ユーロ2011 女子

リザルトを眺めるだけで感動のあまり泣けてきたユーロ女子の放送を、よーうやく見ることができました。

ISU European Figure Skating Championships 2011(リザルト)

サラ・マイヤー

  • 総合1位(SP:3位,FS:2位)

ここ数年、怪我で苦しんできたマイヤーさんが、これが最後の試合と決めた地元開催のユーロで初優勝!!という、最高にハッピーな結末を迎えられたことに、深く感動しました。フィギュアスケートの神様って、ほんとにいるんだなぁ。

ショートもフリーも、演技前の姿から、マイヤーさんがかなりナーバスになっていることが伝わってきましたが、それでもリンクの真ん中に立ち、音楽が始まるのを待つときから、音楽が消えるまでの間、完全に自分をコントロールしていましたね。演じることに集中しきっていました。彼女の長年の鍛錬と経験あってのことだと思います。

ショートは、お洒落で小粋でかっこよく、かつかわいいという、マイヤーさんの魅力がいっぱい詰まったプログラムでした。これぞ大人の女性スケーター、レディスケーターの滑りという感じ。素敵なプログラムなので、アイスショーでも滑ってくれないかなぁ。日本のショーにも来てほしい。

フリーは、マイヤーさんのこれまでの人生そのものが凝縮されているような演技で、彼女の強さと美しさを存分に見せてもらいました。あーもー胸がいっぱいで、これ以上何も書けない。本当におめでとう!!そしてありがとう!!

カロリーナ・コストナー

  • 総合2位(SP:6位,FS:1位)

実力は凄いけど不安定で、どちらかというとスロースターターなコストナーさんが、GPファイナルで、ショートもフリーもクリーンな演技を披露したとき、嬉しさ半分、「こ、これから大丈夫なのか…」という(余計なお世話的)心配半分といった心境だったので、ユーロのショートで久々に2コケやらかしたときは、「ああやっぱり…」という感じでした(泣)。でも、いくらジャンプでコケようと、他で十分魅せられるのが彼女の凄いところ。ステップやつなぎでは、ああ素敵〜と、うっとり。以前と比べると、スピンもすごく上達したなぁと思います。

コストナーさんは、膝の怪我の影響で、今季ずっとプログラムにルッツとフリップを入れてなかったのに、今大会のフリーでフリップに挑んだことに感動しました。着氷は乱れてしまったけど、ショートで出遅れてしまった中、それでも勇気を持って挑戦したその気概が、本当に素晴らしいなーと思います。

わたしは、今季、このフリープログラムで、コストナーさんの凄さを改めて思い知らされたんですよねー。世界トップレベルのスピードで滑っているのに、何故あのゆったり感が醸し出せるのかと。それができるからこそ、「牧神の午後」の世界をあれほど豊かに表現できるのだと思います。彼女と同じ、あるいはもっと早いスピードで滑れる選手は他にもいるでしょうが(真央ちゃんとかヨナちゃんとか)、あのゆったり感を体現できるのは、彼女だけではないでしょうか。見れば見るほどコストナーさんの偉大さにひれ伏したくなる傑作プロです。以前から彼女のファンでしたが、このプログラムで骨の髄まで彼女の信者になりました(笑)。

キーラ・コルピ

  • 総合3位(SP:1位,FS:4位)

ショートは、まるで夢のように素晴らしかったです。全てのエレメンツが上質で、プログラムの流れもまったくよどみなく、最初から最後までうっとり見入ってしまいました。演技の最後に、何とも言えない素敵な振付が入るのですが、そこで星のきらめきというか魔法の光みたいなのが見えた気がしましたよ。こんな素晴らしい演技が見られて眼福の極みです。コルピさん、ありがとう!!
フリーは……ショート1位で緊張しちゃったんですかねぇ(ため息)。残念ながら、彼女の力を出し切れずに終わってしまいました。フリーのほうも、彼女のハマりプロだと思うので、東京ワールドではぜひクリーンな演技を披露し、コルピ信者をさらに増やしてください!

