ワールド2017 女子SP

ワールド2017 リザルト
フィンランドヘルシンキにて開催。女子SPは、現地時間2017年3月29日(水)に行われた。上位24名までがFSに進出できる。
日本のエース、宮原知子が股関節負傷のため、欠場。ワールド出場を断念するくらいだから、よっぽど怪我の具合が深刻なんだろうなぁ…(泣)。1日も早く完治しますように!
フジが男女シングルのSPとFSを生放送。「上位選手だけだろうけど、たいへんありがたい」と思っていたのだが、三原さんの演技を(生放送しようと思えばできたのに)録画放送するという、まさかの暴挙に出たので、いやになってしまい、ライストに切り替えた。後日、Jスポーツの放送を見た。
フジの解説は、荒川静香さん、実況は中村光宏アナ。Jスポーツの解説は、中庭健介さん、実況は赤平大アナ。
特に印象に残った選手の演技について、滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:何度でも見たい。
  • ○:よかった。好き。
  • △:悪くない。まずまず。
  • ×:イマイチ。
  • ?:何とも判断が付きかねる。
                                                                                                                                        • -

●第1グループ
1 Anne Line GJERSEM アンネ・リーネ・ヤシェム(ノルウェー

  • 楽曲:Smile performed by Martina Mcbride
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、ユーロ17位、ワールド26位。今季、ユーロ24位。
3S+3T<と3Loは着氷が乱れた。2Aは着氷が流れなかったかな〜。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
ジャンプが3つともきれいに決まらなかったけど、「スマイル」のもつ余韻というか、たゆたう感じが出せていて、素敵だった。
46.99。

2 Joshi HELGESSON ヨシ・ヘルゲソン(スウェーデン

昨季、国内選手権優勝、ユーロ9位、ワールド30位。今季、GPスケカナ10位、GP中国杯12位、国内選手権優勝、ユーロ14位。
3Lzは転倒。3T+2Tはまずまず。2AはOK。スピンのレベルは4、4、3。ステップはレベル3。
3Lzの転倒はあったが、冒頭の指を鳴らす振付に始まり、最後の投げキッスに終わるまで、プログラムをしっかりと演じきる姿に、貫禄と風格を感じた。かっこいいわ〜☆
52.07。

4 Dasa GRM ダシャ・グルム(スロベニア

  • 楽曲:
    • Blucobalto by Negramaro
    • Sax performed by Fleur East
  • プログラム:△

昨季、ユーロ26位、ワールド38位。今季、国内選手権4連覇、ユーロ26位。
3F+2Tタノはまずまず。3Tは着氷が乱れた。2A<は転倒。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。ビートの強い曲想に変化。音をよく取って、リズミカルに動けている。
ステップは素敵だったんだけどなぁ…。2A<の転倒が痛い…。
46.63。グルムさん、泣くのこらえてるみたい…。うう、確かにこの得点ではFS通過は厳しい…。

5 Anastasia GALUSTYAN アナスタシア・ガルスチャン(アルメニア

  • 楽曲:I Dreamed a Dream (from "Les Miserables") performed by Susan Boyle
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、ユーロ15位、世界ジュニア16位、ワールド24位。今季、GPロステレ9位、GPフランス11位、ユーロ12位。
顔つきが少し大人っぽくなった。
3Lz+2Tはまずまず。3Fは!がつき、着氷が流れなかった。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。ゆったりと大きな滑りだった。
女性ヴォーカルの朗々としたドラマティックな歌声を、力強く表現していた。ジャンプの回転不足を取られやすい選手だけど、今回は大丈夫だった。
55.20。

                                                                                                                                        • -

●第2グループ
6 Emmi PELTONEN エミ・ペルトネン(フィンランド

  • 楽曲:Libertango by Astor Piazzolla
  • プログラム:△

初出場。昨季、JGP16位。今季、JGPジェルヴェ5位、国内選手権優勝、ユーロ11位。
母国の選手に、場内から大きな歓声。
3T+3TはOK。3Loのはずが、シングルになり、ノーバリュー。2Aはまずまず。スピンのレベルは2、2、4。1Lo直後のFSSp2は、動揺したのか軸がぶれ、GOEマイナス。ステップはレベル3。力強く表現していた。
滑り出しはよくスピードが出ており、タンゴの雰囲気モリモリで、素敵だったのだが。
50.74。

