GP中国杯2016 男子FS - マイキーのフィギュアスケート備忘録

GP中国杯2016 リザルト
GPシリーズ第5戦の男子FSは、現地時間2016年11月19日（土）に行われた。

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上記のライストで、全員の演技を見た。滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、？の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

◎：好きだ！また見たい！
○：よかった。
△：う〜ん、イマイチ。
×：できれば変えてほしい…。
？：まだ何とも判断が付きかねる。
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●第1グループ
1 マキシム・コフトゥン（ロシア）

SP順位：10，得点：70.10
楽曲：Iron Sky by Paolo Nutini
プログラム：△

冒頭の4Sと4T、3Lo+3Tをクリーンに着氷して、「今日は良い演技が見られるか！？」と期待が高まったところからジャンプのミスがぽろぽろと。連続ジャンプが1つしか入らなかった。スピンのレベルは4、3、3。ステップはレベル3。
胸元から何かを取り出し、空に放り投げるところからプログラムが始まるのだが、いったいどういうコンセプトなんだろう。
中盤、ずっとしゃべってるみたいなところがうるさくてキツかった。あと中盤以降の曲想がけっこう単調なので、これを魅せるプログラムに仕上げるのは大変そう。
フリー151.33、総合221.43。

2 アレクサンドル・ペトロフ（ロシア）

SP順位：9，得点：74.21
楽曲：
- Chicago by Frank Sinatra
- I'm Gonna Live Till I Die by Frank Sinatra
プログラム：○

クリーンな演技だった。2本目の3Aは、軸が曲がったのに、よくきれいに着氷できるなぁ。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
プログラム中盤からボーカルが始まると、演技に余裕が出てきて、歌うように滑っていた。コレオは生き生きしていた。
前半の動きがちょっと淡々としているので、そこを改善できれば、さらに素敵なプログラムになるんじゃないかな。
フリー154.23、総合228.44。

3 ミハル・ブレジナ（チェコ）

SP順位：7，得点：75.86
楽曲：
- Once Upon A Time (remix) by Ennio Morricone:
- Man With A Harmonica (from "Once Upon A Time In The West")
- Cockeye's Story (from "Once Upon A Time In America")
- Ecstasy of Gold (from "The Good, The Bad And The Ugly")
- Main Theme (from "Once Upon A Time In America")
- La Classe Operaia Va in Paradiso
- The Untouchables
プログラム：○
動画：YouTube

ジャンプに抜けが4つも出てしまい、連続ジャンプが2つしか入らなかった。力んで跳んでいるように見えた。
スピンのレベルは4V、3、2V。ステップはレベル4！「かっこいい」としか表現できない自分の語彙が貧弱さがもどかしいほどかっこいい。
序盤のぐねぐねした動きもかっこいいんだよなぁ。とにかくミハルが超絶かっこいいプログラムなので、ぜひともクリーンな演技が見たい。頼むよミハル〜（懇願）。
フリー135.91、総合211.77。

4 ハン・ヤン（中国）

SP順位：8，得点：75.04
楽曲：
- Kissing You (from "Romeo and Juliet" soundtrack) by Craig Armstrong
- Balcony Scene (from "Romeo and Juliet" soundtrack) by Craig Armstrong
- Tybalt Arrives (from "Romeo and Juliet" soundtrack) by Craig Armstrong
- Fight Scene (from "Romeo and Juliet" soundtrack) by Craig Armstrong
プログラム：○
動画：YouTube

黒一色の衣装に変更。
4Tのお手つきと2本目の3Aがシングルになってしまったこと以外、ミスはなかった。成功したジャンプの質が良かっただけに、連続ジャンプが2つしか入らなかったのが悔やまれる。
スピンは全てレベル3。ステップはレベル4！
GPスケカナで散々腐したプログラムだが、今回の演技を見て、前言撤回。意図をもって演じているのが伝わってきた。その意図が何かはまだ分からないんだけど、それでもだいぶすっきりして見やすくなった。
フリー155.15、総合230.19で、どちらもSB更新！選手もコーチも嬉しそう☆

