JGPブラエオン・シュベルター杯2016 アイスダンスSD

JGPブラエオン・シュベルター杯2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第7戦。アイスダンスSDは、現地時間2016年10月6日(木)に行われた。
ISUのライブ放送、

で、全組の演技を見た。特に印象に残った組の演技について、滑走順に感想を書いている。
日本語表記について、「名字が難しすぎて無理!」と判断した場合は、ファーストネームで表記している。

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●第1グループ
2 Marjorie LAJOIE / Zachary LAGHA ラジョワ&ラガ(カナダ)

  • 楽曲:
    • Blues: Shopping Clothes by The Coasters
    • Swing: Land of 1000 Dances (Forrest Gump soundtrack) by Wilson Pickett

昨季、ジュニアの国内選手権2位、ユースオリンピック4位、世界ジュニア13位。今季、JGP横浜4位。
パターンのレベルは3、2。NtMiStはレベル3。
パターンのフリーレッグの動かし方が、少し独特に感じた。スピードが出ていたし、ボディームーブメントにキレがあった。肩や首のちょっとした動きが、アクセントになっていてかっこいい。
57.32で、自己ベスト更新!

4 Ria SCHWENDINGER / Valentin WUNDERLICH リア&ヴァレンティン(ドイツ)

  • 楽曲:Swing, Blues, Swing

昨季、世界ジュニア16位。今季、JGPタリン杯8位。
二週連続出場で、体力的にはきついと思うのだが、そんな気配は全くなく、元気よく滑っていた。タリン杯のときに感じた、粗っぽさは消え、よくコントロールされているように感じた。
パターンのレベルは2、3。NtMiStはレベル2。
クリーンな演技に見えたのだが、パターンではGOEで減点されていた。何がいけなかったんだろう?
女性の衣装を見て、第一印象が「セクシーなパジャマ?」だった。上はデコルテが広く開いた半袖で、丈が短くお腹が見えている。下は太ももの中ほどまでの長さの短パン。頭に服とおそろいのヘアバンド。男性は普通にポロシャツとズボンなのだが。どういうコンセプトのプログラム?
49.07で、自己ベスト更新!

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●第2グループ
6 Maria GOLUBTSOVA / Kirill BELOBROV ゴルブツォワ&ベロブロフ(ウクライナ

  • 楽曲:
    • Hip Hop: Clint Eastwood by Gorrilaz
    • Blues: Gravity by Gorillaz
    • Swing: Clint Eastwood by Gorillaz

昨季、シニアの国内選手権3位、ユースオリンピック7位、世界ジュニア18位。今季、JGPリュブリャナ杯6位。
二人ともぴっちりジーンズをはいているので、足の細さが際立つ。
パターンのレベルは両方4。すごい。NtMiStはレベル3。
個性的な振付を丁寧に行っていたが、もそっとキレとか激しさがある方が、ヒップホップらしさが出ていいんじゃないかなー。
54.51で、自己ベスト更新!

7 Leticia MARSH / Anton SPIRIDONOV マーシュ&スピリドノフ(イギリス)

  • 楽曲:
    • Blues: Seven Nation Army by Jack White performed by Modern Jukebox
    • Hip Hop: Hush Hush by Nicole Scherzinger, performed by the Pussycat Dolls

今季、JGPリュブリャナ杯でJGPデビューし、8位。
バイオによると、男性の両親はソ連の元アイスダンス選手で、兄も元アイスダンス選手のマキシム・ザヴォジン。
コーチがズエワで、練習拠点がカントンだから、哉中&クリスと同門なんだな。
パターンのレベルは1、2。NtMiStはレベル2。ツイズルがレベル1でGOEマイナス。女性がセカンドでバランスを崩しちゃったからかなぁ。
前半のブルースではねっとりと、後半のヒップホップでは「ハッシュ!ハッシュ!」の音楽に合わせてキレよく踊れていた。
42.97で自己ベスト更新!

8 Salome ABDEDOU / Dylan ANTUNES サロメ&ディラン(フランス)

  • 楽曲:
    • Blues: Our Dance by Wax Taylor
    • Hip Hop: Gangster Paradise by Coolio

昨季、JGP Logrono 15位。今季、JGPモルドヴィア杯7位。
黒のおしゃれジャージ衣装。モルドヴィア杯のときは、映像の状態が悪かったので、今回ようやく最初から最後までプログラムをきちんと見られた。個性的な振付で、お気に入りのプログラム。
わたしの目にはクリーンに映ったのだが、パターンは両方GOEマイナス。ツイズルもマイナス。パターンはともかく、ツイズルの良し悪しは、素人にも分かりやすいと思うのだが、スローで見ても何がダメだったのか分からなかった…(汗)。
パターンのレベルは3、1。NtMiStはレベル2。CuLi3の取りこぼしが地味に痛い。リフトはどの組も大抵レベル4を取ってくるからなー。
42.71。モルドヴィアのとき(50.19)より7点以上低い…。

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●第3グループ
11 Anastasia SHPILEVAYA / Grigory SMIRNOV シュピレワヤ&スミルノフ(ロシア)

昨季、ジュニアの国内選手権3位、ユースオリンピック優勝、世界ジュニア5位。女性はウクライナ出身。今季、JGP横浜2位。
うま…うま〜〜!! いきなりレベルが跳ね上がった感じ。滑りの質が今までの選手と全然違う。
パターンは両方レベル4! フリーレッグのつま先の角度までそろっていて美しい。
STw3は、ファーストとセカンドの間に入る振付がアクセントになっていて、とても素敵だったのだが、セカンドで男性がバランスを崩して先に足をついてしまった。
NtMiStはレベル3。曲想にぴったりの表現ができていた。
61.00で、自己ベスト更新!

