四大陸2011 男子

今年の四大陸は、たいそうありがたいことに、男女シングルは、Jスポで全選手ライブ放送されました。来年はどうなるんですかね〜。全米とユーロ同様、四大陸も毎年ライブ放送してくれると嬉しいのですが。

男子は、さいわいなことに、ショートもフリーもライブ放送で見ることができました。
今大会では4回転ジャンプをクリーンに着氷できた(GOEでプラス評価が出た)のが、ゆづくんだけなんですよねー。男子シングルの魅力は、けしてクワドだけではありませんが、ユーロでは、ショートからクリーンなクワドがバンバン見られたことを考えると、やっぱちょっとさみしい感じがします。挑戦する選手は何人もいたんですけどねー。来季の四大陸ではクワドに成功する姿がたくさん見られるといいなぁ。
では、特に印象に残った選手について、上の順位から書いていこうと思います。

ISU Four Continents Figure Skating Championships(リザルト)

高橋大輔

  • 総合1位(SP:1位,FS:1位)

3年ぶりの四大陸優勝おめでとう〜!
ショートは、TESもPCSもトップ、観客からの歓声もトップ(笑)。滑ってるほうも気持ちよかったそうですが、見てるほうも気持ちよかったです。今季最高のSPでした。
唯一の気がかりといえば、ステップ直前のCCSpがレベル2だったことでしょうか。今季のルール変更で、男子はSPのスピンでレベル4をとるのが大変で、みなさん四苦八苦してますよねー。はてさて、大輔くんは、ここのスピンをどうするんでしょう。注目です。
フリーでは、「今パーフェクトだとワールドが心配になるから、多少ミスがあって、かつ他を圧倒する演技で優勝してほしいなー」という、わたしの都合よすぎる望みが叶えられました(笑)。いろいろ手直しされて、だいぶ滑りやすそうになったようなので、あとはワールドまで滑り込むだけですね。頑張ってー!

羽生結弦

  • 総合2位(SP:3位,FS:3位)

シニアデビューシーズンで、初のシニアのチャンピオンシップで、ショート3位になるだけでも凄いですが、フリーでも4Tをクリーンに着氷、自分の演技をやりきって総合2位って…凄すぎ。本当にハートの強い選手だと思います。
今からもう、来季のプログラムが楽しみでなりません。本人はジャズに興味あるとか。ゆづくんとジャズ、いいんじゃないでしょうか。奈々美先生、ぜひご一考を。

ジェレミー・アボット

  • 総合3位(SP:2位,FS:4位)

ショートもフリーも素敵でした。素敵だったんですけども…わたしにとって、NHK杯を超える演技ではなかったことにガックリきました。勝手な話ですけど、アボちゃんが東京ワールドに出場できないため、この四大陸で、今季最高の演技を見たいと渇望していたもので…。
アボちゃん、ちょっと元気なかったなー。やっぱ、全米4位のショックから立ち直れてないのかなー。

小塚崇彦

  • 総合4位(SP:6位,FS:2位)

今季、抜群の安定感を誇っていたショートで、3つのジャンプ全てにミス、連続ジャンプも入らず…となれば、「キャーー!!うそーー!!」と青ざめてもおかしくなかったのですが、正直、そろそろやらかすんじゃないかと思ってたので、ヘコみつつも落ち着いて受け入れることができました(爆)。彼は、わたしの期待が高まると、たいていポカするんですよ…(昨季で言えばNHK杯のフリーとかワールドのフリーとか)。や、もちろん、やるときはやる人でもあるんですけどね…(バンクーバー五輪とか)。
フリーはちゃんと気持ちを切り替えて、ドラマティックな演技を見せてくれました。4Tの転倒以外にも、いろいろミスはあったのですが、それでもTESで、1人だけ80点台をたたき出すあたり、さすがTES職人です(笑)。でも、ファンとしては、「PCSももそっと出たっていーじゃんかよー。エリックの大盤振る舞いは何だったんだよー」と思わないでもなかったのですが、選手本人は「高いPCSが出て良かった」と満足しているよう。…ファンが、欲張りすぎってことでしょうか(汗)。

アダム・リッポン

  • 総合5位(SP:4位,FS:5位)

安定感が強みのアダムが、不安定でした。彼のキーとなる3Aが、ショートとフリーを通して一度もクリーンに入らない姿を、久々に見た気がします。…ワールドに出られないショックを引きずってるのかなぁ。それとも、何か壁にぶつかってるのだろうか。

◆ジンリン・グァン

  • 総合6位(SP:9位,FS:6位)