5 ロス・マイナー（アメリカ）

SP順位：6，得点：76.73
楽曲：
- Somebody to Love by Queen
- Love of my Life by Queen
- Crazy Little Thing Called Love by Queen
プログラム：○

ジャンプの抜けが3つ、<が1つ、3Fにeがついた。スピンのレベルが4、3、4。ステップはレベル3。
振付の一つ一つが、一蹴り一蹴りが音楽の音やフレーズ、リズムに合っている。
フリー136.61、総合213.34。

第1グループが終わった時点で、総合1位はハン・ヤン（中国）。

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●第2グループ
6 マックス・アーロン（アメリカ）

SP順位：5，得点：81.67
楽曲：The Lion King (soundtrack) by Elton John
プログラム：○
動画：YouTube

黒一色の衣装の胸に、大きくゴールドでライオンフェイスが描かれている。分かりやすすぎるよ、マックス（笑）。
1本目の3Aと3Loでがお手つき、3T+1Lo+3Sで着氷姿勢がきれいじゃなくてGOEで減点されたが、4Sを2本、3Aを1本クリーンに着氷できたのは大きかった。
スピンのレベルは3、4、3。ステップはレベル3。ステップはコレオには独創的な動きが盛り込まれていて曲想をよく表現しているが、ちょこちょこ何もしてないように見えるところがあるのが気になる。
スピードを出して滑れていたし、動きにキレがあり、最後までエネルギッシュに動けていた。
フリー161.07、総合242.74で、総合得点はSB更新！現時点で総合1位。
…衣装の違反に2人のジャッジが投票してるんだけど、どこが違反していると見なされたんだろう？

7 セルゲイ・ヴォロノフ（ロシア）

SP順位：4，得点：82.93
楽曲：Exogenesis Symphony Part III by Muse
プログラム：○
動画：YouTube

ちょいヘン衣装がマイナーチェンジして、かなり変な衣装になっていた（苦笑）。無地の白シャツに黒ズボンのほうが、よっぽど彼の美しさを引き立てると思うのだが。
3T+3Tでステップアウトした以外、クリーンな演技だったのだが、な、なんと3Tを3回跳んでしまい、最後の1つがノーバリュー。予定では3T+3Tじゃなく、4T+2Tを跳ぶつもりだったんだろうけど…なんでセカンドをトリプルにしちゃったんだ…。全てのジャンプに高さと幅があっただけにもったいない。
スピンのレベルは3、3、4。ステップはレベル3。ステップで少しバランスを崩したような。それ以外にも、なんとなくぎこちないような気がする。もっとスムーズに演じられるようになると、さらに素敵なステップになりそう。
人の心に染み入るような演技だった。ベテラン選手でないと出せない味わい深さ。
フリー160.83、総合243.76。現時点で総合1位。

8 ボーヤン・ジン（中国）

SP順位：1，得点：96.17
楽曲：La Strada by Nino Rota
プログラム：◎
動画：YouTube

衣装の白黒のベストがなくなった。中に着てた赤と黒と白の横じま長袖Tシャツだけになった。すっきりしていいと思うけど、お腹が見えるのかっこ悪いんで、見えないようにしてほしい。
彼が挑んだジャンプ構成は下記の通り。
4Lz 4S 3A+1Lo+3S（ここから後半）4T< 4T+2T 3Lz+3T 3A 3F
う〜ん、見れば見るほど、すごいジャンプ構成（汗）。冒頭の4Lzがシェイキーな着氷だったのと、4Tの転倒以外、GOEマイナスなし。
スピンのレベルは4、4、3V。ステップはレベル4！コレオとステップは、生き生きしている。中盤のジャッジアピールもグー☆ 手を振る振付なども入っていて、とても楽しいプログラム。すごく素敵な演技だった。
…ただねぇ、わたし、郄橋大輔の「道」が大大大好きだったので、この音楽を聴くと、彼の演技がオーバーラップしちゃうんだよなぁ。
フリー182.37SB、総合278.54SB！現時点で総合1位。