7 Shuran YU シュラン・ユー(シンガポール

  • 楽曲:
    • Blues Instrumental by Jehro Tull
    • Maria Maria by Jean Wyclef
  • プログラム:△

初出場。昨季、世界ジュニア28位。今季、JGPシュベルター15位、四大陸21位。
3T+3TはOK。3Sはステップが足りなかったのか、GOEマイナス。2Aは着氷が乱れた。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。体を大きく動かし、丁寧にステップを踏んでいた。
初出場だけど、思い切りよく、のびのびと滑れていたように見えた。
52.87でPB更新。7点以上更新だよ!! すごいよ!! キスクラの様子を見ると、やっぱ緊張してたんだなぁ。演技していたときは、ベテラン選手のように落ち着いて見えた。

8 Carolina KOSTNER カロリーナ・コストナー(イタリア)

2011-12シーズン、ワールド優勝。2013-14シーズン、ソチ五輪3位。その後、恋人のドーピング検査回避の手助けをしたことに対する出場停止処分(1年9か月)を受けた。今季、国内選手権優勝、ユーロ3位。
スケーティングの女神、降臨!!
3T+3Tはよかった。3Fはこらえた。2Aはまずまず。スピンのレベルは4、1、4。FCSp1は軸が大きく外れ、回転が超ゆっくりになり、GOEマイナス。ステップはレベル4。天井カメラで彼女の超絶秀麗ステップを映すのやめて〜(泣)。
FCSp1で乱れたのが残念だったが、滑りは破格にすばらしかった。
ユーロでは単独ジャンプが3Loだったが、本大会では3Fに変更。ジャンプの難度を少しずつ上げていくのが、コストナー・メソッド☆
66.33。PCSが33点も出てる〜。さすがですわ。

10 Xiangning LI シャンニン・リー(中国)

  • 楽曲:Waltz from "Coppelia" by Leo Delibes
  • プログラム:○

初出場。昨季、世界ジュニア20位。今季、GP中国杯10位、四大陸13位、世界ジュニア11位。
3F+3T<は、着氷後の流れが少し止まった。3Lzと2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。回転が音楽に合っている。ステップはレベル3。強い音にダイナミックな振付が当てられていて気持ちいい。
プログラムの流れがよかった。そしてほんとにスピンがすばらしい。スピン好きとしてはたまらんわ〜。
58.28でPB更新。キスクラのシャンニンから手で形作ったハートをもらったよ〜☆ キャ〜☆(///)

                                                                                                                                        • -

●第3グループ
11 Yasmine Kimiko YAMADA ヤスミン・キミコ・ヤマダ(スイス)

  • 楽曲:Why Don't You Do Right
  • プログラム:△

昨季、国内選手権3位、ワールド34位。今季、国内選手権優勝、ユーロ27位。バイオによると、練習拠点はアメリカ。赤平アナによると、お父さんが日本人とのこと。
3T+3Tはクリーンに見えたのだが、GOEマイナス。3Lo<は両足着氷。2Aはまずまず。スピンのレベルは3、4、3。ステップはレベル2。
今できることをやり切った演技だったのでは。動きや姿勢などは、あまり洗練されていないが、一つ一つ心を込めて丁寧に演じていたように見えた。
「コーチの男性、めっちゃ若いな〜」と驚いて見ていたら、なんと彼はダニエル・サモヒンのお兄さんだそうだ。
47.86でPB更新。

12 Amy LIN エイミー・リン(台湾)

  • 楽曲:Skyliner (from "I'll Be Seeing You: A Tribute to Carmen McRae") by Charlie Barnet, Robert Allen
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、四大陸15位、世界ジュニア14位、ワールド21位。今季、四大陸17位、世界ジュニア21位。
3Lzはこらえた。連続ジャンプにならず。ステップからただちに跳んでいないので、けっこう減点された。3T+2Tと2Aはまずまず。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。
弾むような曲想を、生き生きと楽しそうに表現していた。
51.86でSB更新。

13 Kailani CRAINE ケイラニ・クレイン(オーストラリア)

  • 楽曲:Dream a Little Dream performed by Ella Fitzgerald
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、四大陸13位、ワールド27位。今季、国内選手権優勝、四大陸16位。
3F+2Tはまずまず。3LoはOK。2Aタノはまずまずだが、肘がそんなに曲がってない方がきれいだと思う。スピンは全てレベル4。回転速度が速い。ステップはレベル3。生き生きと滑っている。腕や手指の使い方が素敵☆
演技が終わった後、ガッツポーズ。
キュートなおしゃれプロを表情豊かに演じていた。
56.97でPB更新。