12 Rachel PARSONS / Michael PARSONS パーソンズ兄妹(アメリカ)

  • 楽曲:
    • Hip Hop: A Little Party Never Killed Nobody by Fergie, Q-Tip, GoonRock
    • Blues: Born to Die by Lana Del Rey
    • Hip Hop

昨季、JGPファイナル3位、全米ジュニア2位、世界ジュニア2位。今季、JGP横浜優勝。
超クール!! 二人のユニゾンと音楽との一体感が本当に素晴らしい。ぼへ〜っと見とれているうちに、あっという間に終わってしまった。
パターンは両方レベル4! NtMiStはレベル3。全エレメンツ中、ジャッジが+3を5個も出している。マイナスはもちろん、0も皆無。
SiLi4では、あれだけポジションチェンジしてるのに、まったく力みを感じさせずに、ススススッと動けるってどういうことなんだろう。
65.93。

13 Arina USHAKOVA / Maxim NEKRASOV ウシャコワ&ネクラソフ(ロシア)

  • 楽曲:
    • Blues: Natural Blues by Paolo Nutini
    • Hip Hop: Let Me Clear My Throat by DJ Kool

今季、JGPチェコスケートでJGPデビューし、3位。
奇抜な衣装&独創的なプログラム(笑)。キレッキレにはっちゃけて踊れていた。演技が始まる前の振付や、終了時のポーズがとても印象的なので、どういうコンセプトのプログラムなのか教えてほしい(笑)。
パターンのレベルは4、3。NtMiStはレベル2。
57.13で、自己ベスト更新! チェコスケートのときより3点以上アップしてる! すご〜い☆

14 Alicia FABBRI / Claudio PIETRANTONIO ファブリ&ピエトラントニオ(カナダ)

  • 楽曲:
    • Blues: You & Me (feat. Eliza Doolittle)
    • Hip Hop: You & Me (feat. Eliza Doolittle)
    • Blues: You & Me (feat. Eliza Doolittle)

今季、JGPモルドヴィア杯でJGPデビューし、4位。
スピードに乗って、力強く滑っていた。ヒップホップのときの振付が個性的でかっこいい。
パターンは両方レベル4! NtMiStはレベル2。
55.35で、自己ベスト更新! モルドヴィア杯のときより6点以上アップしてるよ☆

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◆SD順位
SDが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されている。

  1. Rachel PARSONS / Michael PARSONS USA 65.93 34.42 31.51
  2. Anastasia SHPILEVAYA / Grigory SMIRNOV RUS 61.00 31.57 29.43
  3. Marjorie LAJOIE / Zachary LAGHA CAN 57.32 30.20 27.12
  4. Arina USHAKOVA / Maxim NEKRASOV RUS 57.13 29.97 27.16
  5. Alicia FABBRI / Claudio PIETRANTONIO CAN 55.35 30.68 24.67
  6. Maria GOLUBTSOVA / Kirill BELOBROV UKR 54.51 30.40 24.11
  7. Ria SCHWENDINGER / Valentin WUNDERLICH GER 49.07 26.29 22.78
  8. Katerina BUNINA / German FROLOV EST 44.51 24.62 20.89
  9. Leticia MARSH / Anton SPIRIDONOV GBR 42.97 22.23 20.74
  10. Salome ABDEDOU / Dylan ANTUNES FRA 42.71 24.06 19.65
  11. Jenna HERTENSTEIN / Damian BINKOWSKI POL 42.57 23.00 19.57
  12. Kristsina KAUNATSKAIA / Yuri HULITSKI BLR 40.88 20.60 20.28
  13. Sarah Michelle KNISPEL / Maximilian VOIGTLÄNDER GER 39.84 22.70 17.14
  14. Jessica PALFREYMAN / Charlton DOHERTY AUS 30.63 16.57 15.06
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◆総評
事前の予想通り、SD1位はパーソンズ兄妹で、2位はシュピ&スミ。ここはFDもそのままの順位で決まりそう。
熾烈なのは3位争いで、ラジョワ&ラガとウシャ&ネクはPCSもほとんど変わらないし、どういう結果になるか読めない。
心配なのは、10位のサロメ&ディラン。モルドヴィア杯のときより、大幅に得点を落としてるんだよね…。体調がよくないのかなぁ?