9 パトリック・チャン（カナダ）

SP順位：3，得点：83.41
楽曲：A Journey by Eric Radford
プログラム：◎
動画：YouTube

彼が挑んだジャンプ構成は下記の通り。
4T+3T 3A 4S（ここから後半）4T 3A+2T 3Lo 3Lz+2T+2Lo 3F
4Sの転倒以外、全てクリーンに着氷。スピンのレベルは4、3、4。ステップはレベル3。
妙なる音楽と妙なる動きの調和に、いつまでもうっとりと浸っていたい。天井カメラが使われなくて、ほんとにほんとにほんとによかった。
素晴らしい演技を見せてくれてありがとう、パトちゃん。わたしはきみの滑りが大好きだ。
フリー196.31SB、総合279.72SB。現時点で相当1位。四大陸2016の大逆転ふたたび。

10 ダニエル・サモヒン（イスラエル）

SP順位：2，得点：83.47
楽曲：The Illusionist by Maxim Rodriguez
プログラム：○

奇天烈なデザインに変わりはないけど、首元に血しぶきを浴びたような、不穏な衣装に変更。
冒頭の4Tと4Sで転倒。それからジャンプの抜けが複数あり、連続ジャンプが2つしか入らなかった。スピンは全てレベル4。ステップはレベル3。最後までよく体を動かしていた。
演技が終わった後、腰を押さえていたので痛めたのかも。だいじないといいのだが。SP同様、FSもお辞儀まで演技。
背中が丸まっているのが気になったけど、腰を痛めたせいかもしれない。SPでは気にならなかったから。
フリー130.04、総合213.51。総合8位に決定。

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◆総合順位
男子シングルの総合順位は下記のとおり。総合順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

Patrick CHAN CAN 279.72 3 1
Boyang JIN CHN 278.54 1 2
Sergei VORONOV RUS 243.76 4 4
Max AARON USA 242.74 5 3
Han YAN CHN 230.19 8 5
Alexander PETROV RUS 228.44 9 6
Maxim KOVTUN RUS 221.43 10 7
Daniel SAMOHIN ISR 213.51 2 10
Ross MINER USA 213.34 6 8
Michal BREZINA CZE 211.77 7 9
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◆総評
優勝はパトちゃん。直前にボーヤンが良い演技をしてかなりの高得点を出したし、SPの点差が13点もあるし、こりゃボーヤンの優勝で決まりかと思っていたら……ねぇ（笑）。人は桁外れに物凄いものを見ると、笑うしかなくなってしまうのだな。昨季の四大陸で起こったことが、ここでまた繰り返されることになるとは。
1位＆1位でファイナル進出確定！おめでとう☆ ファイナルでは4Sが成功するといいね！
2位はボーヤン。ジャンプの調子もプログラムの仕上がりも順調に上向きのもよう。次に演技を見られるのは四大陸か。待ちきれないわ〜☆
3位はヴォロノフ。今季はエレメンツの質をさらに高めた上に、新しい彼の魅力＆深みのある表現を見せられて、もうメロメロリンである（///）。彼の演技をユーロやワールドでまた見たいので、12月末の国内選手権、頑張ってほしい。応援してます！！
4位のマックスは、元気いっぱいな姿が見られて安心した。今季の全米は若手とベテランが勢ぞろいし、非常に過酷な戦いになりそうだが、万全の状態で臨めるよう願っている。
5位のハン・ヤンは、ジャンプの調子が戻ってきたようで何よりだ。FSのロミジュリがどれだけ進化しているか、四大陸でまた演技が見られるのを楽しみにしている。
8位のサモヒンは、実力を発揮できれば表彰台に上がれた可能性も十分あっただけに惜しかった。でもきっとまたチャンスが来るよ。頑張って☆

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◆GPファイナル確定者
今大会の結果を受けて、ファイナル進出が確定した選手は、下記の通り。

パトリック・チャン（カナダ）
- GPスケカナ優勝
- GP中国杯優勝

ファイナルにはこれまで7回出場し、2回優勝している。昨季は4位。