GPフランス杯2016 アイスダンスFD
GPフランス杯2016 リザルト
GPシリーズ第3戦のフリーダンスFDは、現地時間2016年11月12日(土)に行われた。
今季から、GPシリーズの滑走順が、抽選で決められることになった。FDは、SDの順位が低かった順に3組ずつ抽選して滑走順が決まるらしい。
上記のライストで、全組の演技を見ようとしたが、途中で映像が頻繁に止まるようになったので断念し、後日、動画で全員の演技を見た。滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。
- ◎:好きだ! また見たい!
- ○:よかった。
- △:う〜ん、イマイチ。
- ×:できれば変えてほしい…。
- ?:まだ何とも判断が付きかねる。
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●第1グループ
1 ヴィクトリア・カワリオワ / ユーリ・ビエリャイエフ(ベラルーシ)
- SD順位:10,得点:46.81
- 楽曲:
- Take Care of Business by Nina Simone
- The Unfinished Kiss by Daniel Pemberton
- Circular Story by Daniel Pemberton
- Take You Down by Daniel Pemberton
- プログラム:?
男性のスタンブルやChLi1のミスがあっただけでなく、スピードが出ていないし、動きもゆっくりでもっさりしていた。
でも、イマイチな演技でも、投げやりな態度を見せないのは立派。パートナーシップも良さそう。お互いに労わり合っているように見える。
フリー68.23、総合115.04。
2 ロレンツァ・アレッサンドリーニ / ピエール・スーケ(フランス)
- SD順位:9,得点:48.18
- 楽曲:
- Trees by Max Richter
- Summer by Max Richter
- Love Actually (soundtrack suite) by Craig Armstrong
- プログラム:○
男性がタイプしているところからプログラムが始まる。
STw3のミス以外は、クリーンな演技だった。終盤のDiSt3で、解放されるような音楽とステップが素敵☆
美しさとぎこちなさが交互に現れる印象だった。美しいところを増やしていきたい。
タイプの効果音が入ってるし、プログラムに何か物語があるんだろうなー。それが演技から伝わってくるといいのだが。
フリー81.94SB、総合130.12。
3 マリー=ジャード・ローリオ / ロマン・ルギャック(フランス)
- SD順位:6,得点:57.37
- 楽曲:
- Tonight by Elton John
- Sorry Seems To Be the Hardest Word by Elton John
- Tonight by Elton John
- プログラム:○
- 動画:YouTube
STw4の回転がスムーズ。ツイストすると見せかけてRoLi4+StaLi4は、二つのリフトのつなぎが自然で美しい。時間オーバーとられたけど、見ごたえのあるリフトだった。CiSt2はなめらか。CuLi3は下ろし方が独創的で、流れがよどみない。CoSp4は動きや回転が曲想に寄り添っていた。ChSp1も音楽の盛り上がりにばっちりハマっている。DiSt3は、一蹴りが大きく、流れがとてもよい。ChLi1も素敵〜☆
クリーンな演技だった。今の自分たちの実力を存分に発揮できたのでは。
フリー92.70で自己ベスト、総合150.07でSB更新!
- SD順位:8,得点:55.69
- 楽曲:
- Kay by Carmine Coppola
- A New Carpet by Carmine Coppola
- The Immigrant (Main Title) by Nino Rota
- Godfather Waltz (from "The Godfather" soundtrack) by Nino Rota
- Finale (from "The Godfather" soundtrack) by Nino Rota
- プログラム:○
RoLi4がすごい。ポジションチェンジがダイナミック。女性の軽さと柔軟性を生かしたプログラムだなぁと感じた。
音楽といい、男性の衣装といい、「ゴッドファーザー」の物語を表現してるんだよね? 途中経過はよく分からなかったけど、最後は悲劇なんだなーというのは伝わってきた。
フリー85.23、総合140.92。
5 アレクサンドラ・ナザロワ / マキシム・ニキーチン(ウクライナ)
- SD順位:7,得点:56.61
- 楽曲:
- プログラム:○
- 動画:YouTube
衣装が個性的。メインは黒なのだが一部だけカラフル。
動きがユニークでおもしろ〜い☆ プログラム全体に独特の振付が散りばめられていて、とってもよかった。他にはないカラーをもっているので、その個性を大事にしていってほしい。
キスクラでついブルザのファッションチェックをしてしまう(笑)。わたしはファッションに疎い人間なのでよく分からないんだけど、ジャケットの中にフード付きパーカーとムーミンTシャツ着用ってどうなの? それがおフランス最先端のオシャレってやつなの?
フリー88.78、総合145.39。
第1グループが終わった時点で、総合1位は、マリー=ジャード・ローリオ / ロマン・ルギャック(フランス)。
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●第2グループ
6 パイパー・ギルス / ポール・ポワリエ(カナダ)
- SD順位:4,得点:64.74
- 楽曲:Con Buena Onda by Daniel Lomuto, Ernesto Baffa, Hector M. Arce
- プログラム:◎
- 動画:YouTube
SDのツイズルのミスを払拭するような、素晴らしいSTw4だった。
二人の演技から一時たりとも目が離せない。場内も固唾をのんで見入っているようだった。
このプログラム、めっちゃ好きだ〜!! 超絶かっこいい〜!!
