GP中国杯2016 アイスダンスSD

GP中国杯2016 リザルト
GPシリーズ第5戦のアイスダンスSDは、現地時間2016年11月18日(金)に行われた。
今季から、GPシリーズの滑走順が、抽選で決められることになった。

上記のライストで全組の演技見た。滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。
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●第1グループ
1 マイア・シブタニ / アレックス・シブタニアメリカ)

  • 楽曲:
  • プログラム:△
  • 動画:YouTube

昨季、GPファイナル4位、全米優勝、四大陸優勝、ワールド2位。今季、GPスケアメ優勝。
ニゾンは相変わらず凄いし、動きにキレがあり、演技自体は悪くなかったと思うのだが、「こんなパッとしないSDだったっけ?」と思うくらい、プログラムの印象が、GPアメリカと違っていて戸惑った。あのときは、「超かっこいい!!」と感激したのに。
73.23でSB更新!

2 アナスタシア・カヌーシオ / コリン・マクマヌス(アメリカ)

  • 楽曲:
    • Blues: Harlem Nocturne by Duke Ellington
    • Hip Hop: Puttin' On The Ritz (feat. Lari Hall)
  • プログラム:○

昨季、GPスケアメ5位、全米4位。
ブルースは、ムーディーな音楽ピッタリに雰囲気たっぷり。ミラーのSTw3は回転が合っているように見えたけどGOEで加点が付かなかったので、質が良くなかったということか。
「踊るリッツの夜」のヒップホップバージョンは面白い試みだけど、ちょーっとおとなしかったかも。ヒップホップだから、もっと弾ける感じがほしい。
53.43。

3 ナタリア・カリシェク / マクシム・スポディレフ(ポーランド

  • 楽曲:
    • Blues: Back to the Dirty Town by Blues Mystery
    • Hip Hop: Sax by Fleur East
  • プログラム:○

昨季、国内選手権優勝、ユーロ11位、ワールド16位。
シャープなブルース。ねっとり滑る組が多いので新鮮だ。速着替えして女性が上の黒を脱ぐとピンクの腹出しタンクトップが表れる。STw4はよろよろした回転に見えたがGOEの減点はなし。ヒップホップはブルースとの違いをよく表現していたけど、もそっと躍動感がほしいなぁ。
60.13。

4 アレクサンドラ・ステパノワ / イワン・ブキン(ロシア)

  • 楽曲:Blues, Hip Hop
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

昨季、国内選手権3位、ユーロ5位、ワールド11位。今季、GPスケカナ5位。
「あたしら一番!」なSlLi4、女性が目立ってかっこいい。音楽がヒップホップになってからキレッキレの動きになる。NtDiSt3の振付好きだなー。二人が向かい合ったり、そっくり同じ動きをしたり、ちょっと違う振付を入れてみたり、変化に富んでいて素敵☆
72.09で、自己ベスト更新!

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●第2グループ
6 ホン・チェン / ヤン・ジャオ(中国)

  • 楽曲:
    • Blues: Mon mec a moi performed by Patricia Kaas
    • Swing: Pigalle performed by Patricia Kaas
  • プログラム:

2014-15シーズン、国内選手権3位。
ブルースで滑る速度がゆっくりに見えた。スウィングは楽しそうに生き生きのびのびと演じていた。
キスクラのコーチが見覚えある! 名前を忘れてしまったけど、つい最近まで中国のアイスダンスの選手だった人だ。
51.54。

7 リンシュー・ソン / ジュオミン・サン(中国)

  • 楽曲:
    • Blues: Hello by Beyonce
    • Hip Hop: Single Ladies (Put a Ring on It) by Beyonce
  • プログラム:○

この組では、今大会がGPデビュー。
ブルースはゆったりと、ヒップホップは明るく楽しく演じていた。ヒップホップの振付を、もそっと大きくはっきり動いてやると、見栄えが良くなるんじゃないかなー。
53.20。

8 シーユエ・ワン / シンユー・リウ(中国)

  • 楽曲:
    • Blues by Gary Moore
    • Swing
  • プログラム:○

昨季、四大陸9位、ワールド22位。今季、GPスケカナ9位。
ブルースでは、一蹴りの伸びがあり、スケートが滑ってるなぁと感じた。スウィングは、はつらつと演じていて、とても爽快な演技だった。
58.57で、自己ベスト更新! GPスケカナで更新したばっかりなのに! すごい!

