ユーロ2016 男子SP
2016年のヨーロッパ選手権は、スロバキアのブラチスラバ、オンドレイ・ネペラ・アリーナにて開催された。
男子シングルのショート・プログラムは、現地時間で1月27日(水)に行われた。
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女子のライブ放送が深夜0時まで、男子はそのあとすぐ、1時25分から7時までって、フィギュアスケートファンには過酷なスケジュールだ。無理してできないわけじゃないスケジュールなところが余計に過酷(苦笑)。
わたしは、女子ショートで力尽きたので、録画で見ることにした。
さてさて、ハビの4連覇は決まり、と思うけど、2位と3位はどうなるかな〜。初のメダリストは生まれるのか。そして今大会限りで引退を決めているアモディオがどんな演技を見せてくれるのか。
特に印象に残った選手について、滑走順に書いていきます。
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実況は小林千鶴さん、解説は岡部由起子さん。
●第2グループ
6分間練習の間、千鶴さんが岡部さんに「フィギュアスケートの魅力とは?」と質問。
岡部さん「スポーツとアートが融合している、まれなスポーツ。スポーツという部分でのすごさがないといけない。さらにアーティストとしての個性がないと勝ち抜いていけない。そして切っても切れないのが音楽との関係。音楽があって、選手の個性があって、どういうふうにそれを表現していくのか。それが他のスポーツにはない、最大の魅力だと思う」
7 パトリック・ミュージック(ポーランド)
- 楽曲:Come Toghther, Black Betty
カナダ生まれのカナダ育ちの25歳。練習拠点もカナダ。両親がポーランド人。2年連続出場で、昨年は20位。フランスの元選手、ポンセロくんに似ている。
ジャンプにミスが出てしまったのだが、わたし、彼のボディームーブメントが好きなんだよなー。ビートの効いた音楽をかっこよく表現していた。フリー進めるといいなー。
千鶴さんによると、彼は国内選手権で2位で、1位はウクライナから移ってきた21歳の選手だとか。TES24.61、合計49.26でSB。
8 アルメン・アガイアン(ジョージア)
- 楽曲:Assa Party
初出場の19歳。ジュニアと掛け持ちで、ジュニアGPで2戦とも16位。
ジャンプはまだこれからという印象を受けたが、スピンがうまい。ポジションや軸を取ることが速やかにできていて、岡部さんもほめていた。
ジュニアっぽいけど、アラビアンナイト的なエキゾチックな音楽を、トゥを細かく使ってなかなか素敵に表現していた。
岡部さんいわく、「選曲に成功している。伸びのあるスケーティングではないので、短い音のくり返しの曲を選んだのはよかった」。TES25.60、49.32でSB。
●オープニングセレモニー
製氷時間を使って、オープニングセレモニーの映像が流れたのだが、照明をすごく上手に使って、場内がとてもきれいににライトアップされていた。すごく凝ってる〜〜。ユーロ名物のびっみょ〜〜な着ぐるみも出てきた!!(笑)もう少し、何かをどうかすれば、かわいくなると思うのだが。
●第3グループ
6分間練習中に、千鶴さんが教えてくれたところによると、オープニングセレモニーに出てきた、微妙な着ぐるみは大会マスコットらしいよ!!ジムカちゃんという名前で、「冬からきた女の子」という意味だそう。
今大会は、150人のボランティアが参加していて、10か国の人から構成している。開会式にはスロバキアの大統領が登場したらしい。スロバキアの人たちがこの大会を心待ちにして、盛り上げようとしているのが伝わってくる。
実況陣が、場内の雰囲気がとても良いことに、くり返し触れている。確かに、下位の選手にも大きな拍手や手拍子を送っていて、温かい雰囲気のようだ。
今回、35人の選手がエントリーしているが、そのうち16人が初出場、14人が10代の選手。8人の選手が4回転を入れる予定で、そのうち、2種類の4回転を入れる予定の選手が3人いる(ハビとコフトゥンとサモヒン)。
実況陣も言ってたけど、今のところまだクリーンなプログラムがないんだよねー。クリーンな演技、見たいなぁ!
