、2人がサイドバイサイドで同じポーズをとり、お互いを見合うところが、最大の胸キュンポイント☆ 素敵〜☆
岡部さん曰く、「彼らの最高の演技だった。最後までスピードが落ちず、流れの中で全てを終えることができた」とのこと。
61.70でPB更新。めっちゃ嬉しそう☆ わたしも嬉しい☆

11 Xiaoyu YU / Hao ZHANG シャオユー・ユー / ハオ・ジャン(中国)

  • 楽曲:
    • Eternal Flame by Brand X Music
    • Fearless by Brand X Music
  • プログラム:△

この組としては初出場の21歳と32歳。2016年の春に結成。今季、GPファイナル2位、四大陸4位。
3Tはバッチリ。3Tw4は高い。余裕さえ感じる。スロー3Loはよかった。FCCoSp4は回転が合っている!! StSq4は一体感が増した。
レベルはBiDs3以外は全てレベル4。ソロスピンの回転さえ合えば完璧な2人が回転を合わせてきた。
壮大な音楽をダイナミックに表現していた。女性の美しさを男性が存分に生かせるようになってきた。
岡部さんが唯一気になったのが、ソロスピンの、「キャメルポジションでインサイドになるところで、女性はキャメルアップに近いが、男性はそこまで上を向いていない」点だそうだ。あ〜、確かにそれ、わたしも気になってた。トップの組は、みんなぴたっと合わせてくるもんね。
ビン・ヤオ先生が来てる!! 近年試合に帯同しなくなっていたので、久々にご尊顔を拝した。ちょっとやつれたかなぁ。でも2人が良い演技をしたから嬉しそう。
75.23。ほぼPBに近い得点が出た。

12 Tae Ok RYOM / Ju Sik KIM テオク・リョム / ジュシク・キム(北朝鮮

  • 楽曲:A Day in the Life
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

初出場の18歳と24歳。昨季、四大陸7位、今季、冬季アジア3位。
3Tw2は抱えてしまったように見えたが、GOEプラス。3Tはきれいに降りた。ダンスリフトからスロー3SはOK。FCCoSp3はきっちりそろっている。StSq3で、首をウンウンと上下に動かす振付がかっこいい☆ 2人が違う振付をやっていてもユニゾンを感じる。BiDs2は女性の弓なり姿勢に張り感があってきれい。
終わるなり、女性がガッツポーズ!! 2人とも嬉しそう☆ リンクから上がったとたん、コーチと3人でハンドウィッチハグ☆(笑)
64.52で、PBを10点以上更新。

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●第4グループ
14 Minerva Fabienne HASE / Nolan SEEGERT ミネルヴァ・ファビアン・ハセ / ノラン・ジーゲルト(ドイツ)

  • 楽曲:
    • Torn
    • High Strung
  • プログラム:△

初出場の17歳と24歳。2014年に結成。昨季、国内選手権3位、今季、国内選手権は、女性の怪我により、SPの後、棄権。ユーロ12位。
スロー3Sはきれいに降りたが、「女性がランディング姿勢を意識するようになると、もっと美しくなると思う」と岡部さん。BiDs2は、岡部さん曰く、「男性がピボットポジション姿勢になるのが遅いので、レベルが取れない」とのこと。FCCoSp4回転が速く、そろっている。StSq3は、曲想をよく表現していると思うが、離れているところが多くて見づらい。近いときはユニゾンが良いのに、遠いときはイマイチ。
うわー、ユーロのときとは別人のように上手くなっている。千鶴さんによると、今年に入ってから男性が体調不良に陥ってしまい、ユーロのときはまだ本調子ではなかったようだ。
クリーンな演技で、全ての要素がGOEプラス。曲想に合った、シャープな動きができていたと思う。
59.76でPB更新。前のPBが51.27だから、8点以上更新だよ! すごいよ!

