四大陸2016 ペアFS

四大陸2016 リザルト
2016年の四大陸選手権は、台湾の台北市(タイペイ・シティ)、台北アリーナにて、2月16日(火)から21日(日)に開催された。
ペアのフリー・スケーティングは、現地時間で2月20日(土)、日本でも同日に行われた。

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Jスポーツの実況は赤平大アナ、解説は杉田秀男さん。四大陸は出場者が多くないので、全組放送される。
四大陸とワールドのミニマムスコアは、下記のとおり。
四大陸 SP20.00 FS36.00
ワールド SP25.00 FS43.00

●第1グループ
1 リョム・テオク/キム・ジュシク(北朝鮮

  • SP順位:8,得点:53.83
  • 楽曲:The Prince and the Sugarplum Fairy

大きなミスはなく、ペアの要素をきちんとこなしていたし、ユニゾンも合っていた。今できることをやり切った演技なのではなかろうか。
オリンピックにも自力で出場権を獲得できるだけの実力がある組だと思うので、これからコンスタントにISUの試合に出してもらえればいいのになー。
フリー103.41、合計157.24でSB。TES54.59だから、ワールドのミニマムスコア43.00を余裕でクリアー。ボストンのワールドに出場させてもらえないかなぁ。

2 須藤澄玲/フランシス・ブードロー・オデ(日本)

ミスが続いてしまった。2人の雰囲気にぴったりの、さわやかで切なくてロマンティックなプログラムなんだけど、彼らの良さを出し切れなかった感じ。残念。
フリー92.63、合計145.33でSB&自己ベスト更新。
TES43.85で、彼らは、もともとミニマムスコア持ってるけど、この大会でもミニマムスコア43.00をギリギリクリアー。

3 ヴァネッサ・グレニエ/マキシム・デシャン(カナダ)

こちらもミスが続いてしまった。この組の演技を見るのは初めてだが、本来の実力はこんなもんじゃない気がする。急に出場が決まって、調整が難しかったんだろうな〜。
杉田先生によると、「この組はリフトが課題」とのこと。
フリー98.75、合計148.82。

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●第2グループ
4 タラ・ケイン/ダニエル・オシェイアメリカ)

スロージャンプで転倒はあったけど、ショートのときより、彼ら本来の実力が出せたように感じる。このプログラムはつなぎにたくさん印象的なムーブメントが入っていて、本当に素敵だなぁと思う。
コーチのピーターソンさんが振付も行っている。彼はコーチとしても振付師としても優秀なんだな〜。
フリー122.30、合計182.02。

5 マリッサ・カステリ/マーヴィン・トランアメリカ)

  • SP順位:6,得点:61.34
  • 楽曲:Journey Medley

トリプルツイストのキャッチ後、男性が女性を押し倒すような形になってしまい、女性が転倒。ソロジャンプも両方でミス。何だかユニゾンがしっくりきてない印象を受けた。
杉田先生によると、「トランのほうがいまいち動きがよくなかった」。
フリー113.74、合計175.08でSB。フリーと総合で自己ベスト更新。

6 リュボーフィ・イリュシェチキナ/ディラン・モスコヴィッチ(カナダ)

女性がソロジャンプで2本ともミスしてしまった。それと、ソロスピンで女性のほうがスピンに入る前にバランスを崩し、回転もちょっとずれてたため、減点されていた。
でも、オーケストラの壮大で美しい調べに寄り添うように滑っていて素敵だった。組んでまだ2シーズン目とは思えないほど、良い雰囲気を醸し出せるようになっているので、これからが本当に楽しみだ。
フリー117.70でSB&自己ベスト更新、合計179.67。

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●第3グループ
8番目に滑るのはデュハメル&ラドフォードの予定だったが、女性の体調不良のため棄権した。おだいじに〜。ワールドでは元気な姿を見せてください。

7 アレクサ・シメカ/クリス・クニエリム(アメリカ)

クニエさんがソロジャンプを両方成功させた!!4回転ツイスト・レベル4を含め、他のエレメンツも全てクリーン!!!ひゃっほーーーう!!!
演技終了後、シメカさんがぴょんぴょん跳ねて大喜び。
杉田先生が「エレメンツとしては全部プラス。しかも+2か3。これはほんとにみごとな演技」とほめちぎっていた。
フリー140.35、合計207.96でSB。フリーも総合得点も自己ベスト更新!
現時点で総合1位!キスクラの選手たちもコーチも大興奮!!おめでとう!!