12 パウル・フェンツ(ドイツ)
- 楽曲:バルセロナ1999によせて
4年ぶり2度目の出場の23歳。前回は17位。
3A、きれいに降りたーー!!クリーンな演技きたーー!!
闘牛士を思わせる衣装と振付で、ところどころ力強い動きを見せており、岡部さんも「ジャンプのランディング姿勢が美しい」とほめていた。
千鶴さんによると、彼は国内選手権で2位。ここのところ3位が続いていて、ユーロに出られなかったみたい。
TES37.80、合計67.97でSB。TESが34点超えてるから、ワールドのミニマムスコア、クリアしてるよ!でもドイツはワールド1枠なんだって〜。
13 ステファン・ウォーカー(スイス)
- 楽曲:Wicked Game
国内選手権で3度目の優勝を果たした25歳。
ジャンプで転倒や回転不足があったけど、体を大きく使って、スタイリッシュなボーカル曲をよく表現していたと思う。スイスの伝統を引き継ぎ、スピンが上手〜。
岡部さん「個性的なプログラムでよかった。魅力的なステップシークエンス。この選手、雰囲気が変わって、個性が出てきた。スピンもよくなった」
練習拠点はイタリア。イタリア人のコーチに変えたらしい。
TES27.80、合計57.23。
- 楽曲:トッカータとフーガのモダンアレンジ
初出場の17歳。国内選手権2位。
力強くキビキビと動けていた。まだジュニアっぽいけど、なかなか将来有望そう。チェコも、途切れず良い選手が出てくるなぁ。
ジュニアと掛け持ちで、ジュニアのGPで18位と11位。
コーチがトマシュ!!お元気そうで何よりです!!
TES31.98、合計60.53でSB。
15 フェリペ・モントヤ(スペイン)
- 楽曲:ドン・キホーテ
初出場の25歳。国内選手権2位。
体全体をよく使っていて、魅力的な滑りだった。スペインにハビやラヤ以外にも、こんな素敵な選手がいたとは。
ジャンプも見た目ノーミスだった(3Fに!が付いたけど回転は大丈夫)。
岡部さんもたくさんほめていた。「バレエを見ているかのような体の動きで、非常に洗練されており、全体のパフォーマンスとして良かった。姿勢が良くて、スピン一つ一つのポジションも美しかった。一番よかったのはステップシークエンス。とても曲に合っていて、ドン・キホーテの雰囲気が出ていた」。
TES35.30、合計67.73でTESも34点超え。「スペインはワールド3枠あるから行けるよ」と喜ぶ実況陣。スピンも全てレベル4だって!
