ワールド2016 アイスダンスFD

ワールド2016 リザルト
2016年の世界選手権は、アメリカのボストン、TDガーデンで開催された。
アイスダンスのフリー・ダンスは、現地時間で4月2日(土)に行われた。

アイスダンスは上記のライストを見た後、Jスポーツの放送でも見た。ライストでは最初からすべての組の滑走を見ることができたので、すごく楽しめた。やはり試合はライブで見るに限る。
Jスポーツの解説は滝野薫さん、実況は小林千鶴さん。
特に印象に残った選手の演技について、感想を書いていきます。

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●第1グループ
1 アレクサンドラ・ナザロワ/マキシム・ニキティン(ウクライナ

今季、女性に怪我があり、膝の手術をして4か月氷に乗れなかったそうだ。
最初の一蹴りで演技に引き込まれてしまった。
ピアノ曲をまるまる使うって、アイスダンスだけじゃなく、フィギュアスケート全体として珍しい選曲だと思うが、ピアノの音の繊細さや軽快さをよく表現していたと思う。雰囲気がある。
滝野さんが言ってたように、ちょっと元気がないというかパワーが足りないかなという印象を受けた。女性の怪我で練習が十分積めなかったからかも。でも素敵なものをたくさん持ってるカップルなので、将来が非常に楽しみだ。
フリー77.75、総合131.39。

2 セシリア・トルン/ ユッシヴィッレ・パルタネン(フィンランド

  • SD順位:17,得点:56.51
  • 楽曲:Gravity by Sara Bareilles, Life by Ludovico Einaudi

最初のリフトで、男性の片足エッジが揺れて、ちょっとポジションが決まらなかったものの、さわやかで流れのいい演技だったのだが、後半、ダイアゴナルステップの後、つなぎのところで男性が転倒。ギャー!!(泣)転倒した後はパワーダウンしてしまった印象を受けた。
大抵、FDは、最後盛り上がってフィニッシュすることが多いが、このプログラムは最後静まっていって終わるという珍しいフィニッシュだった。
フリー76.34、総合132.85。

3 村元哉中/クリス・リード(日本)

  • SD順位:16,得点:59.00
  • 楽曲:Pennies from Heaven, Jubilee Stomp, The Reel Chaplin, Limelight

前の組に転倒があったので、ドキドキしながら見ていた。
また一蹴りが伸びた気がする! すごく大きい滑りだった。
クリスもだけど、哉中ちゃんの顔の表情がほんと豊かなんだよなぁ。コミカルなボディーランゲージが素晴らしい。
ツイズルはひやっとしたぜ。でも何とかこらえて持ち直し、レベル4をとった上にGOEもプラス評価。
滝野さんによると、四大陸のとき、競技の後、審判の話し合いで、レフリーから「選曲・振付は100点満点」とほめられたらしい。
フリー88.90、総合147.90で、SDもFDも自己ベスト更新! おめでとう☆ フリーはあと少しで目標の90点だよ!

4 カヴィタ・ローレンツ/パナギオティス・ポリゾアキス(ドイツ)

  • SD順位:18,得点:54.80
  • 楽曲:映画「アメリ」より

スピード感があって、若さあふれるフレッシュな演技だった。美しく愁いを帯びた音楽を情感あふれる演技で素敵に表現していた。
ダンススピンの回転軸がしっかりしてて、ポジションは美しいし回転は速いしで、ほんとすばらしかった。
リフトではちょっとぐらついたりもたついたりしているところもあったけど、ポジションが美しかったり回転が速かったり、良い部分もたくさんあった。
いや〜、このカップル、組んで1年目かつ男性がダンス始めて1年目って、ほんと信じられないよ。すっかりファンになってしまったわ〜。
キスクラにシュピルバンドさんとブルザ☆ 練習拠点はアメリカなんだな。
フリー83.86で、総合138.66で、総合得点は自己ベスト更新。

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●第2グループ
6 ナタリア・カリシェク/マクシム・スポディレフ(ポーランド

  • SD順位:14,得点:59.88
  • 楽曲:Crystallize

高く跳ねたり体をうねうね動かしたりと、印象的な振付が入った、個性的なプログラムだった。
ダンススピンでは最後の逆回転のポジションがすっごく独創的で驚いた。これ、スピンなんだ。
ニゾンもよく、シャープかつダイナミックに動けていて素晴らしかったのだが、ツイズルでたくさんミスが出てしまい、女性が両足を付いてしまったーああああー。
フリー86.54、総合146.42。