15 Natasha MCKAY ナターシャ・マッケイ(イギリス)

  • 楽曲:El Tango de Roxanne (Moulin Rouge soundtrack)
  • プログラム:○

初出場。昨季、国内選手権5位。今季、国内選手権優勝、ユーロ18位。
3Lo+2Tタノと3S、2Aはまずまず。スピンのレベルは3、1、3。CCoSp1はトラベリングしたせいか、ちょいGOEマイナス。ステップはレベル2。力強く激しい曲想をよく表現していた。体に張り感があり、かっこいい。
ロクサーヌのタンゴ」の曲想をよくとらえていた。キレのある動きが素敵☆ スピードもよく出ていたと思う。スピンのレベルの取りこぼしがもったいない。
50.10でPB更新。得点が出て、複雑そうな顔に。フリーに進めるかどうか微妙なラインだもんな〜。

                                                                                                                                        • -

●第4グループ
17 Loena HENDRICKX ロエナ・ヘンドリックス(ベルギー)

  • 楽曲:The Prayer performed by Celine Dion, Josh Groban
  • プログラム:△

初出場。昨季、JGP14位と11位。今季、国内選手権優勝、ユーロ7位。
3Lzタノ+2Tタノは、よかった。3Fタノはステップアウト。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。最後のLSp4は、ポジションが美しく回転が速い。ステップはレベル3。空間を大きく使い、なめらかに滑っていた。
体をとても大きく動かしているので、ちょいちょいコントロールが外れ気味かなぁと感じる部分はあったが、全体的にはソリッドで素敵な演技だった。
57.54でPB更新。

18 Isadora WILLIAMS イザドラ・ウィリアムズ(ブラジル)

  • 楽曲:Moonlight performed by Viktoria Tocca, based on Moonlight Sonata by L. v. Beethoven
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝。
3Lz+2Tは、ファーストで少しこらえた。3Loはステップからただちに跳んでいないからか、GOEマイナス。2Aはまずまず。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル3。なめらかに体を大きく動かして曲想を表現していた。
今できることをやり切った演技だったのでは。選手も満足そう。雰囲気のある美人さんである。
50.65でPB更新。

19 Mariah BELL マライア・ベル(アメリカ)

  • 楽曲:
    • Roxy Heart (Chicago soundtrack) performed by Renee Zellweger
    • All That Jazz (Chicago soundtrack)
  • プログラム:○

初出場。昨季、GPスケアメ8位、全米11位。今季、スケアメ2位、全米3位、四大陸6位。
3Lz+3T<は流れが止まって両手をついた。3Fは直前のステップが十分でないと判断されたのか、ちょいGOEマイナス。2Aはまずまず。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル4。チャーミングでキュートな彼女の魅力が炸裂している。
連続ジャンプの着氷の流れが止まってしまったのは残念だったが、体はキレキレに動いており、躍動感あふれる演技を見せてくれた。
61.02。

20 Laurine LECAVELIER ロリーヌ・ルカヴァリエ(フランス)

  • 楽曲:Experience by Ludovico Einaudi
  • プログラム:○

昨季、国内選手権2位、ユーロ10位、ワールド31位。今季、GPフランス6位、国内選手権優勝、ユーロ5位。
3Lz+3T<は、ファーストにオーバーターンが入り、セカンドで転倒。3Loはステップからただちに跳んでいないためか、GOEマイナス。2Aはまずまず。スピンは全てレベル3。ステップはレベル4。
スピンが苦手なのかなぁ。レベルを取りこぼしているし、GOE加点もあまりもらえていない。トップで戦うためにはスピンもだいじだから、ぜひとも強化してほしい。
連続ジャンプの転倒はあったが、滑りや表現はほんと上手になったなぁと感じる。前衛的な音楽をよく表現していた。
55.49。

                                                                                                                                        • -

●第5グループ
21 Zijun LI ジジュン・リー(中国)

