GP中国杯2016 ペアFS

GP中国2016

GP中国杯2016 リザルト
GPシリーズ第5戦のペアFSは、現地時間2016年11月19日（土）に行われた。
今季から、GPシリーズの滑走順が、抽選で決められることになった。FSは、SPの順位が低かった順に3組ずつ抽選して滑走順が決まるらしい。

上記のライストで後半グループの演技を見た。後日、前半グループの演技を動画で見た。滑走順に感想を書いている。
プログラムについて、独断と偏見による、◎、○、△、×、？の五段階評価を付けている。つまり、わたしの勝手な好き嫌いの感想にすぎないので、どうぞ悪しからず。五段階評価の内容は下記の通り。

  • ◎：好きだ！ また見たい！
  • ○：よかった。
  • △：う〜ん、イマイチ。
  • ×：できれば変えてほしい…。
  • ？：まだ何とも判断が付きかねる。
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●第1グループ
1 マリ・ヴァルトマン＆ルーベン・ブロマールト（ドイツ）

  • SP順位：7，得点：60.88
  • 楽曲：Second Law by Muse
  • プログラム：○
  • 動画：YouTube

3Tw1のキャッチでミス。2T+3T+SEQはファーストで女性がダブルになり、着氷も乱れる。スロー3Fは高さが足りず転倒。FCCoSp4は天井カメラに切り替わったので、よく分からなかったが、GOEで減点されているのでおそらく回転が合っていなかったのだろう。コレオは曲想をよく表現していて素敵だった。PCoSp4の回転が安定していて、ポジションチェンジもスムーズ。
SPでも、スロー3Fに高さがなく、転倒していたので、スローが苦手なのかなと思ったが、最後の要素にスロー3Sを持ってきて、しかもきちんと決めていたので、スロー全般が苦手というわけではなさそう。
もう少しスピードが出るようになるといいなぁ。
フリー113.00、総合173.88で、どちらもSB更新！

2 ジェシカ・ファンド＆ジョシュア・サンティラン（アメリカ）

  • SP順位：8，得点：50.32
  • 楽曲：Don't Cry For Me Argentina (from "Evita") by Andrew Lloyd Webber
  • プログラム：△
  • 動画：YouTube

3Tと3S<、スロー3Loで女性が転倒。デススパイラルは「回転少なくない？」と思ってたら、ノーバリュー。
エレメンツをこなすのに精いっぱいで、表現まではまだ気が回らない感じ。振付は素敵だと思うんだけど、プログラムの終わり方が、「え、ここで終わり？」という音楽の切り方だった。一応フレーズの区切りで終わってるけど、中途半端な印象を受ける。
フリー92.09、総合142.41で、どちらもSB更新！

3 ニコル・デラ・モニカ＆マッテオ・グアリーゼ（イタリア）

  • SP順位：5，得点：66.39
  • 楽曲：Love Story (soundtrack) by Francis Lai, performed by Nana Mouskouri
  • プログラム：◎
  • 動画：YouTube

3T+1Tで、女性がファーストでステップアウトし、セカンドがシングルになってしまったのだが、男性はきれいに3Tを跳んでいたので、予定通り2Tを付けられたと思う。でも、多分男性は女性を見ていたので意図的に合わせたのではないかと感じた。跳ぶタイミングも合ってたし。
スロー3Loで転倒、スロー3Sで両足着氷と、スロー2本でミス。それと5ALiBの途中で男性が女性を下ろしてしまった。彼らがリフトでミスするなんてめずらしい。
大きなミスがいくつかあったが、それでもコレオやつなぎの動きはとっても素敵☆ 特に最後のFCCoSp3は、回転もポジションチェンジのタイミングもぴったりそろっていて、素晴らしいユニゾンだった。今はトップの組でもなかなかソロスピンを合わせられないので貴重だわ〜。これからも極めていってほしい。
フリー109.99、総合176.38。

4 川口悠子＆アレクサンドル・スミルノフ（ロシア）

  • SP順位：6，得点：62.90
  • 楽曲：Clair de Lune by Claude Debussy
  • プログラム：◎
  • 動画：YouTube

冒頭の動きが美しくて、一気にプログラムの世界に引き込まれる。ソロジャンプ2本とスロー2本を降りて、安心していたら、5ALiの途中で女性を男性の背中に落としてしまった。その後の演技は、一つ一つ確かめながら慎重にやっているように見えた。
フリー112.63、総合175.53。

第1グループが終わった時点で、総合1位は、ニコル・デラ・モニカ＆マッテオ・グアリーゼ（イタリア）。

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●第2グループ
5 チェン・ペン＆ヤン・ジン（中国）

  • SP順位：3，得点：69.93
  • 楽曲：I Will Wait For You ("Les Parapluis de Cherbourg") by Michel Legrand
  • プログラム：○
  • 動画：YouTube

女性の髪形が編み込みを二重にしていてすごく凝っている。男女ともロマンティック＆ムーディーな衣装。
3T+2Tの予定だが、女性がファーストでステップアウト。GOEで減点されているのはそこだけ。
2Aはミラーで。女性しか映ってなかったけど、歓声が上がってたので、男性も成功したのかな？ ソロスピンの回転はほぼ合っていた。スローは2本とも高さと幅、流れが素晴らしい。
「シェルブールの雨傘」を切なくしっとりと、情感たっぷりに演じていた。二人が手をつなぎ、見つめ合ったままのスパイラルとか、つなぎに素敵な振付がモリモリ入っている。
演技が終わった後、女性が男性の頭をポンポンたたいていた（笑）。
フリー128.03、総合197.96。現時点で総合1位。