15 Haven DENNEY / Brandon FRAZIER ヘイブン・デニー / ブランドン・フレイジャーアメリカ)

  • 楽曲:Don Juan est mort (from "Don Juan" musical) by Felix Gray
  • プログラム:△

21歳と24歳。2011年5月に再結成(2005〜08年にも組んでいた)。昨季、女性の怪我のため休養。今季、GPスケアメ2位、GPスケカナ4位、全米優勝、四大陸8位。
スロー3Loは転倒。3Sで男性が転倒。BiDs2は女性の弓なり姿勢が美しい。めっちゃ張り感がある。FCCoSp2は男性がフライングの後、バランスを崩し、2人の回転がズレた。StSq4のホールド部分もノンタッチ部分も、キレがあり、ダイナミック☆
滑りや表現はとっても素敵だったんだけどなぁ。転倒2回は痛い…。
56.23。これは…FSに進めないか…。厳しい…。

16 Natalia ZABIIAKO / Alexander ENBERT ナタリア・ザビアコ / アレクサンドル・エンベルト(ロシア)

  • 楽曲:Snowstorm by Georgi Sviridov
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

この組としては初出場の22歳と27歳。2015年の春に結成。昨季、GPロステレ5位、国内選手権5位。今季、GPファイナル4位、国内選手権3位、ユーロ5位。
3Tw3はふわっと高く、着氷も美しい。スロー3Loの着氷後の伸びが素晴らしい。FCCoSp4はバッチリ合っている。StSq4のホールド素敵☆
わたしが見た中で、彼らの最高のパフォーマンスだと思う。これまでずっと「要素はすばらしいし、ボディームーブメントも美しいが、感情の表出がいまいち」と言ってきたが、ここにきて、ぐぐ〜っと胸に迫ってくるものをが感じられるようになった! パッションを感じた!
74.26でPB更新。

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●第5グループ
17 Valentina MARCHEI / Ondrej HOTAREK ヴァレンティナ・マルケイ / オンドレイ・ホタレク(イタリア)

  • 楽曲:Seven Nation Army by Jack White
  • プログラム:△

30歳と33歳。2014年の春に結成。昨季、国内選手権2位、ユーロ5位、ワールド14位。今季、GPスケアメ8位、GPロステレ4位、国内選手権2位、ユーロ6位。
男性がサスペンダーを着用するところから始まる(笑)。
3Tw2でキャッチと着氷の流れがちょいスムーズじゃなかったように見えたが、減点なし。BiDs3で、最後、女性の体が氷上スレスレになったように見えたが、GOEプラス。
キレキレにキメキメの演技だった。今季ベストの演技ではなかろうか。ユニゾンよくなったなぁ。
71.04でPB更新。得点を見るなり、マルケイさんが「キャー!!」と悲鳴を上げて喜んでいた(笑)。

18 Liubov ILYUSHECHKINA / Dylan MOSCOVITCH リュボーフ・イリュシェチキナ / ディラン・モスコビッチ(カナダ)

  • 楽曲:Tango Jalousie by Jacob Gade
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

25歳と32歳。2014年の春に結成。昨季、国内選手権3位、四大陸5位、ワールド7位。今季、GPスケカナ及びGP中国杯3位。国内選手権2位、四大陸3位。
3Tは2人とも着氷がきれいに流れなかった。BiDs3は回転がなめらかで女性の弓なり姿勢が美しい。FCCoSp4は回転が速かったものの、ちょいズレたけど、GOEプラス。StSq4は、ほとんどホールドしていて、アイスダンスのステップみたい。なめらかで息がぴったり合っていて素敵☆
最後の決めポーズがめっちゃかっこいい〜☆
よく滑っていて、流れが一切滞ることがなかった。女性が鬼気迫る表情から幸せいっぱいの表情までみごとに表現している。
大好きなプログラムなので、ワールドで最高の演技が見られてとっても幸せ〜☆
岡部さん曰く、「結成3年目に入り、お互いを確認せずに、自由自在に演技している」とのこと。
73.14でPB更新。

