JGPリュブリャナ杯2016 女子FS

JGPリュブリャナ杯2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第5戦。女子FSは、現地時間2016年9月24日(土)に行われた。

にて、後半2グループをライブ放送で見た。ライブで見られて幸せだった。
特に印象に残った選手の演技について、感想を書いている。日本語表記に自信がない名前には?を付けている。

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●第5グループ
26 リュボフ・エフィメンコ(フィンランド

  • SP順位:10,得点:49.62
  • 楽曲:And the Waltz Goes On by Anthony Hopkins

3Fe<<、2A+3T<<、3S<など、ジャンプのミスが目立ってしまった。あと、最後のCCoSp2にVが付いてしまった。
体がちょっと重そうだったが、曲想はきちんと表現できていたように感じた。どこか陰りのある音楽が、彼女に合っていると思う。
フリー74.32、総合123.94

27 Michaela-Lucie HANZLIKOVA ミカエラ‐ルチエ・ハンズリコワ?(チェコ

  • SP順位:9,得点:49.77
  • 楽曲:O Fortuna (from "Carmina Burana") by Carl Orff

長身で手足が長いので氷上で映えそう。
3Lo<<以外、GOEの減点はなし。サルコウやループなど、エッジジャンプが得意そう。2本の3Sと成功した3Loは、大きくて流れのある良いジャンプだった。
今のところ、プログラム構成にルッツやフリップ、3+3も入っていないが、大きなジャンプが跳べる選手なので、将来が楽しみ〜。
スピンのレベルは4、4、3と、取れているのだが、回転がもっと速くなるといいなと思う。
カルミナ・ブラーナ」の、派手でドラマティックな音楽に負けずに、全身を大きく使って表現していた。
フリー92.36、総合142.13で、SP同様、FSも自己ベスト更新!

28 サラ・タムラ(カナダ)

  • SP順位:8,得点:51.42
  • 楽曲:The Firebird by Igor Stravinski

3Lzの転倒の他にも、ジャンプの着氷でバランスを崩すことが多かったが、わたしとしては、それよりも、彼女のポーズの決まらなさが気になった。「火の鳥」は、大きな音が、じゃん、じゃん、と印象的に入る音楽なので、それに合わせてポーズを決める振付がされているのだが、そこがどうにもこうにも決まらないんだよなー。何でなんだろ。姿勢がイマイチだから?
あまたの名選手が滑ってきた曲なので、それとも比較しちゃうんだよねぇ。グレイシーやポゴさんが使ったばかりだし。…う〜ん、まだ早かったんじゃないかなぁ?
たいへん愛らしい容貌の選手なのだが、生かしきれてない。もったいない。
フリー89.99、総合141.41で、総合得点は自己ベスト更新!

29 マチルダ・アルゴットソン(スウェーデン

  • SP順位:7,得点:52.43
  • 楽曲:You Have To Be There by Björn Ulvaeus, Benny Anderson

途中で回転が開いたり、着氷で踏ん張れなくて、キレイに片足で立てないジャンプが多く見られたが、スピンは本当に素晴らしかった。独創的なポジションを交え、回転が速く、軸がまっすぐで気持ちいい。
女性ボーカルの決然とした歌い方が、彼女のシャープな滑りにマッチしていて、とても良いプログラム。ジャンプが全てクリーンに決まった演技をぜひとも見たい。
フリー75.22、総合127.65
第5グループが終わった時点で、総合1位は、ミカエラ‐ルチエ・ハンズリコワ(チェコ)。

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●第6グループ
30 Eunsoo LIM ウンス・イム(韓国)

  • SP順位:6,得点:55.88
  • 楽曲:Miss Saigon by Claude-Michel Schoenberg

最終グループに入って、選手の滑るスピードがアップしたのを感じた。
冒頭の3Lz+3Tで壁にぶつかって転倒し、2本目の3Lzで!が付いたほかは、GOEの減点なし。ジャンプもスピンもステップも、動きがクリアーで、キラキラして見えた。
特に成功したジャンプは、高さと幅、流れがあって、質が良かった。
表情豊かで、悲しげな表情や嬉しそうな笑顔など、その時々で、ちゃんと表情を作って演じていた。
フリー111.03、総合166.91。現時点で総合1位。

31 アシュリー・リン(アメリカ)

  • SP順位:5,得点:57.08
  • 楽曲:Sandstorm by La Bionda

3Fの転倒の他は、クリーンな演技に見えたのだが、3Lzにeが、複数のジャンプに<が付いたため、得点が伸びなかった。
スピンは全ての手の動きまで工夫され、神経が行き届いていて、とてもよかった。
最後の要素がステップという珍しい構成。スピードが出てるなーと思ってみていたが、ステップで少し疲れを感じた。
SP同様、笑顔が素敵だったな〜。
フリー97.37、総合154.45。現時点で総合2位。

32 本田真凜(日本)

  • SP順位:4,得点:57.79
  • 楽曲:Romeo and Juliet by Nino Rota

3F+3Tでバランスを崩した。よく転倒せずにこらえたと思う。GOEで減点されたのは、ここだけ。あとは、1A+2T+2Loがまた2Aにならなかったのが残念だった。
でも、JGP横浜のときのように、スタミナ切れした感じはなく、最後まで動けていたと思う。ただ、後半、音楽がどんどん盛り上がってくるところで、もっと力強さや迫力が出せるようになるといいかなー。
演技が終わった後、がっかりした顔になる。
それでも、このエフォートレスでシームレスな滑りはすごい。加点もどしどしつくわけだよ。
キスクラで不安そうな真凜ちゃん。今季は、プレッシャーというか、自分自身との闘いに苦しんでいるように見える。
フリー120.96、総合178.75。現時点で総合1位。