7 アレクサンドラ・ステパノワ/イワン・ブキン(ロシア)

この組が第2グループで滑ることになるとは。何たるレベルの高さよ。
もう最初の動きでこれまでのカップルとの格の違いが分かる。滑りとか動きのシャープさとかフリーレッグのぴったりさとか、本当に素晴らしい。曲想が変わると、動きとか表情とか、ガラッと劇的に変わるもんなー。
滝野さんが、「二人のシルエットがどこから見ても、とてもきれい」とほめていた。
フリー99.46、総合163.30で、FDは自己ベスト更新。もう少しで100点超えだよ!

8 ロレンス・フルニエ・ボウドリー/ニコライ・ソレンセン(デンマーク

  • SD順位:15,得点:59.75
  • 楽曲:Woman

冒頭のステーショナリーリフトは、何をどうやってそんなふうにできるのかという摩訶不思議リフトだった。すごい。
フローが途切れず、全てのエレメンツが一つの流れの中に溶け込んでいるかのようだった。
滝野さんが指摘していたように、最後のコリオリフトが、あっさり終わってしまったのが拍子抜けだったかなー。他のリフトがどれも独創的で素晴らしいものだったので。
フリー91.92、総合151.67でSB。

9 フェデリカ・テスタ/ルカーシュ・チェーレイ(スロバキア

  • SD順位:12,得点:61.75
  • 楽曲:Passeggiata In Paese, Kutlama, Ma l'amore no, Orgia

お気に入りの小芝居プログラム。女性の黒のドレスがセクシーで素敵。
音楽との調和が素晴らしかったのだが、最後から2つ目のエレメンツのカーブリフトで女性のお尻が男性の足から外れて、氷上にお尻を付けてしまい、転倒扱いの上にノーバリュー(泣)。その他はとっても素敵だったのにいいいい。
フリー87.08、総合148.83。

10 イザベラ・トビアス/イリア・トカチェンコ(イスラエル

  • SD順位:13,得点:60.97
  • 楽曲:韃靼人の踊り

ユーロでは緊張して後半ガス欠になっちゃったけど、今大会ではよく伸び〜る大きな滑りが最後まで途切れることなく、見ていてとても気持ちよかった。…が、最後のコレオスピンで男性がスタンブルうううう(泣)。それ以外はとってもよかったので、もったいなかった。
フリー93.44、総合154.41。

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●第3グループ
11 シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ(イタリア)

冒頭から二人の紡ぐ物語に一気に引き込まれてしまう。彼らが今季、一段上のレベルに到達したことをまざまざと実感させられた。
これまで、わたしにとって「シンドラーのリスト」のベストプログラムは、イリニフ&カツァラポフのFD(2009〜2010)だったが、彼らのFDはそれを抜いた。心が震えた。
フリー101.95、総合167.91。100点超え!! 得点が出たとたん、ギニャール&ファブリとコーチのバーバラ先生が、そろっておっきなO(オー)の口になって驚いた後、喜びを爆発させていた(笑)。シャルレーヌとマルコが口チューしてる!

12 アンナ・カッペリーニ/ルカ・ラノッテ(イタリア)

  • SD順位:6,得点:70.65
  • 楽曲:La Dolce Vita

「二人の男女が軽快な音楽に合わせて楽しく踊ってる」というのを、めっちゃ高いレベルでやってのけていた。見てるこっちは「楽しそう☆」とか「アンナちゃん、きゃ〜わゆい☆」とか思うだけなんだけど、この大舞台で観客をただただ楽しませる演技を行うのがどれだけ大変なことか。でもそんなことは微塵も感じさせない彼らの凄さよ。滝野さんに「これぞシニアのアイスダンスの神髄」とまで言わしめた。
特に最後のコリオツイズルは、「アイデアも振付も最高に曲想に合っていて、これこそGOE最高点の価値がある、パーフェクトなエレメンツ」と大絶賛。プロトコルを見たら、ジャッジも滝野さんと同意見だったらしく、+2が3つで、+3が6つ!!
フリー112.07、総合182.72で、どちらとも自己ベスト更新!
得点を見て、ルカが口をポカーンと開けていたのが印象的だった(笑)。千鶴さんによると、FDを6点ほど更新したらしい。おめでとう!!