19 Miriam ZIEGLER / Severin KIEFER ミリアム・ツィーグラー / セヴェリン・キーファー(オーストリア

  • 楽曲:Turn To Stone performed by Ingrid Michaelson
  • プログラム:△

23歳と26歳。2013年の春に結成。昨季、国内選手権優勝、ユーロ9位、ワールド21位。今季、GPフランス及びNHK杯6位、男性の風邪のため、国内選手権を棄権、ユーロ9位。
3Tw1は、女性が男性の肩に乗ってしまった。3TはOK。5RLi3は下ろすとき、ちょっとスムーズでなかったような。減点されてないからいいのか。FCCoSp3は回転が合ってたけど、途中で距離が離れた。でもGOEプラス。StSq2では、さわやかな曲想をよく表現していた。
今季、ジャンプ系のミスが続いていたけど、ここにきて両方成功!! ソロジャンプを3Lzから3Tに変更してきた。滑りもよかったと思う。
61.01でPB更新。

20 Julianne SEGUIN / Charlie BILODEAU ジュリアン・セガン / シャルリ・ビロドー(カナダ)

20歳と23歳。昨季、GPファイナル4位、国内選手権2位。今季、GPファイナル5位、国内選手権は女性の脳震盪のため、欠場。2月上旬から練習を再開。
めっちゃかわゆい振付からスタート。
3Tw3は、少し男性になだれかかってしまった。3Sは女性がこらえた。スロー3Lzは両足着氷。FCCoSp4は回転は速いが、少しズレたが、ちょいGOEプラス。5ALi4は下ろし方に工夫があった。BiDs4は、2人とも素早くポジションに入れるので、きちんとレベルが取れている。StSq3は、ホールドあり。息ぴったりで軽快で楽しい。
女性の脳震盪の影響で本調子ではなさそうだが、ミスを最小限に抑え、演技をまとめてきた。…それにしても、こういう愛らしいプログラムを滑らせると、右に出るものはいないのではなかろうか。激ハマりである。
岡部さん曰く、「この組の良さは、スケーティングスキルの高さ。スピードが落ちていかないし、流れの中で全ての要素をこなしていける。ステップシークエンスを見ると、一つ一つのターンが深いエッジで刻まれている」とのこと。
66.31。

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●第6グループ
21 Vanessa JAMES / Morgan CIPRES ヴァネッサ・ジェイムズ / モーガン・シプレ(フランス)

  • 楽曲:Earned It (from "Fifty Shades of Grey") by The Weekend and Maxime Rodriguez
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

29歳と25歳。女性は、カナダ生まれのアメリカ育ち。2010年9月に結成。昨季、ユーロ4位、ワールド10位。今季、GPスケアメ4位、GPフランス3位、国内選手権5連覇、ユーロ3位。
冒頭からエロスがどしどしと。
3Tw2の着氷後、女性が転倒。3SはOK。女性が背中側から男性の胸に飛び込んでのスロー3Fをクリーンに着氷。BiDs3の回転が速い。StSq4の動きが音にハマっててかっこいい。
思いがけない転倒だったろうに、すぐに立て直して、あとはクリーンに滑り切った。すごい。
岡部さんが、「デススパイラルの前が、とてもオリジナリティがあって、すごく素敵☆ 大好き☆」とほめていた。
70.10。

22 Alexa SCIMECA KNIERIM / Chris KNIERIM アレクサ・シメカ・クニエリム / クリス・クニエリム(アメリカ)

  • 楽曲:Come What May (Moulin Rouge soundtrack)
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

2012年に結成。昨季、全米2位、GPファイナル7位、四大陸2位、ワールド9位。今季前半は、女性の怪我のため休養、四大陸6位。
3Tw3は高い。余裕がある。3Sは男性がステップアウト。5RLi4は、好調時より下ろすのに少し時間がかかったような気がする。
まだ完全とは言えないが、四大陸のときに比べると、女性の調子がだいぶ回復してきたようで、ほっとした。
そして終始2人からだだ漏れ…いや、あふれる愛(笑)。まぶしいわ〜☆☆ 実況陣にも「今日の演技は、スケートを2人でできる喜びにとてもあふれていて、いいですね」「愛がありますね」と、評されていた(笑)。使用されている楽曲の、
Come what may, come what may I will love you until my dying day.
(たとえこの先 何が起ころうとも あなたを愛してる この命朽ちる日まで)
という歌詞が、まんま当てはまってるよね。ごちそうさま!!(笑)
72.17でPB更新。

