ユーロ2016 女子FS

リザルト
2016年のヨーロッパ選手権は、スロバキアブラチスラバ、オンドレイ・ネペラ・アリーナにて開催された。
女子シングルのフリー・スケーティングは、現地で1月29日(金)、日本で30日(土)に行われた。
全米からユーロにかけて、フィギュアスケートの演技を見て、ブログを書いて…をくり返して疲れてしまい、女子フリーの感想をアップするのが遅くなってしまった。

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実況は小林千鶴さん、解説は岡部由起子さん。
第2グループの6分間練習のときに、ジョージアゲデバニシビリ選手の話題が出た。岡部さんによると、ユーロ常連のゲデさんは、背中を痛め、数か月間練習できない状態が続いていて、今大会は欠場したとのこと。ゲデさんは、長く頑張っている選手なので、いつ引退してもおかしくないのだが、願わくば、サラさんみたいに、アモちゃんみたいに、自分の力を出し切って、場内に祝福されて、有終の美を飾れるといいなと、心から思う。

●第3グループ
13 ニコル・ライチョヴァー(スロバキア

ジャンプに抜けやステップアウトが出てしまったが、滑りは伸びがあって、とてもよかった。音楽を優雅にやわらかく表現できていたと思う。
「2Tが3つになってしまった」と、岡部さんの指摘で気づく。あ〜〜そういやそうだった〜〜。
地元開催のユーロで、めっちゃウェルカムな応援の中、演技できてよかったね。
フリー88.86、合計146.10。

14 イヴェット・トース(ハンガリー

  • SP順位:10,得点:55.54
  • 使用曲:Beyond, Esperanza, Spanish Tango

前半ジャンプの抜けが続いたが、途中から立て直し、ジャンプをクリーンに降りていったのでほっとした。
最後のスピンで両足ついちゃったー。あちゃー。
曲調の変化に合わせて体を動かせていてよかった。将来が楽しみな選手だ。
フリー95.11、合計150.65。

15 マエ・ベレニス・メイテ(フランス)

今季は怪我のせいで準備が遅れたらしい。それでGPSは、イマイチ本調子じゃなかったんだな。
転倒や回転不足の他、ランディングが詰まった感じのジャンプが多かったが、ドラマティックな音楽を力強く表現していた。選手本人は満足そう。
フリー103.88、合計161.23。

16 ジャーダ・ルッソ(イタリア)

  • SP順位:12,得点53.52
  • 使用曲:レッド・バイオリン

ジャンプでかなりミスが出てしまったのだが、緩急のある個性的な音楽を、最初から最後までよく表現していた。ステップシークエンスのかっこよさときたら!!
演技が終わった後、岡部さんの「作品として、なかなか個性的で…わたし好きです」というコメントが全てであった。はい、わたしも好きです!!
ショートもいいな〜と思ってたけど、フリーの演技ですっかりファンになってしまったわ〜〜。まだ18歳なんだよね。先がめっちゃ楽しみ〜〜☆☆
岡部さんも、「レッド・バイオリンはバイオリンの音だけで奏でられていて、表現がとても難しい曲なのだが、それを表現していた。完成形が見たい。本当に魅力的な選手」と、すごくほめていた。
フリー52.97、合計143.40。

17 ナタリー・ヴァインツィアール(ドイツ)

  • SP順位:7,得点:57.36
  • 使用曲:タイスの瞑想曲

岡部さんも言ってたけど、元気で力強いイメージだったので、タイスを滑ると聞いて、意外に思った。きっと、新しいチャレンジだったんだろうな。
ジャンプでいくつかミスが出てしまったものの、優雅でしっとりした音楽を素敵に表現していたと思うのだが、岡部さんには物足りなかったみたい。うん、まぁそれも分かる。タイスはコストナーさんとか真央ちゃんレベルの人じゃないと、なかなか表現しきれない曲だもんな。
フリー103.28、合計160.64。

現時点で総合1位のマエちゃんが、グリーンルームにいるのだが、画面に映るたびに観客サービスしてくれて、場内が盛り上がる。

18 ヴィヴェカ・リンドフォースフィンランド

  • SP順位:11,得点:53.92
  • 使用曲:「エビータ」より アルゼンチンよ、泣かないで

ジャンプがステップアウトしたりダブルになったりしたが、ショートのときより音楽をよく表現できていたように感じた。
岡部さんいわく、「今は要素をこなすのに精いっぱいな感じだが、姿勢がキレイになって、一つ一つの動きがもっとクリアーになると、もっと印象が変わってくると思う」。
フリー101.57、合計155.49

●第4グループ
19 エレーナ・ラジオノワ(ロシア)

ジャンプでひやっとするような着氷が多少見られたが、なぜか転倒する気がしなかった。そして実際ほぼクリーンな出来栄え!!!強い。そして美しい。
最初と最後に主人公カップルのセリフが入っているのだが、これくらいなら邪魔にならないかなー。でも、別に入ってなくてもいいんじゃないかという気も。あえてセリフを入れた意味を考えてみたのだが、映画の物語を意識してもらいたいってことなのかなぁ。たぶん映画の最後、冷たい海の中で、死を目前にしたジャックとローズの会話が入ってるんだよね。
フリー139.03、合計209.99。現時点で総合1位。

20 エフゲニア・メドヴェージェワ(ロシア)

  • SP順位:1,得点:72.55
  • 使用曲:ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋

最後のジャンプ2Aで転倒はあったが、ジャンプの質の高さがとんでもなかった。もちろんスピンやステップなど、他のエレメンツも非常に質がいいんだけど、特にジャンプのそれは際立っていた。結弦くんみたい。すげー。
フリー142.90、合計215.45。現時点で総合1位。メドさん、めっちゃ喜んでる。おめでとう〜〜。