13 ペニー・クームス/ニコラス・バックランド(イギリス)

  • SD順位:8,得点:68.23
  • 楽曲:Exogenesis Part 1, Hurricanes and Butterflies

滝野さんも指摘していたが、ペニーさんの蝶をモチーフにした衣装、とっても素敵☆ 青を基調とした色合いが、本当に綺麗だわ〜。
カーブリフトで、ゆっくりとポジションチェンジをしていくのだが、そこが曲想にぴったりで素晴らしかった。滝野さんいわく、男性にギリギリ限界なところまで負担を強いるらしい。速くやるよりゆっくりやる方が大変なんだよなー。
ローテーショナルリフトも素晴らしくて、「これ本当にどうやってるの!?」と驚愕におのの出来栄えだった。ワールドの後半グループになると、どのカップルもすんごいリフトやってくるんだけど、彼らはその中でも目を見張るものがある。
ユーロよりさらに良くなってた。あれ?と思うところとか、ひやっとするところがほとんどなかった。
フリー104.94、総合173.17で、SDもFDも自己ベスト更新!
千鶴さんいわく、FDで初めての100点超えで、6点ほど更新したとのこと。

14 ヴィクトリア・シニツィナ/ニキータ・カツラポフ(ロシア)

  • SD順位:9,得点:67.68
  • 楽曲:Io Ci Saro

スピードがすごくて、冒頭からかっとばしまくっていた。一蹴りがめっちゃ伸びる。
ツイズルではまた男性が女性を置いてきぼりしそうになっていた(苦笑)。次のエレメンツのカーブリフトで、男性が片足になるのが遅れたが、そこを乗り越えたら落ち着いて、安心して見ていられるように。2つのステップシークエンスは、すごく良かったように感じたのだが、滝野さんにはちょこちょこダメ出しされていた。
プロトコルを見ると、ちょいちょいレベルを取りこぼしていた。トップの組はみんなレベル4をそろえてくるから、ここで差がついちゃったんだな。
フリー101.29、総合168.97。

15 マディソン・ハベル/ザガリー・ダナヒュー(アメリカ)

  • SD順位:7,得点:68.44
  • 楽曲:トロンのためのアダージョ

全ての動きがスムーズだった。一つの流れの中にエレメンツが溶け込んでいた。すごい。すばらしい。彼らがこんな高みまで達しようとは。
演技が終わった後、2人とも感慨無量な様子で抱き合っていた。母国開催のワールドで、最高の演技ができてよかったねえ!(感涙)
昨季が終わって、彼らがカメレンゴ先生のもとを去って、デュブレイユ先生の所に行くと聞いたときはさみしかったけど、その決断は正しかったんだなぁ。
フリー108.37、総合176.81で、どちらとも自己ベスト更新! キスクラで選手たちもコーチ夫妻も大喜びである。
第3グループから素晴らしい演技の連続で、ライブで見ていたときは、幸せで息が詰まりそうだった(笑)。
最終グループが始まる前、トップはカッペリーニ&ラノッテ。

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●第4グループ
16 パイパー・ギルス/ポール・ポワリエ(カナダ)

  • SD順位:5,得点:70.70
  • 楽曲:She Said,Neverland

すごくクリーンでシャープでキレがあって、二人の動きがぴったりそろっていて怖いくらいだった。四大陸とは別の組のようだ。彼らも一段上のレベルに上がったんだなと感じた。
個性的でユニークなプログラムを完全に自分たちのものにしている。
滝野さんによると、彼らは、「常にクリエイティブでありたい」と話していたそうだ。うん、まさにその通りだと思う。
フリー102.37、総合173.07で、SDもFDも自己ベスト更新! 初めてのFD100点超え、おめでとう!
現時点で総合4位。

17 ケイトリン・ウィーバー/アンドリュー・ポジェ(カナダ)