17 ニコラス・ブルドリャク(クロアチア)
- 楽曲:レ・ミゼラブル
初出場の19歳。アメリカ生まれのアメリカ育ちで、2年前は全米ジュニア5位だった。
元アメリカの選手らしく、全てのエレメンツをきちっとこなしていたし、大きなミスもなかったのだが、「全体的になんか美しくないというか……フリーレッグがよくないのかな?…うーん、何て言えばいいのか」と思っていたら、そのへんのことも含めて、わたしがぼんやり感じていたことを、岡部さんがしっかり言語化してくれた。さすがです。ありがたいです。
「姿勢が気になる。つま先や指先にもう少し神経が行き届けば、洗練された動きになっていくと思う。淡々とエレメンツをこなしているのだが、そういうところが美しくなっていかないと、点数が伸びていかない。少し動きが中途半端に見えてしまう。ステップシークエンスでは、つま先が伸びていないし、フリーレッグの伸びるべきところが伸びていない。ジャンプのランディングのときの指先とかつま先とかが伸びていないと、せっかく降りていても美しく見えず、もったいない」。
TESで32.23、合計59.02。
●第4グループ
千鶴さんが、「いよいよ4回転を入れる予定の選手が出てくる」と言えば、岡部さんも、「ほぼ全員の選手が3Aに挑んでくる」と。
各選手の紹介で、岡部さんが「ヨリクの雰囲気が変わった」と言及。うん、確かに変わった。大人っぽくなった。千鶴さんによると、「昨季は膝の手術をしたために、ほとんど試合に出られなかった。今季は国内選手権に出場したが、彼しか参加選手がいなかった。それから、国際大会のNRWトロフィーで優勝している」。
18 イワン・パブロフ(ウクライナ)
- 楽曲:Pardon
初出場の17歳。ジュニアと掛け持ち。ジュニアGPで8位と3位。
岡部さんも言ってたけど、最後までスピードが落ちず、動きが滞ることもなく、勢いよく滑っていた。
岡部さんいわく、「いろんなものが荒削りだけど、それが洗練されていくと、魅力的な選手になっていくのではないか」。
世界ジュニアに3年連続出場していて、初出場は20位、その次は15位、昨年は16位。今年はもっと上位が狙えそう。
TES37.10、合計68.78でSB。TESも34点超え。
19 フィリップ・ハリス(イギリス)
- 楽曲:Le Desir
2年連続出場の26歳。昨年は総合15位。国内選手権で2連覇を達成。
しっとりしたピアノ曲を素敵に表現していた。ハリスくんの新しい一面を見ることができてうれしい。
3つのジャンプ、全ての着氷がお手付きになってしまったのが惜しいなー。
TESが32.61、合計63.93。
21 フランツ・シュトロイベル(ドイツ)
- 楽曲:Samba Pa Ti, Oye Como Va, Soul Sacrifice
24歳のクワド・ジャンパー。3年連続3度目の出場。国内選手権で2連覇を達成。
3Aはちょっと着氷で乱れたけどOK。次の4Tで転倒。でも回転は大丈夫じゃないかと思ったけど、後で確認したら、回転不足の判定。3Lo+3Tのコンボはちゃんと入った。うん、ミスを引きずらないことがだいじ!
ステップでは音楽に合わせてよく動けていたと思うが、岡部さんは、「違う曲調のほうが、彼には合うんじゃないか」と話していた。
TESで37.67、合計68.11でSB。
22 ソンドレ・オドヴォル・ボー(ノルウェー)
- 楽曲:踊るリッツの夜
3年連続出場の18歳。ジュニアと掛け持ち。昨年は22位。練習拠点はドイツ。
軽快な音楽を表現しようと一所懸命がんばっていたと思うのだが、動きがちょっともっさりしていた。もそっとキレがあると、断然素敵なプログラムになるのだが。
キスクラにフースコーチが。わ〜い☆ やっぱユーロにはフースコーチがいてくれないと!
TESが29.28、合計59.12でSB。
23 ヨリク・ヘンドリックス(ベルギー)
- 楽曲:You Raise Me Up
5度目の出場の23歳。「久しぶりにヨリクの演技が見られる〜☆ うれしい☆☆」と、ワクワクしながら演技が始まるのを待っていた……ら。
ヨリク、めっっっっちゃうまくなってた。「何これ、どうした?」と真顔で問いただしたくなるくらい。びっっっくり。これまでの選手とは別格の滑りで、場内スタオベ。
岡部さんも言ってたけど、あっという間に終わってしまった。シャープでなめらかでシームレスな動きで、曲想をみごとに表現していた。一年見ない間に、すっかり大人のスケーターになって!!かっこよかったよ〜〜!!感動した。
TESが43.41、合計79.13でSB!!もう少しで80点だよ!!現時点で第1位!!