9 シャオユー・ユー/ウェン・ジン(中国)

  • SP順位:4,得点:64.99
  • 楽曲:Humility and Love

ミスが少ないイメージのある組だが、このフリーではソロジャンプ2本で女性がお手付き、スローの3Loで女性が転倒と、目立つミスがあった。
全体的に精彩を欠く演技で、体調よくないのかなぁと思っていたら、赤平アナによると、ユーちゃんが熱があるらしい。しかも、国内大会の後、ブレードで足を切って2か月ほど練習できなかったそうだ。どうかおだいじに。
フリー122.34、合計187.33、現時点で総合2位。

10 ウェンジン・スイ/コン・ハン(中国)

4回転ツイスト・レベル1、スローの4Sをクリーンに着氷!!4SThは、あんまりあっさり決めたんで、一瞬クワドだと分からないくらいだった。
3Sでスイちゃんが転倒とか、スローの3Fでお手付きとか、ソロスピンでユニゾンが合わなかったとか、いくつかミスもあったけど、「そんな細けえことはどうでもいいんだよ!!」と言いたくなる素晴らしい演技で、思わず見入ってしまった。
スイちゃんの化粧が濃くてちょっと怖いなーと思ったけど、デリラは祖国のために男をだまして酷い目にあわせた女だから、怖くて正解なんだろう。
普通に考えたらハンくんはサムソンだと思うけど、彼って理知的だから、筋肉バカなイメージのサムソンぽくないんだよな。ハンくんは、主人デリラのミッション達成のために、影のように付き従い支える従者でどうか。それはそれで萌える設定なので、わたし個人の(勝手な)コンセプトはそうしよう(笑)。
フリー143.40、合計221.91でSB&自己ベスト更新、総合1位。
今大会で、SPもFSも自己ベスト更新である。3度目の四大陸制覇、おめでとう!!!

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フリーが終わって、結果は下記のとおり。左から総合順位、名前、国名、総合得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Wenjing SUI / Cong HAN CHN 221.91 1 1
  2. Alexa SCIMECA / Chris KNIERIM USA 207.96 3 2
  3. Xiaoyu YU / Yang JIN CHN 187.33 4 3
  4. Tarah KAYNE / Daniel O SHEA USA 182.02 7 4
  5. Lubov ILIUSHECHKINA / Dylan MOSCOVITCH CAN 179.67 5 5
  6. Marissa CASTELLI / Mervin TRAN USA 175.08 6 6
  7. Tae Ok RYOM / Ju Sik KIM PRK 157.24 8 7
  8. Vanessa GRENIER / Maxime DESCHAMPS CAN 148.82 10 8
  9. Sumire SUTO / Francis BOUDREAU AUDET JPN 145.33 9 9

WD Meagan DUHAMEL / Eric RADFORD CAN

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表彰式を見ながら、赤平アナがくれた情報によると、スイちゃんは、熱がある上に、スロージャンプで頭を打って左目が見えにくいそうだ。ヒィ〜〜〜!!試合に出て大丈夫なの!?めっちゃ心配だよ!!(泣)
今季のGPファイナルとユーロを見て、ワールドはロシアの2トップとデュハメル&ラドフォードによる優勝争いになるのかなーと思っていたのだが、スイ&ハンも彼らと互角の戦いができそうだ。頭を打ったスイちゃんの後遺症が唯一の懸念材料である。早く良くなりますように。
2位のシメカ&クニエリムは、全米のタイトルを逃したけど、国際大会でのトップの座は譲らん!!とばかりにパーフェクトなフリーを披露してくれた。世界征服もできそうなエリザベス女王だった(笑)。母国開催のワールドで最高の演技を期待してます。
3位のユー&ジンは、とにもかくにも健康第一。女性の体調が振るわないなりに、演技をまとめて表彰台に上がれたのは、さすがだと思う。
4位のケイン&オシェイは、フリーで巻き返したけど、本来の力はこんなもんじゃないよね。全米のときの演技をワールドでできれば、ジャッジの評価も一気に上がるはず。
9位の須藤&オデは、フリーでミスを連発しちゃったけど、この経験を生かして、ワールドではSP通過して、SB出してほしい。
今大会、ペアは体調不良の組が続出で気の毒だった。みなさん、くれぐれもおだいじに。