全米2015 女子FS

女子フリーは、現地で23日(土)、日本では24日(日)に行われた。
全米2016 リザルト
ショートから1日開けてフリーを滑ることについて、中庭さんは、「疲れが取れてリフレッシュできるので、自分はそのほうが好きだった」とのこと。
ショートで全員の感想を書いて力尽きたので(苦笑)、フリーは、特に印象に残った選手だけ、滑走順に書いていきます。

●第3グループ
6分間練習中、千鶴さんが教えてくれたところによると、ハナ・ミラーは、父親と祖父がアイスホッケー選手(父親はオリンピック出場)、祖母がフィギュアスケートをやっていたというスケート一家に育ったらしい。

11 Courtney Hicks コートニー・ヒックス

  • SP順位:11,得点:54.93
  • 使用曲:エリザベス ゴールデンエイジ

ジャンプやステップで転倒があったけど、以降は持ち直して、どんどん盛り上がっていった。途中から立て直せたところはさすが。ぎゅるるって音がしそうなパワフルなジャンプが魅力的。
フリーで113.11、合計168.04。

12 Karen Chen カレン・チェン

勢いよく最後まで駆け抜けていった。スピードがありすぎて、自分でまだコントロールしきれず、ジャンプにミスが出てしまうのかもなー。
ジャンプの高さ、幅はすごいし、スピンも上手だし、足を高くあげてのスパイラルも素晴らしかったのだが、コンボを4つ跳び、しかも2Tを3回跳んでしまった・・・。ぐっわー、なんてこと!
フリーで113.89、合計168.75。

14 Bradie Tennell ブレイディ・テネル

  • SP順位:7,得点58.26
  • 使用曲:Tango in Ebony

ジャンプでところどころ危なっかしい着氷もあったけど、大きなミスはなかったし、他のエレメンツも質が良かったと思う。中庭さんもほめていた。ただ、曲がタンゴなので、もそっとタンゴらしさが出せると、さらに素敵なプログラムになるのではなかろうか。
千鶴さんによると、彼女の目標はトップ6。それは果たせるのではないか。お母さんが日本人と聞いてビックリ。えー、そうは見えない。
フリーで123.07、合計181.33。

15 Hannah Miller ハナ・ミラー

  • SP順位:9,得点:57.86
  • 使用曲:プッチーニ・セレクション

ジャンプに小さなミスはあったけど、曲想の変化をきちんと演じ分けていて、全体的にとてもよかった。軽やかなステップが素敵☆ GPシリーズから、見違えるように進化していた。
フリーで116.56、トータルで174.42。

●第4グループ

6分間練習中、実況陣が未来ちゃんの靴について触れる。ショートの演技中に右の靴が裂けてしまったらしい。よく最後まで滑り切ったよー。えらいよー。予備の靴は用意してるらしいけど、大丈夫かな〜?
ポリーナの縦巻きロールしゃらんらな髪型、 「風と共に去りぬ」っぽくて素敵! でも、衣装がわたし的にイマイチでな〜。リボンマークいらないよ〜。愛らしさを出すためなら、髪のリボンと、袖&スカートのフリフリヒラヒラで十分だって〜。

17 Mariah Bell マライア・ベル

ボディームーブメントがうっっつくしい〜〜〜。でもこの曲、好きじゃないんだよなー。大好きなベルさんの滑りなのに、ショートほど楽しめなかった。
まぁそんな個人の嗜好はさておき、一番の問題は、2Tを4回跳んでしまったこと。連続ジャンプが2つも0点に・・・つ、つらい(泣)。
フリーで101.18、合計160.03。

18 Ashley Wagner アシュリー・ワグナー

最後のルッツがーー!! シングルになってしまったーーあああーーー(ムンクの叫び)。
でも他は非の打ちどころのない出来ばえ。わたしはファイナルのときのほうがよかったように思うけど、それでも十分素晴らしかった。アシュリー・オン・ステージ。
フリーで135.47、合計197.88。

19 Mirai Nagasu 長洲未来

彼女が全米チャンピオンになったのは、この会場らしい。縁起の良い場所なのね。
ステップで場内で手拍子が始まる。今大会、初めての手拍子じゃない? だよねー。このステップには、手拍子せずにはいれないよね。
本来はもっとシャープな滑りができると思うので、その部分に関してはまだ完全に戻ってきてないように感じるが、ジャンプは今季で一番よかったんじゃなかろうか。後でプロトコルを見たら、3Fでエッジエラーをとられてたけど、回転は大丈夫だった。ジャンプの調子、上がってきたみたい! よかった〜。
フリーで129.20、合計188.84。