23 Nicole DELLA MONICA / Matteo GUARISE ニコル・デラ・モニカ / マッテオ・グアリゼ(イタリア)

  • 楽曲:Carmina Burana by Carl Orff performed by The Piano Guys
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

2011年に結成。昨季、国内選手権優勝、ユーロ6位、ワールド11位。今季、GPスケカナ6位、GP中国杯5位、国内選手権優勝、ユーロ8位。
3Sは、女性の足が氷をかすった。スロー3Loは手をついた。5ALi4は流れがいい。BiDs4は、2人が素早くポジションに入り、女性の弓なり姿勢が美しい。FCCoSp4は回転がそろっている。全てレベル4獲得。
スピードがよく出ていたし、ユニゾンもバッチリ☆ 激しい、ド迫力な曲想をよく表現していた。
70.08でPB更新。

24 Wenjing SUI / Cong HAN ウェンジン・スイ / コン・ハン(中国)

  • 楽曲:Blues for Klook by Eddy Louis
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

21歳と24歳。2007年に結成。昨季、四大陸優勝、ワールド2位。今季前半、女性の手術のため休養、四大陸優勝。
始まりのポーズから気だるげな雰囲気をモリモリと。序盤のつなぎから、さらっとアクロバティックなダンスリフトを入れている。
3Tはクリーンに着氷。スロー3F、高っ。3Tw4は、女性が片手を上げて回転している。BiDs4は、女性の腕の動きで曲想を表現。FCCoSp3は、最初ズレたけど、途中できっちり修正してきた。StSq4は、彼らの芸術性の粋を尽くしたステップなのに、天井カメラに切り替わってしまい、呪いたくなった(泣)。ステップ直後にまたアクロバティックな動きが入る。5RLi3の、スッと上がってクルクル回り、スッと下ろす一連の動きが、とてもスムーズ。
場内スタオベ。
アクロバティックかつ芸術的なプログラムだった。
実況陣も「素晴らしい」「素敵」を連発。岡部さんは、「ステップのカメラワークが残念でならない」とも話していた。ですよね!! あれ、ひどすぎますよね!!(怒)
81.23でPB更新。穏やかな笑顔で控えめに手を振り、歓声に応える2人。皇族みたい(笑)。

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●第7グループ
25 Aliona SAVCHENKO / Bruno MASSOT アリョーナ・サフチェンコ / ブルーノ・マッソ(ドイツ)

  • 楽曲:That Man by Caro Emerald
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

33歳と28歳。2014年に結成。昨季、国内選手権優勝、ユーロ2位、ワールド3位。今季、GPロステレ及びGPフランス優勝、女性の怪我のため、GPファイナルと国内選手権を欠場、ユーロ2位。ユーロの後、今度は男性が怪我をしてしまい、ワールドに向けて2週間ほどしか練習できなかったらしい。
3Tw4は、いつ見ても何度見てもすごい。高い。ジャッジは全員+3。3Sは女性が両足着氷。スロー3Aも両足着氷。5RLi4はフレーズとポジションチェンジと回転が全部連動している。StSq4は、すごく複雑な動きなのに、さも簡単そうにステップを踏んでいる。最高に軽快で楽しい。BiDs4は、女性の姿勢に工夫が見られた。CCoSp4の回転があまりに速いので自信がないが、序盤少しズレていたように見えたが、途中からきちっと修正。
全てレベル4獲得。コミカルで洒脱で芸術性の高いプログラムをみごと滑りこなしていた。ツイストの後、つなぎで男性と女性が向かい合い、女性が男性の額に手を当てておどける振付、いいわ〜☆
岡部さんによると、「スローの3Aやクワドは、自分の体重の8倍の負荷がかかるので、ISUとしては、将来的に規制をかけるかもしれない。今、データをとって、いろいろ検証している段階」らしい。
79.84でPB更新。でもアリョーナは悔しそう。