33 紀平梨花(日本)

冒頭の3A決めたーーーー!!!! 8トリプル成功!!!! すべてのエレメンツにGOEプラス。
彼女の素晴らしいところは、この高難度ジャンプ構成を成功させたうえに、音楽表現や表情にもきちんと心配りできているところである。演技終盤に、バテた感じもない。すごい。
フリー128.31、総合194.24で、どちらもSBおよび自己ベスト更新! 現時点で総合1位。
笑顔で岳斗コーチとサムズアップグータッチする紀平さん☆ よかったね☆

34 アリナ・ザギトワ(ロシア)

  • SP順位:1,得点:68.09
  • 楽曲:Don Quixote by Leon Minkus

2本目の3Lz<<で転倒。他にも回転不足がいくつか取られていた。
あんまりスピードが出てなかったかなぁ(本人比)。ちょっと体が重そうだった気がする(本人比)。少し元気がなかった。
フリー109.29、総合177.38。現時点で総合3位。

35 アリサ・ロスコ(ロシア)

  • SP順位:3,得点:59.78
  • 楽曲:Milord by Edith Piaf

スピードに乗って、滑れていたように見えたが、プロトコルを見ると、ジャンプに<や<<が刺さっている(泣)。それと、3Lzにeが付いてしまった。
スピンの素晴らしさは言葉で言い尽くせないほど。回転の速さが段違いである。
StSq3は、腕をしなやかに動かして、ピアフの歌を素敵に表現していた。
フリー99.81、総合159.59。総合5位に決定。

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◆総合順位
女子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Rika KIHIRA JPN 194.24 2 1
  2. Marin HONDA JPN 178.75 4 2
  3. Alina ZAGITOVA RUS 177.38 1 4
  4. Eunsoo LIM KOR 166.91 6 3
  5. Alisa LOZKO RUS 159.59 3 5
  6. Ashley LIN USA 154.45 5 6
  7. Michaela-Lucie HANZLIKOVA CZE 142.13 9 8
  8. Sarah TAMURA CAN 141.41 8 9
  9. Alexandra FEIGIN BUL 141.30 11 7
  10. Matilda ALGOTSSON SWE 127.65 7 13
  11. Lea Johanna DASTICH GER 125.87 14 10
  12. Liubov EFIMENKO FIN 123.94 10 15
  13. Polina USTINKOVA SUI 119.02 18 11
  14. Anastasia GOZHVA UKR 116.69 12 17
  15. Alisa STOMAKHINA AUT 115.93 15 14
  16. Lucrezia GENNARO ITA 110.37 22 12
  17. Bronislava DOBIASOVA SVK 110.27 16 16
  18. Juni Marie BENJAMINSEN NOR 109.53 13 20
  19. Daria JAKAB HUN 106.58 17 19
  20. Anna LITVINENKO GBR 105.18 19 18
  21. Josephine KAERSGAARD DEN 93.87 20 22
  22. Hana CVIJANOVIC CRO 92.60 24 21
  23. Nina POLSAK SLO 90.78 25 23
  24. Haley YAO TPE 87.82 21 26
  25. Elizabete JUBKANE LAT 86.17 23 27
  26. Lara GUCEK SLO 86.00 27 24
  27. Natalie SANGKAGALO THA 81.94 26 28
  28. Leona ROGIC SRB 81.43 33 25
  29. Marusa UDRIH SLO 77.02 31 29
  30. Zhansaya ADYKHANOVA KAZ 75.01 30 31
  31. Gulzhan ZHUMADILOVA KAZ 74.17 32 30
  32. Joyce Selina CHAN HKG 72.95 29 32
  33. Xin Yi LOKE SIN 72.92 28 33
  34. Florencia LIN ARG 52.91 34 34

WD Daniella Vanessa IPSARIDOU CYP 35

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◆総評
紀平さんが、3Aをクリーンに着氷し、8トリプルを成功させて、みごと優勝!! 素晴らしい〜☆ 初のJGPファイナル出場も決定!! おめでとう!!
真凜ちゃんは逆転の2位。2位&2位で、ファイナル出場の可能性は残っているが、さて、どうなるか。
3位のザギトワさんは、SPの出来がすばらしかっただけに、FSの失速は意外だった。後半に全てジャンプを跳ぶプログラムだから、一度失敗すると、ミスが連鎖しやすいのかもしれない。まぁ人間だもの、失敗するときもあるさ。1位&3位でファイナル出場決定。おめでとう〜☆
4位のウンスさんは、ヨナちゃんを思い出させる素晴らしい演技だった。韓国女子の充実ぶりは、目覚ましいものがありますな。
5位のロスコさんは、SPの総評でも書いたけど、ジャンプの回転不足がねぇ…(泣)。今季ジュニアデビューしたロシア女子の中では、特にお気に入りの一人なので、頑張ってほしい。
10位のマチルダさんは、今大会で初めて見た選手なのだが、心惹かれるものを感じる。また演技が見たいな〜。

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JGPファイナル確定者
さて、今大会の結果を受けて、JGPファイナル進出が確定した選手は、下記の通り。

坂本さんは、今大会前に確定していたようだ。
3人とも初出場。残り3枠どうなるか。