ワールド2016 ペアSP

ワールド2016 リザルト
2016年の世界選手権は、アメリカのボストン、TDガーデンで開催され、ペアのショート・プログラムは、現地時間で4月1日(金)に行われた。

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上記のライストで、第5グループから観戦し、後日、Jスポーツの放送で、全組の滑走を見た。
Jスポーツの解説は岡部由起子さん、実況は赤平大アナ。
特に印象に残った選手の演技について、感想を書いていきます。

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●第1グループ
2 リュボーフ・イリュシェチキナ/ディラン・モスコヴィッチ(カナダ)

  • 楽曲:Since I've Been Loving You

ソロジャンプ成功! そしてこの二人特有の、難しいデススパイラルへの入り方(女性がクリムキン・イーグルの体勢から背中側に片手を伸ばし、男性がその手を取ってデススパイラルに入る)もばっちりこなし、キレと緩急のある動きで、ロックなプログラムを超クールに演じていた。
岡部さんいわく、「二人ならではの個性が出てきたし、ユニゾンが合うようになってきた」とのこと。
キスクラでリュボさんが笑顔全開。昨季もそう感じたけど、さらに明るくなったなぁ。こんなに笑顔が魅力的な女性だとは。今、幸せなんだろうな〜。よかった〜。
68.17で自己ベスト更新。もう少しで70点だ!リュボさんとディランが抱き合って喜んでる。

3 ヴァレンティナ・マルケイ/オンドレイ・ホタレク(イタリア)

実況&解説では指摘されてなかったけど、SPの音楽、変えたよね?
ツイストのキャッチにミスはあったけど、岡部さんが言ってたように、カルメンの音楽が、強い女マルケイの個性に激ハマりであった。これ、来季も持ち越ししないかなぁ。ワールドだけってもったいなさすぎだよー。
59.76。

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●第2グループ
4 カーステン・ムーア=タワーズ/マイケル・マリナロ(カナダ)

  • 楽曲:If I Can't Have You by Etta James

セガン&ビロドーが国内選手権2位でワールドの出場が決まっていたのだが、女性の怪我で、4位だった彼らが代わりに出場することになった。
今季、彼らの演技を初めて見たのだが、組んで2シーズン目とは思えないほど、ユニゾンが良くなっていて、見た目ノーミスのパフォーマンスだった。プロトコルを確認したら、ツイストでマイナスをつけているジャッジがいたが、他は全てプラス評価。
昨季からコーチを変えて、今はリチャードさんのところに移ったらしい。彼の元には世界チャンピオンのメーガンたちもいるし、環境としては最高よね。
66.06で自己ベスト更新。

6 ゴーダ・ブトクテ/ニキータ・エルモラーエフ(リトアニア

  • 楽曲:シング・シング・シング

女性がとてもかわいらしい。確かユーロでも演技を見た覚えがある。岡部さんも言ってたけど、ユーロのときよりうまくなってたんじゃないかなぁ。なかなか個性的で素敵な振付を、生き生きと演じていた。
岡部さんが、「男性のリズム感がいい」とほめていた。
コーチがスミルノフさん! フィギュアスケートファンを騒然とさせた、水色のスーツ&赤っぽいシャツ着用の姿は、やはり強烈(笑)。今までわたしが見てきた彼の私服は、わりと普通のコーディネートだったように思うのだが、何か心境の変化でもあったのだろうか。
51.65で自己ベスト更新。

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●第3グループ
8 須藤澄玲/フランシス・ブードロー=オデ(日本)

  • 楽曲:ラ・ヴィ・アン・ローズ

ソロジャンプで女性が転倒。デススパイラルがつぶれてノーバリュー。ステップに入る前、男性がつまづいてしまった……嗚呼(泣)。
このプログラムのロマンティック・ムーディーな感じは出せてたんだけどなぁ。
38.50……2月の四大陸で52.70(SBかつPB)出してるのにいいいい(泣)。
SP後のインタビューによると、3月初めに(すみれちゃんが?)怪我をして、練習が十分できず、万全の状態で試合に臨めなかったらしい。オデくんはカタコトの日本語で話してくれて微笑ましかった。

10 アリョーナ・サフチェンコ/ブルーノ・マッソ(ドイツ)

冒頭のトリプルツイスト高っ!! クワドやれそう〜。GOEはなんと、一人のジャッジが2を付けただけで、他のジャッジは全て3を付けている! すげー。
次のスロー3Fは、高くて幅があったのだが、女性が両足着氷だった。でもそのミスを忘れてしまうような、素晴らしい演技だった。場内スタオベ。
岡部さんが、「一つの作品として、最初から最後まで途切れることなくつながっている。無駄な力がまったく入っていない(エフォートレス)。難しいことをしているのに簡単にしか見えない」と絶賛していた。
74.22。スロージャンプのミスがなければ自己ベスト更新確実だったのになあああ。

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●第4グループ
13 タラ・ケイン/ダニエル・オシェイアメリカ)