21 ヨシ・ヘルゲソン(スウェーデン

  • SP順位:6,得点:58.13
  • 使用曲:Las Bandidas

ジャンプで2度転倒した他に、回転不足が続いてしまった。うーん。
岡部さんいわく、「エレメンツに集中したかったのか、トランジションが物足りなかった。いつもより動きが重かった」。体調が悪かったのかもしれないなー。
フリー95.16、合計153.29。現時点で6位。

22 アンナ・ポゴリラヤ(ロシア)

  • SP順位:3,得点:63.81
  • 使用曲:シェヘラザード

演技の前、ポゴさんがコーチに肩もみされてる。リラックスリラックス〜〜。
3Lzと3Loで痛そうな転倒。でも、降りたジャンプはめっちゃ流れがあって、良いジャンプだったと思う。ジャンプが決まるたびに「よし!」と思いながら見ていた。後でプロトコルを見たら、フリップでeマークがついていた。
ステップではちょっとバランスを崩したが、ボディームーブメントの美しさにうっとりするわ〜〜。
千鶴さんによると、ポゴさんは、昨年より身長が7㎝伸びて現在167cm。大人っぽいから忘れがちだけど、彼女もまだ17歳、成長期なんだよね〜。ジャンプの調整、大変だよね。
ショートもフリーも、衣装が個性的かつ美しくて素晴らしい〜。これぞ美貌の正しい活用法である。
キスクラでポゴさん笑顔だ〜〜。実況陣もよかったよかった言ってる。
フリー123.24、合計187.05。現時点で総合3位。よしよし。
グリーンルームからマエちゃんがニコニコ退室。楽しませてくれてありがとう。ラジオノワさんが元気なくて心配。

23 ロベルタ・ロデギエーロ(イタリア)

  • SP順位:4,得点:61.01
  • 使用曲:エビータ

ジャンプにちょこちょこミスは出たが、大きな失敗はなかったし、自分の演技はできたのではないかだろうか。でも選手本人は残念そう。3Lz+3T、成功させたかったんだろうな〜。セカンドジャンプが2Tになってしまった。
フリー109.75、合計170.76でPB。現時点で4位。

24 アンジェリーナ・クチヴァルスカ(ラトビア

後でプロトコルを見たら、3Fと3Tがアンダーローテをとられていたが、見た目はノーミスの演技で、動きにキレがあり、音楽をよく表現していた。場内スタオベ。
選手本人のお気に入りのプログラムらしいし、わたしも振付は好きだが、ロクサーヌのタンゴ(ムーラン・ルージュ)→ロミジュリ→ロクサーヌ〜って、曲のつなぎ方が謎である。ムーラン・ルージュにもロミジュリにも、いろんな音楽があるんだから、どちらか一つかにまとめたっていいんじゃないですかね。何でこの組み合わせなんだ。
フリー118.00、合計176.99でSB。総合第4位。

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女子シングルの結果は下記のとおり。ここでは24位まで。
総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Evgenia MEDVEDEVA RUS 215.45 1 1
  2. Elena RADIONOVA RUS 209.99 2 2
  3. Anna POGORILAYA RUS 187.05 3 3
  4. Angelina KUCHVALSKA LAT 176.99 5 4
  5. Roberta RODEGHIERO ITA 170.76 4 5
  6. Mae Berenice MEITE FRA 161.23 8 6
  7. Nathalie WEINZIERL GER 160.64 7 7
  8. Viveca LINDFORS FIN 155.49 11 8
  9. Joshi HELGESSON SWE 153.29 6 11
  10. Laurine LECAVELIER FRA 152.34 13 9
  11. Ivett TOTH HUN 150.65 10 12
  12. Nicole RAJICOVA SVK 146.10 9 18
  13. Matilda ALGOTSSON SWE 145.32 18 10
  14. Giada RUSSO ITA 143.40 12 16
  15. Anastasia GALUSTYAN ARM 143.05 16 13
  16. Aleksandra GOLOVKINA LTU 139.83 15 15
  17. Anne Line GJERSEM NOR 139.48 14 17
  18. Fleur MAXWELL LUX 137.76 22 14
  19. Helery HÄLVIN EST 135.02 20 19
  20. Niki WORIES NED 131.87 21 20
  21. Anna KHNYCHENKOVA UKR 128.80 19 22
  22. Kerstin FRANK AUT 128.08 24 21
  23. Eliska BREZINOVA CZE 121.26 17 23
  24. Isabelle OLSSON SWE 117.50 23 24
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●表彰式
メドさんが喜びにあふれている。よかったね〜。おめでとう!!
ラジオノワさんが、演技のときは付けてなかった、大きな青いペンダントをしている!実況陣が「映画を意識してるんだろう」と指摘。
ポゴさんはメドさんと特に仲良しみたいで、表彰台に上がる前に祝福しあう場面で、おたがい振付のポーズをとって、超いい笑顔でハグしてた。
岡部さんが、ポゴさんが明るいことに触れてうれしそう。キスクラの様子も気にかけてたもんなー。「諦めない心を、もっともっと強い心をもってほしい」という励ましの言葉が。

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●総評
メドさんのフリーのインタープリテーションに10点を付けたジャッジがいたのだが、岡部さんは、「10点は、パーフェクトな演技に出すべき。特にインタープリテーションは、音とどういう関係かなので、転んでしまって10点はどうか」と物申していた。ま、このへんはジャッジによって、意見が分かれるところなんでしょう。
事前の予想通り、ロシアが2年連続表彰台を独占。来季は他の国の選手も表彰台に乗れるといいなー。