9 ケイトリン・ウィーバー / アンドリュー・ポジェ(カナダ)

昨季、国内選手権優勝、四大陸3位、ワールド5位。今季、GPロステレ3位。
ブルースは、スピードがあって、大きな滑りだった。STw3のファーストで男性がガクッとバランスを崩して二人の動きがズレたが、セカンドですぐ修正してきた。女性を背中でくるくる上げCuLi4はやっぱりすごい。NtMiSt3で、男性が女性を飛び越えるところで歓声が上がる。
キレッキレで迫力があり、とても素敵な演技だったが、プログラムの流れはもっとよくできると思う。
73.78で、自己ベスト更新!

10 ヴィクトリア・シニツィナ / ニキータ・カツァラポフ(ロシア)

昨季、国内選手権2位、ユーロ4位、ワールド9位。
女性の紺のワンピースの裾が、紺とからゴールドがちらちら見えるのがおしゃれ〜☆
ブルースでは二人の脅威の足の長さが際立つ。STw4のファーストで足をつくタイミングがずれたが、全体的にはユニゾンが昨季より良くなったように感じる。ツイズルで男性が女性を置いて暴走するようなこともなくなったし(笑)。すごくよく滑っていて、選曲も振付も素敵だった。
一つ気になったのが、女性より男性が目立っているように感じたこと。アイスダンスでは「絵画で言えば、女性が絵で男性は額縁」と、よく言われるが、このプログラムの演技は、「男性が絵で女性が額縁」に見えた。女性の美しさより男性のいい男っぷりが印象に残る。
70.24で、自己ベスト更新!

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◆SD順位
SDが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、得点の順に記されている。

  1. Kaitlyn WEAVER / Andrew POJE CAN 73.78
  2. Maia SHIBUTANI / Alex SHIBUTANI USA 73.23
  3. Alexandra STEPANOVA / Ivan BUKIN RUS 72.09
  4. Victoria SINITSINA / Nikita KATSALAPOV RUS 70.24
  5. Natalia KALISZEK / Maksym SPODYRIEV POL 60.13
  6. Shiyue WANG / Xinyu LIU CHN 58.57
  7. Anastasia CANNUSCIO / Colin MCMANUS USA 53.43
  8. Linshu SONG / Zhuoming SUN CHN 53.20
  9. Hong CHEN / Yan ZHAO CHN 51.54

WD Alexandra PAUL / Mitchell ISLAM CAN

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◆総評
SD1位はウィーバー&ポジェ。GPロステレでは、トップ組の中で下に格付けされたことにショックを受けたのだが、今大会では僅差であれ、PCSがシブタニ兄妹を上回れてほっとした。
2位はシブタニ兄妹。彼らの演技をイマイチに感じたのは、音響のせいかも。音がぼわんぼわんしていて、変だった。
それはさておき、パパダキスたちやテッサたちは、GP初戦で70点台後半を出しているし、チョックたちはGP2戦とも75点を超えている。同じ大会ではないので一概に言えないが、シブタニ兄妹のSDが、2戦とも75点に届かなかったことを鑑みると、プログラムの修正が必要なのではなかろうか。今大会SDのプロトコルを見ると、GOEの加点はたくさんもらえているが、パーシャルとリフトでレベルを取りこぼしてるんだよね。
3位はステパノワ&ブキン。自己ベストを更新し、いよいよ70点超え! 4位のシニツィナ&カツァラポフより、わずかながらPCSも上回った。ロシア国内の競争も、まずます混沌としてきたな〜。
4位のシニツィナ&カツァラポフも、自己ベスト更新の素晴らしい演技だったのだが。ま、彼らも怪我明けらしいし、まだGP初戦だしね。これからこれから。
…にしても、シニツィナさんはあんなに華やかな美人なのに、その彼女より目立つニキータって何なんだ(苦笑)。前に組んでたイリニフさんとはそういう意味ではバランス良かったんだよね。ちゃんと女性の方が目立ってたから。
さて、4位と5位の差が10点もあることを考えると、表彰台争いは、1位から4位までの組に絞られたと言っていいだろう。どの組が優勝するのか、あるいは表彰台に上がれるのか。ドキドキするわ〜☆