JGPタリン杯2016 アイスダンスSD

JGPタリン杯2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第6戦。アイスダンスSDは、現地時間2016年9月30日（金）に行われた。
ISUのライブ放送、

• 2016 ISU Junior Grand Prix - Tallinn - Short Dance - YouTube

で、全組の演技を見た。特に印象に残った組の演技について、滑走順に感想を書いている。
日本語表記に自信がない名前には？を付けている。また、「名字が難しすぎて無理！」と判断した場合は、ファーストネームで表記している。

• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • -

●第1グループ
1 Chloe LEWIS / Logan BYE ルイス＆バイ（アメリカ）

• 楽曲：
  • Blues: Save My Soul by big bad Voodoo Daddy
  • Swing: Jumpin' Jack by Big Bad Voodoo Daddy

昨季、全米ジュニア6位、ユースオリンピック2位。今季、JGPチェコスケート6位。
非常に元気よく、特に男性は、振付を大げさなくらい派手にやっていた。
ツイズルは危なっかしく、回転がズレていたので、GOEマイナスされていたけど、他はプラス評価。SlLi4で、まったく「よっこらしょ」感がなく、スッと入っていてかっこよかった。
51.04でSB更新！

2 Ria SCHWENDINGER / Valentin WUNDERLICH リア＆ヴァレンティン（ドイツ）

• 楽曲：Swing, Blues, Swing

昨季、世界ジュニア16位。
ミラーのツイズルだ！ めずらしい！ 回転がちょっと危なっかしかったからかGOE 0.00だが、レベル4は取れていた 。
全体的に、ちょっと粗っぽいけど、勢いとスピードがあってよかったと思う。
47.79。

• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • -

●第2グループ
6 Anastasia SKOPTCOVA / Kirill ALESHIN スコプツォワ＆アリョーシン（ロシア）

• 楽曲：
• Blues: At Last by Michael Bolton
• Swing: Swing Baby by JYP

昨季、JGP Croatia Cup 2位、ジュニアの国内選手権4位、ユースオリンピック3位。今季JGPリュブリャナ杯3位。
2週連続かー。お疲れ様です。
STw4は非常になめらかで、パターンは二人の動きがよくそろっていた。スウィングでは明るく楽しく生き生きと滑っていた。
動きがすごくクリアーでシャープだった。ジャッジが誰一人マイナスを付けていないだけでなく、0も1つしかない。
62.53でSBおよび自己ベスト更新！ 60点台が出た！

7 深瀬 理香子 / 立野 在（日本）

• 楽曲：
  • Blues: Petite Fleur by Sydney Bechet
  • Swing: Opus One

昨季、全日本ジュニア優勝、世界ジュニア19位。今季、JGP横浜6位。
パターンは見た目クリーンに見えたのだが、二つともGOEマイナスが付けられている。
STw3は、セカンドで男性の足が先につき、サードで女性が小さくスタンブルしたため、GOEマイナス。RoLi4は、回転がとてもスムーズで速く、女性の開脚ポジションもきれいだった。
悪くない演技だったと思うのだが、前の組がキレッキレのスコ＆アレで、一蹴りの伸びの違いが明らかだったのが、少し辛かったかも。全体的な動きも小さくまとまってしまったように感じた。
44.30。

• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • -

●第3グループ
10 Julia WAGRET / Mathieu COUYRAS ジュリア＆マチュー（フランス）

• 楽曲：
  • Blues: Try a Little Tenderness by Otis Redding
  • Hip Hop: Reprise Try a Little Tenderness by Jaze Z
  • Hip Hop: Turn Down for What by DJ Snake

昨季、JGP Cup of Austria 14位、ユースオリンピック8位。今季、JGPモルドヴィア杯5位。
ブルースの、けだるげな雰囲気つくるの上手いなぁ。パターンは、体を大きく傾け、ディープエッジで滑っていたと思う。
衣装チェンジはほんと、あっという間。これで一気にヒップホップの世界に切り替えてしまう。
STw4は、セカンドで男性が先に足をついてしまっていたが、減点されていなかった。回転自体は速かったし、セカンドの出以外は、二人の動きもそろってたもんな。
SlLi4は次々とポジションチェンジしてて、すごいんだけど、少しあわただしい感じがする。もそっと余裕をもってできるといいな。
52.49でSB更新！ キスクラでオリヴィエ先生が両手でガッツポーズ☆

12 Sarah Marine ROUFFANCHE / Geoffrey BRISSAUD サラ・マリーヌ＆ジョフリー（フランス）

• 楽曲：
  • Swing: Swing Sweet Pussycat by The Atomic Fireballs
  • Blues: Stop and Stare by The Baseballs
  • Swing: The Dirty Boogie

2014〜15シーズン、世界ジュニア15位。今季、JGPリュブリャナ杯7位。2週連続、お疲れ様です。
序盤のキビキビした動き。パターン1つ目で男性が足をついてしまい、GOEマイナス。後半またスウィングになるのだが、元気があり、二人の距離も近くてよかった。
男性が最初から最後までニカッという擬態語がぴったりの笑顔なのが印象的（笑）。
50.44でSB更新！

• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • -

●第4グループ
14 Darya POPOVA / Volodymyr BYELIKOV ポポワ＆ベリコフ（ウクライナ）

• 楽曲：
  • Blues: Save My Soul by Big Bad Voodoo Daddy
  • Swing: Cinnamon Girls by Big Bad Voodoo Daddy