  • SD順位:4,得点:71.83
  • 楽曲:On the Nature of Daylight,This Bitter Earth,Run

冒頭のツイズルで乱れたーーーああああーーーー(泣)。
でも、それ以降は素晴らしかった。流れが滞ることなく、最後まで情熱的かつエネルギッシュに演じていた。あっという間に終わってしまった。
ツイズルはレベル2。ミスはあったけど、そこで意気消沈することなく、自分たちの力を出し切ったのは、さすがとしか言いようがない。
フリー110.18、総合182.01で、FDは自己ベスト更新。PBが出せてよかった。
現時点で総合2位。

18 マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(アメリカ)

二人の絡み合い度がアップしていた(笑)。
ダイナミックで壮大なオーケストラの音楽に完全に調和していた。音楽との一体感、パートナーとの一体感がすごい。四大陸とは別の組その2。
わたしが見た中で、彼らの最高の演技だったのではないか。
滝野さんも、次のように話し、非常に高く評価していた。
「このプログラムの必須要素の構成が、とてもクレバー。まず美しいカーブリフトで演技に引き込み、中盤のロマンティックな調べから、曲調が徐々に変化していく流れを、ステップシークエンス、ツイズル、スピン、ステップシークエンスの順に、物語のように見せていき、後半のクライマックスへ、3つのリフトの連続で、演技の熱量をどんどん上げていくという、とても効果的な作り方をしている」。
フリー113.31、総合185.77で、どちらとも自己ベスト更新! 現時点で総合1位!

19 ガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン(フランス)

  • SD順位:1,得点:76.29
  • 楽曲:Rain In Your Black Eyes, Build a Home

……この演技の前に何と言えばいいのか。わたしの貧相な語彙力ではとても語れない。とにかく「すばらしかった」としか言いようがない。
二人だけの世界にいるみたいだった。周りにジャッジとかお客さんとか、たくさんの人がいるはずなのに。
滝野さんたら、演技中、ほとんど何も言わなくなってしまった。や、気持ちは分かります。分かりますが、わたしのような素人のためにエレメンツだけは教えてください!
演技が終わった後、滝野さんが、「今生きていることに感謝したくなるような、幸せな4分間だった」と話していたが、まったくもって同感である。
千鶴さんによると、「ぼくらの世界観、僕らの魔法をつくりあげたい」と望んだプログラムなのだそうだ。まさしく、その通りの作品に磨き上げられたと思う。
ユーロの演技も十分衝撃的だったのだが、さらに輝きを増していた。はー、本当に素晴らしいものを見せていただきました。ありがとうございます、ありがとうございます(平伏)。
フリー118.17、総合194.46で、SDもFDも自己ベスト更新! 滝野さんによると、FDの世界最高得点記録(ソチ五輪のデイヴィス&ホワイトの116.63点)も更新したとのこと。現時点で、もっちろ〜ん総合1位!!

20 マイア・シブタニ/アレックス・シブタニアメリカ)

  • SD順位:2,得点:74.70
  • 楽曲:Fix You

最初、ちょっと硬いかなーと思ったんだけど、だんだんほどけていって、中盤のスーパーツイズルではじけ、あとはもう100%フルスロットル! 母国開催のワールドで、パパダキスさんたちの神演技の後で、最終滑走で、本当によく頑張ったよ。強かった。美しかった。
滝野さんが感極まっている。泣いてるんじゃなかろうか。
フリー113.73、総合188.43で、SDもFDも自己ベスト更新! 総合2位で決定。
滝野さんいわく、「わたしたち日本人にとっては、金メダルに匹敵する銀メダルに思える。日系のアイスダンスカップルが、ここまでできるということを証明してくれた」とのこと。

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FDが終わって、総合結果は下記の通り。ここでは20位まで記載している。
左から総合順位、名前、国名、総合得点、SD順位、FD順位の順に記されている。