  • 楽曲:Take Me to Church

トリプルツイストで少し高さが足りず、スロー3Lzで女性がお手付き、ステップの途中で男性が転倒と、ミスがいくつか出てしまった(泣)。
岡部さんが、「少し力が入りすぎてしまったか。やや落ち着きに欠けた演技だった」と話していた。
59.27。

14 ニコル・デラ・モニカ/マッテオ・グアリゼ(イタリア)

  • 楽曲:Magnificat

ミスがなく、音楽に寄り添うような演技だった。プロトコルを見たら、GOEでマイナスの評価をしているジャッジが一人もいない。おお〜、彼らもついにここまできたか。
岡部さんいわく、「今年この組はぐっと上手になった。特に男性の滑りが良くなり、表情まで演じる余裕が出てきた」とのこと。
65.32。あともうちょっとで自己ベスト更新だったのになー。惜しかった。

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●第5グループ
15 エフゲニア・タラソワ/ウラジーミル・モロゾフ(ロシア)

  • 楽曲:ロード・オブ・ザ・ダンス

ステップで男性がちょっとつまづいたけど、他の要素はクリーンで、流れが滞ることなく行われていた。
ちょっと淡泊な感じがするけど、昨季に比べたら改善されているので、これからどんどん良くなっていくと思う。
岡部さんが、「どのエレメンツも端正」とほめていた。
72.00。

16 ヴァネッサ・ジェイムズ/モーガン・シプレ(フランス)

  • 楽曲:I Put A Spell On You

個人的には、今季この組って、すごくうまくなったと思うんだけど、わたしが見たNHK杯とユーロでは、スピンやデススパイラルがノーバリューになるミスがあったので、「ノーミスノーミス」と念じながら見ていた。
ソロジャンプのタイミングが少しずれてしまい、スロージャンプの着氷が少し危なかったけど、勢いがあってよかったんじゃないかなぁ。ただ、細かいところが少し雑な感じがしたので、そこが改善されると、さらに一つ上の段階に行けるのではなかろうか。
岡部さんいわく、「この組も上手になって、いろんな工夫をつなぎに入れてくるようになった」とのこと。ですよね? 上手になりましたよね?
66.69で、自己ベスト更新。

17 チェン・ペン/ハオ・ジャン(中国)

  • 楽曲:Come Together

「でっかいスロージャンプー!!」と喜んだのは一瞬で、女性が転倒して壁にぶつかってしまい、演技に戻るのが遅れてしまった。その後、ソロジャンプを跳んだけど、男性と女性でタイミングが大きくずれてしまったので、ほとんど点数にならず。
大きいミスが出てしまったが、演技全体としては動きがなめらかでシームレスで、すごく素敵だった。特にステップでは、氷上を大きく使ってとても凝った作りの振付をみごとにこなしていて、かっこいい☆と思ったのだが、岡部さんには「ユニゾンが感じられない」とダメ出しをされていた。
タンゴアレンジの「カム・トゥギャザー」を使っていて、わたしは「すごくかっこいいアレンジ☆」と目がハートになったのだが、岡部さんは、「表現が難しい曲だが、それを滑りこなせていなかった」との評価。
60.01。PBが71.68だから11点以上低い…(泣)。

18 タチアナ・ヴォロソジャル/マキシム・トランコフ(ロシア)

ユーロからさらに磨き上げてきたなー。さすが。
冒頭の動きから超絶かっこよくて、惹き込まれてしまう。ステップは一緒に踊りたくなっちゃう(踊れないけど)。
スロー3Fで両足着氷になったり、ペアスピンでトラベリングしたりとミスはあったけど、そゆことどうでもよくなっちゃう演技で、あっという間に終わってしまった。
でも、岡部さんが言うには、ソチのころと比べて、スピードが圧倒的になくなってしまったらしい。それとサフチェンコ&マッソのようなエフォートレスな動きではないとのこと。
77.13。

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●第6グループ
19 クセニア・ストルボワ/フェドール・クリモフ(ロシア)

  • 楽曲:I Put A Spell On You

ジェイムズ&シプレと同じ曲(歌手は違うけど)。
ツイストの高さがあまり出なくて、ちょっと女性を抱え込むみたいになっちゃった以外はクリーンな出来栄え。スケーティングがうまくなり、二人の一体感が増したように感じた。
このプログラム、冒頭はすごく凝った複雑な動きをしていてかっこいいんだけど、それ以降は、あまりおもしろくないというか、この組だったらもっと魅力的な振付をやれるんじゃないかなーと感じた。や、もちろん一定の標準以上のプログラムなんだけど、ヴォロソジャール組やサフチェンコ組、スイ&ハンのと比べると、弱い気がする。でも、岡部さんは、「この組の特徴である、女性の強さを生かしたプログラム」と高評価だったので、あくまでもわたし個人の好みの話なんだな。
73.98。

20 ウェンジン・スイ/コン・ハン(中国)