昨季まで、それぞれ別のパートナーと組んでいた。今季、JGPチェコスケート8位。
女性の濃いピンクの衣装が氷上に映えるなぁ。男性が右腕に同色のハンカチを巻いているのも、ワンポイントになっててオシャレ。
パターンは、2つとも二人のフリーレッグの角度がきっちりそろっており、一蹴りの伸びもあって、よかった。
CuLi4は、女性のラインがキレイだったのだが、出のところでちょっともたついた感じに。GOEプラスだけど、ジャッジが一人-1をつけているのは、それが理由なのだろうか。
クリーンな演技だった。自分たちの実力をしっかり発揮できたんじゃないかな。
50.23で、SBおよび自己ベスト更新！

15 Alla LOBODA / Pavel DROZD ロボダ＆ドロースト（ロシア）

• 楽曲：
  • Blues: St. Louis Blues
  • Swing

昨季、JGPファイナル2位、ジュニアの国内選手権優勝、世界ジュニア3位。今季、JGPモルドヴィア杯優勝。
今回の演技で気づいたのだが、冒頭は、煙草を吸ってる男性に、女性がコナかけるところから始まってたんだな。
セカンドツイズルがちょっといまいちだったかなーというのと、リフトのポジションチェンジがちょっと慌ただしいかなーと感じた以外は、完璧に見えた。
パターン2つ目がレベル3だった以外は、全てレベル4獲得。GOE加点モリモリ。ジャッジの誰一人マイナスをつけていないだけでなく、0もない。
65.54で、SBおよび自己ベスト更新！ とうとう65点台に乗せてきたね〜。

16 Hannah WHITLEY / Elliott GRAHAM ホワイトリー＆グラハム（カナダ）

• 楽曲：
  • Blues: Born to Die by Lana DelRey and Justin Parker
  • Hip Hop: Roses by Elizabeth Mencel and Chainsmokers

昨季、JGP Riga Cup 7位。今季、JGPチェコスケート5位。
STw4のサードで回転がちょっとズレてしまった（GOE 0.34）。あと、NtMiSt2で、女性がちょっとバランスを崩した（GOE0.16）。どちらも、ジャッジは誰もマイナスをつけていなかったので、さほど大きなミスではなかったんだと思う。
ヒップホップで使っている、ふしぎな感じのする曲が好きなのだが、まだちょっと踊り切れてない印象を受ける。もっと大げさなくらい弾けちゃった方がいいんじゃないかなぁ。
50.68で、SBおよび自己ベスト更新！

• • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • -

◆SD順位
SDが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されている。

1. Alla LOBODA / Pavel DROZD RUS 65.54 34.86 30.68
2. Anastasia SKOPTCOVA / Kirill ALESHIN RUS 62.53 33.07 29.46
3. Julia WAGRET / Mathieu COUYRAS FRA 52.49 27.83 24.66
4. Chloe LEWIS / Logan BYE USA 51.04 25.01 26.03
5. Hannah WHITLEY / Elliott GRAHAM CAN 50.68 27.29 23.39
6. Sarah Marine ROUFFANCHE / Geoffrey BRISSAUD FRA 50.44 25.21 25.23
7. Darya POPOVA / Volodymyr BYELIKOV UKR 50.23 26.06 24.17
8. Ria SCHWENDINGER / Valentin WUNDERLICH GER 47.79 24.51 23.28
9. Viktoria SEMENJUK / Artur GRUZDEV EST 46.82 25.70 22.12
10. Emilia KALEHANAVA / Uladzislau PALKHOUSKI BLR 44.36 25.33 19.03
11. Rikako FUKASE / Aru TATENO JPN 44.30 24.04 20.26
12. Irina GALIYANOVA / Tommy TANG CAN 42.90 23.12 19.78
13. Jenna HERTENSTEIN / Damian BINKOWSKI POL 41.53 21.94 19.59
14. Katerina BUNINA / German FROLOV EST 41.13 21.80 19.33
15. Emily ROSE BROWN / James HERNANDEZ GBR 39.24 18.96 20.28
16. Anastasia OZEROVA / Nicholas MCCREARY AUS 31.71 17.82 14.89
    • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • • -

◆総評
事前の予想通り、ロボダ＆ドローストがSP1位。スケーティングの質とかユニゾンとか、何もかも別格だもんなぁ。
ビックリしたのは、2位のスコプツォワ＆アリョーシン。や、確かにこのメンバーだったら2位にくるだろうとは思ってたけど、まさか先週のリュブリャナ杯より5点以上もスコアを上げてくるとは。キレもよくなってるし、おそらくピークをこの大会に向けて調整してきたのだろう。
3位以下は混戦もようなので、どの組が上がってくるか予想がつかない。PCSでは、ルイス＆バイが、上位2組に次いで3位なのだが。
11位の深瀬＆立野は、SB更新ならず、残念であった。10位のベラルーシの組とは僅差なので、一つでも上の順位を目指して頑張ってほしい。
今回、全組の演技を見て思ったのだが、正直、40点台の組の良し悪しが分からない。みんな、同じくらい上手く見えるんだよなぁ。さすがに50点近くになってくると、何となく違いが感じられるのだが。