フリー106.04、総合170.78。現時点で総合1位。
7 イザベラ・トビアス / イリヤ・トカチェンコ(イスラエル)
- SD順位:5,得点:63.70
- 楽曲:Pas de deux from "The Nutcracker" by Petr I. Tchaikovski
- プログラム:◎
- 動画:YouTube
どの場面を切り取っても様になっていて、美しいプログラム。一つだけ残念だったのは、終盤のクライマックスのChLi1で、女性が手を大きく伸ばすところと音楽の一番盛り上がりが、ちょっとズレてしまったこと。音楽より早まっちゃったんだよね。ここがかみ合うと、めっちゃ爽快なんだけどなー。惜しかった。
フリー95.16、総合158.86。現時点で総合2位。
8 エレーナ・イリニフ / ルスラン・ジガンシン(ロシア)
- SD順位:2,得点:68.72
- 楽曲:
- Slumdog Millionaire (soundtrack)
- Ang Laga De by Aditi Paul
- プログラム:○
- 動画:YouTube
STw3でひやひやしたけど、足はつかずにすんだ。
前半は、非常にキレキレでパワフルで、「このプログラムは、妙なる音楽と妙なる二人の動きの調和を楽しめばいいんだなーーああーー楽しいーー」と高揚して見つめていたら、中盤のSlLi4前のつなぎで、女性が転倒。アンギャーーーー!!! その後すぐに立て直したけど、やや動きが重くなってしまった…嗚呼(泣)。
フリー98.68、総合167.40で、どちらもSB更新! 現時点で総合2位。
9 マディソン・ハベル / ザカリー・ダナヒュー(アメリカ)
- SD順位:3,得点:66.77
- 楽曲:
- I Wanna Dance With Somebody by Bootstrap
- Can't Help Falling In Love performed by Ingrid Michaelson
- Earned It by Bootstrap
- プログラム:◎
- 動画:YouTube
マディソンの髪形がエレガントでステキ〜☆
SDでちょっと元気がないような印象を受けたので大丈夫かなと心配していたのだが、まったくの杞憂であった。
エフォートレスでシームレスな演技。この組が、これほどスケーティングで魅せられるようになるとは。
このプログラムは二人の愛の物語なのかな。お互いを労わり合い、信頼し合っていることが伝わってくる。ただ美しいだけじゃなくて…温かさや優しさが、二人のホールドからあふれているような。涙がこみ上げてくるほど感動した。
リンクを出るところで、次に滑るパパダキス&シゼロンとハグし合う二人。美しい光景。
フリー107.81、総合174.58で、フリーはSB更新! 現時点で総合1位。
10 ガブリエラ・パパダキス / ギヨーム・シゼロン(フランス)
- SD順位:1,得点:78.26
- 楽曲:
- Stillness by Nest
- Oddudua by Aldo Lopez Gavilan
- Happiness Does Not Wait by Olafur Arnalds
- プログラム:○
- 動画:YouTube
わたしの感受性が鈍いからかもしれないが、ここ3シーズン、彼らのFDは同じようなジャンルの音楽で同じようなテーマを扱っているように感じる。で、いつもなら「違う音楽やテーマで滑ってほしいなぁ」と思うのだが、ここまで破格に素晴らしい演技を見せられると、「これでいいです…見せていただけるだけで幸せです…」と言うよりほかない。
フリー115.24、総合193.50。総合1位に決定。
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◆総合順位
アイスダンスの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SD順位、FD順位の順に記されている。
- Gabriella PAPADAKIS / Guillaume CIZERON FRA 193.50 1 1
- Madison HUBBELL / Zachary DONOHUE USA 174.58 3 2
- Piper GILLES / Paul POIRIER CAN 170.78 4 3
- Elena ILINYKH / Ruslan ZHIGANSHIN RUS 167.40 2 4
- Isabella TOBIAS / Ilia TKACHENKO ISR 158.86 5 5
- Marie-Jade LAURIAULT / Romain LE GAC FRA 150.07 6 6
- Alexandra NAZAROVA / Maxim NIKITIN UKR 145.39 7 7
- Cortney MANSOUR / Michal CESKA CZE 140.92 8 8
- Lorenza ALESSANDRINI / Pierre SOUQUET FRA 130.12 9 9
- Viktoria KAVALIOVA / Yurii BIELIAIEV BLR 115.04 10 10
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◆総評
2位に20点近く差をつけて、パパダキス&シゼロンが優勝。圧巻の演技だった。
総合2位はハベル&ダナヒュー。FDは、感動のあまり心が震えた。チョック&ベイツと同じ2位&2位だが、彼らのスコアを上回れなかったので、チョック&ベイツのファイナル進出が確定。
3位はギルス&ポワリエ。3位&3位だから、ファイナル進出は無理だろうなー。彼らのFDが大好きなので、ファイナルで見られないのが、非常に残念である。
4位はイリニフ&ジガンシン。FDの転倒は残念だったが、GP初戦のスケアメより体の動きがすごく良くなっていたので安心した。
さて、今季のGPで、トップ組のPCSがどういう格付けになっているか確認してみよう。
◇GPスケアメ
- シブタニ兄妹>ボブロワたち>ハベルたち>イリニフたち
◇GPスケカナ
- テッサたち>カッペリーニたち≧チョックたち≧ギルスたち(テッサたちを除く3組のFDのPCSは、ほとんど差がない)
◇GPロステレ
- ボブロワたち>チョックたち>ウィーバーたち
◇GPフランス
- パパダキスたち>イリニフたち≧ハベルたち≧ギルスたち
GPスケアメでは、イリニフよりハベルたちのPCSが上だったのだが、GPフランスでは逆転していた。
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◆GPファイナル確定者
今大会の結果を受けて、ファイナル進出が確定した組は、下記の通り。
2年連続出場して、どちらも2位。3年目の今季はどうなるか。