6 シュエハン・ワン＆レイ・ワン（中国）

  • SP順位：4，得点：66.45
  • 楽曲：Love Is A Many Splendored Thing by Sammy Fain
  • プログラム：○

ツイストの高さが素晴らしい。ソロジャンプで女性の両足着氷と転倒があった。スロー3Loは大丈夫だったが、スロー3Sで両足着氷。FCCoSp4の回転は大体合ってた。コレオで二人が向かい合うスパイラルが素敵。
スケーティングがよくなったなぁ。大きな滑りで気持ち良かった。雄大で美しい曲想をよく表現していたと思う。
キスクラで女性が泣きそう。得点が出たら泣いてしまった。ソロジャンプで自分がミスしちゃったからかなぁ。
フリー115.57、総合182.02。現時点で総合2位。

7 シャオユー・ユー＆ハオ・ジャン（中国）

  • SP順位：1，得点：72.49
  • 楽曲：Cavatina, Larghetto amoroso by Emil von Sauer
  • プログラム：○
  • 動画：YouTube

3Tで男性が転倒して驚く。初めて見たかも！ あとで、ペアの世界チャンピオン、エリック・ラドフォードも「彼がジャンプで転ぶの初めて見た！」と驚きのツイートをしていたので、やはりものすごく珍しいことだったんだな。他にミスというと、FCCoSp4の途中で回転がズレてしまったことくらいか。
SP同様、全てレベル4獲得。この取りこぼしのなさはすごい。
ツイストやスロージャンプの高さもすごいんだけど、リフトの安定感がすばらしい。ハオさんは、どのパートナーが相手でも、安心して身をゆだねられる頼もしさがある。
二人ならではの味がだんだん出てきた感じ。エレメンツの正確性は問題ないので、あとはユニゾンを高めていってもらえれば。
フリー131.27、総合203.76で、総合得点は自己ベスト更新！ 現時点で総合1位。

8 リュボーフィ・イリュシェチキナ＆ディラン・モスコビッチ（カナダ）

  • SP順位：2，得点：71.28
  • 楽曲：When You Say You Love Me by Darren Hayes perfomed by Josh Groban
  • プログラム：○

ソロジャンプ2本とスロー2本全てにミスが出てしまった。二人の作り出す空気感は本当に素敵だったんだけどなぁ。
フリー120.26、総合191.54で、総合得点はSB更新！ 総合3位に決定。

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◆総合順位
FSが終わって、順位は下記のとおり。左から順位、名前、国名、得点、SP順位、FS順位の順に記されている。

  1. Xiaoyu YU / Hao ZHANG CHN 203.76 1 1
  2. Cheng PENG / Yang JIN CHN 197.96 3 2
  3. Liubov ILYUSHECHKINA / Dylan MOSCOVITCH CAN 191.54 2 3
  4. Xuehan WANG / Lei WANG CHN 182.02 4 4
  5. Nicole DELLA MONICA / Matteo GUARISE ITA 176.38 5 7
  6. Yuko KAVAGUTI / Alexander SMIRNOV RUS 175.53 6 6
  7. Mari VARTMANN / Ruben BLOMMAERT GER 173.88 7 5
  8. Jessica PFUND / Joshua SANTILLAN USA 142.41 8 8
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◆総評
最後の最後までカメラワークがひどかった…。スピン、ペアスピン、デスを天井から撮るし、ソロジャンプを片方だけ撮るし。二人一緒じゃなきゃユニゾンが分かんないじゃん。ペアはユニゾンが命なのよ！（泣）

優勝したユー＆ジャンは、2位＆1位でファイナル進出確定！ おめでとう☆ それぞれ実績があるとはいえ、新パートナーと組んだばかりでファイナルに行けるなんて、さすがだわ〜。
総合2位はペン＆ジン。SPとFSでまったく違ったタイプのプログラムを用意し、二人の新たな魅力を見せてくれた。
ユー＆ジャンもペン＆ジンも、前のパートナーとのペアが大好きだったので、解消すると聞いたときは、ものすごくショックだったが、新結成した二組とも、仲良く充実した競技生活を送っている姿を見て、ようやくわたしも前に進めそう。
3位はイリュシェチキナ＆モスコビッチ。3位＆3位でファイナル進出はほとんど無理な状況に。「今季はファイナル行けるかも☆」と期待していたので本当に残念だ。次の大きな大会は、カナダの国内選手権か。四大陸とワールドの出場権を獲得すべく、頑張ってほしい。
4位のワン＆ワンは、素敵な演技だったのに、女性がすごく悲しそうで驚いた。練習ではもっと良い演技ができているということだろうか。NHK杯にも出場予定なので、そこでは納得いく演技ができますように。
5位はデラ・モニカ＆グアリーゼ。大きなミスがあったにもかかわらず、二人の滑りにぐいぐい引き込まれた。クリーンな演技が見たい。ものすごく見たい。
6位は川口＆スミルノフ。リフトが得意な彼らがミスするくらいだから、本調子から程遠い状態なんだろうなぁ。ロシアの国内選手権には何とか万全の状態で臨めるといいのだが。

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◆GPファイナル確定者
今大会の結果を受けて、ファイナル進出が確定した選手は、下記の通り。

  • シャオユー・ユー＆ハオ・ジャン（中国）

この組では初出場だが、前のパートナーと組んでいたとき、それぞれ出場している。