26 Ksenia STOLBOVA / Fedor KLIMOV クセニア・ストルボワ / フェドール・クリモフ(ロシア)

25歳と26歳。2009年の春に結成。昨季、GPファイナル優勝、ワールド4位。今季前半、女性の怪我のため休養、国内選手権優勝、ユーロ4位。
3Tw2で男性が転倒。めずらしい。岡部さんによると、キャッチの時に女性が男性の肩になだれかかってしまい、男性がバランスを崩したしまったもよう。スロー3Fも転倒。3Tは女性がステップアウト。BiDs4は、女性の体がつぶれてしまったように見えたが、GOEプラス。FCCoSp4は、回転が速く、そろっている。StSq4は、美しく優雅でダイナミック。
すごく美しいプログラムなのだが、ところどころ綻びが出てしまった。でも、演技後、2人が労わり合っている様子が伝わってきて、ほっとした。
65.69。

27 Evgenia TARASOVA / Vladimir MOROZOV エフゲーニャ・タラソワ / ウラジミール・モロゾフ(ロシア)

  • 楽曲:Glam (Electro Swing Remix) by Dimie Cat
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

22歳と24歳。2012年に結成。昨季、国内選手権3位、ユーロ3位、ワールド5位。今季、GPファイナル優勝、国内選手権2位、ユーロ優勝。
女性が公式練習中に左足を負傷し、10針縫ったそうだ。…そ、それで演技して大丈夫なのかな?(蒼白)
3Tw4はふわっと高い。GOE加点が満点。スロー3Loはバランスを崩しかけたが、こらえた。でも高さと幅が素晴らしかったからか、GOEプラス。BiDs4は、女性の弓なり姿勢が美しい。StSq4は、楽しそうに軽快に生き生きと。FCCoSp4は、回転が少しズレて見えたが、GOEプラス。全てレベル4獲得。
いつもに比べると、スピードが出てないように感じたが、それでもユニゾンは素晴らしいし、エレメンツの質は高いし、プログラムの流れもすばらしい。おしゃれで楽しいプログラムの中に、高い技術と芸術性、そして女性のガッツと男性の支えが詰まっている。
79.37。

28 Meagan DUHAMEL / Eric RADFORD メーガン・デュハメル / エリック・ラドフォード(カナダ)

  • 楽曲:Killer by Seal
  • プログラム:○

31歳と32歳。2010年の春に結成。昨季、GPファイナル2位、ワールド優勝。今季、GPファイナル3位、国内選手権6連覇、四大陸2位。
男性が右股関節を痛めているらしい。…どうしてみんな、こうも怪我が多いんだろう(泣)。
3Tは男性がこらえた。スロー3Lzは手をついた。FCCoSp3は、回転が少しズレたか。
いつもはルッツだけど、男性の怪我の影響か、トゥループに変更してきた。好調時に比べると、「…ああ、やっぱ怪我してるんだなぁ」と感じさせる部分はあったけど、流れは悪くなかったと思う。
72.67。