●第5グループ
千鶴さんが、演技終了後のヨリクのコメントを紹介してくれた。
「ナーバスにはならなかった。落ち着いて、これ以上は考えられないくらい良い滑りができた。今季は安定した滑りができてきたけど、ジャンプに少し問題を抱えてきた。でも、今大会では本当に良い演技ができて、満足している。振付とジャンプがうまく溶け合うように、振付師と何度も入念に調整を重ねた。ジャンプの前の空白の準備時間がなるべく短くなるように、ジャンプとジャンプの間にも表現を盛り込めるように、練習を積んできた。表現力たっぷりに演技しながら、冷静にスピンの数やジャンプのタイミングは計算できるように練習してきた。」
練習の成果が十二分に出たんだね!素晴らしかったよ〜〜。
続いて、引退後の活動に関する、アモディオのコメントについて。「若手の育成や振付に興味がある。それからラジオ局を作りたい。ラジオでDJをするプロジェクトも考えている」。おお〜、DJに興味あるんだ〜。興味あることにどんどんチャレンジして、人生を謳歌してほしいな。
24 マッテオ・リッツォ(イタリア)
- 楽曲:マラゲーニャ
初出場の17歳。お父さんがアイスダンスをやっていたらしい。
ぐわー、こんなにうまい選手がいたとは!!知らなかったーー!!
全てのエレメンツの質がよかったし、3A込みのジャンプ構成をきっちりこなしていた。あとは岡部さんも言ってたけど、もう少し盛り上がるところがあると、プログラム全体が締まって、見ごたえのあるものになるのではないだろうか。
TES40.87、合計74.91でSB。得点を見るなり歓声を上げる選手とコーチ。回転不足なし、全てがレベル4。すげー。
25 ミハイル・コリヤダ(ロシア)
- 楽曲:Nightingale Tango, John Gray
初出場の20歳。2013年の世界ジュニアで6位。昨季GPロシア大会でデビューする予定だったが、怪我のために棄権。今季GPデビューを果たした。国内選手権2位。
3Aでステップアウトでお手付き。4Tで転倒。でも3Lz+3Tはクリーンに降りた。
コミカルな振付を生き生きと演じ、動きもキレがあって良かった。でも選手本人は残念そう。
TES41.29、合計77.58。
26 フロラン・アモディオ(フランス)
- 楽曲:Happy
元ヨーロッパ・チャンピオンの25歳。
4Sがトリプルになり、3Lz+3Tの着氷がステップアウトしてしまったんだけど、シャープな動きで、ステップは、始まる前に蝶ネクタイを外し、さあ始まるよというジェスチャーからキレッキレのボディームーブメントとフットワークで場内を魅了。ヒューヒュー歓声が上がっていた。
キスクラでアモディオとモロゾフコーチがニコニコ一緒にいるだけで幸せな気持ちになるなぁ。モロゾフさんたらもう感極まって涙ぐんでるみたい。仲直りできてよかったね。
TES40.07、合計78.28でSB。
27 アレクサンドル・マヨロフ(スウェーデン)
- 楽曲:タンゴ・アモーレ
6度目の出場の24歳。昨季は右ひざに怪我があり、手術をしたため、国内選手権は欠場したが、地元開催のユーロは出場し、11位だった。
4回転はなかったけど、ジャンプはほぼクリーンに降りたし、動きにキレがあって良かった。タンゴらしさを出せたんじゃないかなぁ。選手本人も満足している様子。
この曲を聴くと、どうしてもプルさんのぬめぬめした演技(笑)を思い出してしまうのだが、マイオロフくんのタンゴ・アモーレもなかなか素敵だった。
千鶴さんによると、「昨年6月に、コーチもやってるお父さんが白血病に侵され、骨髄移植のドナーを務めるためにしばらく練習できず、国内選手権にも出場できなかった」とのこと。お父さんの病気のことはわたしも知ってて、ユーロも出られないんじゃないかと思ってたから、こうして演技が見られて嬉しいよー。頑張ったね!お父さんはキスクラにはいないんだけど、病気のほうはどうなのかなー。快方に向かっているといいのだが。
TES40.63、合計76.34でSB。
28 イヴァン・リギーニ(イタリア)
- 楽曲:誰も寝てはならぬ(と画面には出ていたが、変えたらしく、実際は You raise me up で滑っていた)
2度目の出場の24歳。昨年は8位。元ロシアの選手。国内選手権3連覇を達成。
ジャンプが全てクリーンに入った!!しかも3Fと3Lzで両手上げてる!!ぐわー、彼のこんなに良い演技を見るの初めて!!選手本人もめっちゃ大きくガッツポーズ!!