20 Tyler Pierce タイラー・ピアス

  • SP順位:3,得点:62.45
  • 使用曲:死の舞踏

3Fの転倒はあったけど、他のジャンプは高さがあって良かった。
ステップシークエンスは、力強い音楽にふさわしく、生き生きと体を大きく動かせていて、素敵だった。
スケートの前は、器械体操をやっていたらしい。おお、コートニーと同じだ。器械体操をやってると、ジャンプが高くなるのかなぁ。
フリーで126.05、トータルで188.50。未来ちゃんが、ピアスさんを僅差でかわしてトップのまま。

21 Polina Edmunds ポリーナ・エドマンズ

ショートに続いてオールクリーンな演技。すげー。場内スタオベ。
前半のつなぎに、愛らしい女の子っぽい振りがいくつも入っているのだが、正直わたしは、「風と共に去りぬ」のヒロインを女王様キャラだと思ってたので、少々違和感を覚えた(笑)。
ま、それはさておき、中盤に苦悩するシーンがあり、最後はそこを乗り越えるという展開のようだ。そういうドラマが見てとれたということは、それだけ彼女の演技が進化したからなんだろうな。GPシリーズのときはそこまで伝わってこなかったもの。
千鶴さんによると、このフリー・プログラムは、世間知らずの主人公が戦争を経験して短期間で大人に成長するという物語らしい。あ、わたしの解釈で合ってたんだ。よかった。
フリーで137.32、合計207.51。200点超えキター!!

22 Gracie Gold グレイシー・ゴールド

  • SP順位2位,得点:62.50
  • 使用曲:火の鳥

オールクリーン!!!! 感極まってるグレイシー。場内スタオベ&大喝采
最後のお辞儀でも、火の鳥風にしてたんだな。腕を翼みたいに小刻みに動かすの、かわいい☆ これ、GPでもしてた?
リンク外で彼女を迎えたキャロルコーチが「アメイジング!!」ってくり返してるよー。ほんと、アメイジングだったよー。
硬質な、人ならぬものの感じがよく出ていた。近寄りがたく、生命力に満ちあふれた火の鳥。フリーで147.96、合計210.46。画面に燦然と輝くCURRENTLY: 1st
8点差をひっくり返して優勝!!! うわー、アンビリーバボー!! 信じられない大逆転!!!
中庭さんが言うように、「歴史的な逆転勝利」であった。

全米女子の最終順位は下記のとおり。ここでは11位まで。全員の順位と得点は、icenetworkのリザルトにてどうぞ。
順位、名前、SP順位、SP得点、FS順位、FS得点、総得点の順に書かれています。

  1. グレイシー・ゴールド 2 62.50 1 147.96 210.46
  2. ポリーナ・エドマンズ 1 70.19 2 137.32 207.51
  3. アシュリー・ワグナー 4 62.41 3 135.47 197.88
  4. 長洲未来 5 59.64 4 129.20 188.84
  5. タイラー・ピアス 3 62.45 5 126.05 188.50
  6. ブレイディ・テネル 7 58.26 6 123.07 181.33
  7. ハナ・ミラー 9 57.86 7 116.56 174.42
  8. カレン・チェン 12 54.86 8 113.89 168.75
  9. コートニー・ヒックス 11 54.93 9 113.11 168.04
  10. アンジェラ・ワン 10 55.23 10 107.94 163.17
  11. マライア・ベル 6 58.85 11 101.18 160.03

いやー、正直、ポリーナの得点が出たときは、彼女が勝ったと思ったよ。グレイシーの底力を分かってなかった。すいません。本当に素晴らしい演技を見せてもらいました。そして、最後の最後まで諦めず全力を尽くすことの尊さを教えてもらいました。ありがとう、グレイシー
ポリーナさんは、ショートもフリーもノーミスですごく良い演技をしたのに、優勝できなくて、くっっやしいだろうなーー。うん、でも、優勝するのは時間の問題って気がする。成長期のジャンプ問題も乗り越えられた印象を受けるし。年々、右肩上がりで成長中なので、これからどんなスケーターに進化を遂げるのか楽しみですな。あと、フリーの衣装のリボンマークは取ったほうがいい。
アシュリーは、フリーのほうはノープロブレム。昨季からの持ち越しだけど、丹念に磨き上げられてた結果、極上の芸術品に。心配なのは、ショート。GPシリーズから、ジャンプのミスが続いているのが気になる。でもこのプログラムは、彼女にしか滑れない、特別なプログラムなので、諦めずにモノにしてほしい。前のプログラムに変えないでね。
未来ちゃんは、靴のトラブルにも負けず、ベストを尽くした。表彰台で微笑む彼女が見られて幸せ〜☆ ワールド派遣は無理だろうけど、せめて四大陸には出場できないだろうか。彼女のスケートがもっと見たい。
ピアスさんとテネルさんは、世界ジュニアに派遣されるのだろうか。年齢的にはOKよね? テネルさんは、昨季全米ジュニアで優勝したのに派遣してもらえなかったから、今季は派遣してもらえるといいな。
女子フリーは、ショートとはうって変わり、後半グループに良い演技が続いて幸せだった。うん、やっぱりこうでなくっちゃ。