JGP チェコ スケート 2016 女子SP

JGP チェコ スケート 2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第2戦。女子SPは、現地時間2016年9月1日(木)に行われた。

にて、ライブで青木さんから紀平さんの演技まで見て、次の日、気になる選手の演技を見ました。
本家本元のISUが無料でライブ放送してくれるなんて夢のよう(しかも解説付き!英語だから何言ってるのか、よくわからんけど(涙))。シニアもやってくれたらいいのに。放送権の事情で無理なんだろうけど。放送権を買ったテレビ局がライブ放送してくれればなぁ…(ため息)。
特に印象に残った選手の演技について、滑走順に感想を書いていきます。

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第1グループ
1 メーガン・ウェッセンバーグ(アメリカ)

  • 楽曲:I Put A Spell On You by Jay Hawkins

昨季、全米ジュニア3位。
メリハリのきいた振付で、音楽の力強さをよく表現できていたように思う。
3T+3Tは、高さと幅があって、良いジャンプだった。2Aの転倒がもったいなかったー。
53.91で自己ベスト更新! でも選手はキスクラでガッカリした顔のまま。練習ではもっと良い演技ができてるってことなのかな? フリーが楽しみ☆

3 キム・ハヌル(韓国)

  • 楽曲:
    • One Day by Caro Emerald
    • It Don't Mean a Thing by Pep's Show Boys, Sebastian Roser

昨季、世界ジュニア9位。そのとき、キビキビした演技が印象的だったハヌルちゃん。少し背が伸びたかな? 表現がずいぶん外向きになってきたように感じる。
ジャンプは無難にまとめたと思ったのだが、プロトコルを見たら、3Lz+3T<と3Lo<でアンダーローテが取られていた。
それと、最後のスピンの回転の軸が外れてヨレヨレになってしまったのがもったいなかった。最後のスピンで乱れると、プログラムが締まらないんだよなー(ため息)。
51.08。

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●第2グループ
7 エリザベータ・ウコロワ(チェコ

昨季、シニアの国内選手権4位、世界ジュニア37位。
弦楽器の軽やかな音を丁寧に表現していた。3S+3T<<で転倒。振付を必死にこなしていて、余裕なさそうだけど、一所懸命やってる感じに好感が持てる。
キスクラに、ミハルの元コーチの強面おじさまが(笑)。
44.20。

9 青木祐奈(日本)

  • 楽曲:タイスの瞑想曲

昨季、全日本ジュニア7位、全日本16位。
昨季から持ち越しのプログラム。
3Lz+3T<はこらえたんだけど、転倒してしまった。2Aでオーバーターンしたのがもったいなかった。ジャンプは本調子じゃないのかも。
でも、ジャンプ以外は素晴らしかった。タイスのように、美しく、しっとり&ゆったりした曲は難しいと思うのだが、よく表現できていたように感じる。特にスピンは美しかった〜。が、もっとできる気がする。今季の成長を楽しみにしています!
56.60。転倒した割に良い点が出た。よかった〜。

10 Lutricia BOCK(ドイツ)

  • 楽曲:Patch Adams (soundtrack) by Marc Shaiman

昨季、シニアの国内選手権優勝、ユーロ25位。
ほっそりしていて、手足が長い。いかにもユーロの選手といった雰囲気の美人さん。
3Lz+3T<を下りたんだけど、!マーク付き。そして2Lo<<になってしまった。もったいない〜!!
美しいしっとり系の音楽で、頑張って表現しようとしていたと思うのだが、こういう曲をジュニアが滑ると、どうしても淡泊になりがちなんだよな〜。
キスクラにインゴさんが。シングルも教えてるんだなー。相変わらず美中年である。いぶし銀のかっこよさ☆
46.88。

12 アリサ・ロスコ(ロシア)

  • 楽曲:Anna Pavlova (soundtrack)

昨季、ジュニアの国内選手権5位。
ぐっはー、きたきた、またまたロシアから哀愁を帯びた美少女スケーターが!!上手くて強いのも、手足が長くスレンダーでスタイル抜群なのも、変なアレンジの曲で滑る(笑)のも、まさにロシア☆という感じ。
ジャンプはちょっと低めだったけど、ボディームーブメントがなめらかで、これまでの選手とは別格の滑り。
スピンはずば抜けて素晴らしい。回転数もポジションもすごい。見たことのないポジションで超高速に回っていた。
女性ボーカルが入るところでいきなり強い曲想になるので、そこと他の差を明確に表現できるともっと良くなるのではないか。
60.10。思ったより得点が出なかったなぁと思い、後でプロトコルを見たら、3F+3T<、3Lo<と、アンダーローテが2つ、取られていた。

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●第3グループ
14 Fruzsina MEDGYESI(ハンガリー

  • 楽曲:The Mountain by Ludovico Einaudi

昨季、シニアの国内選手権2位、ユースオリンピック14位。
初めて聴く曲だと思うんだけど、この曲好きだなぁ。
ジャンプは3+3なしで、質もまぁまぁかなーという感じだったけど、スピンが素敵だった。
ジュニアの選手はけっこう無表情で滑る選手が多いんだけど、彼女は目線が上向きで、笑顔で滑っていたのが印象的だった。
選手とコーチの顔が似てるから、お母さんがコーチしてるのかなと思ったけど、バイオを見たら、選手とコーチのファミリネーム、違うんだよな。
48.42で自己ベスト更新!選手もコーチも嬉しそう。

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●第4グループ
19 紀平梨花(日本)

昨季、全日本ノービスA 優勝、全日本ジュニア11位。
音楽が始まったとたん、「ぐわっ、難しそうな曲!」と思ったが、緩急の激しい、速いテンポの音楽をよく表現していた。スピンの回転やポジションチェンジまで、音やフレーズに合っているのにビビった。
上半身の使い方が少し硬いというか立体的ではないかなーという気がしたけど、そこが改善されたら、大化けしそう。このプログラム、滑りこなせたら、どえりゃ〜ことになるのでは。振り付けたジェフ、グッジョブです☆
2A、3Lz+3T、3Loと、ジャンプは全部クリーンに着氷。加点ももらえてる〜。
66.78。すっごい高得点!!鮮烈なジュニアGPデビュー!!