  1. Gabriella PAPADAKIS / Guillaume CIZERON FRA 194.46 1 1
  2. Maia SHIBUTANI / Alex SHIBUTANI USA 188.43 2 2
  3. Madison CHOCK / Evan BATES USA 185.77 3 3
  4. Anna CAPPELLINI / Luca LANOTTE ITA 182.72 6 4
  5. Kaitlyn WEAVER / Andrew POJE CAN 182.01 4 5
  6. Madison HUBBELL / Zachary DONOHUE USA 176.81 7 6
  7. Penny COOMES / Nicholas BUCKLAND GBR 173.17 8 7
  8. Piper GILLES / Paul POIRIER CAN 173.07 5 8
  9. Victoria SINITSINA / Nikita KATSALAPOV RUS 168.97 9 10
  10. Charlene GUIGNARD / Marco FABBRI ITA 167.91 10 9
  11. Alexandra STEPANOVA / Ivan BUKIN RUS 163.30 11 11
  12. Isabella TOBIAS / Ilia TKACHENKO ISR 154.41 13 12
  13. Laurence FOURNIER BEAUDRY / Nikolaj SORENSEN DEN 151.67 15 13
  14. Federica TESTA / Lukas CSOLLEY SVK 148.83 12 15
  15. Kana MURAMOTO / Chris REED JPN 147.90 16 14
  16. Natalia KALISZEK / Maksim SPODIREV POL 146.42 14 16
  17. Kavita LORENZ / Panagiotis POLIZOAKIS GER 138.66 18 17
  18. Cecilia TÖRN / Jussiville PARTANEN FIN 132.85 17 19
  19. Alexandra NAZAROVA / Maxim NIKITIN UKR 131.39 20 18
  20. Barbora SILNA / Juri KURAKIN AUT 130.88 19 20
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◆来季のワールド出場枠
3枠:フランス,アメリカ,カナダ
2枠:イタリア,イギリス,ロシア

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◆総評
後半から神演技の連発で、幸せこの上ないFDだった。

パパダキス&シゼロンは、SDもFDも1位の完全優勝。女性の脳震盪で、GPSを欠場することになってしまったが、ユーロもワールドもみごと連覇を成し遂げた。平昌オリンピックまで、彼らがアイスダンス界をリードしていくことになるんだろうなー。

2位のシブタニ組と3位のチョック&ベイツ、6位のハベル&ダナヒューは、母国開催のワールドで、最高の演技ができて、本当によかった。滝野さんも言ってたけど、今のアメリカは、かつてのロシアのようなアイスダンス大国になってますな。素晴らしい。

4位のカッペリーニ&ラノッテは、さすがの追い上げだった。とはいえSDだってけして悪い得点じゃなかったのだが。イタリア3枠まで、あともうちょっとだったんだけどなー。SD後のギニャル&ファブリのインタビューによると、イタリアの3枠が取れていたら、史上初だったらしい。

5位のウィーバー&ポジェはなー、GPF二連覇したまでは順調だったんだけど、四大陸とワールドで自分たちの実力を100%発揮できず、とってもとっても残念だった。バンクーバー前から好きで、応援している組なので、来季のワールドでは喜び大爆発のキスクラを見たい。はげしく見たい。
カナダはギリギリ3枠とれて、ほんとよかったわー。来季バーチュー&モイアが復帰するのに、2枠に減ったら悲しすぎる。

7位のクームス&バックランドは、演技からもインタビューからも、ワールドに戻ってこられた喜びに満ち満ちていた。昨季は病気や怪我続きで大変だったもんなー。アイスダンスカップルとして、一皮むけた印象を受けるので、来季の演技が今から楽しみだ。

8位のギルス&ポワティエは、今大会で一皮むけた姿を見せてくれた。毎年意欲的に挑戦的な作品を見せてくれる組だが、これからも己の道を突き進んでいただきたい。

9位のシニツィナ&カツラポフと11位のステパノワ&ブキンも、すばらしい演技だったのだが、他の組が良すぎた。国内チャンピオンのボブロワ&ソロビエフがドーピング問題で欠場してしまったから仕方ないんだけど、今季もまた3枠取れず…うう(泣)。国内に素敵なカップルがひしめいているのにいいいい(歯ぎしり)。

10位のギニャール&ファブリにとって、今季は飛躍のシーズンだったのではなかろうか。FDの「シンドラーのリスト」の演技に心奪われた。

15位の村元&リードは、初出場のワールドで、SDもFDも自己ベスト更新。申し分ないデビューを果たした。見るたびうまくなってるもんなー。来季のさらなる飛躍を期待してます☆

全体的な感想を言えば、滝野さんも指摘していたように、技術レベルがどんどん上がり、全てレベル4を獲得した組が、ショート4組、フリー7組も出た。TESもPCSも飽和状態になりつつあるので、平昌オリンピックの後、現行の採点システムに大きな変更が行われるかもしれないなー。