四大陸2016 女子SP
四大陸2016 リザルト
2016年の四大陸選手権は、台湾の台北市(タイペイ・シティ)、台北アリーナにて2月18日(木)から21日(日)まで開催される。
女子シングルのショート・プログラムは、現地時間で2月18日(木)、日本でも同日に行われた。
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四大陸だーーー。でも、怪我や靴の調整など、様々な事情で欠場者が続出していて悲しい(泣)。
フジの地上波で生放送された選手+αの演技について書いていきます。
フジの実況は西岡孝洋アナ、解説は荒川静香さん。なんと、女子SPは、後半2グループが生放送!!近年、フジはフィギュアスケートをなるべくライブで放送しようという姿勢が見られて嬉しいわ〜。
楽曲名は、フジの選手紹介とISUのバイオグラフィーを参考に記しています。
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Jスポーツの解説は杉田秀男さん、実況は小林千鶴さん。この組み合わせ、久しぶりな気がする〜。
四大陸とワールドのミニマムスコアは下記の通り。
四大陸 SP20.00 FS36.00
ワールド SP27.00 FS47.00
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●第1グループ
5 エイミー・リン(台湾)
- 映画「スラムドッグ$ミリオネア」より
全米ジュニアで一昨年6位、去年5位の選手。元アメリカ所属の選手だけあって、うまい。印象的な振りを交えながら、オリエンタルな音楽をよく表現していた。それだけにジャンプがクリーンに着氷できなかったのが残念だった。
TES25.88,合計47.88。ワールドのミニマムには届かず。ま、でも世界ジュニアには出場予定なので、そこでの活躍を期待しよう。
●第2グループ
8 ケイラニ・クレイン(オーストラリア)
- 楽曲:Flamenco Fire
スピンが上手な選手。音楽の特徴をとらえ、フラメンコのリズム感を表していたと思う。連続ジャンプが入らなくて残念だった。
TES25.60、合計49.02。ワールドのミニマムには届かず。
9 ケイトリン・オズモンド(カナダ)
- 楽曲:ラ・ヴィ・アン・ローズ
今季、ナショナル3位。ワールドには出られないんだよねぇ(ため息)。
昨季、怪我でシーズン全休になってしまったオズモンドさん。今季、ジャンプの調子が戻ってきてないかなーというところはありつつも、スケーティングや音楽表現はさらに磨きがかかっていて、今大会でも演技を見るのを楽しみにしていた。
ジャンプでは3F+3Tの間にターンが入ってしまったり、2Aがシングルになって転倒してしまったりしたのだが、やはり魅力的な滑りを見せてくれた。
杉田先生から「好きな選手の一人」とのお言葉が!!
TES29.92、合計56.14。
10 キム・ナヒョン(韓国)
- 楽曲:Song of the Black Swan,Piano Trio in E minor, op. 90
3Lo+3Lo、クリーンに着氷!やっぱセカンド3Loはアガるわ〜。
ステップシークエンスやつなぎのボディームーブメントは、まだまだジュニアっぽいんだけど、ところどころ素敵だなぁと感じさせるものがある。
3Lo+3Lo、3F、2Aと、難しいジャンプ構成をクリーンに決めてたし、スピンは全てレベル4、ステップはレベル3と、レベルの取りこぼしもないし、なかなかの実力者だと思うのに、国内選手権11位だなんて、信じられない〜。平昌オリンピックに向けて、韓国の強化が着々と進んでおりますな。
TES34.60、合計58.40で自己ベスト更新!