23 アナスタシア・グバノワ(ロシア)

  • 楽曲:The Swan by Camille Saint-Saens

すごいすごいと聞いてたけど、ほんと、すごかった…。これで、ジュニアデビューとか、信じられない…(唖然茫然)。
3Lz+3Tで転倒したのだが、ここの前だけ「ジャンプ跳ぶよ〜」という張り切り感が出ていたものの、他のエレメンツは全てプログラムの流れの中に溶け込んでいた。
優雅で美しく、かつ力強い白鳥をみごとに演じていた。まだ13歳なのに、ここまで表現できるとは。
わたしの中で、サン・サーンスの白鳥といったら、シズニーさんの傑作プロがまず思い浮かぶのだが、このままグバノワさんが表現を深めていったら、それに並ぶかもしれん。
63.51。転倒してこの高得点よ。おそろしあ〜。

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●第5グループ
25 ディアナ・ニキティナ(ラトビア

  • 楽曲:Lacrymosa by Evanescence (from "The Open Door")

昨季、ジュニアの国内選手権優勝、世界ジュニア10位。
昨季の世界ジュニアでお気に入りになった選手。外見はもうすっかり大人なのだが、まだ15歳なんだよなー。
一筋縄ではいかない独特のアレンジだったが、音楽は…ロミジュリだよね?最後、切腹してたし。
動きがゆったりと大きくなっていたし、曲想の変化もよく表現していたように感じる。
52.45。見た目ノーミスで、3Lz+3Tもクリーンに下りた割に得点が伸びなかったなーと思って、プロトコルを見たら、GOEの加点がほとんどもらえてないんだな。スピンとステップのレベルを取りこぼしてるのも痛い。

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されている。

  1. Rika KIHIRA JPN 66.78 38.81 27.97
  2. Anastasiia GUBANOVA RUS 63.51 36.99
  3. Alisa LOZKO RUS 60.10 32.96 27.14
  4. Yuna AOKI JPN 56.60 31.59 26.01
  5. Megan WESSENBERG USA 53.91 31.53 23.38
  6. Diana NIKITINA LAT 52.45 31.68 20.77
  7. Hanul KIM KOR 51.08 29.44 21.64
  8. Fruzsina MEDGYESI HUN 48.42 27.65 20.77
  9. Lutricia BOCK GER 46.88 25.13 21.75
  10. Alicia PINEAULT CAN 46.66 24.80 21.86
  11. Heloise PITOT FRA 44.28 23.88 20.40
  12. Elizaveta UKOLOVA CZE 44.20 25.45 19.75
  13. Elzbieta KROPA LTU 43.31 25.10 19.21
  14. Lara ROTH AUT 41.53 23.24 19.29
  15. Ceciliane Mei Ling HARTMANN SIN 37.05 19.38 18.67
  16. Natalie KRATENOVA CZE 36.61 19.48 18.13
  17. Michaela-Lucie HANZLIKOVA CZE 36.55 20.83 17.72
  18. Amanda STAN ROU 36.51 20.33 16.18
  19. Bronislava DOBIASOVA SVK 35.17 17.39 18.78
  20. Emma JANG TPE 34.32 17.18 17.14
  21. Josephine KAERSGAARD DEN 33.64 18.24
  22. Alexandra FEIGIN BUL 33.31 18.55 15.76
  23. Sophie Davida ABRAMS ISR 32.35 15.58 17.77
  24. Jiayin LI CHN 31.58 15.38 16.20
  25. Agnieszka REJMENT POL 29.99 15.28 14.71
  26. Agnes Dis BRYNJARSDOTTIR ISL 28.48 15.31 14.17
  27. Komila FARADJAEVA UZB 24.70 12.04 12.66
  28. Alua MUKHAMETKALIYEVA KAZ 24.04 10.41 13.63
  29. Priscilla June CHAU HKG 20.91 10.29 12.62
  30. Yekaterina TYAN KAZ 16.59 6.76 10.83
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◆総評
SP1位の紀平さんは、TESもPCSもトップですよ!!すげー!!ロシアのスーパージュニアたちに負けてないよ!!素晴らしい!!
…がしかし、だがしかし。わたしがこの女子SPで一番衝撃を受けたのは、2位のグバノワさんの演技であった。どうしてロシアからこうもまぁ毎年毎年スーパージュニアな美少女スケーターがもりもり出現するのか。
SP3位のロスコさんは、ジャンプの低さが課題かなーと思うけど、それでも十分強いし上手いし美しい。
SP4位の青木さんは、ジャンプが不調っぽいのが心配である。でも、滑りの良さはジャッジに評価されていると思うので、表彰台を目指して頑張ってほしい。