JGPブラエオン・シュベルター杯2016 ペアFS

JGPブラエオン・シュベルター杯2016 リザルト
ジュニアのGPシリーズ第7戦。ペアFSは、現地時間2016年10月8日(土)に行われた。

で、第2グループから演技の動画を見た。
印象に残った組の演技について、滑走順に感想を書いている。
日本語表記について、「名字が難しすぎて無理!」と判断した場合は、ファーストネームで表記している。

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●第2グループ
5 Laiken LOCKLEY / Keenan PROCHNOW ロックリー&プロクナウ(アメリカ)

  • SP順位:12,得点:46.46
  • 楽曲:Les Retrouvailles

リフトやデススパイラル、ソロスピンの質は、まだまだこれからといった感じだが、ソロジャンプを跳ぶタイミングがきっちり合ってるし、スロージャンプも得意そう。
最後、ゆ〜っくり動いて止まる、という個性的なエンディングなのだが、何を意味してるんだろう。教えて、ベルトン先生!(笑)
今日のベルトン先生は、髪をふんわりアップにしていて、いつも通り、とてもお美しい☆
フリー82.85、総合129.31。

6 Nica DIGERNESS / Danny NEUDECKER ニカ&ダニー(アメリカ)

  • SP順位:13,得点:45.93
  • 楽曲:Liebestraum by Franz Liszt

2A<で女性が転倒したり、男性が女性の腰を抱いているときに、スタンブルしたっため、女性もバランスを崩す場面もあったが、リフトやコレオ、スピンで二人の美しさを見せることができた。
愛の夢」のロマンティックな音楽は、二人の雰囲気にぴったりだと思う。
フリー81.23、総合127.16。

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●第3グループ
7 Gabriella MARVALDI / Daniel VILLENEUVE マルヴァルディ&ヴィルヌーヴアメリカ)

  • SP順位:11,得点:46.55
  • 楽曲:Les Miserables by Claude-Michel Schoenberg

ヴォーカルなしレミゼ。最後だけボーカルあり。
スロージャンプやソロジャンプにミスはあったが、コレオのスパイラルは美しくて素敵だったし、FiDs1は、女性の体が弓なりにぴんと張っていてきれいだった。
おそらく、彼らはレミゼのコゼットとマリウスを演じているのだと思われるが、若いカップルの瑞々しさ、さわやかさをよく表現していた。
プログラムの大半はヴォーカルなしのオケ演奏なのだが、終盤、2つ目のリフトの途中から合唱が入り、最高潮に盛り上がるところでデススパイラルに入るところがすごく好き。かっこいいなーと思う。
フリー84.82、総合131.37。

9 Justine BRASSEUR / Mathieu OSTIGUY ジャスティン・ブロッソー / マチュー・オスティギー(カナダ)

  • SP順位:9,得点:48.38
  • 楽曲:
    • La Valse d'Amour (from "Cinderella" soundtrack) by Patrick Doyle
    • Pumpkin and Mice (from "Cinderella" soundtrack) by Patrick Doyle
    • Who Is She (from "Cinderella" soundtrack) by Patrick Doyle
    • Courage and Kindness (from "Cinderella" soundtrack) by Patrick Doyle

おお、女性はシンデレラの水色の衣装で、男性は清く正しい王子衣装! ステキ☆
ソロジャンプやスロージャンプでミスが出てしまったのだが、シンデレラと王子の物語をがっつり見せてくれるプログラム構成で、すごくいいと思った。王子がシンデレラにガラスの靴を履かせる場面なんだろうなーとか、二人がダンスしている場面なんだろうなーとか想像させる振付がなされていて、それを彼らが実に幸せそうに微笑み合いながら演じているのだ。乙女心をときめかされるわ〜☆(笑)
フリー89.81、総合138.19で、SP同様、FSもSB更新!

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●第4グループ
10 Evelyn WALSH / Trennt MICHAUD エヴリン・ウォルシュ / トレント・ミショー(カナダ)

  • SP順位:8,得点:49.02
  • 楽曲:Rise Up by Andra Day

デススパイラルは問題ないと思ったのだが、GOEで減点されていた。他のエレメンツはGOEマイナスなし。
わたしが気になったのは、リフトで2つとも、女性を下ろすとき、滑るスピードがゆっくりになってしまうこと。SPでもそうだったんだよなー。
スロージャンプもソロジャンプも全部クリーンに着氷できたのはすごい。シニアのトップでもなかなかできないもの。
SPの感想にも書いたが、二人一緒に滑る姿が美しく、音楽表現の素敵なペアなので、これからの成長が楽しみでならない。リフトがんばれ。
フリー94.90、総合143.92で、SP同様、FSも自己ベスト更新! キスクラで二人とも、めっちゃ嬉しそう。