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●第3グループ
11 ヴェロニク・マレー(カナダ)
- 楽曲:ショパンのワルツ第7番
今季のナショナルでは4位だったのだな。年々少しずつだけど着実に素敵なスケーターに成長している選手。
ピアノだけ使った音楽をフィギュアスケートで表現するのは難しいので、チャレンジする選手は少ないのだが、彼女はあえて挑んできた。ジャンプにミスがあったけど、一つ一つの音を丁寧に表現していると感じ、好印象をもった。
TES27.11、合計51.88。
12 ブルックリー・ハン(オーストラリア)
- 楽曲:映画「危険なプロット」より
「2Aの回転ギリギリかなー。でも他のジャンプはよかったんじゃない?」と思ったのだが、プロトコルを見たら、2Aの回転は大丈夫だったが、他の2つのジャンプがGOEで減点されていた。3F+2Tは、着氷でちょっとぐらついちゃったのがダメだったのかなー。3Loは、おそらく直前のステップが足りないという評価だったのではないかと思われる。
でも、スピンはいつもの素晴らしい出来ばえ。全てレベル4でGOEでも加点されている。
いわゆるフィギュアスケートの定番ではない曲で、自分の個性を生かした、素敵なプログラムだったと思う。わたしは好きだなぁ。
TES29.29、合計52.80でSB。
13 カレン・チェン(アメリカ)
- 楽曲:トゥーランドット
両親が台湾出身なので、今大会に出場できて喜んでいるのではなかろうか。
3Lz+2Tになったのはまぁよかったんだけど(加点がもらえる良いジャンプだった)、ループがシングルになったのが痛かった。
でもこのプログラム一番の見せどころ、スパイラルは本当に素晴らしい。ここで必ず場内から拍手と歓声が上がるもんなー。「やっぱ女子はスパイラルよね☆」と思わせてくれる。
スピンはいつも通り申し分のない出来栄えで、全てレベル4&GOE加点。特に最後のレイバックスピンは加点がモリモリついている。
TES26.69、合計53.55。
14 チェ・ダビン(韓国)
- 楽曲:ミュージカル「ヘアスプレー」より
国内選手権2位。
3Lz+3T、3F、2Aという難しいジャンプ構成(3Fと2Aは後半)をこともなげにノーミスで滑っていた。スピンも上手だと思ったのだが、なぜか足替えのコンビネーションスピンでGOEの減点をくらっていた。トラベリングもしてなかったし、ポジションや回転にも特に問題はなかったように思うのだが。何がいけなかったのだろう。誰か教えてほしい。
明るく元気な曲に合わせてのびのび演技できていたと思うのだが、最初から最後まで入っているボーカルがうるさく感じた。あるいはボーカルに彼女の演技が負けているのかも。
TES32.99、合計56.79。
15 パク・ソヨン(韓国)
- 楽曲:映画「黒いオルフェ」より
今季の国内選手権5位、昨季は優勝。
今季は、「大人のレディー・スケーターを目指します!」という意志を感じる選曲や振付、衣装で好感を持っている。
3Lz、3S+3T、2Aと、ジャンプは全てクリーンに着氷、スピンも全てレベル4をそろえてきた。GPSのときより、さらにスケーティングと音楽表現が、ぐっと深まってきたように思う。
TES35.48、合計62.49でSBかつ自己ベスト更新。高い得点が出た!選手本人も大喜び。
16 ジジュン・リ(中国)
- 楽曲:クレールドリュヌ(「月の光」のオーケストラ編曲)
また背が伸びたのではないか。バイオだと166㎝なんだけど。
千鶴さんによると、大会の前に風邪をひいてしまったらしい。
見た目ノーミスに見えたのだが、演技終了後の選手を見ると、あまり満足いってないもよう。ジャンプの回転が気になってたのかなー。プロトコルを見ると、確かに3T+3Tのセカンドジャンプがアンダーローテをとられていた。
でも、演技全体の流れがよどみなく、スピンは全てレベル4で、ステップも素敵だった。トップの女子選手はやはり、スピンは全部レベル4をとってくるなー。
TES32.15、合計60.04。
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●第4グループ●
17 本郷理華(日本)
- 楽曲:「キダム」よりIncantation
演技の後、選手本人も「慎重になりすぎた」と話していたが、全日本のときより勢いがなかったかなー。一つ一つ丁寧に演じていたし、姿勢も気にならなかったんだけど、あんまりグネグネしてなかった。このプログラムはダイナミックさや野性味が売りなので、あらっぽいくらいでちょうどいいのかもしれない。
全日本のときよりジャンプ構成の難易度を上げ、3Lzを入れてきた。直前のステップが全然ないように見えたので、「減点されるんじゃないか」と危惧したが、プロトコルを見ると、減点しているジャッジもいたが、加点しているジャッジもいて、合わせるとGOE+0.20だった。あと3F+3T<で、GOEで減点されているのが痛かった。2Aはよかったんだけどなぁ。
でも、スピンとステップで全てレベル4は素晴らしい。他の選手は、ステップでレベル4はなかなかとれてないからね。
TES34.81、合計64.27。
- 楽曲:エル・チョクロ
3Lzと3Fで転倒してしもうたーーー!!!連続ジャンプ入らず!!!(泣)
体調よくないのかなぁ。ジャンプ以外の部分も、なんだか元気がなかったように感じた。でも、西岡アナの話だと、調子はよかったらしい。だからこそ、よけいにガッカリしちゃったのかもしれない。お客さんへお辞儀をしている時でさえ笑顔がなかったもの。
TES27.52、合計57.26。
19 宮原知子(日本)
- 楽曲:ファイヤー・ダンス
連続ジャンプの高さがちょーっと低かったように感じたので、回転不足が心配だったけど大丈夫!スピンもステップも全てレベル4でGOEでも加点されている。…が、最後の足替えのコンビネーションスピンで-2をつけているジャッジがいる。なぜだ!?何度もくり返し見たけど、どうしても理由がわからない。他のジャッジは+1〜3をつけているし、わたしの目にも、すごく良いスピンにしか見えないのだが。
TES39.88、合計72.48で、SBかつ自己ベスト更新!!国際大会で初の70点超え!!