クセニア・マカロワ

  • 総合4位(SP:2位,FS:5位)

マカロワさんは、昨季はまだちょっとジュニアっぽいところも残してましたが、今季は体つきもしっかりして、すっかりシニアスケーターの仲間入りを果たしましたね。ショートは曲想に合った、きびきびした動きで、生き生きと踊っている姿が印象的でした。自信を持って滑ってるのが伝わってきます。

フリーは、コルピさんと同じ「エビータ」。2人ともブロンドのゴージャス美女で、それぞれにお似合いプロですが、2人ともユーロでクリーンな演技をすることができず。でも、残念無念そうなコルピさんと違って、マカロワさんはわりとすっきりした顔をしているのが印象的でした。ジャンプでいくつかミスが出たけど、作品としての完成度は、GPシリーズのときより、格段に上がってきていると思うので、本人も手ごたえを感じているのかも。

◆アレーナ・レオノワ

  • 総合5位(SP:13位,FS:3位)

ショートとフリーは、まるで別人が滑っているかのようでした(笑)。ショートはなんだか元気がないし、キレも悪いしで、「怪我なの?病気なの?」と心配になりましたが、フリーは動きがキレッキレ、ノッリノリに魔女を演じて、ほぼパーフェクトというできばえ。…ほんと、何だったんだあのショートでの不調っぷりは…。彼女は、好不調の波が激しいので、見守る側に強い精神力が求められますな(苦笑)。東京ワールドでは良いレオノワさんが見られますように。

◆ヴィクトリア・ヘルゲソン

  • 総合6位(SP:4位,FS:7位)

ヘルゲソン姉さんは、個性的な妹、ヨシさんとは違い、典型的な正統派スケーターという印象で、これまではわりと印象が薄く、どちらかというと、妹のヨシさんのほうに注目してたんです(オモシロ好きなので…)。が、今回のユーロでの演技を見て、かなり見る目が変わりました。正統派なのは変わらないんですけど、格段にうまくなった気がします。昨季のワールドや今季のGPシリーズでの演技も見てきましたが、「え、こんなにうまいスケーターだったっけ?」と目を見張りました。持ち前の、しっかりした基礎の上に、プラスアルファが出てきたというか。特にショートは素敵で、ところどころ胸ときめかされましたよ。これが一過性のものなのか持続性のものなのか、東京ワールドでも、引き続き注目していこうと思います。

イーラ・ファヌト

  • 総合7位(SP:10位,FS:6位)

「ベルギー女子で、初めてジュニアGPの表彰台に乗った選手」だそうです。ベルギー期待の星ですね。わたしも、リザルトチェックしていた時から、「ベルギーの選手で、一ケタの順位に入る子が出てきたのかー。演技見るの楽しみだなー」と注目してました。そしたら予想以上に将来有望そうな子で、ウハウハ喜んでます(笑)。

プロトコルを見ると、5種類のトリプルが跳べるみたいだし、スピンやステップもほぼきっちりレベルとれてるし(まぁ今のジュニア世代はみんなそうだけど)、スケーティングも悪くない。表現は淡白な感じだけど、そのへんはこれからどんどん伸びていくところだし。まだ体つきが子どもなので、大人に成長するにつれ、ジャンプがどうなっていくかが心配っちゃ心配ですが、それはなるようにしかなりませんしね。次は世界ジュニアに出場予定だそうなので、頑張ってほしいです。昨季は22位だったけど、今季は大きくジャンプアップするんだろうな〜。楽しみ〜。

他は箇条書きで。

  • フリーを見ていて、最初に「うわなにこの子ステキ☆」と目を釘付けにされたのが、フィンランドユーリア・トゥルッキラさん。ドンキホーテのバレエなプログラムを一所懸命演じている姿が好印象だった。上半身の動きがガクガクしているので、そこが改善されれば、全体の印象がもっとよくなると思う。彼女も世界ジュニアに出場予定なので頑張ってほしい。
  • 次に「キャッ素敵☆」となったのが、エストニアのガルリ・リーナマエさん。今回なぜかユーロ常連のグレボワさんがお休みだったのだが(怪我かなー。心配…)、エストニアには他にも素敵な選手がいるんだなということが分かったのは収穫だった。今のジュニア世代はみんなそつなくスピンがうまいけど、彼女は、その中においてもとりわけ上手だと思う。彼女も世界ジュニアに出場予定。今季のジュニア女子は、おそろしあ〜が席巻してるけど(笑)、「ヨーロッパには、ロシアの他にも強い選手がいるのよ」ってとこを見せられるといいな。