JGPタリン杯2016 ペアSP

JGPタリン杯2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第6戦。ペアSPは、現地時間2016年9月29日(木)に行われた。

にて、前半2グループはライブで、後半2グループは翌日動画を見た。
特に印象に残った組の演技について、滑走順に感想を書いている。日本語表記に自信がない名前には?を付けている。

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●第1グループ
1 Yue HAN / Yongchao YANG ユエ・ハン&ヨンチャオ・ヤン(中国)

  • 楽曲:The Lonely Goatherd by Richard Rodgers

バイオを見るに、この組でJGPに出場するのは今大会が初めて。
…う〜ん、久々に中国クオリティーの衣装を見たぜ(汗)。男性の黄色のふさふさが前だけ左右非対称にしてるのはどうして? このふさふさがないほうが、素敵だと思うなー。
まぁそれはさておき、おそらく今季組んだばかりの組なので、ユニゾンやリフトはまだまだこれからという感じだが、スロー3Tは幅があり、クリーンに下りていた。
男性ボーカルが「オーオーレイヨーレイヨー」と楽しく歌う曲なので、男女ともに笑顔で滑っていて良かった。ジュニアのペアは、無表情で滑る男性が多いのだが、この組の男性は、ちゃんと表情を作って演じられていた。
ステップに、男性が開脚した女性をおんぶしてくるくる回ったり、他にもいろいろ独創的な振付があって、素敵だった。
48.68。

2 Renata OGANESIAN / Mark BARDEI オガネシアン?&バルディ?(ウクライナ

  • 楽曲:The Race II by Yello

昨季、JGPファイナル5位、ジュニアの国内選手権優勝、世界ジュニア4位。
黄色と黒のレーサーっぽい衣装。音楽に車の排気音やカーチェイスの効果音がモリモリ入っていた。
昨季から続行のプログラムなのだが、ユニゾンが合ってなくて、動きに精彩がなかった。昨季の世界ジュニアとは別人のよう。ど、どうした? 怪我か病気で練習不足なの?
50.37。

3 Chelsea LIU / Brian JOHNSON リュウ&ジョンソン(アメリカ)

昨季の世界ジュニア5位。今季、JGPチェコスケート3位。
2Aをクリーンに着氷。3ツイストもきれい。スロー3Tは手を付いてしまったが、ジャンプに高さがあった。ステップにズレがあったけど、チェコスケートのときより合うようになったと思う。
フィニッシュが音楽とともに終わらず、最後ちょっと焦ったのか、男性がよろけちゃったけど、最後のリフトは出に工夫があり、スピードとキレがあってかっこよかった。
55.46で、SBおよび自己ベスト更新!

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●第2グループ
6 Giulia FORESTI / Leo Luca SFORZA フォレスティ&スフォルツァ(イタリア)

  • 楽曲:Wanna Be Starting Something by Jackson Five

バイオを見ると、この組は、ユニークなキャリアを経ていて、2010年に結成したものの、2013年にいったん解散した。その後、男性は姉と組んでアイスダンスに転向し、2014〜15年シーズンの世界ジュニアに出場している。そして男性は、18歳ながら、今年、シングルのスケーターと結婚したばかり。
2012〜13、ジュニアの国内選手権優勝、世界ジュニア13位。
女性の衣装に描かれてるのって、人の顔よね? しかもハクション大魔王のツボみたいな顔(笑)。
男女でミラーの動きで、離れたところから円を描いて近づいていき、通り過ぎたところで2Aを跳ぶという、おもしろい入り方だったが、女性が転倒。BiDsは、見た目クリーンに見えたのだがノーバリューになってしまった。何がいけなかったんだろう。ステップやつなぎのボディームーブメントに、光るものを感じた。
あまり身長差がないカップルなのだが、ツイストやリフト、スロージャンプを見る限り、今のところ大丈夫そう。
44.51で、自己ベスト更新!

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●第3グループ
8 Alina USTIMKINA / Nikita VOLODIN ウスティムキナ&ボロディン(ロシア)

  • 楽曲:Mad Max: Fury Road (soundtrack) by Junkie XL

ジュニアの国内選手権5位、ユースオリンピック3位。
映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の曲だ! ロシアお得意の独創的なアレンジもなく(苦笑)、普通にそのまま使っていたんじゃないかな。映画を意識した衣装で、かっこよかった。
2Aで男性がオーバーターン。3ツイストは高さがありキャッチもきれい。デススパイラルは、女性の体がぴんと張っていて美しい。スロー3Tは流れがあった。リフトは難しそうなポジションチェンジをスムーズに行っていた。
これまでの組とは別格の滑りだった。安心して見ていられる。
57.31で、自己ベスト更新!

