ユーロ2016 ペア

2016年のヨーロッパ選手権は、スロバキアブラチスラバ、オンドレイ・ネペラ・アリーナにて開催された。
ペアのSPは、現地で1月29日(金)、FSは30日(土)に行われた。
総合順位の上から、特に印象に残った組から感想を書いていきます。
Jスポーツの実況は小林千鶴さん、解説は岡部由起子さん。
リザルト

1位 Tatiana VOLOSOZHAR / Maxim TRANKOV(ロシア)

  • SP:1位,FS:1位
  • 使用曲(SP:ボリウッド・セレクション,FS:映画「ドラキュラ」より)

新婚ラブラブのタチアナ&トランコフ。
SPは、ボリウッドの音楽に乗って踊りまくる、とっても楽しいプログラム。当たり前のようにノーミスの演技だったが、やはり怪我明けなので、まだトップフォームではないなという印象を受けた。や、でも十分うまいんだけども。
FSでは、ソロジャンプでステップアウトしたくらいで、他はクリーンな出来栄え。岡部さんは、「とても重い曲なのだが、それに負けない迫力のある演技だった」とほめていた。
ワールドではまた一段とギアを上げてくると思うので、楽しみだわー。

2位 Aliona SAVCHENKO / Bruno MASSOT(ドイツ)

今大会、演技を見るのをもっとも楽しみにしていた組、サフチェンコ&マソット。
サフチェンコは、ロビンと組んでた時、めっちゃ大好きなペアだったので、新しいパートナーとはどんな感じなんだろうと興味津々だったのだが、わたしの期待にバッチリ応えてくれた。
トリプルツイストの高さにビビる。四回転もできそう。
FSでは、リフトで2つノーバリューになるというミスをしてしまい、マソットさんはヘコみまくっていたが、サフチェンコさんは笑顔で慰めていたのでパートナーシップも良さそう。
SPもFSもオシャレで個性的なプログラムで嬉しいし、生き生きと滑るサフチェンコさんが見られて幸せいっぱいだ。ワールドではさらに磨き上げたプログラムを見せてほしい。

3位 Evgenia TARASOVA / Vladimir MOROZOV(ロシア)

  • SP:3位,FS:2位
  • 使用曲(SP:ロード・オブ・ザ・ダンス,FS:ショパンの音楽セレクション)

タラソワ&モロゾフは、昨季までは、エレメンツの質は高いしうまいんだけど、イマイチ印象が残らないんだよなーと思っていたが、今季は少し独自のカラーが出てきたように感じた。
SPは、ステップで音楽をよく表現していて素敵だった。これが全体でも出せるようになると、プログラム全体の印象がぐっと上がるんじゃないかなぁ。
FSは、ショパンピアノ曲3つを、オーケストラの編曲じゃなくて、原曲をそのまま使っていた。フィギュアスケートで、ピアノだけの音楽を使うのは珍しいので驚いたが、ナイスチャレンジだったと思う。ただ、3曲を十分に演じ分けられてたかなーというと、まだ少し物足りないかも。特に3曲目の革命のエチュードは激しい曲想なので、ぐわわわっと盛り上げてほしいのだが、ちょっとおとなしめだった。

4位 Vanessa JAMES / Morgan CIPRES(フランス)

今季、NHK杯の演技を見て、「すっげーうまくなってる!!」と衝撃を受けたジェイムズ&シプレ。ジェイムズさんは、お顔も美しいし、超ナイスバディだし、いつ見ても惚れ惚れするなぁ。
SPは、デススパイラルで痛恨のミス。ノーバリューになってしまったーーーあああーーー(泣)。他はクリーンな出来栄えだっただけにもったいなさすぎる!!!NHK杯も確かスピンが0点になっちゃったんだよなぁ。この二人にぴったりのクールでオシャレなプログラムなので、ワールドではノーミス演技を期待してます!!
FSでは、ソロジャンプで3T+3T、スロージャンプで4Sという大技に挑戦してきた。ミスしてしまったけれど、ナイスチャレンジだと思う。
ソロスピンはぴったり合ってたし、リフトのスムーズさもアップしてるし、ほんと、ペアとして一段レベルが上がったなー。嬉しい〜〜。

5位 Valentina MARCHEI / Ondrej HOTAREK(イタリア)

  • SP:8位,FS:4位
  • 使用曲(SP:モリール・デ・アモール,FS:追憶,ステイン・アライブ,ディスコ・インフェルノ

昨季、組んで1年目とは思えない完成度の高さで、わたしを驚かせたマルケイ&ホタレク。今季は2年目になり、ユニゾンもアップして、ペアらしさが増してきた。
SPでは、スロージャンプの転倒はあったものの、静けさとドラマティックさを併せ持つ曲をみごとに表現していた。
FSも演技自体は素晴らしかったのだが、曲のチョイスがあまりにも奇抜すぎて拒絶反応が。だって「追憶」と「サタデー・ナイト・フィーバー」だよ!?「追憶」の切なさマックスな主題歌とディスコ・ミュージックなんて!!全然合わないよ!!よりによってこの組み合わせにしなくたって!!
…とまぁ、演技以外の部分が気になってしまったフリーだったが、岡部さんも言ってように、お手本になるようなコリオシークエンスで、最後の盛り上がりは素晴らしかった。マルケイさんたちも、めっちゃ喜んでた。
…にしても、後半のディスコ・ミュージックのキレキレっぷりからいって、前半の「追憶」は、いらないんじゃないかという思いが拭えない。選曲の理由を問い詰めたい。

6位 Nicole DELLA MONICA / Matteo GUARISE(イタリア)

  • SP:6位,FS:6位
  • 使用曲(SP:Magnificat,FS:Cosmic Journey)

毎年少しずつ上手になっているデラ・モニカ&グアリゼ。特にデラ・モニカさんは、バンクーバー五輪のころ、前のパートナーと組んでたときから見ているので、思い入れが強い。
岡部さんがSPの演技を見て、「今季、上手になった。特に男性のスケーティングがよくなって、体の動かし方や滑りが変わった」とほめていた。千鶴さんによると、2週間ほど、トランコフさんたちと一緒に練習する機会があって、モチベーションが上がったらしい。おお、さすが五輪チャンピオンから受ける影響というのは絶大ですな。

8位 Mari VARTMANN / Ruben BLOMMAERT(ドイツ)

  • SP:4位,FS:8位
  • 使用曲(SP:ストレンジャー・イン・パラダイス,FS:Somewhere)

今季新結成のマリ&ルーベン。男性は、ベルギー出身とのこと。
マリさんは、素敵なパートナーを見つけたね!組んで1年目とは思えないほど息が合っていた。岡部さんも言ってたけど、女性が安心して滑っているのが感じられて、見ている方も安心して見ていられる。これからの成長が楽しみだわー。
SPはクリーンな演技で、みごと最終グループ入りを果たしたのだが、FSでは、最後のリフトが上がらなくてノーバリュー(泣)。ここが決まるとプログラムの印象が全然違ってくるので、もったいなかった。次がんばれ〜〜。