今季、疲労骨折の怪我があったらしい。GPで精彩を欠いてたのはそういうわけか。
TES43.83、合計82.23でSB!!80点台キターー!!大喜びのリギーニさんと、隣で穏やかにほほ笑むフースコーチ☆
29 デニス・ヴァシリエフス(ラトビア)
- 楽曲:踊るリッツの夜
初出場の16歳。今大会最年少。ジュニアとの掛け持ち。世界ジュニアは2度出場していて、初出場は8位、昨年は7位。
デニスくん、背が伸びた、というより足が伸びたという感じ。顔ちっちゃくて頭身が長い。
3Aと3Lz+3Tは何とか頑張って降りたんだけど、3Fで転倒。でも、楽しく軽快な曲想をよく表現していた。岡部さんも言ってたけど、見ていてウキウキさせられるような演技。特にステップシークエンスはこのプログラムの白眉。そこでも転倒しちゃったけど、すぐに起き上がって、音楽に遅れずに動けていたのはさすが。岡部さんは、特に彼のスピンをほめていたが、彼のシットポジションには独自性があり、回転もめっちゃ速くて、場内からも歓声が起こっていた。
TES34.53、合計68.32。
●第6グループ
千鶴さんが、6分間練習中、各選手の紹介をしてくれたんだけど、今季、ハビは国内選手権6度目の優勝を果たして、そのときショートに2種類の4回転を入れ、成功させたらしい。あと、サモヒンとコフトゥンも同じく、ショートで2種類の4回転に挑む予定だそう。難しいことに挑戦するのはスポーツだから当然だけど、怪我には重々気をつけて。
千鶴さんが、「ペトロフは、ショートもフリーも4回転なしの構成だが、国内選手権では両方ノーミスで滑って3位になった」と話し、岡部さんが、ノーミスで滑ることの重要性について語る。そう、ミスなく質の高い演技というのもまた大事なんだよね。
- 楽曲:The Way You Look Tonight
9度目の出場の25歳。2013年の銅メダリスト。4位が3回、ワールドの4位は2回…そんなに〜!?
4Sで転倒。でも他のジャンプはクリーンに降りたし、ぐいんぐい〜んとよく滑っていた。
岡部さん、このプログラム好きなんだな〜。始まる前から「おしゃれなプログラム」とくり返し、演技が終わった後は、「軽やかで見ていてウキウキするようなステップシークエンス。この曲調に合った素敵なプログラムを滑りこなしている」とのこと。
わたしもこのプログラムが好きだ。だからクリーンな演技みたいんだよ、ミハル〜。頼むよ。
TES45.11、合計84.30でSB。現時点で1位。
31 アレクサンドル・ペトロフ(ロシア)
- 楽曲:La Leyenda del Beso
初出場の16歳。世界ジュニアでは6位と4位。今季から完全にシニアに移行。国内選手権3位。
4回転なしの構成だけど、ジャンプで失敗しそうにない安定感がすごい。エレメンツの質もいいし、音楽に合った動きもできてるし、ミーシンコーチの戦略が大当たりですな。ただ、わたしは男子の割にジャンプに高さがないのがちょっと気になった。まぁでも、これから筋力がつけば、自然と改善されていくのかも。
岡部さんいわく、「個性がほしい。淡々と滑っていて、違う曲でもそれなりに合ってしまうかなというプログラムだった」。まぁまだ16歳だしねー、個性はこれから伸ばしていければ。
TES39.70、合計76.95でSB。現時点で6位。
32 ハビエル・フェルナンデス(スペイン)
- 楽曲:マラゲーニャ
ユーロ3連覇中の24歳。
キャ〜〜ステキ〜〜!!!これぞ本場のフラメンコ!!!というかっこよさであった。
4T+3Tでステップアウトや4Sの着氷のちょっとした乱れ、スピンでちょいトラベリングもあったけど、そんなのもうどうでもいいよね、という素晴らしい出来栄え。
TES55.96、合計102.54でSB!!おお〜、ハビ初めての100点超えだよ!!おめでとう!!現時点で当然1位。
33 アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル)
- 楽曲:All Alone
昨年4位の27歳。今季GPは12位と10位で良い成績を残せなかった。