11 古賀 亜美 / スペンサー・アキラ・ハウ(日本)

  • SP順位:7,得点:49.33
  • 楽曲:Ryomaden by Naoki Sato

2Fe+2Tで、エラーがついたり、2A<<やスロー3Loの転倒、3Li3で上げるとき、男性の腕がまっすぐに伸びなかったりしたために、GOEで減点されたが、コレオのダンスリフトがエレガントで素敵だった。
フリー85.96、総合135.29。

12 Yue HAN / Yongchao YANG ユエ・ハン / ヨンチャオ・ヤン(中国)

  • SP順位:5,得点:50.47
  • 楽曲:
    • One Leche (from "Puss in Boots" soundtrack) by Henry Jackman
    • Chasing Tail (from "Puss in Boots" soundtrack) by Henry Jackman
    • The Puss Suite (from "Puss in Boots" soundtrack) by Henry Jackman
    • Team Effort (from "Puss in Boots" soundtrack) by Henry Jackman
    • Diablo Rojo (from "Puss in Boots" soundtrack) by Henry Jackman

「この二人、まだ組んで1年たってないんだよなー」というのを感じさせる演技で、ちょいちょいユニゾンがズレていた。
でも、スロー3Tで、転倒からなかなか立ち上がれないでいる女性を、男性が気遣う場面や、男性がジャッジにアピールできるところを見るに、将来有望な組だと思う。
フリー87.06、総合137.53で、自己ベスト更新!
得点が出たら、男性が女性とコーチを置いて、さっさといなくなってしまった。最後まで一緒にいなくちゃダメじゃん! …ま、何か事情があったのかもしれないけど。

13 Giulia FORESTI / Leo Luca SFORZA フォレスティ&スフォルツァ(イタリア)

  • SP順位:6,得点:49.80
  • 楽曲:The Nutcracker by Petr I. Tchaikovski

くるみ割り人形」なのに、どうして男女ともに黒い衣装なんだろう。女性はバレエを意識したデザインの衣装を着ているだけに気になる。
ソロジャンプやスロージャンプでいくつかミスがあったし、スピンのポジションがそろっていないのが気になったが、コレオの、ホールドしてのステップは、アイスダンスカップルみたいで素敵だった。
フリー84.65、総合134.45で、SP同様、FSも自己ベスト更新!

第4グループが終わった時点で、トップは、エヴリン・ウォルシュ / トレント・ミショー(カナダ)。

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●第5グループ
14 Anna DUSKOVA / Martin BIDAR アナ・ドゥシュコヴァー / マルティン・ビダージュ(チェコ

  • SP順位:3,得点:58.58
  • 楽曲:
    • La leyenda del beso by Raul di Blasio
    • Historia de un amor by Perez Prado
    • La leyenda del beso by Raul di Blasio

3Tw3の高さとキレに、会場からどよめきが。3Sで男性の転倒があった以外はクリーンな演技だった。
「ラ・レイエンダ・デル・ベソ」で「ある恋の物語」をサンドした編曲の意味が分からん。曲のつなぎも不自然だし。昨季の世界ジュニアで岡部さんも変だって言ってたし、他のジャッジもそう感じてるんじゃないかなー。
ま、プログラムへの不満はさておき、本調子ではなさそう。リフトもよいしょって感じで上げてたし。
滑りもユニゾンもいいし、ボディームーブメントもきれいなのだが、曲が変わっても、動きに変化がない。これは昨季の世界ジュニアからずーっとそうなんだよなー。
フリー106.93、総合165.51で、SB更新! 現時点で総合1位。

15 Aleksandra BOIKOVA / Dmitrii KOZLOVSKII アレクサンドラ・ボイコワ / ドミトリー・コズロフスキー(ロシア)

  • SP順位:4,得点:55.58
  • 楽曲:Justification of Life by Richard Kaufman

冒頭の3Sと3T+2Tをクリーンに着氷し、「おお!」となったのだが、その後、ぽろぽろ小さなミスが続き、GOEで減点されてしまった。エレメンツの入りと出がぎこちないんだよなぁ。だから、「ああ素敵☆」と感じられる動きがほとんどなかった。もっとなめらかに動けるといいのだが。
フリー96.87、総合152.45で、フリーは自己ベスト更新! 現時点で総合2位。

16 Alina USTIMKINA / Nikita VOLODIN アリーナ・ウスティムキナ / ニキータボロディン(ロシア)

  • SP順位:2,得点:59.34
  • 楽曲:Aria by Balansescu Quartet

スロージャンプやソロジャンプにミスがあった上に、デススパイラルの出で足をつき、リフトの途中で女性を下ろしてしまった。
ハイライトがなく、尻切れトンボ的エンディングを迎える、ビミョ〜なプログラムなのだが、これでエレメンツに大きなミスが出ると、ますますビミョ〜な感じになっちゃうなぁ(汗)。
フリー95.92、総合155.26。現時点で総合2位。