20 村上佳菜子(日本)
- 楽曲:ロクサーヌのタンゴ
ぶっちゃけ、今回出場する日本女子の中で一番心配していたのが彼女だったので、めっちゃハラハラしながら演技を見つめていた。
3Fたっか〜い。3T+3Tはセカンドの回転大丈夫?そしてドキドキの2A…こらえたーー!!!あとは、かなこパワー炸裂!!爆発!!という感じであった。
後でプロトコルを見ると、回転不足なし!2Aも減点なし!スピンも全てレベル4。惜しむらくはステップでレベル4とりたかったなー。加点はモリモリついてるんだけど、レベル3だった。
あと、クリーンな演技ができて嬉しかったのは分かるけど、笑顔は音楽が終わってから3秒間は我慢しよう!せっかくド迫力かつ凄みのあるプログラムなのに、最後のかなこスマイルで余韻も何もかも全部吹き飛んでしまったじゃないか(苦笑)。
結果が出てから改めて演技を見てみると、まさに"Her body can talk!!!"という滑りで、スケーター村上佳菜子の本領が存分に発揮されていた。わたしは彼女のこういう演技が見たかったのだ!!見られて本当に嬉しい。フリーでもどうかそういう滑りができますように。
TES36.51、合計68.51で、SBかつ自己ベスト更新。
なのに佳菜子ちゃんも美穂子コーチも得点が見えないみたいでなかなか気づかない。…こんなところもなんだか彼女らしいなぁ(笑)。
- 楽曲:Demons
3F+3T、流れのあるいいジャンプ!回転も大丈夫なはず!3Lo…こらえたー。ひやっとした。2Aは完璧!!
後でプロトコルを見ると、3Loでは減点されていたが、エッジエラーも回転不足もなし!ジャンプの調整がうまくいってるんだなー。よかったー。
もったいなかったのは、スピンのレベルの取りこぼし。スピンが得意な選手なだけに、全部レベル4がほしいところだったが、1つレベル3になってしまった。
のびやかなスケーティングで、音楽のやわらかいところと力強いところの違いをきちんと表現していた。音楽と調和した演技で、大人のレディスケーターの滑りだった。
TES35.05、合計66.06でSB。やったー!!苦労してた選手が良い演技をして良い得点が出るのを見られるのって、本当に幸せ。
22 アレーヌ・シャルトラン(カナダ)
- 楽曲:映画「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」より
カナダ・チャンピオンになったんだよね!おめでとう!
3Lz+3T、ファーストジャンプは高さがあったのだが、セカンドの前に手を付いてしまった。3Loはちょっと詰まった感じに。2AはOK。
後でプトロコルを見ると、3Tに<が刺さっていた。ジャンプで少しミスが出たが、スケーティングや音楽表現は素敵だった。ただ、スピンが1つレベル3になってしまったのがもったいなかったなー。
TES30.74、合計59.71。
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ショートが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されています。
- Satoko MIYAHARA JPN 72.48 39.88 32.60
- Kanako MURAKAMI JPN 68.51 36.51 32.00
- Mirai NAGASU USA 66.06 35.05 31.01
- Rika HONGO JPN 64.27 34.81 29.46
- So Youn PARK KOR 62.49 35.48 27.01
- Zijun LI CHN 60.04 32.15 27.89
- Alaine CHARTRAND CAN 59.71 30.74 28.97
- Na Hyun KIM KOR 58.40 34.60 23.80
- Gracie GOLD USA 57.26 27.52 31.74
- Da Bin CHOI KOR 56.79 32.99 23.80
- Kaetlyn OSMOND CAN 56.14 29.92 27.22
- Karen CHEN USA 53.55 26.69 27.86
- Ziquan ZHAO CHN 53.24 31.93 21.31
- Brooklee HAN AUS 52.80 29.29 23.51
- Veronik MALLET CAN 51.88 27.11 24.77
- Kailani CRAINE AUS 49.02 25.60 23.42
- Amy LIN TPE 47.88 25.88 22.00
- Lu ZHENG CHN 45.72 26.55 19.17
- Michaela DU TOIT RSA 45.18 25.40 19.78
- Maisy Hiu Ching MA HKG 42.06 21.52 20.54
- Thita LAMSAM THA 38.91 21.68 17.23
- Katie PASFIELD AUS 34.63 15.95 18.68
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演技終了後のインタビューで、佳菜子ちゃんの口から「来シーズンに向けての調整」という言葉が聞けて嬉しい。来季も続けるつもりでよかったー。
四大陸では毎年のことだが、女子シングルに限らず、アメリカ勢とカナダ勢は、国内選手権での消耗からまだ完全に回復できてないのかなーという印象を受ける。生き馬の目を抜くような厳しい戦いを勝ち抜いた後だから、一か月くらいじゃパワーチャージされないのかもしれない。かと言って、アメリカとカナダの国内選手権の日程を前倒しにするのも難しいんだろうしなぁ。
日本はクリスマス前あたりに国内選手権を行うけど、それはそれでファイナルから間がなくて、ファイナルに出場した選手は大変そうだし。なかなかうまくいきませんな。