GPで、あんまりジャンプの調子が良くなさそうだから、心配していたのだが、やはりヨーロッパの選手はみんな、この大会に合わせてくるんだなぁ。ビチェンコさんも、動きのキレがシーズン前半とは別人のよう。ジャンプも全てクリーンに降りたし、哀愁を帯びた音楽を、情感を込めて、素敵に表現していた。これまでとは違うタイプの曲で、彼の新しい一面を見せてくれた。
岡部さんが言うには、やはりエッジが浅いらしい。少しずつ少しずつ良くなってきているそうだけど。
TES45.59、合計84.09。彼は初めての80点台で、現時点で3位。おお〜、ミハルが僅差で2位なんだな〜。
34 ダニエル・サモヒン(イスラエル)
- 楽曲:Still Loving You
2年連続出場の17歳。初出場の昨年は10位。ジュニアとの掛け持ち。ジュニアのGPで2位と2位でファイナルに出場し、5位だった。
4T+3Tはクリーン!4Sは何とかお手付きなしで降りたんだけど、岡部さんいわく、直前のステップが足りない。3Aで転倒。
音楽表現のほうは荒削りだけど、体を目いっぱい使って元気に動かせているところは好印象を受けた。岡部さんによると、夏の大会で、ステップで転倒したことを「残念だったわね」と言ったら、「夏だからまだ準備できてないから仕方ないんだよ。まだまだこれからだから」という答えが返ってきたそうで。ポジティブ・シンキングなんだね(笑)。
TES46.77、合計82.73でSB。現時点で4位。ビチェンコさんとほとんど差がない。イスラエルはワールドの枠が1つしかないので、厳しい戦いですな。
35 マキシム・コフトゥン(ロシア)
- 楽曲:I Can't Dance
昨年の銀メダリストの20歳。4年連続4度目の出場。国内選手権3連覇を達成。
4S+3Tと4Tはクリーンに降りたんだけど3Aで転倒……。ぐわー、またか!!
実況陣にも言われてるけど、なかなかクリーンな演技ができないんだよなぁ。
演技の途中で、「動きにキレがあるし、長い手足を大きく使って演技してるなぁ」と思って見ていたのだが、そのとき岡部さんが、「体はよく動いているんだけど、感情がもう一つ入ってない気がする」なんて言うもんだから、思わず吹き出してしまった。岡部さんたら、またそういう身も蓋もないことを…(苦笑)。岡部さんが言うには、「感情の表出が今一つ。こちらに伝わってくるものが薄い」とのこと。それって、世界トップの選手に対してめっちゃ手痛い評価ではなかろうか…(汗)。や、確かにその通りだなと、わたしも思うけども。
TES48.88、合計88.09でSB。SP第2位。
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男子ショートが終わって、順位は下記のとおり。
左から順位、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されている。フリー進出は24位まで。
- Javier FERNANDEZ ESP 102.54 55.96 46.58
- Maxim KOVTUN RUS 88.09 48.88 40.21
- Michal BREZINA CZE 84.30 45.11 40.19
- Alexei BYCHENKO ISR 84.09 45.59 38.50
- Daniel SAMOHIN ISR 82.73 46.77 36.96
- Ivan RIGHINI ITA 82.23 43.83 38.40
- Jorik HENDRICKX BEL 79.13 43.41 35.72
- Florent AMODIO FRA 78.28 40.07 38.21
- Mikhail KOLYADA RUS 77.58 41.29 37.29
- Alexander PETROV RUS 76.95 39.70 37.25
- Alexander MAJOROV SWE 76.34 40.63 35.71
- Matteo RIZZO ITA 74.91 40.87 34.04