9 Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR アレクサンドロフスカヤ&ウィンザー(オーストラリア)

  • 楽曲:Skyfall (James Bond soundtrack) by Adele

今季、JGPデビューで、JGPチェコスケート8位。
クリーンな演技! 選手たちも嬉しそう。
まだエレメンツを淡々とこなしている印象だが、前のJGPチェコスケートより、ポジションやラインがキレイになったし、ユニゾンもエレメンツの質も明らかに向上している。特にスピンは、二人の動きがぴったりそろっていて爽快だった。いいよいいよ〜☆
キスクラの雰囲気も良くなってる! 笑顔がいっぱい。
56.98でSB更新! チェコのときより7点以上もアップしてる〜☆

10 Amina ATAKHANOVA / Ilia SPIRIDONOV アタハノワ&スピリドノフ(ロシア)

  • 楽曲:Jimmy, Renda-se by Tom Ze

昨季、JGPファイナル3位、ジュニアの国内選手権2位。今季、JGPチェコスケート2位。
JGPチェコスケートで初めて音楽を聴いたときは、そのユニークさに衝撃を受けたのだが、今回は普通にかっこよく聴こえたのはなぜだろう。慣れか?(笑)
あまりにも印象が違ったので、チェコの演技をもう一度見てみたが、アレンジは(たぶん)変わってないけど、衣装が、甘さを排したクールなものにガラッと変わっていた。前のはよくあるタイプの衣装だったので、今の方が、このクールでユニークなプログラムに合ってる気がする。
クリーンな演技で、ジャッジが誰一人マイナスを付けていない。
スケーティングのスピードと伸び、エレメンツの質、どれをとっても、他の組よりずば抜けていたのだが、最後、ピストルを撃つ動作だけがズレていた。プログラムが締まらないので、ここは二人とも銃声にピッタリそろえてほしい。
64.79でSBおよび自己ベスト更新! おお〜、やっぱ抜きんでて高い得点が出た。前のPBより5点以上アップしてるよ☆

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●第4グループ
12 Ekaterina BORISOVA / Dmitry SOPOT ボリソワ&ソポト(ロシア)

  • 楽曲:Dance of the Knights performed by Bel Suono

昨季、JGPファイナル優勝、ジュニアの国内選手権3位、ユースオリンピック優勝、世界ジュニア3位。今季、JGPモルドヴィア杯3位。
前のJGPモルドヴィア杯では、ユニゾンが合ってないし、元気もないしで、すごく心配していた。
スロー3Tは飛距離がすごくて、カメラからフレームアウトするほどだったが、がコントロールしきれず、お手付き&ステップアウト。リフトは次々ポジションを変化させ、くるくる回っていたが、動きはスムーズだった。
ステップとスピンで、ちょっとズレはあったが、モルドヴィア杯よりは断然合うようになっていた。復調してる! よかったー。
56.34でSB更新!

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◆SP順位
SPが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されている。

  1. Amina ATAKHANOVA / Ilia SPIRIDONOV RUS 64.79 38.81 25.98
  2. Alina USTIMKINA / Nikita VOLODIN RUS 57.31 34.16 23.15
  3. Ekaterina ALEXANDROVSKAYA / Harley WINDSOR AUS 56.98 34.27 22.71
  4. Ekaterina BORISOVA / Dmitry SOPOT RUS 56.34 33.46 22.88
  5. Chelsea LIU / Brian JOHNSON USA 55.46 32.78 22.68
  6. Renata OGANESIAN / Mark BARDEI UKR 50.37 29.96 20.41
  7. Yue HAN / Yongchao YANG CHN 48.68 28.73 19.95
  8. Gabriella MARVALDI / Daniel VILLENEUVE USA 46.85 26.43 20.42
  9. Evelyn WALSH / Trennt MICHAUD CAN 46.46 26.20 20.26
  10. Giulia FORESTI / Leo Luca SFORZA ITA 44.51 25.12 20.39
  11. Vanessa CHEN / Eric HARTLEY USA 44.02 26.62 17.40
  12. Hannah DAWSON / Christian REEKIE CAN 42.41 23.15 19.26
  13. Talisa THOMALLA / Robert KUNKEL GER 37.93 22.34 16.59
  14. Dorota BRODA / Pedro BETEGON MARTIN ESP 35.33 20.05 15.28
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◆総評
SP1位のアタ&スピは、頭一つ抜けてる感じなので、このまま優勝しそう。
2位以下は、混戦なんだよねー。SPの得点を見ると、表彰台は、5位までの組が狙えるだろうか。
2位のウス&ボロは、初めて見る組だったが、さすがロシアのペアだけあって、危なっかしいところもなく、ちゃんとペアの演技になっていた。PCSがアタ&スピに次いで2位という評価も納得。
3位のアレ&ウィンは、前のJGPより見違えるように上手くなっていて驚いた。オーストラリアの輝ける星になってくれそう!
4位のボリ&ソポは、復調してきて、ほんと安心したし、5位のリュウ&ジョンも、着々とプログラムが仕上がってきていて、よかった。
一方、心配なのは6位のオガ&バルである。世界ジュニア4位の実力カップルなのに、SPではまったく精彩を欠いていた。
ペアは全組の演技を見たのだが、スピンやステップで二人の動きを合わせるのって、ほんと大変なんだなーと、改めて思った。スピンは特にわかりやすいので目につくのだが、たぶん、ちゃんとぴったりそろってたのって、1位のアタ&スピと、3位のアレ&ウィンだけなんじゃないかなー。