  • 楽曲:Le Diable Matou by Dompierre
  • プログラム:△

昨季、四大陸10位、ワールド11位。今季、GPロステレ4位、GP中国杯8位、四大陸7位。
リンクに送り出すミーシン先生がジジュンの頬を包むように軽くたたいた!! ギャー!! ミーシン先生がうらやましい!!(←オイ)
3T+3T<は、いつもより少し高さがなかったような。3Fはステップからただちに跳んでいないからか、GOEマイナス。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
大会前に、体調不良で棄権するという情報が流れていたので心配していたが、ぶじに演技を終えることができて良かった。
隣にいる女性はパンさん!? 試合メイクじゃないと別人のようだ。
56.30。PCSが26点台か〜。あんま伸びなかったな〜。

22 Ivett TOTH イヴェット・トース(ハンガリー

昨季、国内選手権優勝、ユーロ11位、世界ジュニア8位、ワールド28位。今季、国内選手権優勝、ユーロ8位。
3T+3TはOK。3Lzは、ステップからただちに跳んでいないからかGOEマイナス。2Aタノはまずまず。スピンとステップは全てレベル4。
終わってガッツポーズ。感極まっている。
見た目ノーミスの演技だった。彼女の中性的な雰囲気が生かされた、クールなプログラム。2Aの着氷と同時にリズミカルな音楽が始まり、要素もただちにステップに移るところが、めっちゃかっこいいわ〜☆
ブノワさんは今日も黒づくめ&黒ハット(笑)。
61.00。得点が出て、すっごく嬉しそう。ユリア先生も喜んでいる。

23 樋口 新葉(日本)

  • 楽曲:La Cena (from "La Califfa") by Ennio Morricone
  • プログラム:○

初出場。昨季、全日本ジュニア優勝、世界ジュニア3位。今季、GPフランス3位、NHK杯4位、全日本2位、四大陸9位。
2Aと3Lz+3TはOK。3Fはステップからただちに跳んでいないと判断されたのか、GOEマイナス。スピンのレベルは3、4、4。LSp4は、腕の動きが美しい。ステップはレベル4。動きが滑らかで、音の緩急をよく表現していた。
少し慎重に見えたが、コントロールされた、良い演技だった。
65.87。

24 三原 舞依(日本)

  • 楽曲:Rondo Capriccioso by Camille Saint-Saens
  • プログラム:○

初出場。昨季、JGPファイナル6位、全日本ジュニア8位。今季、GPスケアメ3位、GP中国杯4位、四大陸優勝。
3Lz+3Tはよかった。2AもOK。3Fの予定がダブルになった上に転倒し、ノーバリュー。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
2Fの転倒以外は、とってもよかったのに…嗚呼(泣)。
59.59。

25 Nicole SCHOTT ニコル・ショット(ドイツ)

  • 楽曲:Cell Block Tango (from "Chicago")
  • プログラム:△

昨季、国内選手権3位。今季、怪我のため国内選手権を欠場、ユーロ10位。
足の怪我は良くなったかしら。テーピングやサポーターはしてないみたい。
3LoはOK。3T+3Tは転倒。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。2つ目のCCoSp4は、少し軸がぶれて回転がゆっくりになったからか、ちょいGOEマイナス。ステップはレベル3。音をよくとらえ、キレよく動いていた。
転倒があったせいかもしれないけど、ちょっと迫力が弱めだったかも。音楽が「セル・ブロック・タンゴ」なので、もっとオラオラな感じ(笑)に滑ってほしい。
54.83。

                                                                                                                                        • -

●第6グループ
26 Kaetlyn OSMOND ケイトリン・オズモンド(カナダ)

  • 楽曲:
    • Sous le ciel de Paris performed by Edith Piaf
    • Milord performed by Edith Piaf
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

昨季、国内選手権3位、四大陸6位。今季、GPファイナル4位、国内選手権優勝、四大陸4位。
3F+3T、3Lz、2Aと、ジャンプは全て申し分のない出来栄え。スピンとステップは全てレベル4。
クリーンな演技!! アメ〜イジ〜ング!! たいへん素晴らしいものを目にした喜びがこんこんと体の内側から湧き出てくる。
75.98でPB更新。

27 Dabin CHOI ダビン・チェ(韓国)

  • 楽曲:
    • It's Over Isn't It? (from "Steven Universe" soundtrack)
    • Someone In the Crowd (from "La La Land" soundtrack) by Justin Hurwitz
  • プログラム:

昨季、国内選手権2位、四大陸8位、ワールド14位。今季、GPスケカナ7位、NHK杯9位、国内選手権4位、四大陸5位。
3Lz+3TはOK。3Fはステップからただちに跳んでいないと判断されたのか、ちょいGOEマイナス。2AはOK。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
冒頭の動きからもう雰囲気をどしどし醸し出している。四大陸→冬季アジアからの好調をキープしてるなぁ。体の動きがずいぶんと洗練されてきた。
62.66でPB更新。

28 Karen CHEN カレン・チェン(アメリカ)

  • 楽曲:On Golden Pond by Dave Grusin
  • プログラム:○

初出場。昨季、全米8位、四大陸12位。今季、GP中国杯7位、NHK杯6位、全米優勝、四大陸12位。
3Lz+3T、3Lo、2Aと、全てクリーンに着氷。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
彼女は高さと幅のあるジャンプを跳ぶものの、抜けや回転不足が多いので、ドキドキしながら見守っていたが、全部クリーンに決まってほっとした。清廉な演技で、とても素敵だった。
69.98でPB更新。

29 Angelina KUCHVALSKA アンジェリーナ・クチヴァルスカ(ラトビア

  • 楽曲:
    • If You Go Away by Shirley Bassey
    • Duende by Bozzio Levin Stevens
  • プログラム:△

昨季、国内選手権優勝、ユーロ4位、世界ジュニア7位、ワールド15位。今季、GPスケアメ11位、GPロステレ10位、国内選手権優勝、ユーロ19位。
だいぶ体を絞ってきた印象を受ける。
3Lz<の着氷は流れたのだが。3T+3Tと2AはOK。スピンのレベルは4、4、2。ステップはレベル3。生き生きと大きく体を動かして、曲想をよく表現していた。
今季、ジャンプの不調で苦しんでいたが、まとめてきた。シャープさとキレが戻ってきて、ほっとした。
55.92。

30 Nicole RAJICOVA ニコル・ライチョヴァー(スロバキア

  • 楽曲:Love Story (soundtrack) by Francis Lai
  • プログラム:○

昨季、国内選手権優勝、ユーロ12位、ワールド13位。今季、GPロステレ7位、NHK杯11位、国内選手権優勝、ユーロ6位。
3Lz+2Tは、ファーストでバランスを崩した。3Loは、ジャンプからただちに跳んでいないと判断されたのか、ちょいGOEマイナス。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル4。
ステップにおける音楽との一体感がすばらしい〜☆
57.08。

31 Elizabet TURSYNBAEVA エリザベート・トゥルシンバエワ(カザフスタン

  • 楽曲:I Got Rhythm by Nikki Yanofsky
  • プログラム:△

世界ジュニア5位、ワールド12位。今季、GPロステレ5位、NHK杯8位、四大陸8位。
3Lz+3Tと3Loはまずまず。2Aはよかった。スピンとステップは全てレベル4。細かく音をよくとって、弾むようにステップを踏んでいた。
タノはやめてジャンプを確実に成功させてきた。今季最高のパフォーマンスだったのではなかろうか。体がよく動いていたし、曲想をよく表現していた。
キスクラにいる女性が大喜びしているので、「誰だろう。カザフのスケ連の人かな?」と思ってたら、トゥルちゃんのお母さんなんだって。言われてみれば確かに似てる〜。
65.48。

                                                                                                                                        • -

●第7グループ
32 Evgenia MEDVEDEVA エフゲーニャ・メドベージェワ(ロシア)

  • 楽曲:
    • River Flows in You by Lorenzo de Luca
    • The Winter by Balmorhea
  • プログラム:○

昨季、GPファイナル及び国内選手権、ユーロ、ワールドにて優勝。今季、GPファイナル及び国内選手権、ユーロにて優勝。
3Fタノ+3Tタノ、3Lo、2Aと、申し分のない出来栄え。スピンとステップは全てレベル4。ジャッジが全員+1以上を出している。しかも+1より+2と+3が多い。
全ての動きがなめらかでシームレスでエフォートレス。ハイパークリーンな演技だった。
3Tもタノにしてきた。わたし、メドさんの片手上げがあまり美しくないなぁと思ってたんだけど、今回のはきれいだったと思う。
演技前と終わってからの表情を見ると、緊張してたんだなぁと分かった。緊張しててもこのハイパフォーマンスですからね。すごい。
79.01。

33 Gabrielle DALEMAN ガブリエル・デールマン(カナダ)

  • 楽曲:
    • Acte IV Prelude from "Herodiade" by Jules Massenet
    • Scene XIV Ballet Finale from "Herodiade" by Jules Massenet
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