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、クオリファイ、名前、国名、得点の順に記されている。

  1. Q Wenjing SUI / Cong HAN CHN 81.23
  2. Q Aliona SAVCHENKO / Bruno MASSOT GER 79.84
  3. Q Evgenia TARASOVA / Vladimir MOROZOV RUS 79.37
  4. Q Xiaoyu YU / Hao ZHANG CHN 75.23
  5. Q Natalia ZABIIAKO / Alexander ENBERT RUS 74.26
  6. Q Liubov ILYUSHECHKINA / Dylan MOSCOVITCH CAN 73.14
  7. Q Meagan DUHAMEL / Eric RADFORD CAN 72.67
  8. Q Alexa SCIMECA KNIERIM / Chris KNIERIM USA 72.17
  9. Q Valentina MARCHEI / Ondrej HOTAREK ITA 71.04
  10. Q Vanessa JAMES / Morgan CIPRES FRA 70.10
  11. Q Nicole DELLA MONICA / Matteo GUARISE ITA 70.08
  12. Q Julianne SEGUIN / Charlie BILODEAU CAN 66.31
  13. Q Ksenia STOLBOVA / Fedor KLIMOV RUS 65.69
  14. Q Tae Ok RYOM / Ju Sik KIM PRK 64.52
  15. Q Anna DUSKOVA / Martin BIDAR CZE 63.36
  16. Q Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR AUS 62.03
  17. Sumire SUTO / Francis BOUDREAU-AUDET JPN 61.70
  18. Miriam ZIEGLER / Severin KIEFER AUT 61.01
  19. Minerva Fabienne HASE / Nolan SEEGERT GER 59.76
  20. Haven DENNEY / Brandon FRAZIER USA 56.23
  21. Lana PETRANOVIC / Antonio SOUZA-KORDEIRU CRO 52.83
  22. Goda BUTKUTE / Nikita ERMOLAEV LTU 52.49
  23. Tatiana DANILOVA / Mikalai KAMIANCHUK BLR 51.79
  24. Daria BEKLEMISHEVA / Mark MAGYAR HUN 45.96
  25. Emilia SIMONEN / Matthew PENASSE FIN 45.49
  26. Zoe JONES / Christopher BOYADJI GBR 44.33
  27. Lola ESBRAT / Andrei NOVOSELOV FRA 43.78
  28. Ioulia CHTCHETININA / Noah SCHERER SUI 40.50
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◆総評
昨季は出場組が22だったのが、今季は28。6組も増えた。ISUの「ペアの競技人口を増やしたい」という意思の下、行われている施策の成果が出てきたってことなんだろうな〜。下位からトップ勢まで、クリーンな演技が続出で幸せよ☆ おかげで昨季のFS進出ラインは、52.78だったのに、今季はなんと、62.03だよ! 10点近くアップだよ! いくらなんでもレベル上がりすぎ! 岡部さんも「本大会はレベルが高い」と感心していた。70点台が11組もいるなんて…。FSは、第2グループから70点台の組がいるということに。
さて、SP1位は、スイ&ハン。TES、PCSともにトップ。レベルいろいろ取りこぼしているのに80点超え。スイちゃんが怪我明けとか、信じられない素晴らしさ。ワールド2年連続、総合2位を経て、今季こそは優勝なるか。
2位はサフチェンコ&マッソ。いや〜、彼らもすごかった。PCSは、スイ&ハンと僅差の2位。
この上位2組はSPもFSもお気に入りのプロなので、SPで良い演技が見られてウハウハである☆ フリーもめっちゃ楽しみ☆
3位はタラソワ&モロゾフ。女性が公式練習中に怪我…。辛い…。バリバリの優勝候補だっただけに、本人たちの無念はいかばかりか。でもSPでは切り替えて、今自分たちにできる、最高の演技を見せてくれた。FSもぶじに滑り終えられますように。
4位はユー&ジャン。上位3組と比べると、PCSは差があるなぁという感じだが、ま、今季組んだばかりだから、来季になれば、もっと上がると思う。彼らを含めた上位4組は、TESとなると、1点強しか離れてないんだよね。ちなみにスイ&ハン>タラ&モロ&ユー&ジャン>サフ&マソの順。
14位のリョム&キムは、これまでほとんど国際大会に派遣されてないのに、このレベルに到達できるって、ほんとすごいわ〜。もそっと定期的に大会に派遣してもらえればな〜、きっともっと伸びるのに。せめてワールドには毎年出してあげようよ〜。
17位の須藤&オデは、ほんの少しの差で、FSに進出ならず。めっちゃ良い演技だったのになぁ〜。リリカル&ロマンティックムーディー炸裂☆なフリーの演技、見たかった…(涙)。でも、今季、着々と上達し、素敵なペアに成長中なので、来季のさらなる飛躍を期待したい。
18位のツィーグラー&キーファーも、今季ベストのパフォーマンスだったと思うのに、FS進出ならず。須藤&オデとは1点差もないし、フリーのPBもほぼ同じなんだよね。来季のネーベルホルン(2017年9月27日〜30日)で獲得できる出場枠は4。日本と共にその枠を競ることになりそう。
20位のデニーフレイジャーは、転倒2回が響いて、FSに進出ならず。全米チャンピオンでさえ、ミスがあれば、フリーに進めないという…。なんてハイレベルな大会なんだ…。