中国の中堅クラスの選手って、「淡々と滑る」タイプが多いんですが、グァンくんは、けっこうドラマティックな音楽表現を見せてくれるんですよね。流れの中でキレイなジャンプを跳ぶし、スピンもなかなか上手だし、お気に入りの選手です。今大会では、フリーの4T転倒以外は、ほぼ全てのエレメンツをクリーンに滑りきり、中国勢トップに立ちました。…ワールドには誰が出場するのかな?国内選手権ではウーくんが優勝してるそうなので、彼かグァンくんのどちらかが選ばれるんじゃないかと思うんですが…。
彼の課題は、3Aが跳べないこととスケートがイマイチ伸びないことでしょうか。
今季いきなり4Tに挑戦してきたときは、ビックリしたなー。残念ながらまだクリーンに降りたところは見たことないんですけども…今回も転倒してしまいました。でも、試合で挑戦しないことには成功もありえないし、ナイストライだと思います。…にしても、3Aより先に4Tに挑戦するってことは、そんだけ3Aの確率がよくないってことなのかなー。3Aも4Tも入らないとなると、どうしても得点が伸び悩むことになりますが、グァンくんは、少しでも得点を稼ぐためにコンボは全部後半に跳ぶとかして、頑張ってるんですよね。そういうところも好感度大。応援したくなります。
スケートが伸びないってことは、わたしの素人目にはさほど気にならなかったんですけど、解説の樋口先生がそうおっしゃっていたので、そうなんでしょう。やっぱスケートは滑ってナンボなので、スケーティングが良くないと、PCSも伸びないんですよねー。そちらのほうも頑張ってほしいです。

アーミン・マーバヌーザデー

  • 総合7位(SP:5位,FS:9位)

フリーではジャンプのミスが相次いでしまい、順位を下げてしまいましたが、ショートは、今季見た中で、一番良かったと思います。キラキラしてました。SBが出るに違いないと思ってたんですけど、3Aがダウンローテをとられていたために、SBに届かず。惜しかったー!すごく素敵だったのにー!
今季、スケーターとして格段にレベルアップしていて驚かされましたが、来季もまたまたビックリさせてほしいです。
…ところで、「アーミンくん、憧れの真央ちゃんと少しはお近づきになれたのかしら」と気になっていたのですが、彼のツイッターに、彼女とのツーショット写真がアップされてたところを見ると、抜かりなく接近したようですね。でかした!(笑)

ケヴィン・レイノルズ

  • 総合11位(SP:8位,FS:11位)

ジャンプが本格的に絶不調のもよう(泣)。怪我してるんだろうか…。
わたしが生まれて初めて生観戦した競技会が、2008年のNHK杯だったんですが、レイノルズくんは、確かそれに出場してたんですよね。ジュニア時代から2種類のクワドを跳ぶというので、以前から名前は知ってたんですけど、PCSが低いことでも有名だったので(苦笑)、ジャンプだけの選手なのかなと思ってたんです。でも実際に演技を見たら、すごく魅力的なスケーターで、それからずっと応援してきました。
2008〜09シーズンは、解説の佐野さんにも本田さんにも「クワド跳べてもこれじゃーねー」的扱いだったのが、昨季から今季にかけて「うまくなった」と褒められるようになり、ほくほく喜んでたら…カナダの国内選手権でまさかの4位で東京ワールドには出場できず(泣)。このことは、アボちゃんがワールドに出場できないのと同じくらい、わたしを意気消沈させました。今季、カナダ男子は3枠もあるし、レイノルズくんは絶対来てくれるに違いないと思ってたもので…。勝負の世界って、ほんと何が起こるか分かりませんね。だからこそ面白いんだけど…やるせない…(泣)。

◆ミーシャ・ジー

  • 総合12位(SP:13位,FS:12位)

ショートのときから「あら素敵☆」と目を付けていたのですが、フリーで完全にオトされました(笑)。
フリーの中盤までは、ゆっくり滑ってジャンプ〜スピン〜ジャンプ〜という感じで、「もそっとスピードがあればいいんだけどなー」なんて思いながら、ぼや〜っと見てたんですけど、最後のジャンプが終わった後、サーキュラーステップが始まったあたりで、いきなりギアが入ったように感じました。はっきりいって、ステップが始まる前と後では別人です。全然動きが違うんですよ。あまりの切り替わりっぷりにすぐにはついていけず、「あれれ〜?」とか「ほえええ〜〜??」とか思ってるうちにサーキュラーステップは終わっちゃうんですが、その後スピンを挟んでコリオステップが始まります。これがねー、さらに凄かった。ほんと凄かった。激しい音楽に乗って、キレッキレに踊る踊る。コリオステップの最後に赤いスカーフの先をホルダー(みたいなの)から引き出すっていう演出も素敵だし、コリオステップが最後の要素っていう構成もニクい。わたし同様、ジャッジのハートも直撃☆だったようで(笑)、コリオステップでGOE+2が出てます。なんとこれは、大輔くんの次に高い評価!(アボちゃんや小塚くんより高い)
今のところ3Aも4Tも跳べないので上位に入るのは難しいですが、まだ20歳だし、これからの成長がすごーく楽しみです。