  • 楽曲:Spanish Romance

四大陸で虜にされたプログラム。
岡部さんが言うとおり、見ていて吸い込まれた。迫力があってエネルギッシュで、どのエレメンツも音にピタッと合っており、特にステップシークエンスがすごかった。本当に素晴らしかった。
まぁあえて物申すとすれば、「スイちゃんの化粧がちょっと濃すぎやしないか」くらい(笑)。
わたしの勝手な印象だと、ボストンのお客さんは、北米勢以外には、さほどたやすくスタオベしないのだが、さすがにこの演技には場内スタオベ。だよね。「これでスタオベしないでいつするんだ」という演技であった。
80.85で自己ベスト更新。ついに80点超え!! 赤平アナによると、これまで80点以上の得点を出したのは、ヴォロソジャール組だけだったらしい。
おおー、ヴォロソジャール組を超えて、現時点で1位!!

21 アレクサ・シメカ/クリス・クニエリム(アメリカ)

  • 楽曲:Nothing Else Matters

この組で心配なのは男性のソロジャンプだけなので、ライストをPCで見ながら「ジャンプ、クリーンに降りて〜〜」と念を送っていたのだが、転倒してしまった…うう(泣)。
でも他の要素は全てクリーンだったし、音楽表現もクールでかっこよかった。
71.37で自己ベスト更新したんだけど、キスクラで二人とも表情が晴れない。母国開催のワールドで、クリーンな演技を披露したかったんだろうなぁ。

22 メーガン・デュハメル/エリック・ラドフォード(カナダ)

  • 楽曲:Your Song

今大会は体調よさそう。四大陸のときはほんと具合悪そうだったから、元気なメーガンが見られるだけで幸せ☆
スロー3Fの着氷で女性がフリーレッグをタッチしてしまったが、ソロジャンプの3Lzは決まった! 他の要素もクリーンクリーン!
このプログラムは、ぱっかーんとよく晴れた青空みたいなイメージなんだけど、まさしく一点の曇りない演技だった。
演技終了後、メーガンがめっちゃ喜んで、エリックにめっちゃ話しかけてる(笑)。良い演技のときの彼女が見られてニマニマしちゃう。
78.18で自己ベスト更新。メーガンもエリックも喜んでる!

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SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、クオリファイ、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されている。

  1. Q Wenjing SUI / Cong HAN CHN 80.85 43.88 36.97
  2. Q Meagan DUHAMEL / Eric RADFORD CAN 78.18 41.93 36.25
  3. Q Tatiana VOLOSOZHAR / Maxim TRANKOV RUS 77.13 39.97 37.16
  4. Q Aliona SAVCHENKO / Bruno MASSOT GER 74.22 39.98 34.24
  5. Q Ksenia STOLBOVA / Fedor KLIMOV RUS 73.98 38.38 35.60
  6. Q Evgenia TARASOVA / Vladimir MOROZOV RUS 72.00 39.29 32.71
  7. Q Alexa SCIMECA / Chris KNIERIM USA 71.37 39.57 32.80
  8. Q Lubov ILIUSHECHKINA / Dylan MOSCOVITCH CAN 68.17 38.28 29.89
  9. Q Vanessa JAMES / Morgan CIPRES FRA 66.69 36.23 30.46
  10. Q Kirsten MOORE-TOWERS / Michael MARINARO CAN 66.06 36.18 29.88
  11. Q Nicole DELLA MONICA / Matteo GUARISE ITA 65.32 36.26 29.06
  12. Q Cheng PENG / Hao ZHANG CHN 60.01 32.51 28.50
  13. Q Valentina MARCHEI / Ondrej HOTAREK ITA 59.76 32.37 27.39
  14. Q Tarah KAYNE / Daniel O SHEA USA 59.27 32.56 27.71
  15. Q Xuehan WANG / Lei WANG CHN 57.32 31.87 26.45
  16. Q Lola ESBRAT / Andrei NOVOSELOV FRA 52.78 28.92 23.86
  17. Goda BUTKUTE / Nikita ERMOLAEV LTU 51.65 29.88 21.77
  18. Ioulia CHTCHETININA / Noah SCHERER SUI 49.32 28.64 20.68
  19. Adel TANKOVA / Evgeni KRASNOPOLSKI ISR 46.81 26.47 20.34
  20. Tatiana DANILOVA / Mikalai KAMIANCHUK BLR 45.56 25.41 20.15
  21. Miriam ZIEGLER / Severin KIEFER AUT 45.31 23.53 21.78
  22. Sumire SUTO / Francis BOUDREAU AUDET JPN 38.50 20.92 19.58
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◆総評
多くの組がベストパフォーマンスを見せてくれて、岡部さんも言ってた通り、ワクワクするSPだった。ああもう幸せ〜〜☆☆☆
そんな中、日本の須藤&オデは、最下位でフリーに進めず、残念であった(泣)。でも、彼らもインタビューで話していたように、この悔しさを糧にして、来季また素敵な演技を見せてほしい。組んでまだ1年目だもんね。これからこれから☆