17 Anastasia MISHINA / Vladislav MIRZOEV アナスタシア・ミーシナ / ウラジスラフ・ミルゾエフ(ロシア)

  • SP順位:1,得点:62.10
  • 楽曲:
    • Attention Mesdames et Messieurs by Michel Fugain
    • La vie en rose performed by Andrea Bocelli feat. Edith Piaf

3T+2T+2Tで、跳ぶタイミングがずれ、男性がステップアウト。それ以外のエレメンツは全てGOEプラス。でもわたしはBiDs3の出付近で女性の体がつぶれてしまったのが気になった。
エレメンツの質は高いし、ユニゾンも音楽表現もいいし、安心して見ていられる。
へんてこりんな編曲なのだが、この最終グループのFSは、どれもヘンなプログラムばかりなので、「またか」という感じだった(苦笑)。
フリー111.22、総合173.32。総合1位に確定。

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◆総合順位
FSが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、TSS、TES、PCSの順に記されている。

  1. Anastasia MISHINA / Vladislav MIRZOEV RUS 173.32 1 1
  2. Anna DUSKOVA / Martin BIDAR CZE 165.51 3 2
  3. Alina USTIMKINA / Nikita VOLODIN RUS 155.26 2 4
  4. Aleksandra BOIKOVA / Dmitrii KOZLOVSKII RUS 152.45 4 3
  5. Evelyn WALSH / Trennt MICHAUD CAN 143.92 8 5
  6. Justine BRASSEUR / Mathieu OSTIGUY CAN 138.19 9 6
  7. Yue HAN / Yongchao YANG CHN 137.53 5 7
  8. Ami KOGA / Spencer Akira HOWE JPN 135.29 7 9
  9. Giulia FORESTI / Leo Luca SFORZA ITA 134.45 6 11
  10. Renata OGANESIAN / Mark BARDEI UKR 134.03 10 8
  11. Gabriella MARVALDI / Daniel VILLENEUVE USA 131.37 11 10
  12. Laiken LOCKLEY / Keenan PROCHNOW USA 129.31 12 12
  13. Nica DIGERNESS / Danny NEUDECKER USA 127.16 13 13
  14. Hailey Esther KOPS / Artem TSOGLIN ISR 106.94 14 16
  15. Irma CALDARA / Edoardo CAPUTO ITA 105.05 16 14
  16. Talisa THOMALLA / Robert KUNKEL GER 103.43 15 15
  17. Jessica ROTONDO / Ryan DODDS AUS 79.69 17 17
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◆総評
優勝はミー&ミル。JGP二連勝でファイナル進出確定。初出場だけど、堂々の優勝候補ですな。
2〜4位の組も、ファイナル進出を決めた。おめでとう〜☆
2位はドゥシュ&ビダ。ミー&ミルと、ずいぶん差をつけられてしまった。わたしの独断と偏見で言わせてもらうと、この差はFSのプログラムの差!!(泣) ミー&ミルのフリーもへんてこりんなメドレーだけど、ドゥシュ&ビダのよりは格段にマシである。これ以上このプログラムで彼らが成長できると思えないんだよなー。変えてくんないかなー(切望)。
3位と4位のロシアの組も、FSのプログラムは、わたし好みじゃなくて悲しかった…。上位4組ともイマイチって、どゆこと…?(泣)
一方、カナダの2組のFSプログラムは素敵だったな〜☆ 特に6位のブロ&オスのシンデレラはよかったわ〜。乙女心直撃だった(笑)。
8位の古賀&ハウは、ぶじにSPもFSも演じ終えられて安心した。亜美ちゃんの頭の怪我はもう大丈夫なのかな? 日本のペアがJGPに2戦とも出場する姿が見られて幸せだったわ〜。世界ジュニアにも出場できるといいのだが。
10位のオガ&バル(ウクライナ)は、先週のタリン杯に引き続き、不調のもよう。不調の原因は分からないけど、何とか踏ん張って、シーズン後半に巻き返してほしい。

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JGPファイナル進出者

  • アナスタシア・ミーシナ&ウラジスラフ・ミルゾエフ(ロシア):1位&1位
  • アナ・ドゥシュコヴァー&マルティン・ビダージュ(チェコ):1位&2位
  • アリーナ・ウスティムキナ&ニキータボロディン(ロシア):2位&3位
  • アミナ・アタハノワ&イリヤ・スピリドノフ(ロシア):2位&4位
  • アレクサンドラ・ボイコワ&ドミトリー・コズロフスキー(ロシア):2位&4位
  • エカテリーナ・ボリソワ&ドミトリー・ソポト(ロシア):3位&3位