昨季、国内選手権2位、ワールド9位。今季、GPスケアメ4位、GPフランス4位、国内選手権2位、四大陸2位。
3T+3Tは加点満点の出来栄え。3Lzと2AもOK。スピンのレベルは3、4、4。ステップはレベル4。
ギャビー史上最高のパフォーマンスきたーー!!! ぃやったーー!!!
スピードびゅんびゅん出てるのに、全てがコントロールされているように感じた。なめらかで力強く優雅。すばらしい!!
72.19。「ええ〜、PBじゃないの〜!?」と不満だったが、PBとほぼ同じ得点が出た。

34 Ashley WAGNER アシュリー・ワグナーアメリカ)

  • 楽曲:Sweet Dreams (Are Made of These) by Annie Lennox
  • プログラム:○

昨季、GPファイナル4位、全米3位、ワールド2位。今季、GPスケアメ優勝、GP中国杯6位、全米2位。
3F+3Tはまずまず。3LoはOK。2Aはまずまず。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。
アシュリー・オン・ステージであった。冒頭の動きだけですでにひれ伏したいかっこよさ。動きはキレキレだったが、ちょっとジャンプに高さがなかったように感じた。スピンの回転も、他の選手がみな速いので、少しゆっくりに感じた。
69.04。

35 Maria SOTSKOVA マリア・ソツコワ(ロシア)

  • 楽曲:Butterflies Are Free by Alfred Schnittke
  • プログラム:△

初出場。昨季、JGPファイナル2位、ジュニアの国内選手権2位、世界ジュニア2位。今季、GPファイナル5位、国内選手権3位、ユーロ4位。
3Lz+3Tはよかった。3Fはまずまず。2AはOK。スピンとステップは全てレベル4。体を非常に大きく動かしているがきちんとコントロールされている。
大きくゆったりした滑りだった。スピードはかなり出ているように感じた。よく滑っていた。
69.76。

36 本郷 理華(日本)

  • 楽曲:O Fortuna (from "Carmina Burana") by Carl Orff
  • プログラム:◎
  • 動画:YouTube

昨季、全日本4位、四大陸3位、ワールド8位。今季、GPスケカナ6位、GP中国杯5位、全日本5位、四大陸10位。
宮本知子が股関節負傷のため、欠場した代わりに、急遽出場が決まった。
3Fは少しこらえた。3T+3T<はわたしの目から見ても回転不足かな〜と感じた。2AはOK。スピンのレベルは3、4、4。前2つのスピンの回転が、もそっと速いといいなぁ。最後のCCoSp4は超高速回転でかっこいいんだけど。ステップはレベル4。
ジャンプにミスはあったものの、よく滑っており、このプログラムの魅力がきちんと伝わってきた。特にステップは、美しくダイナミックで、「この世ならざる者」感が出ていた。最高☆
キスクラに長久保先生がいない…。今回は帯同してないみたいなんだよね。健康上の理由じゃないといいのだが。
62.55。

37 Anna POGORILAYA アンナ・ポゴリラヤ(ロシア)

  • 楽曲:Scent of a Woman (soundtrack - Smoku remix)
  • プログラム:○

昨季、国内選手権3位、ユーロ3位、ワールド3位。今季、GPファイナル3位、国内選手権4位、ユーロ2位。
3Lz+3TはOK。3Loはステップからただちに跳んでいないと判断されたのか、GOEマイナス。2AはOK。スピンとステップは全てレベル4。
音楽と共にフィニッシュ。少し遅れることが多かったので、よかった〜。
ユーロからさらにブラッシュアップしてきたなぁ。何もかも磨き上げてきたという感じ。すばらしかった。
71.52。

