GP中国杯2016 アイスダンスFD

GP中国杯2016 リザルト
GPシリーズ第5戦のフリーダンスFDは、現地時間2016年11月19日(土)に行われた。
今季から、GPシリーズの滑走順が、抽選で決められることになった。FDは、SDの順位が低かった順に3組ずつ抽選して滑走順が決まるらしい。

上記のライストで、全組の演技を見た。滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、?の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎:好きだ! また見たい!
  • ○:よかった。
  • △:う〜ん、イマイチ。
  • ×:できれば変えてほしい…。
  • ?:まだ何とも判断が付きかねる。
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●第1グループ
1 ホン・チェン / ヤン・ジャオ(中国)

  • SD順位:9,得点:51.54
  • 楽曲:
    • Un peu plus haut performed by Lisa Angel
    • Thunder and Lightening performed by Ezio Bosso
    • Charms (W.E. soundtrack) by Abel Korzeniowski
  • プログラム:○

女性が前回りするSlLi4は独創的で印象に残った。CoSp4の後、女性が転倒し、そこから演技に戻るのに時間がかかってしまった。
切なく美しい曲想をよく表していた。音楽に寄り添うように演じていたが、転倒後は、動きが悪くなってしまったように感じた。
フリー65.78、総合117.32。

2 リンシュー・ソン / ジュオミン・サン(中国)

  • SD順位:8,得点:53.20
  • 楽曲:Skyfall (James Bond soundtrack) performed by Adele
  • プログラム:△

007の有名どころを集めました的編曲のプログラムだが、ハイライトが分かりにくく、おもしろみを感じなかった。
スピードがあり、最後までエネルギッシュに演じていた。
フリー77.70、総合130.90。

3 アナスタシア・カヌーシオ / コリン・マクマヌス(アメリカ)

  • SD順位:7,得点:53.43
  • 楽曲:
    • Time by Billy Porter
    • Beyond The Sky by Karl Hugo
    • Time by Billy Porter
  • プログラム:△

SlLi4で、女性が片手で逆立ちになる姿勢が独創的だった。
流れるような音楽を瑞々しくさわやかに演じていたが、プログラムにはあまり魅力を感じなかった。
フリー87.74、総合141.17で、どちらもSB更新!

4 シーユエ・ワン / シンユー・リウ(中国)

  • SD順位:6,得点:58.57
  • 楽曲:New York, New York by Ralph Burns
  • プログラム:
  • 動画:YouTube

見ている人たちへのアピールが凄かった。人の心に訴えかけようとする演技。一蹴りの伸びも増した気がする。滑りが大きくなったというか。
演技が終わった後、女性がぴょんぴょん跳ねて喜んでる。地元で良い演技ができてよかったね。
フリー91.23、総合149.80で、SD同様FDも自己ベスト更新! FDは、4点以上更新。アイスダンスで4点アップってすごいよ!

第1グループが終わった時点で、総合1位は、シーユエ・ワン / シンユー・リウ(中国)。

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●第2グループ
5 ナタリア・カリシェク / マクシム・スポディレフ(ポーランド

  • SD順位:5,得点:60.13
  • 楽曲:Dirty Dancing (soundtrack)
  • プログラム:○

SlLi4のポジションチェンジがきれい。バタバタしてない。つなぎにいろんな動きが盛り込まれていた。
前後半のステップで、曲想の違いをよく表現していたと思うし、よく動いていたのだが、少し重そうな印象を受けた。
フリー90.65でSB、総合150.78で自己ベスト更新! 現時点で総合1位。

6 ヴィクトリア・シニツィナ / ニキータ・カツァラポフ(ロシア)

CiSt3で減点されるほどではないが、女性がわずかにバランスを崩したり、CiSt3とSlLi4の間のつなぎで女性がつまづいたり、他にも女性の動きで「あれ?」と感じる部分があった。女性の調子が悪いからなのか、それとも男女の技術差があるからなのか。
振付自体はめっちゃ好きなんだけど、今はまだちょっとちぐはぐな印象を受ける。
フリー101.70、総合171.94。現時点で総合1位。

7 ケイトリン・ウィーバー / アンドリュー・ポジェ(カナダ)

  • SD順位:1,得点:73.78
  • 楽曲:Concierto de Aranjuez by Joaquin Rodrigo
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