- Ivan PAVLOV UKR 68.78 37.10 31.68
- Deniss VASILJEVS LAT 68.32 34.53 35.79
- Franz STREUBEL GER 68.11 37.67 31.44
- Paul FENTZ GER 67.97 37.80 30.17
- Felipe MONTOYA ESP 67.73 35.30 32.43
- Phillip HARRIS GBR 63.93 32.61 31.32
- Jiri BELOHRADSKY CZE 60.53 31.98 28.55
- Sondre ODDVOLL BOE NOR 59.12 29.28 29.84
- Nicholas VRDOLJAK CRO 59.02 32.23 26.79
- Stephane WALKER SUI 57.23 27.80 30.43
- David KRANJEC SLO 56.99 30.71 27.28
- Mario-Rafael IONIAN AUT 54.16 27.13 27.03
- Thomas KENNES NED 53.86 27.63 26.23
- Valtter VIRTANEN FIN 52.07 26.36 26.71
- Alexei MIALIONKHIN BLR 50.98 26.52 24.46
- Daniil ZURAV EST 50.50 26.18 24.32
- Armen AGAIAN GEO 49.32 25.60 24.72
- Patrick MYZYK POL 49.26 24.61 25.65
- Slavik HAYRAPETYAN ARM 46.71 20.50 27.21
- Larry LOUPOLOVER AZE 44.46 22.54 22.92
- Alexander MASZLJANKO HUN 44.26 21.15 23.11
- Michael NEUMAN SVK 42.03 20.46 21.57
- Engin Ali ARTAN TUR 40.60 20.15 21.45
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事前の予想通り、ハビがぶっちぎりでトップ。2位がコフトゥン、3位がミハルというのも、想定範囲内なんだけど、ビチェンコ、サモヒンはともかく、リギーニが3位のミハルと僅差で最終グループ入りというのは、かなり予想外だった。6位のリギーニとミハルの点差は2点ちょいぐらいしかないし、第3グループも僅差にひしめいていて、7位のヨリクと12位のリッツォの点差は5点もないのだ。2位と3位の差も4点もないし、フリーの演技次第で、どうなるかわかりませんな。
まぁ優勝はハビでしょう。彼ったら、ショートが終わった後のコメントで、「フリーは、200点を超えるために難度を上げた」なんて言ってるらしい。うーん、ハニュウ効果ですな(笑)。
1位以外の順位は全く予想がつかない。コフトゥンはPCSも高評価だし、4回転の調子も良さそうだし、表彰台は大丈夫かなと思うんだけど、波がある選手だからな〜。ミハルはPCSはコフトゥンとそう変わらない高評価を受けてるんだけど、彼の場合、コフトゥン以上にジャンプの安定感が……心配だし。
ビチェンコとサモヒンが調子よさげなので、コフトゥンかミハルが大きく崩れることがあれば、初のイスラエル選手の表彰台、ありえるかもしれないなー。でも、ロシアのコリヤダとペトロフの逆襲も大いにありえるし。ああ分からない分からない。
ショートの演技で特に心動かされたのは、ハビとヨリク。ハビは予想してたけど、ヨリクは予想をはるかに超えた素晴らしい演技で、嬉しい驚きだった。
嬉しい驚きと言えば、12位のリッツォと16位のフェンツ、17位のモントヤも、初めて見る選手だったが、とても素敵な演技でビックリした。フリーも楽しみだ。
フリーでは、選手のみんなが練習してきたことを全部発揮できますように。