                                                                                                                                        • -

◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、クオリファイ、名前、国名、得点の順に記されている。

  1. Q Evgenia MEDVEDEVA RUS 79.01
  2. Q Kaetlyn OSMOND CAN 75.98
  3. Q Gabrielle DALEMAN CAN 72.19
  4. Q Anna POGORILAYA RUS 71.52
  5. Q Karen CHEN USA 69.98
  6. Q Maria SOTSKOVA RUS 69.76
  7. Q Ashley WAGNER USA 69.04
  8. Q Carolina KOSTNER ITA 66.33
  9. Q Wakaba HIGUCHI JPN 65.87
  10. Q Elizabet TURSYNBAEVA KAZ 65.48
  11. Q Dabin CHOI KOR 62.66
  12. Q Rika HONGO JPN 62.55
  13. Q Mariah BELL USA 61.02
  14. Q Ivett TOTH HUN 61.00
  15. Q Mai MIHARA JPN 59.59
  16. Q Xiangning LI CHN 58.28
  17. Q Loena HENDRICKX BEL 57.54
  18. Q Nicole RAJICOVA SVK 57.08
  19. Q Kailani CRAINE AUS 56.97
  20. Q Zijun LI CHN 56.30
  21. Q Angelina KUCHVALSKA LAT 55.92
  22. Q Laurine LECAVELIER FRA 55.49
  23. Q Anastasia GALUSTYAN ARM 55.20
  24. Q Nicole SCHOTT GER 54.83
  25. Shuran YU SGP 52.87
  26. Joshi HELGESSON SWE 52.07
  27. Helery HÄLVIN EST 51.94
  28. Amy LIN TPE 51.86
  29. Emmi PELTONEN FIN 50.74
  30. Isadora WILLIAMS BRA 50.65
  31. Kerstin FRANK AUT 50.54
  32. Natasha MCKAY GBR 50.10
  33. Yasmine Kimiko YAMADA SUI 47.86
  34. Anne Line GJERSEM NOR 46.99
  35. Anna KHNYCHENKOVA UKR 46.98
  36. Dasa GRM SLO 46.63
  37. Michaela-Lucie HANZLIKOVA CZE 32.21
                                                                                                                                        • -

◆総評
昨季のFS進出ラインは、49.86だったけど、今季は54.83。女子シングルもハイレベル化が進んでいる。
女子SPでは、回転不足には大らかで、単独ジャンプに対してはかなり厳しい印象を受けた。トップの選手もずいぶん減点されてるんだよね〜。それと、オリンピックの枠取りがかかっているからか、例年より選手の緊張感が高めの印象を受けた。
さて、SP1位はメドさん。「まぁそりゃトップですよね」というハイパークリーンな演技で、ワールド2連覇に向け、視界良好である。
2位のオズモンドさんと3位のギャビー、カナダ女子2人が、それぞれ最高のパフォーマンスを見せてくれた。「このままFSも…!!」と期待がふくらむばかりだが、両名ともフリーが課題なんだよねぇ。プログラムはめっちゃ素敵なのだが、なかなかクリーンな演技が見られなくてなぁ…。わたしは信じる心の弱いファンなので(←ダメじゃん)、「FSで失速とかやめてね? ぜったいやめてね?」と今からハラハラドキドキしている(苦笑)。
4位はポゴさん。素晴らしい演技で、「PB更新じゃない!?」と思ったのだが、単独ジャンプの3Loで思わぬ減点があり、さほど得点が伸びなかった。でも、PCSは、メド>オズモンド>ポゴと、3番目に高いスコアが出ているので、FSも良い演技ができれば、高得点が期待できそう。2年連続表彰台なるか。
5位のカレン、6位のソツコワさん、7位のアシュリーと、69点台に3人がひしめいている。個人的に心配なのがアシュリーで、ジャンプがいつもより低い気がする。となると、回転不足が取られやすく、得点が伸びなくなってしまうんだよねぇ。
8位はコストナーさん。ユーロのときに比べると、スピンが乱れ、ジャンプに隙がある印象だが、難度を上げた影響もあるんだろうなぁ。滑りと表現に関しては申し分なく、彼女のゴージャスなスケーティングを存分に堪能した。
9位のわかば様は、初出場のワールドで、上々のスタート。彼女は昨季まで、「元気いっぱいスピードびゅんびゅんのスケーティングとでっかいジャンプ」を強みとした選手だったと思うのだが、今季の変身ぶりを見るに、情念を表現するスケーターになるのではと期待が高まる。
12位の理華ちゃんと15位の三原さんは、ジャンプにミスはあったものの、素敵な演技だった。オリンピックの枠取りのプレッシャーがあるだろうけど、FSでは練習通りの演技を見せてもらえれば。それだけで十分よ。
最後に、本大会は、カメラワークが最悪である…。フィンランドはシンクロが盛んなせいか、遠くから撮りたがるんだよねぇ…。シンクロはそれが適してるんだろうけど、シングルとカップル競技であんなに小さく映されたら、良さが分かりづらくなっちゃうんだよーう(泣)。