冒頭の、足の甲と腕で支えるStaLi4は何度見てもすごい。人間技じゃない。
スケーティングがぐいーんって伸びて、気持ちがいいし、ほとんどのエレメンツがなめらかで美しかった。
音楽のスケールのデカさをどど〜んと表現していて、とてもよかったと思う。
フリー107.76、総合181.54で、総合得点はSB更新! 現時点で総合1位。

8 マイア・シブタニ / アレックス・シブタニアメリカ)

  • SD順位:2,得点:73.23
  • 楽曲:
    • Evolution: Mirror In Mirror by Anne Akiko Meyers, Akira Eguchi
    • Evolution: Anyone Like You (Club Mix) by Digitize
  • プログラム:○
  • 動画:YouTube

STw4は完璧。まさに全アイスダンサーがお手本にすべきツイズル。
一本の川がとうとうと流れていくような演技だった。全くよどみない。エレメンツの出と入りが自然で。後半音楽が力強く変化するのだが、そこで迫力を感じた。
フリー111.90、総合185.13。現時点で総合1位。

9 アレクサンドラ・ステパノワ / イワン・ブキン(ロシア)

女性の美しいおみ足をこれでもかと見せつける振付。いやはや眼福である(笑)。
プログラムの流れがよく、スピード感がすばらしい。一気に駆け抜けていく感じ。
フリー105.32、総合177.41で、自己ベスト更新! 総合3位に決定。
得点と順位を知り、声を上げて喜ぶ選手たち&コーチたち。

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◆総合順位
アイスダンスの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SD順位、FD順位の順に記されている。

  1. Maia SHIBUTANI / Alex SHIBUTANI USA 185.13 2 1
  2. Kaitlyn WEAVER / Andrew POJE CAN 181.54 1 2
  3. Alexandra STEPANOVA / Ivan BUKIN RUS 177.41 3 3
  4. Victoria SINITSINA / Nikita KATSALAPOV RUS 171.94 4 4
  5. Natalia KALISZEK / Maksym SPODYRIEV POL 150.78 5 6
  6. Shiyue WANG / Xinyu LIU CHN 149.80 6 5
  7. Anastasia CANNUSCIO / Colin MCMANUS USA 141.17 7 7
  8. Linshu SONG / Zhuoming SUN CHN 130.90 8 8
  9. Hong CHEN / Yan ZHAO CHN 117.32 9 9

WD Alexandra PAUL / Mitchell ISLAM CAN

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◆総評
SDでは、ほとんど使われていなかった天井カメラが、FDではダンススピンで多用されていた…(泣)。だから!! スピンは!! 真上から映しても!! 全然美しくないんだって!!
優勝はシブタニ兄妹。1位&1位でファイナル進出確定! おめでとう☆
総合2位はウィーバー&ポジェ。3位&2位でファイナル進出は厳しくなった。残念なり(泣)。
3位はステパノワ&ブキン。SDでもFDでも、PCSでシニツィナ&カツァラポフを上回れたことは、自信になるのではなかろうか。今季は飛躍のシーズンになりそうですな。
4位のシニツィナ&カツァラポフは、SDもFDもわたし好みのプログラムなのだが、パフォーマンスがまだそれに追いついていない感じ。滑りこんでいったら化けそうな予感がする。期待したい。
6位のワン&リウは、FDで、哉中&クリスが目標にしていた90点を超える得点を出し、めきめき上達しているのを感じる。今後の活躍が楽しみだ。
中国は母国開催のGPに3組も出せてうらやましいな〜☆ 日本のアイスダンサーがNHK杯に3組出場できる日が早く来てほしい。

さて、今季のGPで、トップ組のPCSがどういう格付けになっているか確認してみよう。
◇GPスケアメ

◇GPスケカナ

テッサたちを除く3組のFDのPCSは、ほとんど差がない。
◇GPロステレ

◇GPフランス

  • パパダキスたち>イリニフたち≧ハベルたち≧ギルスたち

GPスケアメでは、イリニフよりハベルたちのPCSが上だったのだが、GPフランスでは逆転していた。
◇GP中国

SDでは、ウィーバーたちがシブタニ兄妹をわずかに上回ったが、FDでは1点近く差をつけて、シブタニ兄妹が上回った。

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GPファイナル確定者
今大会の結果を受けて、ファイナル進出が確定した組は、下記の通り。

これまで3度出場しているが、昨季は4位で、これが最高順位。初の表彰台なるか。

  • マディソン・ハベル&ザカリー・ダナヒュー(アメリカ)
    • GPスケアメ 2位
    • GPフランス 2位

昨季、初出場し、6位。